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元ダンジョンマスター、同盟を求む。ファミリアは、鉄槌を望む。
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‐‐‐‐悲報、ダンジョンを失いました。
いや、いきなり何を言ってるんだと言われそうだから、1つずつ順を追って説明しておこう。
俺はソラハさんとササと一緒に、このサクリ大陸で新たな一歩を踏み出そうとして、盛大に失敗した。ダークエルフ達に助けを求められ、彼女達を追ってきた【ネットショッピング】の勇者ハクリ・ミカミと戦う事になった。
‐‐‐‐で、その結果としてダンジョンが崩壊した。
「で、なにか言いたいことはあるかい? 3人とも?」
「「「ごめんなさい……」」」
俺の目の前ではソラハ、ササ、そして進化したラウ姫が粛々と静かに黙り込んでいた。この3人が分身したハクリ相手にダンジョンを壊すほど暴れて、新しく居城にしようとしていたダンジョンを破壊しつくしてしまったのである。
ソラハさんはただでさえ強力な魔法を《青の力》で強力に巨大化させたために、ハクリだけではなくダンジョンまで破壊してしまったのである。
ササもまた【紡績】の魔王(仮)となって手に入れたスキル、《より糸》によってただでさえ硬い赤い糸を何重にもより合わせて斬って、その影響で洞窟ダンジョンのメインたる岩の柱を断ち切ってしまう。
【緑の力】にて他の4人の身体を吸収して強化蘇生したラウ姫は、《黄色の力》の強化によって得たスキルなどで盛大に暴れまわった。結果として、ダンジョンも蹂躙した。
3人の配下が盛大にダンジョンを暴れまわって、そのせいで急造で作ったあのダンジョンは、ハクリとの戦いによって壊れてしまったのである。
よって、俺達はたった1回の侵入者によって壊れてしまった。
なんともまぁ、たった1回で宿無しとは最悪である。
今、俺達は森の中に隠れて、ゴブリン達とマッチョスライム達を待っている。彼らには崩壊したダンジョンから罠の一部を回収するようお願いしてある。長く住むのを考えて、色々な罠を仕掛けていたのが
仇となってしまった。まぁ、そんなに仕掛けてはないのだが、あくまでも心情的な意味合いにて。
また新たな居城を見つけなくてはならない。しかも、あの勇者をやっつけたために、余計な問題もついてきてしまっている。
「はぁ……」
「し、しかし! マスティス様!」
と、【緑の力】によって強化蘇生したラウ・ダークキングダム姫が正座したまま、そう進言する。
彼女に与えた【緑の力】、その効果は蘇生スキルだったようである。自身が死んだ際に、周囲で死んだ他の人間達を取り込んで復活する‐‐‐‐それによって彼女は一個人としては強力すぎる力を保有している。
恐らく彼女は、"仲間は失った、ダンジョンは失った、けれども大きな戦力を得た"とかを言いたいんだろうけれども、俺からして見ればそれは間違いだ。
「確かにラウ姫の力は絶大だ。先の2人、ソラハさんやササと並んでもおかしくない重力な戦力と言っても過言ではない」
「で、ですよねっ! なので私は、この【緑の力】を使っての大幅な戦力アップを提案しますっ!
この辺りには魔物の群れも少なくないですし、その1匹に【緑の力】を与え、群れごと倒せばっ!」
「それで強い戦力が出来る、そういう事か」
こくこく、と首が取れそうな勢いで振るラウ姫。ついでに後ろの、先端が黄色く染められている蔓も大げさに揺れていた。
「戦力アップは確かに必要だよ。けどな、ラウ姫が言っていることは要するにこう言うことだ。
"強くなる、そのために死んでくれ"と言って、殺して回る訳か。俺や仲間達はそれが正しく機能することを知っている、だが知らないヤツらにとってはどうだ? 俺達はただの異常者扱いだ」
「……っ! で、ですが、それできちんと強くなるのは分かっているのでっ!」
「ダンジョンマスターは強い者が欲しいわけではない。ダンジョンに必要なのは、信頼できる仲間だ」
四天王などを用意して、強い配下を倒していくと結果的にダンジョンマスターの元に辿り着くという、戦闘大好きな者が作るダンジョンもあるにはある。
けれども俺が目指すのは、罠ありきの皆で協力していくダンジョン。強い者も、弱い者も、全てに役割を持って戦ってもらうダンジョンである。
俺が目指すダンジョン像に、そんなに強い配下はいらない。ましてや、配下を殺してまで強くなって欲しいとは思わない。
「別に理解してくれとまでは言わない、その辺は人それぞれ、主義それぞれだから。
それを理解してくれとは言わないんだけれども、分かってくれないんだったら結構だから。死んでも良いと思ってるような輩に仕えて欲しいとは思わない」
「じゃあ、ね」と言うと、ガシッと身体をラウ姫に捕まれる。
いっ、痛い。骨に響くから、痛い……。
「わっ、わかりましたっ! もうなにも言いませんので!
