可笑しくなった親友と距離を置いたら、いろいろすっ飛ばして急展開した後に隣の席の子と急接近した俺の話

本編

(６)可笑しくなった親友と距離を置いたら、元親友から絡まれ始めた。ー親之SIDEー

　
　「ねぇ、邪魔しないでくれる？」という憎悪の籠もった声だった。邪魔も何も、邪魔をしているのは愛羅であって真ではない。

　「今、俺は真と話をしていた。それを遮り押し退けたのは愛羅、お前だろう？謝ることはあれ、怒るのは間違いだ。」

　そう言ってやると、顔を赤くして鼻を摘んだ真が微かに視界に入る。そして、分かりやすく顔を歪める愛羅。『コイツ、マジで何がしたいんだよ。』という意味を含めて見つめると、わざとらしく目を潤ませて走り去った。

　嵐が去った。皆がそう思っただろう…が、話はそこで終わらなかった。

☆

　翌日教室に入ると名前も知らぬクラスメイトに思わぬ事を聞かされた。なんでも、愛羅が 俺から・・・イジメを受けていると言いふらしているのだとか…

　頭をぶつけてから愛羅のヤバすぎる奇行は学園中に広がっているので特に何があるわけでもないが、愛羅が他にもやらかすかもしれないから俺に気をつけるように忠告してくれたようだ。
　なんとも迷惑すぎる話である。取り敢えず、クラスメイトには礼を言って席に付いた。

　「ち、親之大丈夫なの？」
　「真も大丈夫なのか？同室だろ？」
　「あ、うん。その辺は大丈夫！モブには興味ないんだって！」
　「モブ？」
　「あ、いや…何でもないよ！気にしないで！」

　そう言って笑っていたが、真もだが…愛羅もメインやらモブなどの言葉を使っていた。
　前に愛羅が言っていた事と関係性がありそうだな…

☆

　愛羅の問題行動が祟ったのか何なのか…愛羅の両親へ連絡が行ったらしく、何故か俺の方に連絡が入りそして、何故か責められた。

　『しっかり見守ってくれないと困る』やら『親之君が付いていながら』やらその他にもいろいろと言われたが殆ど聞き流した。

　俺を責める言葉を聞くたびに愛羅の両親への申し訳ないという気持ちも消えて行き、電話を切る頃には全ての気持ちが吹き飛んでしまっていた。
　いつまで甘やかせば気が済むんだ。自分たちの息子に嫌われたくないからなのか俺に丸投げしてくる。

　頭をぶつける以前になるべくしてなったのではないか？と思ってしまったのも仕方ないと思う。

　この親ありきで、この子どもか…と納得してしまった。
　
　
＊