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情報屋トゥリア
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「トゥリアか.....グループってことはこの王都を牛耳ってるのか...?」
トゥリアに疑問を抱きつつもウィリアムはギルドに向かうことにした。
石造りの街道を歩き人混みの中を通っていく、そうやって歩いていると悲鳴が聞こえた。
「きゃあああああ!」
ウィリアムは声がする方向へ向かおうと人混みを押し切り進んでいく、何がどうなってるかもわからないし案外大したことないかもしれない、だが好奇心というものは面白いものでウィリアムは少し不謹慎だがワクワクしていた。
「ん......あれは....」
背伸びをして見えたのは皮の衣を纏い、ナイフを自分と同じ年齢ほどのハイエルフ少女の首に突き立てている。
少女は何も言わずに目に涙を浮かべている
「おい!こいつがどおなってもいいのか!!」
山賊は兵士二人に向かって叫ぶ、手には壊れた手錠がぶら下がっており、おそらく連行中に手錠が壊れたのか壊したのかはわからないがそこで少女を盾にしたのだろう。
(あの状況じゃ兵士は動けない...今は野次馬が集まってるが一人でも前に出れば少女は殺されてしまう...どうすれば....)
今は昼、ほとんどの冒険者はクエストをクリアしようと街から出ている、いてもギルド内にいることが多く街、それも大通りにはほぼいないだろう、そしてだからこそわかってる、今出たら少女が死ぬことを。
「おい! 馬車を持ってこい! 食料と武器もだ!!」
山賊が叫び少女に僅かに切先が刺さり血が垂れる、早くしなければ少女が死ぬ可能性がある、このまま放って置いても慰めものにされる可能性がある、いつか出ないければ確実に終わる
「一瞬でも...隙ができれば....」
ウィリアムがそう呟くと後ろから声を掛けられる
「なあなあ、一瞬でも隙を作ればいいのか?」
ウィリアムが振り向くとそこにはトゥリアがいた。
「ああ....なんでもいいんだ、一瞬でいいから」
「そっか、そんじゃあ任せて」
そう言うとトゥリアは人混みに紛れ見えなくなってしまった。
トゥリアの言葉を信じてナイフを構えてゆっくりと野次馬の波を進んでいく。
そして最前列まで来ると周りを確認しつつ山賊に目を向ける
山賊だって馬鹿ではない、兵士だけではなく全体に注意を向けている、ゆっくり進めば発見される、だからといって走れば音でバレる、そうやっていると馬車が来てしまった。
山賊がゆっくりと馬車に近づく、そしてナイフを立てたまま袋や樽の中身を確認する
馬車は布が取られ周りが確認できる状態であり、布が周りに敷いてあれば近づけただろうがこれでは無理である。
(あいつ結局何も....)
トゥリアに怒りを少し覚えながらもナイフを持ち構える、もういつでも殺れるようにする
そうしていると馬車の中の麻袋から何かが飛び出す
「うおあああ!」
山賊が驚きで一瞬体勢を崩し、ナイフの先が僅かにずれるとウィリアムはナイフを前に投げ飛ばす、山賊が持っているナイフに当てようとするが外してしまう。
「しまった...!!」
その瞬間に4~5歳ほどの幼女が飛んでる最中のナイフをノールックで掴みナイフを叩き飛ばした、ウィリアムは一気に走り出し馬車の中へ飛び込む、山賊が急いでナイフを拾おうとした瞬間に矢が飛ぶ、民家の屋根上で兵士が待機していたのだ、そのまま安全を確保するために少女とその幼女を担ぎそのまま馬車を飛び出る
「今だ! 捕らえろ!」
兵士はすぐに確保するために馬車に向かうが山賊はそのまま馬車と馬を切り離し馬に乗って逃げていった。
「あの、大丈夫ですか?」
「ご...ごめんなさい...」
血は垂れているが致命傷ではない、かすり傷であった、ウィリアムは布で血を拭くと、ガラス瓶に入った水をかけ、包帯を少女に渡した。
幼女は何も口にせずただ無表情でいた。
「ちゃんと隙を作ったぜ」
後ろからトゥリアが突然現れ幼女を抱える
「その子は一体?」
「まあ、俺の弟子みたいなものだ、詮索はすんな」
「あの馬車もお前が?」
「ああそうさ、まあ部下のだがな、そんじゃあな」
そう言うとトゥリアはまた霞のように人混みの中に消えてしまった。
「すみません! さっきの方は...」
兵士が息を切らしながらウィリアムに話しかけてきた。
「いや、俺も分からないです、さっきの会ったばっかりでして」
「そうですか....せめてお礼でも言いたかったのですが....しかしあなただけでも居てよかった、ありがとうございます!」
ウィリアムは少し照れた、兵士にそして少しだが銀貨をもらった。
兵士が去るとウィリアムは駆け足でギルドに向かった。
「はあ...自分から突っ込んだとはいえ、遅れちまった...」
トゥリアに疑問を抱きつつもウィリアムはギルドに向かうことにした。
石造りの街道を歩き人混みの中を通っていく、そうやって歩いていると悲鳴が聞こえた。
「きゃあああああ!」
ウィリアムは声がする方向へ向かおうと人混みを押し切り進んでいく、何がどうなってるかもわからないし案外大したことないかもしれない、だが好奇心というものは面白いものでウィリアムは少し不謹慎だがワクワクしていた。
「ん......あれは....」
背伸びをして見えたのは皮の衣を纏い、ナイフを自分と同じ年齢ほどのハイエルフ少女の首に突き立てている。
少女は何も言わずに目に涙を浮かべている
「おい!こいつがどおなってもいいのか!!」
山賊は兵士二人に向かって叫ぶ、手には壊れた手錠がぶら下がっており、おそらく連行中に手錠が壊れたのか壊したのかはわからないがそこで少女を盾にしたのだろう。
(あの状況じゃ兵士は動けない...今は野次馬が集まってるが一人でも前に出れば少女は殺されてしまう...どうすれば....)
