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5章 学校に降り立つ神
教祖あらわる
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それから一週間は経った頃。帰り支度をして教室を出ると、隣の一年B組から話し声が漏れてきた。「蛇神様、蛇神様、おいでください」繰り返しそう聞こえてくる。まるで呪文のような。
そういえば、一年B組には林田さんがいた。ふとそんなことを思い出す。そっと教室を出て一年B組のドアから中の様子をこっそり覗き込んだ。数人の女の子たちが机を囲んで、机に向かって二礼、二拍手、一礼した。机の上に硬貨が置かれ、その下に白い紙が敷かれている。女の子たちは硬貨の上に人差し指を載せた。こっくりさん、みたいなものだろうか?
「動いた……!」
髪の短い女の子がそう叫ぶと、他の子もいっせいにどよめき始めた。眼鏡を掛けた子――林田さんが落ち着き払って言う。
「静かに。蛇神様がおいでなさったのよ」
へびがみさま。確かにそう聞こえた。神木先輩から聞いた話は本当だったらしい。おいでなさったということは――彼女たちがやっているのは蛇神様を呼び寄せる“儀式”なんだろうか?
「蛇神様はね、祥天高校に住まう神様なの。生徒が困っている時に力を貸してくださる守護霊のような方よ」
……という設定らしい。地域に根差す神様の話は聞いたことがあるけど、学校に宿る神様なんているんだろうか。僕は半分ひやかすような気持ちで彼女たちの行動を見守った。
「神は信仰を必要とするの。私たちが信じれば信じるほど蛇神様の力も輝きを増すわ。信心の証明に、私たちは供物を差し出す必要があるけれど準備はいい?」
よどみなく語られる林田さんの言葉に他の女子たちはためらいつつも頷いた。供物……お供えが必要ということか。それはこっくりさんにはないオリジナリティだった。
「鈴木さん、蛇神様に願いをお伝えして。正直に言うのよ、嘘を言っちゃだめ」
林田さんに促されて、鈴木さんという生徒はおずおずと口を開いた。彼女は小柄だけど猫背のせいで一層縮こまってみえる。顔は決して悪くないけど、何かに怯えたような表情が印象的だった。
「同じクラスの篠崎さんに……嫌がらせをされています。教科書を隠されたり、無視されたり、わざと聞こえるように私の悪口を言ったり……」
本人は直接その言葉を出さなかったけれど、いじめということだ。話をすると次から次へと嫌なことを思い出すのだろう。声を詰まらせてうつむく鈴木さんの肩に林田さんが手を掛けた。
「大丈夫よ。蛇神様が助けてくださるから」
林田さんが硬貨に向かって呼びかける。まるで祭司や神父のようだった。女子の信仰を集める今の彼女は、まさにそういう存在に近しい者だったのかもしれない。林田さんは静々と、何もない天井を仰いでこう言った。
「蛇神様、蛇神様、鈴木さんを理不尽な苦しみから救ってあげてください」
そして一瞬、教室の中は静まり返った。何も起きない。
けれど。視線を感じた。
ゆっくり振り返っても、何もいない。それでも背中を筆でなでられたような寒気がまとわりついている。尾を引くような悪寒と、じわじわ立ち上ってくる緊張感に体が固まった。
なんだ、この感覚は? 教室の中にいる彼女たちの顔にも同じような動揺の色が浮かんでいる。僕の気のせいじゃないはずだ。けれど林田さんはうろたえるどころか、落ち着き払ってこう言った。
「大丈夫、きっと蛇神様に願いが届いたわ。あとは信じて待つだけよ」
そんな林田さんの声がとても遠くで響いているような気がした。不安そうだった彼女たちも林田さんの言葉を聞いて一応納得したのか帰りの準備を始めた。慌てて僕は教室の入り口から走り去る。まるで教室から家へと逃げ帰るように。
二日後――昼休みにトイレへ行こうとしたら一年組B組の教室から鈴木さんが出てきた。あの日に見た時の沈んだ表情とはうってかわって晴れ晴れとしている。僕が不思議に思っていると鈴木さんのそばにいる友達(だと思う)人たちがこぞって祝福した。
