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第5話 共和国から来た猫の商人配信
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「あぁ~、太陽が気持ちいい~」
製作配信からしばらく、私はのんびりとしたスローライフを満喫していた。
あの配信のおかげで"『あるけみぃ』は錬金術師ではない"というコメントもだいぶ減ったし、魔導コンロを依頼してくれた近所の酒場の店長さんに納品したおかげで収入も得た。
今の私の懐はかなり充実しており、そのおかげで余裕もできた。
そもそも、私にとって、『配信』も、そして『錬金術』も、あくまでも仕事ではなく趣味である。
私にとって一番重要なのは、日々楽しく、心穏やかに過ごせること。
つまりは、気楽な毎日。
スローライフこそ、私にとって一番大事な事だから。
配信も、錬金術も、気が向いたらやるスタンス。
それが私、『あるけみぃ』であるススリアの生き方なのである。
「ここ、3日くらい配信もしてないなぁ~」
けどまぁ、流石にそろそろ配信しないといけないかな、くらいには思っている。
元々、不定期配信をかかげてやっているし、古参の人達はそれで納得しているんだけど。
あの百合営業っぽい配信を見てから入って来たっぽい新参の人達にとっては、もっと配信をして欲しいみたいである。
この前も、ダイレクトメッセージで『錬金術をちゃんと見せる配信をお願いします! 特に魔術付与をしている所をきちんと映してくださいであります!』などというメッセージも届いてるし。
「よーし、今日は雑談配信でもしますかね」
うーんっと伸びをしながら気持ちを高め、そろそろお昼ご飯の時間かと思いながら、家へ戻ろうとして----
「すみませんニャー! そこの人、ちょっと道をお尋ねしたいのニャア!!」
----上空からの声に、なんか今日も色々と起きちゃいそうという予感を感じ取っていた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「初めましてだニャア、ランドリア王国の人。私の名前は【スコティッシュ】。シュンカトウ共和国のドラスト商会の商人だニャア」
----ぴこぴこっ!
彼女が頭を下げると、頭の上にある猫耳がピクピクと揺れるのを見て、私は「カワイイ……」と素直に口にしていた。
----獣人族。
その名の通り、動物の特徴を有した種族であり、いま私の目の前でスコティッシュと名乗ったこの商人さんは頭の猫耳と、嬉しそうに揺れる尻尾などから見ても、猫の獣人族、といった所だろう。
獣人族には、動物と意思疎通が出来るという種族的な能力があり、彼女が所属するドラスト商会では、ドラゴン----空を自由自在に舞うあの魔物のことである----を空送手段として用いることで、発展してきたそうだ。
そんな彼女がわざわざ他国であるランドリア王国までやって来て、探し人というのがまさかの私だったのは驚きを隠せなかった。
『ニャニャ?! まっ、まさか『あるけみぃ』さん本人をこんなに早く見つけ出せるなんて!』
『おっ、落ち着いてくださいよ。とりあえず中で話しますから』
……とまぁ、そんな訳で。
我が家に、猫の獣人族の女商人スコティッシュさんをお迎えした、という訳である。
「シュンカトウ共和国からとは、遠路はるばるありがとうございます」
「ニャアー、ありがとうございますニャア! あなたが動画に出ていたゴーレムのベータちゃんだニャアね? 動画で見るより、実際に見た方が作りの細かさに気付くニャア……ってか、マジでヤバいっすよ、これ。金取れるレベル」
なんか、うちのベータちゃんにぐいぐい近寄っているけど、ファンの子、で良いのかな?
「シュンカトウ共和国の人とは、初めて会いましたよ」
「ニャニャ~、まぁ私達は金のある所にしかいませんからニャア~。王都ならまだしも、このような田舎に来る者は少ないと思いますニャア」
シュンカトウ共和国----別名、商いの国。
かの国は商売の発展を第一に掲げており、国を預かる盟主も『稀代の商い王』と呼ばれるほど、商売に全力を捧げる御仁であると聞いたことがある。
共和国民のほとんどが商売人であり、そのモットーは"金がある所は多く取れ! 金がない所は少なく取れ!"という、お金大好きな人達であり、確かに私が暮らすイスウッドで出会う事はまずないだろう。
「----それで、そんな商売人であるあなた達が、わざわざ私の所に尋ねるなんて、どういう事ですか?」
「ふふふ、分かっているはずなのに聞くかニャア? そんなモノ、商いのために決まっているニャア!」
では早速とばかりに、彼女は持って来た鞄を広げると、こう宣言した。
「錬金術師ススリア、もとい錬金術師系配信者の『あるけみぃ』さん!
