生きる世界と冒険譚

山田浩輔

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第四話 教祖ルイス

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 洞窟を通り、地面の中にある土臭い中に、鋼や石で作られた街にココが唖然としていると、ホセは突然走り出す。

 ~マルセル地下街~

 「ルイス様ー!!」
 集落についたホセは、いち早く長身の無精髭を生やした男に抱きつく。
 「おお、ホセじゃないか! どうしたんだ?」
 ルイスは抱きついたホセを撫でながらココの方を向くと目を見開く。
 「まさか...へーリオス様!?」
 ルイスは急ながらも地面に膝をつき、土下座をする。
 「へーリオス様! まさかこのような場所で実際にお会いできるとは! なんと慈悲深い!!」

 「あえっと! えっと!」
 突然の土下座にココは驚き、オロオロとしつつも頭を上げるように言うとルイスはゆっくりと顔を上げる。
 「いやあ、お恥ずかしながら、へーリオス様にお会いできたことが喜ばしく、つい...」
 ルイスは照れくさそうな笑顔をしながら頭を掻く。
 
 「とりあえず教会に来てください、お茶をお出しします」
 「おちゃ? 食べ物?」
 ココは初めて聞く単語に疑問を抱きつつも翼を隠すとルイスの案内に従い、教会に向かった。


 少し古いが風格のある教会の中は、信者とそれに取り囲まれた司祭の横をそそくさと通り、奥の客室に入るとココとホセはソファに座ると対面する形でルイスが椅子に座る。
 「おお!?」
 ココは柔らかい初めての感覚に興奮し跳ねる。

 「こちら粗茶ですが...」
 ルイスは紅茶を前に出すとココは匂いを嗅ぐと紅茶に指を着けるとその指をペロリと舐める。
 「苦い...」
 ココの渋い顔を見るとルイスは慌てて黒砂糖を持ってくる。
 「こちらは甘味料です、混ぜて飲むといいでしょう」
 ココはシュガーポットに入った砂糖を指につけ、ペロリと舐めると紅茶の上でシュガーポットをひっくり返し、すべての砂糖を紅茶に混ぜるとまた一口舐める。
 「うん、おいしい!」
 ホセとルイスは子供を見るような温かい目でココを見守り、温かい空気が部屋に流れた。
 
 「それでは本題に入りましょう、へーリオス様はどうしてこちらに?」
 「私はへーリオスって名前じゃないの、ココっていうの」
 ココの言葉にルイスは目を見開く。
 「そんな、しかしその羽、その姿、神でないなら一体...」
 
 「私はへーリオスなんて知らないし龍でもないし、私は関係ないんじゃないかと思う」
 ココの言葉に頭を抱えるルイスであったが顔を上げると何か気づいたような素振りをする。
 「もしかして、記憶を失っているのかもしれませんね」
 
 「いやいや、そんなことが——」
 「きっとそうですよ!」
 ホセはココの話を遮るように声を被せる。
 ココの両手を握りながらホセは相変わらずキラキラした目で語る。
 「こんなドラゴンみたいな羽が生えてる人はいないです! きっと現人神なのです! それに自分自身を神と思っていないと言うことはある意味、自称神よりもずっと説得力があります! きっとそうだそうに違いない! ココ様は名前を忘れているだけで本当の名はへーリオス様なのでしょう!!」
 
 「う......うん....」
 あまりの早口に話の内容を聞き取れずなんとなく相槌を打ってしまったココであった。

 「では、とりあえずしばらくはへーリオスと名乗りましょう、食事や宿泊はこちらが用意しますので安心してください」
 
 そうしてココはルイスの用意した石造の一軒家に住まうこととなった。
 
 「おお、ここが新しい住処か!」
 ホセが荷物を机の上にのせると扉の鍵を確認する、ココは新しい新居を走り回る。
 「すげえ!!」
 寝室に入ったココはベットの上にダイブするとぴょんぴょんとベットの上を飛び跳ねてるとホセが声をかける。
 「お楽しみの最中ですが申し訳ありません、一度風呂に入りましょう」
 「風呂?」



 二人とも裸になり、浴室に入る。
  「おお! 霧!」
 風呂の湯気を見たココは、頭に浮かんだ言葉を声に出し、興奮しながら浴槽に飛び込む。
 「まずは身体を洗いましょうか!」
 ホセはココを湯船から上げ、風呂椅子に座らせると頭から湯をかける。
 「髪が長い人を洗ったことはないんですがこんな感じでいいんですかね...」 
 ホセは濡れた髪にシャンプーを着けると全体にゴシゴシとつけると湯をぶっかける。
 「ぼぼぼぼぼぼ!!」
 
 「うーん...まだ泡が取れてない...」
 ホセが何度も湯をココにかけ続け、泡が取れたと判断するとココの身体を洗う。
 「にゃはははははは!! くすぐったい!」
 ホセが身体を洗っているとココは耐えきれずに笑いながら暴れて泡をそこら辺に撒き散らす。
 「もうちょっと我慢してください...! あとちょっとです!」


 「「ほへえぇぇぇ...」」
 全てが終わり、どっと疲れが来た二人は風呂で力無く声を上げる。会話などなく、沈黙は長く続いたが、それほど悪い時間ではなかった。ココがずぶ濡れのままベットにダイブするまでは
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