私は魔王様の配下として、これからもお仕えしたくっ! なので、捨てないでください! お願いいたしますっ!」
なんだろう、凄い食い下がって来るんだけど、あの色ってやっぱりやばいよね。
うん、配下からの忠誠度がやばい。やばすぎて、こわっ……。
「……分かったから、もう離れといてくれ。了解したから」
そうやって、ラウ姫を離れさせる。
うん、だってそうでもしないと、さらに2人追加で来そうな雰囲気だったから、マジで。
「でも、ご主人様。これからどうするんですか? 新しいダンジョンを用意するとか、でしょうか?」
「いや、ササ。もうダンジョンは諦めている」
【ネットショッピング】の勇者である、ハクリ・ミカミ。
倒した際に出たアイテムとかに、《魔王ファミリア会員証》なる謎アイテムを見つけた。アイテム自体に悪いところはないが、問題は《魔王ファミリア》なる名称の方である。
少なくとも、ハクリは勇者の一種。そして持っていたのは、《魔王ファミリア》なる魔王を冠するアイテム。
つまり、この大陸には勇者を仲間にしている魔王が居る。恐らく《魔王ファミリア》の頭である魔王は他にも勇者、あるいは魔王を仲間にしているに違いない。そして今日、俺はその一派の一人を倒してしまった。
----目をつけられたのは確実だろう。
「もう《魔王ファミリア》なる組織に目をつけられている以上、普通にダンジョンでのんびりスローライフは諦める。今のままだと組織から来る本隊に蹂躙される一方が落ちだ。
それなので、今度は別の手段を使わざるを得ない。今までの方法ではダメなら別の方法、当たり前のことだ」
「それって、危ない事かしら?」
ソラハさんは心配そうにそう言うが、別に問題はない。
むしろ今まで以上に問題ない方法だ。
「《魔王ファミリア》の名前を見て、ひらめいた。
‐‐‐‐そうだ。こっちもファミリア、つまりは同盟を作ればいいと」
「「「同盟?」」」
そう、同盟。
互いに利益がある者同士が、互いに必要なものを使って取引する。
幸いなことにこちらには魔法砲台のソラハ、忍び寄る道具製作者のササ、そして新たに自然掌握のラウ姫がいる。戦力として売り込むには十分だろう。
別に俺は自分だけの居城が欲しい訳ではない、あくまでも優先順位的には快適なスローライフ。
家を持っているのが自分か、他人かというのは些細な所である。
「こちらは戦いの戦力を貸し、代わりに相手からは土地を譲ってもらう。
これはどちらも得をする、素晴らしいアイデアだとは思わないか?」
「なるほど、流石は魔王様!」
「魔王様のアイデア、しかと胸に響きましたっ!」
褒めたたえるササと、ラウ姫。
うんうん、いい気持である。
忠誠度が高い事は少々問題なような気もするが、こういった時に褒めてくれるって安心するよね。嬉しいよね。
「……マスティスさん、それで同盟の相手は?」
「既に候補は見繕ってある、ゴブリン達やササからの報告でここいら一帯を治めている者はだいたい分かっている。
それで一番候補として相応しいのは‐‐‐‐こいつだ」
と、3人に見せるように地図を取り出す。
地図には大雑把だがこの辺りの地形、そして大きな湖の近くに赤いばってんマークをつけている。ちなみにこの赤は俺の能力ではない、よって強化とかもない。
「ご主人様、その辺りにはコウモリ系の魔物がいましたが……」
「魔王の配下と言うのは、一部の例外を除いてはその魔王の特性が大きく反映される」
まぁ、その一部の例外と言うのの中に、がっつりと俺の名前も入り込んでいる訳なのだが。
やっぱりさ、スケルトンいっぱい入れようよ。みんなすっごい良い武装する中で、一人だけ骨ってのはなかなか精神的に応えるよ。主に俺1人だけど。
「妖精のダンジョンマスターなら配下も妖精、水棲のダンジョンマスターなら配下もまた水棲、というようにな。それでコウモリ系の魔物がその辺りには集中していて、なおかつダンジョンマスター時代の情報を組み合わせれば、そこに居る人物の名前は自ずとわかる。