我がドラスト商会は、あなたが作った魔導コンロ、そして魔石5つ。買わせてもらいに来ましたのニャア!
どうか、売るために、コラボ配信をお願いしますですニャア!」
製作配信からしばらく、私はのんびりとしたスローライフを満喫していた。
あの配信のおかげで"『あるけみぃ』は錬金術師ではない"というコメントもだいぶ減ったし、魔導コンロを依頼してくれた近所の酒場の店長さんに納品したおかげで収入も得た。
今の私の懐はかなり充実しており、そのおかげで余裕もできた。
そもそも、私にとって、『配信』も、そして『錬金術』も、あくまでも仕事ではなく趣味である。
私にとって一番重要なのは、日々楽しく、心穏やかに過ごせること。
つまりは、気楽な毎日。
スローライフこそ、私にとって一番大事な事だから。
配信も、錬金術も、気が向いたらやるスタンス。
それが私、『あるけみぃ』であるススリアの生き方なのである。
「ここ、3日くらい配信もしてないなぁ~」
けどまぁ、流石にそろそろ配信しないといけないかな、くらいには思っている。
元々、不定期配信をかかげてやっているし、古参の人達はそれで納得しているんだけど。
あの百合営業っぽい配信を見てから入って来たっぽい新参の人達にとっては、もっと配信をして欲しいみたいである。
この前も、ダイレクトメッセージで『錬金術をちゃんと見せる配信をお願いします! 特に魔術付与をしている所をきちんと映してくださいであります!』などというメッセージも届いてるし。
「よーし、今日は雑談配信でもしますかね」
うーんっと伸びをしながら気持ちを高め、そろそろお昼ご飯の時間かと思いながら、家へ戻ろうとして----
「すみませんニャー! そこの人、ちょっと道をお尋ねしたいのニャア!!」
----上空からの声に、なんか今日も色々と起きちゃいそうという予感を感じ取っていた。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「初めましてだニャア、ランドリア王国の人。私の名前は【スコティッシュ】。シュンカトウ共和国のドラスト商会の商人だニャア」
----ぴこぴこっ!
彼女が頭を下げると、頭の上にある猫耳がピクピクと揺れるのを見て、私は「カワイイ……」と素直に口にしていた。
----獣人族。
その名の通り、動物の特徴を有した種族であり、いま私の目の前でスコティッシュと名乗ったこの商人さんは頭の猫耳と、嬉しそうに揺れる尻尾などから見ても、猫の獣人族、といった所だろう。
獣人族には、動物と意思疎通が出来るという種族的な能力があり、彼女が所属するドラスト商会では、ドラゴン----空を自由自在に舞うあの魔物のことである----を空送手段として用いることで、発展してきたそうだ。
そんな彼女がわざわざ他国であるランドリア王国までやって来て、探し人というのがまさかの私だったのは驚きを隠せなかった。
『ニャニャ?! まっ、まさか『あるけみぃ』さん本人をこんなに早く見つけ出せるなんて!』
『おっ、落ち着いてくださいよ。とりあえず中で話しますから』
……とまぁ、そんな訳で。
我が家に、猫の獣人族の女商人スコティッシュさんをお迎えした、という訳である。
「シュンカトウ共和国からとは、遠路はるばるありがとうございます」
「ニャアー、ありがとうございますニャア! あなたが動画に出ていたゴーレムのベータちゃんだニャアね? 動画で見るより、実際に見た方が作りの細かさに気付くニャア……ってか、マジでヤバいっすよ、これ。金取れるレベル」
なんか、うちのベータちゃんにぐいぐい近寄っているけど、ファンの子、で良いのかな?
「シュンカトウ共和国の人とは、初めて会いましたよ」
「ニャニャ~、まぁ私達は金のある所にしかいませんからニャア~。王都ならまだしも、このような田舎に来る者は少ないと思いますニャア」
シュンカトウ共和国----別名、商いの国。
かの国は商売の発展を第一に掲げており、国を預かる盟主も『稀代の商い王』と呼ばれるほど、商売に全力を捧げる御仁であると聞いたことがある。
共和国民のほとんどが商売人であり、そのモットーは"金がある所は多く取れ! 金がない所は少なく取れ!"という、お金大好きな人達であり、確かに私が暮らすイスウッドで出会う事はまずないだろう。
「----それで、そんな商売人であるあなた達が、わざわざ私の所に尋ねるなんて、どういう事ですか?」
「ふふふ、分かっているはずなのに聞くかニャア? そんなモノ、商いのために決まっているニャア!」
では早速とばかりに、彼女は持って来た鞄を広げると、こう宣言した。
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