生きる世界と冒険譚

山田浩輔

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世界最強の剣士

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 「そっちいったぞ!!」
 森の中で熊が走り回りヒューズの元へ行く。 
 「フォルト!」 「ファイア!」
 フォルトが銃を撃ち、熊の胸に命中させる。
 「ヒューズ避けろ!」
 ヒューズは熊に大剣を振るい腕に刺さるが熊は構わず突撃する。
 「危ないぞ!」
 村の男が叫ぶが次の瞬間に地面の中に熊が突然落ちて串刺しになる。
 熊が通った地面が灰色のただの布に変わっていく。
 「おお...模倣が上手くいったな」
 ウィリアムは感心しながらも熊に近づき、とどめを刺す。
 「おっしゃあああああ!」
 「熊狩ったぞおおおお!」
 皆が一同に喜び、解体を終えると村に戻ることとした。

 「なあなあ」
 ウィリアムがフォルトに何気なく声をかける。
 「どうしました?」
 「熊って食えるのかなぁ?」
 フォルトは少し考えるそぶりをすると人差し指を立てる。
 「結構美味しいらしいですよ、食べたことないですけど」 
 「うわぁ信用できね~」
 二人がそんな会話してる時であった。
 

 突然爆発音が轟く。
 「なんだ!?」 
 皆が驚いていると次の瞬間にとんでもない速度で何かが飛び込み、フォルトは吹っ飛ばされる。
 「フォルト!!」
 ウィリアムが叫び、横を見るとそこには20歳ほどの刀を持った髪を纏めた男が立っていた。
 「みんな気をつけろ!!」
 ウィリアムが男に斬りかかるが剣撃を防がれ、さらには衝撃でウィリアムも吹っ飛ぶ。
 「お前らか、異教徒は」
 男はそう呟くとウィリアムに追撃を入れようとするがリカルが男に切り込む。
 剣同士が撃ち合い火花が飛ぶがリカルの攻撃は一度も当たっていない、ヒューズ、エレナ、さらに村の男達も加勢するが全て防がれ男達は半数以上が斬り殺される。

 「待て....思い出したぞ...」
 リカルが絶望の表情で口にするとウィリアムが耳を傾ける。
 「なんだ!? 一体誰なんだ!!」
 「あいつは...剣聖フェルリート....リライプル...いやこの世界で...最強の剣士だ...」
 
 「ウィンド!」
 エレナが風魔法を詠唱し木の葉を散らせフェルリートから視界を奪うとヒューズとエレナ、ウィリアムが同時に斬りかかる。
 「遅いな」
 フェルリートが一言言うとヒューズを蹴り飛ばしエレナの片足を飛ばしウィリアムの剣を刀で受ける。
 「うおっ!!」
 レオンよりも重い力に、ウィリアムは自分の剣に蹴りを加えて勢いを強くするが全く変わらない、フェルリートは一瞬剣を離すとウィリアムの剣に当て、自らの剣で自身の首を切り落としそうになる。
 ウィリアムは地面に倒れる形で剣を避けるがウィリアムの右腕は逆方向に折れてしまう。
 「ぐっ.....!!」
 ウィリアムはすぐに村人の死体から剣を取るとすぐに体勢を直す。
 リカルが剣を高速で振るうが全て防がれるどころかゆっくりとだがリカルの方に傷が少しずつ増えていく。
 「まずい....!!」
 エレナが横から切り込むがフェルリートには当たらずにフェルリートはエレナの両腕を切り落とす。
 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

 エレナはその場に倒れ込み、フェルリートがエレナにとどめを刺そうとするがウィリアムが飛び込み剣撃を打ち込む、しかしフェルリートに伏せがることもなく振りかぶった左腕を切り落とされ、ウィリアムはそのまま地面にうつ伏せになる。
 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

 ウィリアムは口でマントを引き、急いで腕の止血をするが血が止まらない、ヒューズが大剣を振り下ろし、フェルリートが受け止めた瞬間にリカルが片方の剣を投げ飛ばすがフェルリートはヒューズの剣を抑えたまま身体を捻ると剣を踏みつけにする。
 「今のでダメか...!?」
 そして次の瞬間にヒューズの右腕、リカルの胴体を切り離す。
 フェルリートがヒューズの心臓に刺突を行おうとするがウィリアムが剣を口に咥えながら突進する。

 そしてウィリアムは両足を落とされる。
 「片方は義足か....まあいい」
 フェルリートの視線がウィリアムに行った隙にヒューズは剣を拾いフェルリートの目を斬ろうとするがフェルリートの一撃で剣が叩き切られる。
 「終わりだ」
 フェルリートは刀を振りかぶる。
 「やめろおおおおおおおおおお!!」
 ウィリアムの叫びも虚しくフェルリートは剣を振り下ろした。
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