‐‐‐‐ダンジョンマスター、吸血鬼族のニパン・ブラッドレイ」
吸血鬼族。
《鏡に映らない》や《血を吸わないと弱っていく》など様々なバットステータスを除けば魔法も、攻撃も、スキル操作も優秀な魔族の種族である。
湖のほとりにある古城のダンジョンマスターは、吸血鬼族。
なおかつ、そのマスターの防衛策が、トラップである。
‐‐‐‐これはダンジョンマスターだった頃に知りえた情報である。別の大陸に、自分と同じトラップを主に使うダンジョンを運営しているってことで、なんとなく覚えているんだよな。うん。
そして自分もそうだったから分かる、トラップを主に使うという事は配下に自信がないからだ。
トラップの噂は良く聞くが、その分配下が強いなる情報は一切聞かなかった。
そういうダンジョンマスターほど、守りの強化のために強い配下は欲しいはず。主に俺の実体験に基づく情報である。
「問題は、取り分だな」
最低でも7:3は欲しいところだ。勿論、こっちが3で、相手が7だが。
けれども上手くいけば5:5までなんとか持っていきたい。
一番嬉しいのはお互い良い同盟相手として成り立つ5:5の同じ量での取引。
最悪なのは1:9なるこちらが一方的に降りすぎる条件。
まぁ、戦力は欲しいだろうし、そこまで露骨なのはないと思いたいが。
「さて、3人とも。ゴブリン達も戻って来たし、出発するぞ。
目指すは、同盟相手が待つダンジョンだっ!」
「「「はいっ!」」」
嬉しそうに言う3人。
……上手くいくといいな、うん。よし、信じよう。上手くいくとっ!
☆
(【ネットショッピング】の勇者は、やられたようですね)
勇者ハクリが倒されたことを、【端末】の魔王イキリスタは目の前の水晶が真っ二つに破壊された事を見て、その事を実感していた。
この水晶は彼女の能力である【配下端末】のスキルの1つで、水晶によって対象の生物が死んだかどうかを判定するアイテムである。生きているうちはそのまま、けれども死ぬと割れる、これでその対象が今どうなっているかを確認することが出来る。
"と"、他の魔王や勇者にはそう説明している。
けれども、この水晶の効果はそれだけではない。
この水晶には生死の判定、だけのみならず、その相手がどういう相手にやられたのかといった情報まで持ち帰ることが出来るのだ。その情報を読み取れることに関しては、イキリスタはファミリアの誰にも言っていない。
ファミリアには大変、世話になっている。だからと言って、手の内全てを晒すのは間違っている。
(今はまだ、【配下端末】にてあらゆる配下を管理することができる後方支援型の魔王、という間違った認識を続けて貰おうじゃないですか)
確かに、【配下端末】は自分に隠し事が出来ないように配下に魔法生物を入れて情報収集の駒にするという、紛れもなく後方支援タイプの能力である。
だけれども、イキリスタの能力はこれだけではないのだ。
もう1つの能力、【自分端末】。
そしてそれこそが、【端末】の魔王であるイキリスタの真骨頂にして、彼女が本当は近接格闘型の魔王であるという証なのだから。
それは今のところは、出番はないようである。
(‐‐‐‐まっ、ハクリのおかげで良いデータは取れました。これなら【配下端末】の方の能力の奥の手も、見せることが出来るでしょう)
パチン、と指を鳴らすイキリスタ。
それと共に、イキリスタの後ろに巨大な部下が現れる。
《ゴシュジン、ヨンダカ?》
「あぁ、呼んだよ。オークロード」
イキリスタの後ろに現れたのは、鉈を持った巨大な豚魔物の兵士。粗野な鎧ながらも、丁寧に手入れが施されたその鎧を身に纏ったオークロードは、大きな鉈を床に突き刺してイキリスタを見ていた。
オークロードは、オークと呼ばれる醜い豚の魔物を率いる君臨者の魔物である。
イキリスタの配下の中では一、二を争う武闘派の魔物である。
「オークロード、あなたに知性を与えるわ。
今までよりも楽しく、ひどく、劇的に、あなたのだぁい好きな凌辱が出来るわよ?」
《ソウカ?! ナラ、ヤッテクレ!》