「篠崎さん転校するんだって」
「親の仕事の都合らしいけど良かったね」
「これって蛇神様のおかげかな?」
いじめっこの篠崎さんが親の仕事の都合で転勤したという話だった。それだけなら偶然かもしれない。けれど蛇神様の“力”はその後も立て続けに奇跡を起こした。
「林田さんありがとう。なくなった時計、今日学校に来たら机の上にあったの。蛇神様が届けてくれたのかな。あれ、高校の入学祝いで買ってもらったものだから見つからなくて困ってたんだ」
「里香、圭哉くんと付き合うんだって? いいなー。私も蛇神様にお願いすればあんなカッコイイ彼氏できるかなぁ」
「助かったぁ。今度のテストで赤点取ったら塾に通わせるって親に脅されてたからさぁ。蛇神様にお願いしたらテスト中にね、答案の上に答えが浮かび上がってくるんだもん。びっくりしちゃった。いつもより点数高すぎてカンニング疑われちゃったけど」
誰かが時計を拾って机の上に届けてくれた。実は圭哉くんも里香さんの事が好きだった。そう考えられなくはない。ただ、いくらなんでも三つ目はありえなかった。「テストの回答が浮かび上がってくる」は、本人の嘘でないなら、どう説明すればいいのか。
僕は蛇神様に対して疑い半分、興味半分といった関心を持ち始めた。そして怪異体験クラブの部室の扉を叩く。放課後の部室にいるのは真咲先輩、神木先輩、野々宮先輩、そして僕。僕が開口一番、蛇神様の話をすると真っ先に食いついてきたのは野々宮先輩だった。噂好きの彼女も林田さんの話は聞いていたけど、具体的なこと――蛇神様が起こした奇跡? までは知らなかったらしい。
「すっごーい! 林田ちゃんって本当に蛇神様? ってのが呼べちゃうの?」
「でも蛇神様を呼ぶ時は毎回“お供え”がいるみたいですよ」
「そうなの? 保科ちゃん詳しいね」
「ここのところ毎日、放課後に隣のクラス……一年B組から声がするんです」
蛇神様、蛇神様、おいでください。と。
「段々声も大きくなってるっていうか人が増えているみたいだし、本当にご利益があるのかもしれませんね」
「えー、じゃあ桃も何かお願いかなえてもらうかな」
サーティのアイス食べ放題でしょ、リズの服買い放題でしょ、それからディズランで遊び放題……と、先輩は願望を次々と口にする。わざわざ蛇神様に頼むようなものでもない他愛ないけど――素朴で平和な願いごとだった。野々宮先輩らしいなと思う。
「関わるなっつったろ」
なごやかな雰囲気をぶち壊したのは神木先輩のつっけんどんな言葉だった。声色から普段より一層不機嫌そうなのが分かる。
そして珍しい、と思った。こうやって僕たちが部室で雑談していても神木先輩がその輪に入ってくることは滅多になかったから。僕は慌てて言いつくろった。
「え、はい。僕は外から見てるだけです。お近づきにはなりたくないですから……」
僕の弁解も終わらないうちに、神木先輩は立ち上がってカバンを肩に引っ掛けた。そのまま部室を出ようとする彼の左手が目に入り、僕は思わずまじまじと見つめた。先輩の左手首には数珠がはまっていた。シンプルな木造りの小さな数珠。制服を着崩した金髪という、ちょっとアウトローな見た目の先輩には不釣り合いなアクセサリーだと思った。
僕の思いを知ってか知らずか、先輩は上履きを踏み鳴らして部室を出て行った。野々宮先輩が机に頬杖をつく。
「神木ちゃんってさ、いつもはリアクション薄いのに時々ああやって反応してくれるんだよねぇ。まぁ、大体言いたいことだけ言って、後は黙っちゃうんだけどさ……」
そこで野々宮先輩は言いよどんだ。僕が彼女の方を振り返ると、先輩は言いにくそうに小さくつぶやく。
「神木ちゃんが食いついてくる時ってさ、良くないことが起こる時なんだよね」
そういえば、一年B組には林田さんがいた。ふとそんなことを思い出す。そっと教室を出て一年B組のドアから中の様子をこっそり覗き込んだ。数人の女の子たちが机を囲んで、机に向かって二礼、二拍手、一礼した。机の上に硬貨が置かれ、その下に白い紙が敷かれている。女の子たちは硬貨の上に人差し指を載せた。こっくりさん、みたいなものだろうか?
