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白熱した鋼
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「よっと!」
鍛冶場にて金属音が鳴り響く。
結衣が白熱した鋼を叩き、ロルフが一テンポ遅れる形で鉄を叩く。
「なんかここ...暑いな...」
ウィリアムが汗を拭きながら言う。
「炉は熱いですからね、別にここにいなくてもいいんですよ?」
「まあなんとなくな~、ちなみに今は何を作っているんだ?」
ウィリアムは大きなあくびをすると頬杖をつく。
「これは剣ですね、今は折り返し鍛錬をしています」
「折り返し鍛錬?」
「折り返し鍛錬は折って曲げて叩くんですが、これをすると不純物が飛んだり鋼の中の硬度が均一になるんです!」
「....そんなのどうやってわかるんだよ....」
ウィリアムは疑問を口にすると結衣も首を傾げる。
「さあ...? 教えられたけど、なんでか考えたことありませんね...」
「まあ実際に強くなるんならいいか...」
ウィリアムは疑問をあまり追求をせずにまたしばらく黙って鍛治を見続けた。
~数時間後~
水に刃を入れると湯気が上がりジュワジュワと音が鳴る。
「もうできたのか?」
ウィリアムは杖をつきながらゆっくりと結衣の元へ近づく。
「あとは柄を付ければ使用はできますね」
「ほえ~、すげえな」
初めて武器の完成を見たことで少し感動をウィリアムは覚えるが、義足について少し気になり言及する。
「なあなあ、俺の義足っていつできんの?」
結衣はギョッとするとしばらく黙り込む。
「え? すまん、なんかまずいこと言ったか?」
「完全に忘れてました...」
「おえぇ!?」
予想外の回答にウィリアムは驚き謎の奇声を上げる。
「え、嘘!? 俺右足無いし思う出さない?普通」
「いやあ、久しぶりの家事仕事で完全に...」
「ロルフもなんか言ってくれよ!」
ウィリアムはロルフに向かって言うとロルフは頭を掻きながら
「いやあ...あとで作るのかなって...」
「はあ....まあいいや、頼んだぜぇ?」
日はすっかり暮れて夕方、ウィリアムは馬小屋に戻ると星草のベットの上にダイブする。
「おいおい...せっかく綺麗にしたのに台無しじゃねえか...」
ヒューズがため息をつくとシーツを引き直す。
「いいじゃねえか...俺は重症なんだぞ...」
「エレナの件はまだ本人には伝えてないのか?」
「まあな...包帯は取らせないようにしてる、あんなのトラウマになりかねないからなあ...」
「そうか...まあその内伝えるんだぞ...」
「へいよ~」
「あ、帰ってきてたんですね」
フォルトがちょうど馬小屋に戻ってくるとカバンを無造作に地面に置く。
「ああ...まあ義足が出るまで俺はあんまりできるこちはないかもなあ...」
「そうですね...そういえば結局、ホライドにわざわざきた理由はなんなんですか?」
フォルトがウィリアムにホライドに来た理由を尋ねるとウィリアムはミメーシスに静かに声をかける。
「ミメーシス...結局その兵器ってなんなんだ? 教えてくれよ」
(兵器の名はゼロ、飛び道具を兼ね備え、空を自由に飛ぶことができる、ここからさらに北の最果ての洞窟に隠されている、紙とペンを用意しろ)
ウィリアムはミメーシスに言われた通りに紙を用意してペンを持つとミメーシスが指示し、地図を作っていく。
「これはホライドの地図ですか? いつ確認したんですか?」
フォルトの疑問にウィリアムは少し考えたが正直に伝える
「前言ってた精霊の声に従って書いてるんだ、気はきかないが結構優秀だぜ?」
「精霊さんと言うのは結局は神と同義の扱いでよろしいんでしょうか?」
「....どうなんだ? ミメーシス」
(全く違う、しかし人間の価値観からすれば同義ととって構わない)
「難しいことはよくわからないけど同じでいいって」
「そうですか、やっぱり異教徒ってことになっちゃうんですかね~」
「まあそうだな....よし、できたぞ」
そこにはホライド全体を囲った地形までを再現した地図ができていた。
「この線の部分は高さとかも含めてるらしい」
「これはすごいですね...新しい地図として十分使えそうですね...」
フォルトは地図を天に掲げ、まじまじと地図を見続ける。
「んで...そこにバッテンがあるだろ? ここに向かうつもりなんだ」