オークロード、と言うよりもオーク達の知性はないに等しい。
簡単に言えば、脳と下半身がいっしょくたになっている、そのような下卑た程度の知能しかないという事だ。
正直なところ、このオークロードがイキリスタの中でも使える部類ではなかった場合、即刻配下から排除しておきたいところである。
……まぁ、使えるので仕方がなく、彼に頼むしかないのだが。
「その代わり、1つお願いしたいことがあるの」
《ナンダ? ナンデモスルゾ!》
彼にとって、凌辱こそ華。
顔や体型などどうでも良く、それが女であるかどうかが彼の原動力なのだ。そして、それをいかに凌辱できるか。その戦法もまた重要。
それがあらゆる女を凌辱するオークの美学なのだ。
もっとも、イキリスタにはその美学は1ミリたりとも届いていないし、理解されようともしていないのだが。
(この先で、ハクリを倒した魔王が頼るとすれば、恐らくは湖近くにあるダンジョンに違いない)
あのダンジョンは、ファミリアの勧誘を受けていない。
誘われたのを拒むとかの次元ではなく、誘われてもいない程度のダンジョン。イキリスタの権限で潰してしまっても、問題はないだろう。
「湖近くのダンジョン、あそこをあなたの配下と共に侵略して欲しいの。
勿論、中にあるものは全てあなたのものよ」
《ワカッタ! オデ、ガンバル!》
「よし、契約成立ね」
ちょろいもの、である。
まぁ、ちょろいからこそ、知能を欲しているのかもしれないが。
イキリスタは相手の意思を確認し、彼に近付く。
ぶぉー、っと無駄に暑苦しい鼻息が当たり、気持ち悪さに吐き気を催すも、イキリスタは気にせずにオークロードの頭に近付く。
「じゃあ、私の可愛いスキルちゃん。オークロードを元気にしてあげてね。
スキル【配下端末ー改良の型】発動」
それと共に、オークロードを白い光が包み込む。
進化。
一定の経験値を積んだ魔物は、進化を経ることによってさらなる高みへと昇っていく。勿論、その進化は上にいくほど高くなり、逆に下に行くほど低くなるのだが。
そして、進化の際は身体全体が1から作り直されるらしく、こうして白い光によって包み込まれるのだ。
どうしてこうなるのか、そういった理論はイキリスタは知らない。
一説には、転生者の一行が"進化の際には白い光が包み込む"という共通の常識を持っており、それがなんらかの形で広まったというのが一番分かりやすい説らしいのだが。
とは言え、イキリスタには関係のない話である。
それに、これは進化"ではない"。
イキリスタのスキル、【配下端末ー改良の型】という、彼女の固有スキルの発展形が効果を発揮しているからこそ、起きる状況なのだ。
「オークロード、あなたの前に立ちふさがる敵は強いでしょう。
赤い糸はとても硬く、青い魔法は動きを遅くし、緑の魔物は死ぬたびに強くなる。正直言って、化け物揃い。
けれども、私の可愛いスキルちゃん。そんな相手だろうとも関係ないのよね」
そう、関係ないのだ。
どれだけ相手が強かろうが、どれだけ相手がヤバすぎる相手だろうが、どれだけ様々な手段でこられようが‐‐‐‐もう、どんな対策をとろうとも、彼女達に勝ち目はない。
「‐‐‐‐さぁ、オークロード。あなたの力を見せてくださいな。
そう、これは《ファミリア》の鉄槌。この大陸に入ってきて、私達に断りもなく暴れまわって、好き勝手している者達に行う、いうなればそういう事、なんですから」
いや、いきなり何を言ってるんだと言われそうだから、1つずつ順を追って説明しておこう。
俺はソラハさんとササと一緒に、このサクリ大陸で新たな一歩を踏み出そうとして、盛大に失敗した。ダークエルフ達に助けを求められ、彼女達を追ってきた【ネットショッピング】の勇者ハクリ・ミカミと戦う事になった。
‐‐‐‐で、その結果としてダンジョンが崩壊した。
「で、なにか言いたいことはあるかい? 3人とも?」
「「「ごめんなさい……」」」