「動いた……!」
髪の短い女の子がそう叫ぶと、他の子もいっせいにどよめき始めた。眼鏡を掛けた子――林田さんが落ち着き払って言う。
「静かに。蛇神様がおいでなさったのよ」
へびがみさま。確かにそう聞こえた。神木先輩から聞いた話は本当だったらしい。おいでなさったということは――彼女たちがやっているのは蛇神様を呼び寄せる“儀式”なんだろうか?
「蛇神様はね、祥天高校に住まう神様なの。生徒が困っている時に力を貸してくださる守護霊のような方よ」
……という設定らしい。地域に根差す神様の話は聞いたことがあるけど、学校に宿る神様なんているんだろうか。僕は半分ひやかすような気持ちで彼女たちの行動を見守った。
「神は信仰を必要とするの。私たちが信じれば信じるほど蛇神様の力も輝きを増すわ。信心の証明に、私たちは供物を差し出す必要があるけれど準備はいい?」
よどみなく語られる林田さんの言葉に他の女子たちはためらいつつも頷いた。供物……お供えが必要ということか。それはこっくりさんにはないオリジナリティだった。
「鈴木さん、蛇神様に願いをお伝えして。正直に言うのよ、嘘を言っちゃだめ」
林田さんに促されて、鈴木さんという生徒はおずおずと口を開いた。彼女は小柄だけど猫背のせいで一層縮こまってみえる。顔は決して悪くないけど、何かに怯えたような表情が印象的だった。
「同じクラスの篠崎さんに……嫌がらせをされています。教科書を隠されたり、無視されたり、わざと聞こえるように私の悪口を言ったり……」
本人は直接その言葉を出さなかったけれど、いじめということだ。話をすると次から次へと嫌なことを思い出すのだろう。声を詰まらせてうつむく鈴木さんの肩に林田さんが手を掛けた。
「大丈夫よ。蛇神様が助けてくださるから」
林田さんが硬貨に向かって呼びかける。まるで祭司や神父のようだった。女子の信仰を集める今の彼女は、まさにそういう存在に近しい者だったのかもしれない。林田さんは静々と、何もない天井を仰いでこう言った。
「蛇神様、蛇神様、鈴木さんを理不尽な苦しみから救ってあげてください」
そして一瞬、教室の中は静まり返った。何も起きない。
けれど。視線を感じた。
ゆっくり振り返っても、何もいない。それでも背中を筆でなでられたような寒気がまとわりついている。尾を引くような悪寒と、じわじわ立ち上ってくる緊張感に体が固まった。
なんだ、この感覚は? 教室の中にいる彼女たちの顔にも同じような動揺の色が浮かんでいる。僕の気のせいじゃないはずだ。けれど林田さんはうろたえるどころか、落ち着き払ってこう言った。
「大丈夫、きっと蛇神様に願いが届いたわ。あとは信じて待つだけよ」
そんな林田さんの声がとても遠くで響いているような気がした。不安そうだった彼女たちも林田さんの言葉を聞いて一応納得したのか帰りの準備を始めた。慌てて僕は教室の入り口から走り去る。まるで教室から家へと逃げ帰るように。
二日後――昼休みにトイレへ行こうとしたら一年組B組の教室から鈴木さんが出てきた。あの日に見た時の沈んだ表情とはうってかわって晴れ晴れとしている。僕が不思議に思っていると鈴木さんのそばにいる友達(だと思う)人たちがこぞって祝福した。
「篠崎さん転校するんだって」
「親の仕事の都合らしいけど良かったね」
「これって蛇神様のおかげかな?」
いじめっこの篠崎さんが親の仕事の都合で転勤したという話だった。それだけなら偶然かもしれない。けれど蛇神様の“力”はその後も立て続けに奇跡を起こした。
