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Main Story〜アルファな彼とオメガな僕。〜
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しおりを挟む水分補給をした僕はサイズの大きいダボダボな服を着せられており、膝丈ワンピースという言葉がしっくりとくる姿で何故か抱き上げられて移動している。
抱き上げられたのが急だったため、ビックリしてしがみついてしまったのは不可抗力だ。許してほしい…ちなみに首に巻いていた包帯は発情状態の間に取れていた…
縦抱っこで寝室であろう部屋を出るとオシャレなブラインドグラスの扉が視界に入った。
見るからに高級感の漂うソレに気圧されていく…無意識にキュッと神無月様の服を握って肩口に口元を埋めていた…
微かに笑ったように感じたが…確認する勇気は出なかった…
危なげない足取りで真っ直ぐ廊下を進んでいく。そして、迷いなくその扉を開いた。
部屋の中はやっぱり高級感あふれる家具がセンスよく置かれていた。
電気機械を専門に扱っているお店や大きいショッピングモールでしか見たことないくらい大きな液晶のテレビが壁に鎮座している。
物珍しげにキョロキョロと周りを見渡していると、クッションが敷き詰められたソファーに僕を降ろした。
周りを見渡しても明らかにこのソファーだけクッションの数が多い。このクッションの数からして僕の身体への負担を減らす為に準備しているみたいに思えた。
ソファーへちょこんと座っているのを確認すると、先程入ってきた扉とは別の扉を開けて消えていった。
この部屋に不釣り合いに思うと何だか凄く落ち着かなくなる。そして、今まで気にならなかった自分が着ている服が気になってくる。
全くサイズの合っていないワイシャツに自分の身体がスッポリ収まっており腕を振ると、やはりあの匂いが漂ってくる。
遠慮がちに袖へと鼻を寄せてスンスン匂いを嗅ぐと先程よりも鮮明に匂いが分かる。
あの怖い人が僕の番…怖いけど離れたくないという矛盾した気持ちが生まれている。
いや、もう僕は捕らわれているのかもしれない…
寧ろあの怖い人と離れる事はできないのだろう。
番を解消されてしまったら…オメガ専用のシェルターに入るしかなくなる。
そして、その場所でオメガの機能が失われ短命になるか、番に捨てられた悲しみに耐えられず狂うのか、もしくは自ら命を断つかの3択になるだろう。
オメガに選択肢はないが、アルファには選択肢がある…悲しいけれどコレが現実であり、実際にそうなったオメガがいるのは事実だ。
漠然とした不安はあるものの既にもうあのアルファに手綱を握られているので、僕は捨てられない事を願うしかない…
*
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