俺の目の前ではソラハ、ササ、そして進化したラウ姫が粛々と静かに黙り込んでいた。この3人が分身したハクリ相手にダンジョンを壊すほど暴れて、新しく居城にしようとしていたダンジョンを破壊しつくしてしまったのである。
ソラハさんはただでさえ強力な魔法を《青の力》で強力に巨大化させたために、ハクリだけではなくダンジョンまで破壊してしまったのである。
ササもまた【紡績】の魔王(仮)となって手に入れたスキル、《より糸》によってただでさえ硬い赤い糸を何重にもより合わせて斬って、その影響で洞窟ダンジョンのメインたる岩の柱を断ち切ってしまう。
【緑の力】にて他の4人の身体を吸収して強化蘇生したラウ姫は、《黄色の力》の強化によって得たスキルなどで盛大に暴れまわった。結果として、ダンジョンも蹂躙した。
3人の配下が盛大にダンジョンを暴れまわって、そのせいで急造で作ったあのダンジョンは、ハクリとの戦いによって壊れてしまったのである。
よって、俺達はたった1回の侵入者によって壊れてしまった。
なんともまぁ、たった1回で宿無しとは最悪である。
今、俺達は森の中に隠れて、ゴブリン達とマッチョスライム達を待っている。彼らには崩壊したダンジョンから罠の一部を回収するようお願いしてある。長く住むのを考えて、色々な罠を仕掛けていたのが
仇となってしまった。まぁ、そんなに仕掛けてはないのだが、あくまでも心情的な意味合いにて。
また新たな居城を見つけなくてはならない。しかも、あの勇者をやっつけたために、余計な問題もついてきてしまっている。
「はぁ……」
「し、しかし! マスティス様!」
と、【緑の力】によって強化蘇生したラウ・ダークキングダム姫が正座したまま、そう進言する。
彼女に与えた【緑の力】、その効果は蘇生スキルだったようである。自身が死んだ際に、周囲で死んだ他の人間達を取り込んで復活する‐‐‐‐それによって彼女は一個人としては強力すぎる力を保有している。
恐らく彼女は、"仲間は失った、ダンジョンは失った、けれども大きな戦力を得た"とかを言いたいんだろうけれども、俺からして見ればそれは間違いだ。
「確かにラウ姫の力は絶大だ。先の2人、ソラハさんやササと並んでもおかしくない重力な戦力と言っても過言ではない」
「で、ですよねっ! なので私は、この【緑の力】を使っての大幅な戦力アップを提案しますっ!
この辺りには魔物の群れも少なくないですし、その1匹に【緑の力】を与え、群れごと倒せばっ!」
「それで強い戦力が出来る、そういう事か」
こくこく、と首が取れそうな勢いで振るラウ姫。ついでに後ろの、先端が黄色く染められている蔓も大げさに揺れていた。
「戦力アップは確かに必要だよ。けどな、ラウ姫が言っていることは要するにこう言うことだ。
"強くなる、そのために死んでくれ"と言って、殺して回る訳か。俺や仲間達はそれが正しく機能することを知っている、だが知らないヤツらにとってはどうだ? 俺達はただの異常者扱いだ」
「……っ! で、ですが、それできちんと強くなるのは分かっているのでっ!」
「ダンジョンマスターは強い者が欲しいわけではない。ダンジョンに必要なのは、信頼できる仲間だ」
四天王などを用意して、強い配下を倒していくと結果的にダンジョンマスターの元に辿り着くという、戦闘大好きな者が作るダンジョンもあるにはある。
けれども俺が目指すのは、罠ありきの皆で協力していくダンジョン。強い者も、弱い者も、全てに役割を持って戦ってもらうダンジョンである。
俺が目指すダンジョン像に、そんなに強い配下はいらない。ましてや、配下を殺してまで強くなって欲しいとは思わない。
「別に理解してくれとまでは言わない、その辺は人それぞれ、主義それぞれだから。
それを理解してくれとは言わないんだけれども、分かってくれないんだったら結構だから。死んでも良いと思ってるような輩に仕えて欲しいとは思わない」
「じゃあ、ね」と言うと、ガシッと身体をラウ姫に捕まれる。
いっ、痛い。骨に響くから、痛い……。
「わっ、わかりましたっ! もうなにも言いませんので!