「林田さんありがとう。なくなった時計、今日学校に来たら机の上にあったの。蛇神様が届けてくれたのかな。あれ、高校の入学祝いで買ってもらったものだから見つからなくて困ってたんだ」
「里香、圭哉くんと付き合うんだって? いいなー。私も蛇神様にお願いすればあんなカッコイイ彼氏できるかなぁ」
「助かったぁ。今度のテストで赤点取ったら塾に通わせるって親に脅されてたからさぁ。蛇神様にお願いしたらテスト中にね、答案の上に答えが浮かび上がってくるんだもん。びっくりしちゃった。いつもより点数高すぎてカンニング疑われちゃったけど」
誰かが時計を拾って机の上に届けてくれた。実は圭哉くんも里香さんの事が好きだった。そう考えられなくはない。ただ、いくらなんでも三つ目はありえなかった。「テストの回答が浮かび上がってくる」は、本人の嘘でないなら、どう説明すればいいのか。
僕は蛇神様に対して疑い半分、興味半分といった関心を持ち始めた。そして怪異体験クラブの部室の扉を叩く。放課後の部室にいるのは真咲先輩、神木先輩、野々宮先輩、そして僕。僕が開口一番、蛇神様の話をすると真っ先に食いついてきたのは野々宮先輩だった。噂好きの彼女も林田さんの話は聞いていたけど、具体的なこと――蛇神様が起こした奇跡? までは知らなかったらしい。
「すっごーい! 林田ちゃんって本当に蛇神様? ってのが呼べちゃうの?」
「でも蛇神様を呼ぶ時は毎回“お供え”がいるみたいですよ」
「そうなの? 保科ちゃん詳しいね」
「ここのところ毎日、放課後に隣のクラス……一年B組から声がするんです」
蛇神様、蛇神様、おいでください。と。
「段々声も大きくなってるっていうか人が増えているみたいだし、本当にご利益があるのかもしれませんね」
「えー、じゃあ桃も何かお願いかなえてもらうかな」
サーティのアイス食べ放題でしょ、リズの服買い放題でしょ、それからディズランで遊び放題……と、先輩は願望を次々と口にする。わざわざ蛇神様に頼むようなものでもない他愛ないけど――素朴で平和な願いごとだった。野々宮先輩らしいなと思う。
「関わるなっつったろ」
なごやかな雰囲気をぶち壊したのは神木先輩のつっけんどんな言葉だった。声色から普段より一層不機嫌そうなのが分かる。
そして珍しい、と思った。こうやって僕たちが部室で雑談していても神木先輩がその輪に入ってくることは滅多になかったから。僕は慌てて言いつくろった。
「え、はい。僕は外から見てるだけです。お近づきにはなりたくないですから……」
僕の弁解も終わらないうちに、神木先輩は立ち上がってカバンを肩に引っ掛けた。そのまま部室を出ようとする彼の左手が目に入り、僕は思わずまじまじと見つめた。先輩の左手首には数珠がはまっていた。シンプルな木造りの小さな数珠。制服を着崩した金髪という、ちょっとアウトローな見た目の先輩には不釣り合いなアクセサリーだと思った。
僕の思いを知ってか知らずか、先輩は上履きを踏み鳴らして部室を出て行った。野々宮先輩が机に頬杖をつく。
「神木ちゃんってさ、いつもはリアクション薄いのに時々ああやって反応してくれるんだよねぇ。まぁ、大体言いたいことだけ言って、後は黙っちゃうんだけどさ……」
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