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第三話 信者の少年
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「お! いたいた」
木の根の土を掘り出し、幼虫を取り出すと土を落としてそのまま踊り食い、ココは口でビチビチ跳ねる感触を楽しみながら食事をしていると突然、少年が現れ、ココを見た途端に声を上げる。
「うおわ!!」
ココが振り向くとすぐに飛び立とうとするが少年がココの足に抱きつくように止める。
「へーリオス様! 待ってください!」
「はっ離せええ!!」
ココは翼をバサバサと羽ばたかせゆっくりと浮き出すがそれでも少年は離そうとはしない。
「死ぬから! 落ちたら死ぬから!」
「たとえ死んでも離しません!!」
「離さなきゃ死ぬんだよ!!」
少年は一向に離す気はなく、ココは振り払おうとするが少年は全力で抵抗する。
ジタバタとし続けるココであったが少年があまりにも抵抗するので諦めてゆっくりと着地する。
「ありがとうございます!」
少年は目をキラキラと輝かせながらココを見る、ココは頭をかきながらも訳を聞く。
「それで何しにきたの?」
「へーリオス様! 一緒に来ていただけませんか!?」
「え?」
ココは疑問を抱きながらも、少年の案内に従い、ついて行くことにした。
「へーリオス様は服を着ないんですか?」
少年の疑問に対し、ココは自分の姿を確認すると腕を組む。
「うーん...面倒臭いから着てないだけだね、服なんているのかなぁ...?」
「そうですか、じゃあとりあえずこれでも来てください!」
少年はローブを脱ぐとココに被せると、親指を立てる。
「バッチリです!」
「ありがとう、そういえば君の名前を聞いたなかった、名前はなんて言うの?」
「僕の名前はホセです!」
「...ところでさっきから言ってるへーリオスって? 私はへーリオスじゃなくてココって言うの」
ココが名を教えるとホセはさらに喜びの表情を見せる。
「わざわざ本名まで教えてくれるなんて! ココ様!ありがとうございます!」
「う、うん...」
そもそも名乗ったことのない名前を言われたことにココは困惑しつつも話を合わせることにした。
「僕たちの集落には今、神父様がいるのです」
「へぇ、それはどんな人なの?」
「ルイス様はいつも仮面を被っていて素顔は知りませんが、とても慈悲深く優しい方なのです! 僕は昔ルイス様に助けてもらったことがあったのですが、その時僕は——」
そのまま早口でずっと話を続け、一度も噛まないホセを見て、ココは若干の恐怖を覚えた。
_________________________________________________________
~レセッダ地下街~
「こんな感じでどうですか?」
そう言ってイワンは机の上にリボルバー拳銃を置く。
「随分と銃を小さくできたものですね」
フォルトが銃を手に取るとイワンが説明を始める。
「その武器は回転機構を取り入れた装填が短く連射を行える銃です、銃弾を真空状態にし、トリガーを引いた時のみに詠唱が発動します」
フォルトは銃を感心しながら見ながらイワンに聞く
「この銃はいくらなんだ?」
「本来なら金貨10枚、ですが今回はいらないですよ、私たちは協力関係にあるのですから」
不適な笑顔を浮かべるイワンを見ながらも、気にする様子もなく、フォルトは銃を机の上に置くと、地図を取り出す。
「これは私が作ったここから半径15kmを描いた地図で、高低差、川、住んでいる生物、完全に示されています」
イワンはその地図を見て驚愕する、それはあまりには広く、人間に書き切れるとは思えないほど精巧な出来であったからである。
「これをいったいどうやって...」
「これは私のとある力のおかげでしてね、詮索は結構、もっとやるべきことがあるでしょう?」
フォルトの得意げな表情とともに、それ以上に得体の知れない何かをフォルトは醸し出していた。
木の根の土を掘り出し、幼虫を取り出すと土を落としてそのまま踊り食い、ココは口でビチビチ跳ねる感触を楽しみながら食事をしていると突然、少年が現れ、ココを見た途端に声を上げる。
「うおわ!!」
ココが振り向くとすぐに飛び立とうとするが少年がココの足に抱きつくように止める。
「へーリオス様! 待ってください!」
「はっ離せええ!!」
ココは翼をバサバサと羽ばたかせゆっくりと浮き出すがそれでも少年は離そうとはしない。
「死ぬから! 落ちたら死ぬから!」
「たとえ死んでも離しません!!」
「離さなきゃ死ぬんだよ!!」
少年は一向に離す気はなく、ココは振り払おうとするが少年は全力で抵抗する。
ジタバタとし続けるココであったが少年があまりにも抵抗するので諦めてゆっくりと着地する。
「ありがとうございます!」
少年は目をキラキラと輝かせながらココを見る、ココは頭をかきながらも訳を聞く。
「それで何しにきたの?」
「へーリオス様! 一緒に来ていただけませんか!?」
「え?」
ココは疑問を抱きながらも、少年の案内に従い、ついて行くことにした。
「へーリオス様は服を着ないんですか?」
少年の疑問に対し、ココは自分の姿を確認すると腕を組む。
「うーん...面倒臭いから着てないだけだね、服なんているのかなぁ...?」
「そうですか、じゃあとりあえずこれでも来てください!」
少年はローブを脱ぐとココに被せると、親指を立てる。
「バッチリです!」
「ありがとう、そういえば君の名前を聞いたなかった、名前はなんて言うの?」
「僕の名前はホセです!」
「...ところでさっきから言ってるへーリオスって? 私はへーリオスじゃなくてココって言うの」
ココが名を教えるとホセはさらに喜びの表情を見せる。
「わざわざ本名まで教えてくれるなんて! ココ様!ありがとうございます!」
「う、うん...」
そもそも名乗ったことのない名前を言われたことにココは困惑しつつも話を合わせることにした。
「僕たちの集落には今、神父様がいるのです」
「へぇ、それはどんな人なの?」
「ルイス様はいつも仮面を被っていて素顔は知りませんが、とても慈悲深く優しい方なのです! 僕は昔ルイス様に助けてもらったことがあったのですが、その時僕は——」
そのまま早口でずっと話を続け、一度も噛まないホセを見て、ココは若干の恐怖を覚えた。
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~レセッダ地下街~
「こんな感じでどうですか?」
そう言ってイワンは机の上にリボルバー拳銃を置く。
「随分と銃を小さくできたものですね」
フォルトが銃を手に取るとイワンが説明を始める。
「その武器は回転機構を取り入れた装填が短く連射を行える銃です、銃弾を真空状態にし、トリガーを引いた時のみに詠唱が発動します」
フォルトは銃を感心しながら見ながらイワンに聞く
「この銃はいくらなんだ?」
「本来なら金貨10枚、ですが今回はいらないですよ、私たちは協力関係にあるのですから」
不適な笑顔を浮かべるイワンを見ながらも、気にする様子もなく、フォルトは銃を机の上に置くと、地図を取り出す。
「これは私が作ったここから半径15kmを描いた地図で、高低差、川、住んでいる生物、完全に示されています」
イワンはその地図を見て驚愕する、それはあまりには広く、人間に書き切れるとは思えないほど精巧な出来であったからである。
「これをいったいどうやって...」
「これは私のとある力のおかげでしてね、詮索は結構、もっとやるべきことがあるでしょう?」
フォルトの得意げな表情とともに、それ以上に得体の知れない何かをフォルトは醸し出していた。
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