今は昼、ほとんどの冒険者はクエストをクリアしようと街から出ている、いてもギルド内にいることが多く街、それも大通りにはほぼいないだろう、そしてだからこそわかってる、今出たら少女が死ぬことを。
「おい! 馬車を持ってこい! 食料と武器もだ!!」
山賊が叫び少女に僅かに切先が刺さり血が垂れる、早くしなければ少女が死ぬ可能性がある、このまま放って置いても慰めものにされる可能性がある、いつか出ないければ確実に終わる
「一瞬でも...隙ができれば....」
ウィリアムがそう呟くと後ろから声を掛けられる
「なあなあ、一瞬でも隙を作ればいいのか?」
ウィリアムが振り向くとそこにはトゥリアがいた。
「ああ....なんでもいいんだ、一瞬でいいから」
「そっか、そんじゃあ任せて」
そう言うとトゥリアは人混みに紛れ見えなくなってしまった。
トゥリアの言葉を信じてナイフを構えてゆっくりと野次馬の波を進んでいく。
そして最前列まで来ると周りを確認しつつ山賊に目を向ける
山賊だって馬鹿ではない、兵士だけではなく全体に注意を向けている、ゆっくり進めば発見される、だからといって走れば音でバレる、そうやっていると馬車が来てしまった。
山賊がゆっくりと馬車に近づく、そしてナイフを立てたまま袋や樽の中身を確認する
馬車は布が取られ周りが確認できる状態であり、布が周りに敷いてあれば近づけただろうがこれでは無理である。
(あいつ結局何も....)
トゥリアに怒りを少し覚えながらもナイフを持ち構える、もういつでも殺れるようにする
そうしていると馬車の中の麻袋から何かが飛び出す
「うおあああ!」
山賊が驚きで一瞬体勢を崩し、ナイフの先が僅かにずれるとウィリアムはナイフを前に投げ飛ばす、山賊が持っているナイフに当てようとするが外してしまう。
「しまった...!!」
その瞬間に4~5歳ほどの幼女が飛んでる最中のナイフをノールックで掴みナイフを叩き飛ばした、ウィリアムは一気に走り出し馬車の中へ飛び込む、山賊が急いでナイフを拾おうとした瞬間に矢が飛ぶ、民家の屋根上で兵士が待機していたのだ、そのまま安全を確保するために少女とその幼女を担ぎそのまま馬車を飛び出る
「今だ! 捕らえろ!」
兵士はすぐに確保するために馬車に向かうが山賊はそのまま馬車と馬を切り離し馬に乗って逃げていった。
「あの、大丈夫ですか?」
「ご...ごめんなさい...」
血は垂れているが致命傷ではない、かすり傷であった、ウィリアムは布で血を拭くと、ガラス瓶に入った水をかけ、包帯を少女に渡した。
幼女は何も口にせずただ無表情でいた。
「ちゃんと隙を作ったぜ」
後ろからトゥリアが突然現れ幼女を抱える
「その子は一体?」
「まあ、俺の弟子みたいなものだ、詮索はすんな」
「あの馬車もお前が?」
「ああそうさ、まあ部下のだがな、そんじゃあな」
そう言うとトゥリアはまた霞のように人混みの中に消えてしまった。
「すみません! さっきの方は...」
兵士が息を切らしながらウィリアムに話しかけてきた。
「いや、俺も分からないです、さっきの会ったばっかりでして」
「そうですか....せめてお礼でも言いたかったのですが....しかしあなただけでも居てよかった、ありがとうございます!」
ウィリアムは少し照れた、兵士にそして少しだが銀貨をもらった。
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