生きる世界と冒険譚

山田浩輔

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ファラルの武器

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　宿屋のベットの上にウィリアムは寝ていた。
　疲労による眠気でベットにダイブしそのまま寝てしまったためマントや鎧は地面に無造作に地面に置かれていた。
　カーテンの間から日光が差して目を覚ますとゆっくりと起き上がる。
　「おい、ミメーシス」
　(どうした、人の子)
　「お前の能力はなんだ？　今のうちに知っておきたい」
　(我の力は今では声の模倣のみだ、力が高まれば、魔法、技術、姿見などを模倣することができる、この力は古代ダンジョンなら元から全て使える、信仰の声が空気に溶け込んでいるからだ)
　「それじゃあ古代ダンジョンを開けっぱなしにすれば少しは交わるか？」
　(可能だ、しかしそれは殆ど意味をなさない、信仰を深めることが重要なのだ)
　「なるほど、まあ開けておいて損はないんだな？」
　(そういうことだ)
　ウィリアムはミメーシスの能力について少し知ると起き上がり伸びをして、地面に落ちている鎧とマントを着ると扉を開ける。

　「ヤッホー！　ウィリアム！」
　「....どうかした？　フェイル....」
　いつもとは違う満面の笑みに少し恐怖しながらウィリアムは訳を聞く。

　「あの金貨でだいぶ私も小金持ちになったのよ！　ついてきてよかったわ！」
　フェイルは袋いっぱいに詰められた銀貨をウィリアムに見せつけながら言う、ウィリアムは冷や汗を少しかく。
　「そうか、じゃあ俺はもういくわ！」
　ウィリアムは早足で離れて宿屋を後にするとウィリアムはミメーシスに話しかける。
　「ミメーシス、声の模倣はどれくらい使えるんだ？」
　(微調整を必要とするため、時間はかかる、しかし直接触ることができれば模倣可能だ、ただし触る場合はしっかりと意思を持って触れ)
　「それじゃあ適当にぶつかればいいか？」
　(そうだな、誰でもいい、触れることが重要だ)
　「それじゃあ分かりやすく...適当に女性に当たる、そいつを模倣してくれ」
　(よかろう)
　そうしてウィリアムは人混みの中に入り適当に少女にぶつかる。
　「あ痛！」
　ウィリアムにぶつかると少女は倒れて尻餅をつく
　「あ...！　すみません、怪我はありませんか？」
　ウィリアムはすぐに謝罪をして手を出す。
　「ああ...大丈夫です」
　少女はウィリアムの手をとり起き上がる。
　そこでウィリアムは少女が背負うとあるものに目を付ける。
　「それは一体....」
　ウィリアムが指を指したものは銃であった。
　「これは銃です、リライプルじゃまだ珍しいかもですね、ファラルって言う国にある武器なんですよ？」
　少女は銃をウィリアムに見せつけて説明をする。
　「この武器は錬金術の産物から生まれた物で、遠距離攻撃ができるんです、よかったら使うところを見せましょうか？」
　「そうか.....うん、じゃあ見せてほしいかな」
　ウィリアムはミメーシスの能力を試したいとも思ったが銃に興味を引かれ、少女の提案に乗る。

　～クルード周辺の草原～
　
　「ここでやりましょうか」
　草原全体が見える丘の上で少女は銃を取り出す。
　「そういえば、名前聞いてなかったっけ？　なんて名前？」
　ウィリアムが少女に名前を聞くと少女は笑顔で答える。
　「私の名前は結衣、小野原結衣だよ！」
　「結衣か、よろしくな」
　(ファラルは100年近くリライプルや他の国と交流のない国だから魔法が存在しない国の武器か.....)
　結衣はまず魔力結石を指で触れてから銃口から魔力結石を入れて次に火薬を入れる、するとウィリアムは声をかける。
　「その黒い粉はなんだい？　初めて見るんだけど....」
　「これは火薬って言ってね、簡単に言えばこれに火がつくと爆発するの」
　ウィリアムは火薬に驚きながら黙って結衣の準備を見届ける。
　弾を銃口から入れ、棒で押し込むとと結衣はようやく銃を構える、杖とは違う構え方に少し疑問を抱きつつも見ていると結衣が引き金を引くと結石の部分が開く。
　「ファイア」
　結衣がつぶやくと銃声が鳴り響き構えた方向にいた兎に穴が空く。
　ウィリアムは音に驚き後ろに倒れてしまう。
　「どうですか？　これが銃....です....？」
　ウィリアムのびっくりするほど情けない姿に結衣は少し困惑しつつも銃口を掃除する。
　「なんというか....時間かかるんだな....」
　銃の威力よりも装填の長さに目がいき強さがわからない
　「音は結構大きいし装填も長い…本当に強いの？　それ」
　銃を指差すと結衣はムッとする。
　「この強さは弓矢より攻撃力は高いし魔法並みの威力を出せる、しかも魔力無しでも撃てるんですよ？」
　「でもそれって接近戦じゃ役に…」
　「わかりました！　そんなにファラルの技術を中にするなら教えてあげましょう！　あなたの装備的に旅人か冒険者ですよね！　その目に焼き付けるといいですよ！」
　
　そうしてウィリアムは、新しい仲間として結衣が仲間になった。

　「…その武器…めちゃくちゃ強くないか？」
　ヒューズは銃を持ち上げ観察する、結衣はヒューズに対してこれでもかと銃のメリットを説明し、興奮している。
　「この武器は準備時間さえあればかなりの威力がある、俺たちが時間を稼げば装填の時間も稼げるだろ、こいつが仲間に入るってかなりありがたいと思うぞ？」
　ヒューズは銃を結衣に返すと席に戻る。
　「とりあえず歓迎しようじゃないか、新メンバーとして」

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