俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政

文字の大きさ
47 / 354
第2章『新たな召喚獣、新たな世界/ファイントの章』

第46話 《雪山の騎士城》前にて

しおりを挟む
 ----と言う訳で、俺は今、俺だけのアイテムを作ってもらうために、Eランクダンジョン《雪山の騎士城》に来ているのだ。

 民家と民家の間にある謎の脇道に入ったら、いきなり吹雪まくっている雪山なんて……。
 道を1本逸れたら、雪山だなんて、やっぱりダンジョンとは不思議な所だな。

「しっかし、ご主人! この度のダンジョンは、本当に寒いですなぁ~♪ 私的には、マフラー3枚くらい欲しいですねぇ~!」
「《……???》」

 ぶるぶる~っと、大袈裟に身体を震わせるファイント。
 そして、まったく気にした様子もなく、普通にとことこと歩く雪ん子。

 雪ん子が平気なのは彼女が雪山の妖怪をモデルにした召喚獣だから当然だろうけれども、ファイントは……どうなんだろう?
 本当に寒がっているのか、あるいはただの演技なのか、まったく分からん。

「ほら、まだ目的地には着いてないんだから、ちゃっちゃと歩くぞ」

 なにせ、俺達が今から向かおうとしている《雪山の騎士城》にはまだ辿り着いても居ないのだから。

 俺達が今いるのは、《雪山の騎士城》の前にあるフィールド……ゲーム風に言えば、ダンジョンに行くまでの、ただの通り道だ。
 雪が降り続けるフィールドの奥、堂々と立っているあの真っ白な城が、今回俺達が向かおうとしている《雪山の騎士城》である。
 あそこに出てくる騎士型の魔物からのドロップ品が、俺が依頼された【アイシクル騎士団の胸当て】や【アイシクル騎士団の剣】などだそうだ。

 《雪山の騎士城》の前の、ただの通り道に登場するのは、ドロップアイテムを落とさないただの【アイスウルフ】という魔物である。


 ===== ===== =====
 【アイスウルフ】 レベル;Ⅰ
 雪が降り続く土地に現れる、雪で出来た狼型の魔物。全ての攻撃に氷属性がつき、1体ではなく群れとして襲う事に長けている。倒しても雪が降り続ける限り、この魔物を倒しきることは出来ない
 ===== ===== =====


 こいつは、雪の中ならばどれだけ傷つこうが、すぐさま復活して襲い掛かってくるという、厄介な魔物だ。
 それにレベルⅠで、復活する以外はステータスも低い魔物なので、雪ん子とファイントの今の成長しきっているステータスには、1ポイントの経験値も入らない。

 ちなみに、今の俺の召喚獣のステータスはこんな感じだ。


 ===== ===== =====
【《悪の手先》雪ん子】 レベル;Ⅱ+13
 個体レベル;11→13
 装備職業;悪の剣士
 攻撃力;E+6→E+10
 属性攻撃力;E+17→E+21
 防御力;E+6→E+10
 素早さ;E+7→E+11
 賢さ;D+41→D+45

 固有スキル;【氷結の申し子】;全ての攻撃に対し、氷属性を付与する
      ;【悪の申し子】;全ての攻撃に対し、悪属性を付与する

 後天スキル;【剣技】;剣などの武器を持つ時、強力な技を発動する
      ;【嗜虐性】;相手を痛がらせるほど、ステータスが上昇する
      ;【殺意の目】;敵の弱点を瞬時に見抜くが、殺人衝動が起きるようになる
      ;【忠実なる奴隷】;主に逆らわなくなる。また、主の命令を受けると戦闘能力が上昇する

 = ☆ = ☆ = ☆ =

 【《聖霊》ファイント】 レベル;Ⅰ+5
 個体レベル;01→05
 装備職業;青魔導士
 攻撃力;G+1→G+9
 魔法攻撃力;A+12→A+22
 防御力;G+1→G+9
 素早さ;G+1→G+9
 賢さ;S+14→S+24

