俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政

文字の大きさ
36 / 354
第1章『俺の召喚獣だけレベルアップする/雪ん子の章』

第36話 岡本・S・太郎(2)

しおりを挟む

「----大爆発エクスプロージョンンンンンンンッッ!!!」

 彼の掛け声と共に、2匹のばくだんいわが大きな爆発を起こす。
 その爆発によって、たくさんの破片が周囲へと飛び散り、せっかく追い詰めていたはずの岡本・S・太郎を逃してしまった。
 
「《ぐぶっ……!》」
「やぁ……マジでこれ……キツく、ない?」

 俺の召喚獣、つまりは雪ん子とファイントの体力は大幅に削られていた。
 さっきから吐血が、血が流れるのが止まらないのである。


 ===== ===== =====
 幽鬼オカモト・S・タロウ チームの 攻撃
 召喚獣2体の 体力が 減少 しております
 体力回復を お勧め いたします
 ===== ===== =====


 なにか気を利かせているのかは分からないが、メッセージウインドウでも2体が危険な状態である事を知らせてくれているし。
 どんどん、どんどん体力が減っているようで、完全に向こうが有利に戦闘は続いていた。
 これ以上は、2体の召喚獣達が体力0になって、消えてしまうだろう。

「(でも、回復アイテムは少ないんだよな)」


 ===== ===== =====
 【ヒーラーの小加護】×3 ヒーラーの加護を用い、体力を少量回復します
 【蛇神の貰い物】×2 蛇神の力を使い、対象を毒状態にします
 【浄化の泉】×3 泉の力を借り、対象の状態異常をなくします
 ===== ===== =====


 回復アイテムが少ないのは、回復アイテムを使いまくってのごり押しはダメという事だろう。
 まぁ、わざわざこの大会に出るような奴なら、回復アイテムのごり押しなんてなくても勝てるだろうし。
 俺も、そんなアイテムでごり押ししなくても、それどころか使用しなくても勝てると思ってたくらいだし。

 けれども、今の召喚獣達には必要だ。
 アイテムに頼らなければ、この状況を打破できそうにないし。

「(でも、【ヒーラーの小加護】ぐらいじゃあ、もうどうしようもないんだよな)」

 ほんの少しだけ体力を回復させたとしても、相手がどうやって攻撃しているか分からない以上は、やっても意味がない。
 精々、倒されるまでの時間稼ぎでしかない。

「(なんだ、岡本太郎をオマージュしたであろう名前に、ばくだんいわ。そして、逃げるための蜃……。
 ……ダメだ。俺の召喚獣を攻撃している、決定打がまるで読めん)」

「芸術は、大爆発! 大爆発こそ、芸術だぁぁぁぁぁ!!!
 ----大爆発エクスプロージョン! 大爆発エクスプロージョン! 大爆発エクスプロージョンンンンンンンッッ!!!」

 相も変わらず、岡本・S・太郎はと言うと、狂ったように"爆発"という言葉を繰り返している。
 その命令に従って、2体のばくだんいわが爆発する。
 その爆発を避けるように、蜃に乗った岡本・S・太郎が通り抜けて-----。

「ん……?」

 なにか、変だ。
 今の、岡本・S・太郎の行動、改めて見るとなにか変じゃないか?



 岡本・S・太郎は、ばくだんいわに爆発を指示し。
 大きく爆発することによって、雪ん子とファイントの攻撃が外されて。
 ----その爆発の隙間を、蜃に乗った岡本・S・太郎が通り抜けていく。


「(----そうだ、あれだ。蜃に乗った状態で、爆発の間を通り抜けているところだ)」

 わざわざ爆発の最中を通り抜けるだなんて、なんでそんな面倒なことをしているんだ?
 ベビーキマイラのように、速度が速い召喚獣に乗ったりすれば、もっと簡単に避けられるであろう。
 速度が遅くても、高い空を駆けるタイプの召喚獣なら、危険から遠ざかる事も簡単だろう。

 なのに何故、いちいち水を噴射することでしか動けない蜃を用いてるんだ?
 それも、どうして爆発の合間を潜り抜けるように、逃げてるんだ?

 それに、爆発の回数も無意味に多い。
 相手に攻撃したり、防御したりする時以外にも、ばくだんいわで爆発を続けさせている。
 まるで、爆発を途切れさせないように。

「もしかして、あれが、ヤツの戦術?」

 逃げるだけなら、もっと良い召喚獣は山ほど要る。
 わざわざ、蜃を使う理由は?
 そして、無意味に、攻撃とは関係なく、爆発をする理由は?

 そう考えて、1つだけ。
 ヤツが取っている戦術に心当たりがあった。

 そして、解決策は、やはりあの3種類の回復アイテムにあった。
 と言う訳で、まずは----!


「いくぞ、【浄化の泉】!」


 俺は、状態異常を失くす【浄化の泉】を、3つとも、全部、使う。
 その対象は、勿論----。


「3つとも、くれてやる!
 効果を見せろ! アイツラ・・・・に!」

 俺の回復アイテムは、俺の命令通り----2体のばくだんいわ、そして蜃に。
 つまりは、"岡本・S・太郎の召喚獣達"に、作用した。

 3体の召喚獣は、【浄化の泉】で状態異常を、真っ新に上書きされたのであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。 で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか? 異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕! 異世界帰りのハーレム王 朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!

ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。 ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。 そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。 問題は一つ。 兄様との関係が、どうしようもなく悪い。 僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。 このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない! 追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。 それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!! それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります! 5/9から小説になろうでも掲載中

スライム退治専門のさえないおっさんの冒険

守 秀斗
ファンタジー
俺と相棒二人だけの冴えない冒険者パーティー。普段はスライム退治が専門だ。その冴えない日常を語る。

処理中です...