私は魔王様の配下として、これからもお仕えしたくっ! なので、捨てないでください! お願いいたしますっ!」
なんだろう、凄い食い下がって来るんだけど、あの色ってやっぱりやばいよね。
うん、配下からの忠誠度がやばい。やばすぎて、こわっ……。
「……分かったから、もう離れといてくれ。了解したから」
そうやって、ラウ姫を離れさせる。
うん、だってそうでもしないと、さらに2人追加で来そうな雰囲気だったから、マジで。
「でも、ご主人様。これからどうするんですか? 新しいダンジョンを用意するとか、でしょうか?」
「いや、ササ。もうダンジョンは諦めている」
【ネットショッピング】の勇者である、ハクリ・ミカミ。
倒した際に出たアイテムとかに、《魔王ファミリア会員証》なる謎アイテムを見つけた。アイテム自体に悪いところはないが、問題は《魔王ファミリア》なる名称の方である。
少なくとも、ハクリは勇者の一種。そして持っていたのは、《魔王ファミリア》なる魔王を冠するアイテム。
つまり、この大陸には勇者を仲間にしている魔王が居る。恐らく《魔王ファミリア》の頭である魔王は他にも勇者、あるいは魔王を仲間にしているに違いない。そして今日、俺はその一派の一人を倒してしまった。
----目をつけられたのは確実だろう。
「もう《魔王ファミリア》なる組織に目をつけられている以上、普通にダンジョンでのんびりスローライフは諦める。今のままだと組織から来る本隊に蹂躙される一方が落ちだ。
それなので、今度は別の手段を使わざるを得ない。今までの方法ではダメなら別の方法、当たり前のことだ」
「それって、危ない事かしら?」
ソラハさんは心配そうにそう言うが、別に問題はない。
むしろ今まで以上に問題ない方法だ。
「《魔王ファミリア》の名前を見て、ひらめいた。
‐‐‐‐そうだ。こっちもファミリア、つまりは同盟を作ればいいと」
「「「同盟?」」」
そう、同盟。
互いに利益がある者同士が、互いに必要なものを使って取引する。
幸いなことにこちらには魔法砲台のソラハ、忍び寄る道具製作者のササ、そして新たに自然掌握のラウ姫がいる。戦力として売り込むには十分だろう。
別に俺は自分だけの居城が欲しい訳ではない、あくまでも優先順位的には快適なスローライフ。
家を持っているのが自分か、他人かというのは些細な所である。
「こちらは戦いの戦力を貸し、代わりに相手からは土地を譲ってもらう。
これはどちらも得をする、素晴らしいアイデアだとは思わないか?」
「なるほど、流石は魔王様!」
「魔王様のアイデア、しかと胸に響きましたっ!」
褒めたたえるササと、ラウ姫。
うんうん、いい気持である。
忠誠度が高い事は少々問題なような気もするが、こういった時に褒めてくれるって安心するよね。嬉しいよね。
「……マスティスさん、それで同盟の相手は?」
「既に候補は見繕ってある、ゴブリン達やササからの報告でここいら一帯を治めている者はだいたい分かっている。
それで一番候補として相応しいのは‐‐‐‐こいつだ」
と、3人に見せるように地図を取り出す。
地図には大雑把だがこの辺りの地形、そして大きな湖の近くに赤いばってんマークをつけている。ちなみにこの赤は俺の能力ではない、よって強化とかもない。
「ご主人様、その辺りにはコウモリ系の魔物がいましたが……」
「魔王の配下と言うのは、一部の例外を除いてはその魔王の特性が大きく反映される」
まぁ、その一部の例外と言うのの中に、がっつりと俺の名前も入り込んでいる訳なのだが。
やっぱりさ、スケルトンいっぱい入れようよ。みんなすっごい良い武装する中で、一人だけ骨ってのはなかなか精神的に応えるよ。主に俺1人だけど。
「妖精のダンジョンマスターなら配下も妖精、水棲のダンジョンマスターなら配下もまた水棲、というようにな。それでコウモリ系の魔物がその辺りには集中していて、なおかつダンジョンマスター時代の情報を組み合わせれば、そこに居る人物の名前は自ずとわかる。
