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第六話 龍神へーリオス
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「フォルトさん! 大丈夫ですか!!」
ジャン達がきた頃には既に戦闘は終わっていた、フォルトの後ろを覆う巨大な炎に皆が唖然とする。
「3人組でした、逃げられましたがね...」
「何か特徴はありましたか?」
「そうですね...相手はここじゃ珍しいハイエルフの男でした」
フォルトの言葉に一人が驚く。
「それはもしかして...烈風のルーベルではないでしょうか...」
「「ルーベル?」」
風魔法を得意とするドラゴン信仰側の人間です、よく撃退できましたね...確か幹部級と...」
フォルトはため息をつくと口を開く。
「すまない、捕らえるべきだった、そうすればきっと...」
フォルトは気を落とすがジャンがフォルトの肩を叩く。
「いいじゃないですか! あなたが生きてるだけでも!」
ジャンの言葉を聞き、少し気を持ち直したフォルトは一度、地下街に戻ることとした。
_________________________________________________________
「ドラゴン信仰の目的?」
ココは首を傾げながらルイスに聞く。
「なぜドラゴンを信仰するのか、それはドラゴンの脅威をなくすためです」
「ドラゴンを信仰したらなんで怖くないの?」
「わざわざ対立せずとも、平和は作れるのです、まずは毎年、ドラゴンの食事を用意するのです、そうすることでこちらに懐いてもらう、とまではいきませんがこちらを味方であると認識してもらう必要があるのです、ドラゴンは比較的知能が高いです、そのため、皆がドラゴンと共存する必要があるのです、わざわざ戦って死ぬ必要もなく、互いに寄り添うことで生きることができるのです、ですが...」
ルイスの曇った顔にココは戸惑う。
「何か問題があるの...?」
「ドラゴンと戦おうとする者はいます、密猟者や冒険者..特に厄介なのはドラゴン撲滅派です、あちらはドラゴンをこの世から消滅させる者なのですが、現実が見えていない、戦っても人間が絶滅してしまうのがオチだ、私たちの邪魔をする悪き組織なのです」
ルイスの言葉には曇りと同時に怒りも混ざっていた。
「へーリオス様、出番ですよ...!」
静かな声でルイスが合図を出すとココが前に出る。
少女の姿、そしてその背中に大衆の目がいく、皆の注目を集めながら中央の台の上に乗るとココは話出す。
「私の名はへーリオス! そなたらが信仰するドラゴンの化身である!」
ココの言葉に皆が歓喜の声をあげる、壇上は盛り上がりを見せ、喝采の中ココは緊張を押し殺しながら演説を続ける。
「私たちで平和の道を切り開きましょう! 協力こそ! 人の善意なのです!!」
壇上が熱狂で溢れる中、一人の女はゆっくりとその場を去るとフードを外す。
「これがドラゴン信仰の目的なのね...」
ユリアは紙に壇上で行われていた事を記すと、男にその紙を渡す。
「お願いね、ルルム」
ルルムはニヤリと笑うと紙を受け取る。
「了解」
ユリアが目を離した頃には既に影もなかった、ユリアはフードを深く被ると潜入調査へと戻るのであった。
ユリアが戻る頃には熱狂的な信者達のみがガヤガヤとしていた。
壇上には既に人っ子一人なく、演説は終わりを迎えていた。
「さっきの翼の生えた少女...彼女が黒幕なのかしら...」
ユリアは舞台裏にゆっくりと近づく、立ち入り禁止の看板を目にすると少し離れて様子を見つつ人目がなくなったわずかな隙を得て中に滑り込む。
薄暗い通路を通っているとユリアはココとホセが歩いているところを目撃する。
「あれは...あの時の少女か...?」
ユリアは隠れながら二人の会話を盗み聞きする。
「すごかったですね! ココ様!」
ホセはキラキラとした目でココにいうとココは少し照れくさそうに話す。
「いやぁ、あーいうの初めてやるから緊張しちゃったなぁ...!」
「さすがですよココ様! 平和の道もいつかきっと訪れますよ!」
「そうだねぇ、いつかきっと...」
(あれが黒幕...あの感じからすると信者はあのココって子を信用しきっている、どうやって漬け込むか...)