「最北....なかなか厳しい旅になりそうですね...」
「目標がはっきりしたんだ、着実に進んでいこう」
鍛冶場にて金属音が鳴り響く。
結衣が白熱した鋼を叩き、ロルフが一テンポ遅れる形で鉄を叩く。
「なんかここ...暑いな...」
ウィリアムが汗を拭きながら言う。
「炉は熱いですからね、別にここにいなくてもいいんですよ?」
「まあなんとなくな~、ちなみに今は何を作っているんだ?」
ウィリアムは大きなあくびをすると頬杖をつく。
「これは剣ですね、今は折り返し鍛錬をしています」
「折り返し鍛錬?」
「折り返し鍛錬は折って曲げて叩くんですが、これをすると不純物が飛んだり鋼の中の硬度が均一になるんです!」
「....そんなのどうやってわかるんだよ....」
ウィリアムは疑問を口にすると結衣も首を傾げる。
「さあ...? 教えられたけど、なんでか考えたことありませんね...」
「まあ実際に強くなるんならいいか...」
ウィリアムは疑問をあまり追求をせずにまたしばらく黙って鍛治を見続けた。
~数時間後~
水に刃を入れると湯気が上がりジュワジュワと音が鳴る。
「もうできたのか?」
ウィリアムは杖をつきながらゆっくりと結衣の元へ近づく。
「あとは柄を付ければ使用はできますね」
「ほえ~、すげえな」
初めて武器の完成を見たことで少し感動をウィリアムは覚えるが、義足について少し気になり言及する。
「なあなあ、俺の義足っていつできんの?」
結衣はギョッとするとしばらく黙り込む。
「え? すまん、なんかまずいこと言ったか?」
「完全に忘れてました...」
「おえぇ!?」
予想外の回答にウィリアムは驚き謎の奇声を上げる。
「え、嘘!? 俺右足無いし思う出さない?普通」
「いやあ、久しぶりの家事仕事で完全に...」
「ロルフもなんか言ってくれよ!」
ウィリアムはロルフに向かって言うとロルフは頭を掻きながら
「いやあ...あとで作るのかなって...」
「はあ....まあいいや、頼んだぜぇ?」
日はすっかり暮れて夕方、ウィリアムは馬小屋に戻ると星草のベットの上にダイブする。
「おいおい...せっかく綺麗にしたのに台無しじゃねえか...」
ヒューズがため息をつくとシーツを引き直す。
「いいじゃねえか...俺は重症なんだぞ...」
「エレナの件はまだ本人には伝えてないのか?」
「まあな...包帯は取らせないようにしてる、あんなのトラウマになりかねないからなあ...」
「そうか...まあその内伝えるんだぞ...」
「へいよ~」
「あ、帰ってきてたんですね」
フォルトがちょうど馬小屋に戻ってくるとカバンを無造作に地面に置く。
「ああ...まあ義足が出るまで俺はあんまりできるこちはないかもなあ...」
「そうですね...そういえば結局、ホライドにわざわざきた理由はなんなんですか?」
フォルトがウィリアムにホライドに来た理由を尋ねるとウィリアムはミメーシスに静かに声をかける。
「ミメーシス...結局その兵器ってなんなんだ? 教えてくれよ」
(兵器の名はゼロ、飛び道具を兼ね備え、空を自由に飛ぶことができる、ここからさらに北の最果ての洞窟に隠されている、紙とペンを用意しろ)
ウィリアムはミメーシスに言われた通りに紙を用意してペンを持つとミメーシスが指示し、地図を作っていく。
「これはホライドの地図ですか? いつ確認したんですか?」
フォルトの疑問にウィリアムは少し考えたが正直に伝える
「前言ってた精霊の声に従って書いてるんだ、気はきかないが結構優秀だぜ?」
「精霊さんと言うのは結局は神と同義の扱いでよろしいんでしょうか?」
「....どうなんだ? ミメーシス」
(全く違う、しかし人間の価値観からすれば同義ととって構わない)
「難しいことはよくわからないけど同じでいいって」
「そうですか、やっぱり異教徒ってことになっちゃうんですかね~」
「まあそうだな....よし、できたぞ」
そこにはホライド全体を囲った地形までを再現した地図ができていた。
「この線の部分は高さとかも含めてるらしい」
「これはすごいですね...新しい地図として十分使えそうですね...」
フォルトは地図を天に掲げ、まじまじと地図を見続ける。
「んで...そこにバッテンがあるだろ? ここに向かうつもりなんだ」
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