‐‐‐‐ダンジョンマスター、吸血鬼族のニパン・ブラッドレイ」
吸血鬼族。
《鏡に映らない》や《血を吸わないと弱っていく》など様々なバットステータスを除けば魔法も、攻撃も、スキル操作も優秀な魔族の種族である。
湖のほとりにある古城のダンジョンマスターは、吸血鬼族。
なおかつ、そのマスターの防衛策が、トラップである。
‐‐‐‐これはダンジョンマスターだった頃に知りえた情報である。別の大陸に、自分と同じトラップを主に使うダンジョンを運営しているってことで、なんとなく覚えているんだよな。うん。
そして自分もそうだったから分かる、トラップを主に使うという事は配下に自信がないからだ。
トラップの噂は良く聞くが、その分配下が強いなる情報は一切聞かなかった。
そういうダンジョンマスターほど、守りの強化のために強い配下は欲しいはず。主に俺の実体験に基づく情報である。
「問題は、取り分だな」
最低でも7:3は欲しいところだ。勿論、こっちが3で、相手が7だが。
けれども上手くいけば5:5までなんとか持っていきたい。
一番嬉しいのはお互い良い同盟相手として成り立つ5:5の同じ量での取引。
最悪なのは1:9なるこちらが一方的に降りすぎる条件。
まぁ、戦力は欲しいだろうし、そこまで露骨なのはないと思いたいが。
「さて、3人とも。ゴブリン達も戻って来たし、出発するぞ。
目指すは、同盟相手が待つダンジョンだっ!」
「「「はいっ!」」」
嬉しそうに言う3人。
……上手くいくといいな、うん。よし、信じよう。上手くいくとっ!
☆
(【ネットショッピング】の勇者は、やられたようですね)
勇者ハクリが倒されたことを、【端末】の魔王イキリスタは目の前の水晶が真っ二つに破壊された事を見て、その事を実感していた。
この水晶は彼女の能力である【配下端末】のスキルの1つで、水晶によって対象の生物が死んだかどうかを判定するアイテムである。生きているうちはそのまま、けれども死ぬと割れる、これでその対象が今どうなっているかを確認することが出来る。
"と"、他の魔王や勇者にはそう説明している。
けれども、この水晶の効果はそれだけではない。
この水晶には生死の判定、だけのみならず、その相手がどういう相手にやられたのかといった情報まで持ち帰ることが出来るのだ。その情報を読み取れることに関しては、イキリスタはファミリアの誰にも言っていない。
ファミリアには大変、世話になっている。だからと言って、手の内全てを晒すのは間違っている。
(今はまだ、【配下端末】にてあらゆる配下を管理することができる後方支援型の魔王、という間違った認識を続けて貰おうじゃないですか)
確かに、【配下端末】は自分に隠し事が出来ないように配下に魔法生物を入れて情報収集の駒にするという、紛れもなく後方支援タイプの能力である。
だけれども、イキリスタの能力はこれだけではないのだ。
もう1つの能力、【自分端末】。
そしてそれこそが、【端末】の魔王であるイキリスタの真骨頂にして、彼女が本当は近接格闘型の魔王であるという証なのだから。
それは今のところは、出番はないようである。
(‐‐‐‐まっ、ハクリのおかげで良いデータは取れました。これなら【配下端末】の方の能力の奥の手も、見せることが出来るでしょう)
パチン、と指を鳴らすイキリスタ。
それと共に、イキリスタの後ろに巨大な部下が現れる。
《ゴシュジン、ヨンダカ?》
「あぁ、呼んだよ。オークロード」
イキリスタの後ろに現れたのは、鉈を持った巨大な豚魔物の兵士。粗野な鎧ながらも、丁寧に手入れが施されたその鎧を身に纏ったオークロードは、大きな鉈を床に突き刺してイキリスタを見ていた。