ジャン達がきた頃には既に戦闘は終わっていた、フォルトの後ろを覆う巨大な炎に皆が唖然とする。
「3人組でした、逃げられましたがね...」
「何か特徴はありましたか?」
「そうですね...相手はここじゃ珍しいハイエルフの男でした」
フォルトの言葉に一人が驚く。
「それはもしかして...烈風のルーベルではないでしょうか...」
「「ルーベル?」」
風魔法を得意とするドラゴン信仰側の人間です、よく撃退できましたね...確か幹部級と...」
フォルトはため息をつくと口を開く。
「すまない、捕らえるべきだった、そうすればきっと...」
フォルトは気を落とすがジャンがフォルトの肩を叩く。
「いいじゃないですか! あなたが生きてるだけでも!」
ジャンの言葉を聞き、少し気を持ち直したフォルトは一度、地下街に戻ることとした。
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「ドラゴン信仰の目的?」
ココは首を傾げながらルイスに聞く。
「なぜドラゴンを信仰するのか、それはドラゴンの脅威をなくすためです」
「ドラゴンを信仰したらなんで怖くないの?」
「わざわざ対立せずとも、平和は作れるのです、まずは毎年、ドラゴンの食事を用意するのです、そうすることでこちらに懐いてもらう、とまではいきませんがこちらを味方であると認識してもらう必要があるのです、ドラゴンは比較的知能が高いです、そのため、皆がドラゴンと共存する必要があるのです、わざわざ戦って死ぬ必要もなく、互いに寄り添うことで生きることができるのです、ですが...」
ルイスの曇った顔にココは戸惑う。
「何か問題があるの...?」
「ドラゴンと戦おうとする者はいます、密猟者や冒険者..特に厄介なのはドラゴン撲滅派です、あちらはドラゴンをこの世から消滅させる者なのですが、現実が見えていない、戦っても人間が絶滅してしまうのがオチだ、私たちの邪魔をする悪き組織なのです」
ルイスの言葉には曇りと同時に怒りも混ざっていた。
「へーリオス様、出番ですよ...!」
静かな声でルイスが合図を出すとココが前に出る。
少女の姿、そしてその背中に大衆の目がいく、皆の注目を集めながら中央の台の上に乗るとココは話出す。
「私の名はへーリオス! そなたらが信仰するドラゴンの化身である!」
ココの言葉に皆が歓喜の声をあげる、壇上は盛り上がりを見せ、喝采の中ココは緊張を押し殺しながら演説を続ける。
「私たちで平和の道を切り開きましょう! 協力こそ! 人の善意なのです!!」
壇上が熱狂で溢れる中、一人の女はゆっくりとその場を去るとフードを外す。
「これがドラゴン信仰の目的なのね...」
ユリアは紙に壇上で行われていた事を記すと、男にその紙を渡す。
「お願いね、ルルム」
ルルムはニヤリと笑うと紙を受け取る。
「了解」
ユリアが目を離した頃には既に影もなかった、ユリアはフードを深く被ると潜入調査へと戻るのであった。
ユリアが戻る頃には熱狂的な信者達のみがガヤガヤとしていた。
壇上には既に人っ子一人なく、演説は終わりを迎えていた。
「さっきの翼の生えた少女...彼女が黒幕なのかしら...」
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「あれは...あの時の少女か...?」
ユリアは隠れながら二人の会話を盗み聞きする。
「すごかったですね! ココ様!」
ホセはキラキラとした目でココにいうとココは少し照れくさそうに話す。
「いやぁ、あーいうの初めてやるから緊張しちゃったなぁ...!」
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