 固有スキル;【反天使】;天使から悪の道へと進んだ者。全ての聖属性の攻撃が闇属性に変換され、相手が聖属性だった場合、集中攻撃される
      ;【審偽眼】;嘘を見抜く力。相手が嘘を言っている場合、その隠している真実まで見抜く力であり、真実を見抜くスキルとも言える
      ;【???】;《対象のレベルが足りないため、スキルが使用できません》
      ;【???】;《対象のレベルが足りないため、スキルが使用できません》

 後天スキル;【青魔導をる者】;青魔法が使えるようになるスキル。複数の学習ラーニングしたスキルを組み合わせ、別の魔法効果と複合して新しい魔法を生み出すことが出来るようになる。ただし、一度に覚えられる青魔法は8つまで
      ;【独断専行】;ダンジョンの魔力の影響を受けない。暑さや寒さなどの影響を受けず、ダンジョン内の魔力に関わらず、スキルを発動できる
 ===== ===== =====


 雪ん子のレベルは2つ、そしてファイントのレベルは4つ上がっており、ステータスもその分だけ上がっている。
 スキルで増えたのと言えば、ファイントの【独断専行】というスキルくらいだろう。

 恐らくは、この前、俺の家に現れる際にはもう発現していたスキルだろう。
 召喚獣がダンジョンにいられるのは、ダンジョン内の魔力をこの世界に居るための維持に使っているからだ。
 人間が空気がないと生きられないように、召喚獣も魔力がないと生きられない。

 そして、この【独断専行】を持っているファイントは、魔力がなくても普通に行動できる。
 魔力がないダンジョンの外であろうとも、彼女にとっては関係ないのだろう。

「ん……? このスキルの説明に、"暑さや寒さの影響を受けず"ってあるけど」

 ダンジョンの気候(※1)に関係ない?
 それって、つまりは、さっきの『寒い』云々の話は----嘘って訳じゃないか!!

「(やっぱ、信用出来ねぇ……)」

 ともかく、今この場で寒さを感じているのは、俺だけって訳だ。

 風は冷たく、雪はただ寒い。
 あの城も、見かけは氷で出来てそうなくらい真っ白だが、風くらいなら凌げるだろう。

「そんな倒しきるのも無駄な魔物なんて放っておいて、先に進むぞ」

 ただただ寒いし、こんな依頼をさっさと終えて、ボスを倒さずに帰るに限るぜ。

 

「はいはーい! 分かったよ、ご主人! 犬っころは無視して、騎士ちゃん達を殺しにいきましょ! ねぇー、雪ん子ちゃん?」
「《うん! 主の言う通り!》」
「そうそう! 召喚獣たるもの、ご主人のためを思って、より良いダンジョンライフとやらを完遂するために頑張らないとね! 例えば、そう! 雪ん子ちゃんがこの戦いで、めちゃくちゃ強くなったりしたりとかね!」
「《……? 今より?》」
「えぇ、レベルアップで強くなるには、やーっぱり、限度ってか、ある程度頭打ちになっちゃうでしょ? こう、ご主人のためにもっと強くなるには、もーっと根本から・・・・、変えないとね♪」
「《根本から、変える?》」
「大丈夫! 安心して、雪ん子ちゃん! このファイントお姉さんが、なんとかしちゃうから!
 今後の・・・召喚獣ライフの・・・・・・・ために・・・、ね♪」

 俺はその時、早く城に行って、寒さから逃れたくて知らなかった。
 後ろでファイントが、雪ん子を相手にそんなことを話してるだなんて。


(※1)ダンジョンの気候
 一部のダンジョンには気候と呼べるモノが存在しており、雪が降り続けていたり、砂嵐など止まらなかったり、太陽がずーっと照らし続けたりなど、1つの気候に固定されている場合がある
 そう言ったダンジョンでは魔法を発動すると、気候の影響を受ける場合がある。例えば雨が降る場所では水属性系統の魔法の威力が上がったり、夜の時にのみ闇属性系統の魔法の威力が上がるなどがある
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

俺は普通の高校生なので、

雨ノ千雨
ファンタジー
普通の高校生として生きていく。その為の手段は問わない。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

異世界帰りのハーレム王

ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。 で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか? 異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕! 異世界帰りのハーレム王 朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~

山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。 与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。 そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。 「──誰か、養ってくれない?」 この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

処理中です...