オークロードは、オークと呼ばれる醜い豚の魔物を率いる君臨者の魔物である。
イキリスタの配下の中では一、二を争う武闘派の魔物である。
「オークロード、あなたに知性を与えるわ。
今までよりも楽しく、ひどく、劇的に、あなたのだぁい好きな凌辱が出来るわよ?」
《ソウカ?! ナラ、ヤッテクレ!》
オークロード、と言うよりもオーク達の知性はないに等しい。
簡単に言えば、脳と下半身がいっしょくたになっている、そのような下卑た程度の知能しかないという事だ。
正直なところ、このオークロードがイキリスタの中でも使える部類ではなかった場合、即刻配下から排除しておきたいところである。
……まぁ、使えるので仕方がなく、彼に頼むしかないのだが。
「その代わり、1つお願いしたいことがあるの」
《ナンダ? ナンデモスルゾ!》
彼にとって、凌辱こそ華。
顔や体型などどうでも良く、それが女であるかどうかが彼の原動力なのだ。そして、それをいかに凌辱できるか。その戦法もまた重要。
それがあらゆる女を凌辱するオークの美学なのだ。
もっとも、イキリスタにはその美学は1ミリたりとも届いていないし、理解されようともしていないのだが。
(この先で、ハクリを倒した魔王が頼るとすれば、恐らくは湖近くにあるダンジョンに違いない)
あのダンジョンは、ファミリアの勧誘を受けていない。
誘われたのを拒むとかの次元ではなく、誘われてもいない程度のダンジョン。イキリスタの権限で潰してしまっても、問題はないだろう。
「湖近くのダンジョン、あそこをあなたの配下と共に侵略して欲しいの。
勿論、中にあるものは全てあなたのものよ」
《ワカッタ! オデ、ガンバル!》
「よし、契約成立ね」
ちょろいもの、である。
まぁ、ちょろいからこそ、知能を欲しているのかもしれないが。
イキリスタは相手の意思を確認し、彼に近付く。
ぶぉー、っと無駄に暑苦しい鼻息が当たり、気持ち悪さに吐き気を催すも、イキリスタは気にせずにオークロードの頭に近付く。
「じゃあ、私の可愛いスキルちゃん。オークロードを元気にしてあげてね。
スキル【配下端末ー改良の型】発動」
それと共に、オークロードを白い光が包み込む。
進化。
一定の経験値を積んだ魔物は、進化を経ることによってさらなる高みへと昇っていく。勿論、その進化は上にいくほど高くなり、逆に下に行くほど低くなるのだが。
そして、進化の際は身体全体が1から作り直されるらしく、こうして白い光によって包み込まれるのだ。
どうしてこうなるのか、そういった理論はイキリスタは知らない。
一説には、転生者の一行が"進化の際には白い光が包み込む"という共通の常識を持っており、それがなんらかの形で広まったというのが一番分かりやすい説らしいのだが。
とは言え、イキリスタには関係のない話である。
それに、これは進化"ではない"。
イキリスタのスキル、【配下端末ー改良の型】という、彼女の固有スキルの発展形が効果を発揮しているからこそ、起きる状況なのだ。
「オークロード、あなたの前に立ちふさがる敵は強いでしょう。
赤い糸はとても硬く、青い魔法は動きを遅くし、緑の魔物は死ぬたびに強くなる。正直言って、化け物揃い。
けれども、私の可愛いスキルちゃん。そんな相手だろうとも関係ないのよね」
そう、関係ないのだ。
どれだけ相手が強かろうが、どれだけ相手がヤバすぎる相手だろうが、どれだけ様々な手段でこられようが‐‐‐‐もう、どんな対策をとろうとも、彼女達に勝ち目はない。
「‐‐‐‐さぁ、オークロード。あなたの力を見せてくださいな。
そう、これは《ファミリア》の鉄槌。この大陸に入ってきて、私達に断りもなく暴れまわって、好き勝手している者達に行う、いうなればそういう事、なんですから」
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