生きる世界と冒険譚

山田浩輔

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双剣の傭兵

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 ピカトムがエレナの腕に刻み続けていく、しかし突然鎖が飛び出しピカトムの方向へと一直線に飛ぶ。
 「おっと!」
 ピカトムは反射的にエレナを盾にし、エレナに鎖が絡みつく。
 ウィリアムが鎖を目で追っていくと、その先にはフォルトがいた。
 「うおおおおおお!!」
 フォルトが全身の力を使い鎖を引くが、ピカトムは片手で掴んだままびくともしない。 
 「フォルト! 気合い入れろよ!!」
 ピカトムはウィリアムがナイフを数本投げてきたのを見た瞬間にエレナを盾にする。
 「可哀想に...仲間に殺されてしまうとは....なんと恐ろしい...」
 ピカトムがエレナをどかすと既にウィリアムが目の前に来ていた。
 「てめえの視界防げりゃ十分なんだよ!!」
 ウィリアムはピカトムの顔面に蹴りを入れ、ピカトムの力が緩む。
 「うおおおおお!!」
 フォルトが鎖を引き上げエレナを救出するとフォルトは体制を崩す。
 「そんなことをしたところで...」
 ピカトムは地面に落ちた木の枝に目をやる。
 「なるほど...ブラフか...だがな」
 ウィリアムは剣を振りかぶり振り下ろすがピカトムは祈祷を使う。
 「アケディア、解けよ」
 ウィリアムの剣を素手で掴んだ瞬間に刃が一瞬にして錆びていく、そのままウィリアムの剣を奪った。
 「な...!?」
 ピカトムはフォルトの方へ向かうとウィリアムの剣でエレナにとどめを刺そうとする。
 フォルトは電撃をもう使えない、雷鎖剣では防御などすることができない、ウィリアムが足を動かすが間に合わない、そんな時だった。
 
 金属音が鳴り響きピカトムが後ろに飛ぶ。
 「そこにいるやつを殺せばいいのか?」
 そこにいたのはウィリアムに金で雇われた傭兵、リカルであった。
 
 リカルはピカトムの首元に剣を普通と同時に腹部に向かって剣で突く。
 
 ピカトムは剣撃を回転で躱すと同時にフェイルが魔法を撃つ
 「ファイアアロー!」
 ピカトムに命中し燃え上がるがすぐにマントを外す。
 「そろそろ本気で行くか...」
 ピカトムは背中から鎖の巻き付いたレイピアを取り出すと今までよりずっとはやい速度で動き出す。
 ウィリアムは盾で後ろに飛びながら防御すると切先が当たった瞬間に、盾が消滅した。
 「え?」
 音もなく消え、ウィリアムは驚きながらもレイピアを避け、受け身を取る。

 「なんだ...いまの?」
 ウィリアムは疑問を口にするとリカルが疑問に答える
 「その武器に気をつけろ、あの武器の名は原罪、噂じゃ異空間に飛ばすって聞くが...突き刺したものを消滅させる、気をつけろ」
 
 「フォルト! エレナを持って外に出てくれ! 俺たちが引き止める!」

 「わかりました!」
 フォルトはエレナを担ぐとフェイル共に走り出した。
 「まあいいか」
 ピカトムはフォルトを横目で流すとウィリアムに特攻を仕掛ける。
 ピカトムとリカルが剣を激しく打ち合う、刺突でなければ原罪の効果は発動せずに戦える、ゆっくりとだがリカルが押され始めると、ウィリアムはピカトムに剣を普通が当たらない、そして次の瞬間にウィリアム、リカルは吹き飛ぶ。
 ウィリアムは意識を失うがフェイルがリカルを起きあがらせる。
 「まずいわね...リカル、あんたは他の仲間を呼んできてくれない? 流石にこれは無理よ」
 「.....死ぬぞ?」
 「構わないわ、死ぬことが怖くて冒険者やる馬鹿なんていないもの」
 「わかった」
 リカルは仲間を呼びに外出る、しかしピカトムは相変わらず追撃をしようとはせずにウィリアムにゆっくりと近づく。
 「ウィンドアロー!」
 魔法を打ち出すが先ほどのような勢いがなく弱まっている、魔力が枯渇し始めていたのだ。

 「こんなところで!?」
 フェイルはナイフで仕方なく近接戦を行うがピカトムはすべてかわす、ギリギリまで接近されピカトムは刺突こそ行えないが打撃を加え少しずつフェイルにダメージが蓄積していく。
 ピカトムはフェイルを蹴り飛ばすとウィリアムの頭を鷲掴みにするとフェイルに手をかざす。
 「インウィディア、縛せよ」
 周りの石や金属が突然姿を変え鎖となり四方八方からフェイルを襲う、初撃のみは避けることができたが以降の鎖を交わすことができず両手両足を拘束されてしまった。
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