82 / 354
第2章『新たな召喚獣、新たな世界/ファイントの章』
第78.5話(リクエスト) とある【着ぐるみ】冒険者の諸事情(2)
しおりを挟む
※今回の番外編は、ネムぃさんのリクエストによる、他の一般的な冒険者のお話【第2弾】です!!
本編とは別の場所で起きている事件……くらいの認識でお願いします!!
カクヨムで《お好み焼き》赤鬼なる、番外短編を書いたので、そのノリと勢いを消さないために書きました!!
それでは、スタート!!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
オレの名前は、有賀刀祢。
神の悪戯か、高火力【剣士】ではなく、【着ぐるみ】などと言う職業になってしまった冒険者である。
そして、【着ぐるみ】となってしまったせいで、元々組んでいたパーティーを追放されてしまった者である。
パーティーを追放されたオレは、新たに2人の冒険者とパーティーを組むことにした。
【吟遊詩人】なのに短刀を使った暗殺術が得意と言う、三日月三言。
派手な見た目とは裏腹に小心者の、【弓使い】の山田花子。
既にこの3人で、1か月近く冒険して、最初は慣れなかったが、それなりに安定してきた。
この前は、Eランクダンジョン《海辺の夜明け》のボスも倒せたし。
Eランクを軽く片付けられるようになったから、1つ上のダンジョン、Dランクダンジョン《無限の封印遺跡》に向かったのも間違いじゃないんだ。
ただ、このダンジョンは----オレが前のパーティーで、最後に一緒に冒険してたダンジョンだってだけで。
2人には、何の問題もないのだ。
追放されたことに恨みがあるかと言われれば、多少はあるが、そこまで大きくはない。
元々、剣を使い捨てにする代わりに、高火力を発揮できるという強みがあるからこそ、俺はそのパーティーに所属させてもらったのだから。
前のパーティーは前衛を俺と【騎士】、後衛を【魔法使い】と【忍者】という、パーティーでやっていた。
【騎士】の彼女が敵を倒していき、ボスや強敵の際は俺の剣消費前提の瞬発的高火力攻撃をする。
【魔法使い】は指示を出しながら、適宜、得意属性たる土属性の魔法を放つ。
【忍者】は短刀と手裏剣で、全体的な底上げをする、と言う編成だった。
まぁ、簡単に言えば、俺と言う高火力がなくても良い、バランスが取れたパーティー。
俺は強敵専門の、パーティーの切札的な役目だったし、瞬発的高火力を失った俺はお払い箱が相当だ。
俺が居なくても、あのパーティーなら無理さえしなければ、普通に戦えるしな。
「(----まっ、気にしてないけど。ほんと、全然。これっぽっちも。
うん、本当に。全然、まったく)」
そうだよ、俺のモットーは、座右の銘は、【人生万事塞翁が馬】!!
良い事も悪い事も、後になって見ないことには分からない。
だから悩むなんて勿体ないという、安易に喜んだり悩むなんて、バカらしいっていう----。
「あのさ」
と、オレが自分をそうやって励ましていると、いつの間にか、三言がオレの前に立っていた。
最初にあったあの時と同じく、つまらなさそうな雰囲気で。
彼女は短刀をオレの心臓にいつだって突き刺せるような形で、オレに問いかける。
「さっきから、なに?」
ざっくりとした問いだった。
「なにって、なんかオレ、した?」
「いや……なんていうか、花子を見捨てて、先行ってるじゃん」
「後ろ見てみ」と言うので、振り返ると、そこには岩陰に隠れながらもゆっくりこちらへ近付くパーティーメンバーの姿が。
「(----しまった!!)」
【着ぐるみ】という職業になったが、オレが戦士などの近接系統の職業であるのは変わらない。
対して、【弓使い】の山田花子は遠距離系統----つまりは後ろからの攻撃を主に行う職業。
同じオーラ系統ではあるのだが、彼女とオレとでは、オレの方が身体能力は高い。
だから、オレが先に先にと言ってしまったせいで、このような距離が出来てしまったのだろう。
「花子はさ、そりゃあ【弓使い】で後ろから攻撃するし、本人の性格的な面もあるから前に前に来るタイプじゃないけど」
「それは……この1か月で、身に染みて分かってる」
山田花子----彼女が冒険者として活動する理由は、命題だ。
《弓の集中力が上がる代わりに、見た目が派手になる》という、地味で目立たないを信条として生きてきた、小心者の彼女にとっては、この命題は絶望通告に等しかったのだそうだ。
だからこそ、冒険者として活動して、この命題を変える事が出来るアイテムを見つける。
これが、山田花子が冒険者として戦う理由なのだそうだ。
「なに、いつもだったらこんなに先に行かないじゃん? 焦ってんの?」
「かも、しれないな」
いつもだったら、彼女の心情や性格を考慮して、ある程度、テンポを落としてダンジョン攻略をしている。
いくら後ろから攻撃する【弓使い】と言っても、下がりすぎも良くないしな。
「すまない、ちょっとこのダンジョンに気を取られていた」
「いや、うちに謝られても」
「確かに、そうだな……すまない、花子!!」
大きな声で謝るように言うと、後ろの方から
「ぜんぜぇん、だいじょうぶでしゅぅぅぅぅぅ!!」
などという返答が帰ってきた。
「三言、気付かせてくれて、ありが……」
「…………」
三言にもお礼を言おうとするのだが、彼女は言いたい事は言ったとばかりに、ヘッドフォンを耳に当てて、こちらの声をシャットアウトしてしまう。
まるで、オレの声なんか聴きたくないとでも言わんばかりである。
「(そう言えば、なんで三言が冒険者になってるのかは聞いたことがなかった)」
オレの、苦学生なりの貧乏脱却術。
山田花子の、小心者なりの命題撤回術。
オレと花子が、冒険者として頑張る理由はそうやって話してきたつもりだが----
----三日月三言、常にダンジョン内でヘッドフォンをしている、歌わない【吟遊詩人】。
彼女は、なんでダンジョンに潜っているのだろう?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
オレ達のパーティーは、Dランクダンジョン《無限の封印遺跡》をどんどん進んで行った。
前のパーティーで進んだ時よりも、ダンジョンの攻略スピードは速かったと思う。
まぁ、以前のパーティーはバランスが取れたパーティーであって、三言と花子との今のパーティーは、簡単に言えば攻撃特化パーティーだしな。
「----ピピピピッ!!」
ダンジョンを進んで行くと、いきなり一つ目の機械兵が数十体現れる。
この《無限の封印遺跡》を徘徊する、一般的な魔物----《機械兵士》である。
===== ===== =====
【機械兵士】 レベル;Ⅱ
太古の世界に生み出された、機械兵の魔物。遺跡型のダンジョンで多く見られる魔物であり、一部分が破壊されても他の機械兵士と挿げ替えるために、簡易的な設計思想により作られている
目の多さによって対応できる情報量が決定されており、目が多いほど強いとされている
===== ===== =====
「おっ、らぁぁぁぁ!! 《怪力》発動!!」
出てきた一つ目の機械兵士に対し、アングリーベアーの着ぐるみを着たオレが、《怪力》の力と共に殴り掛かる。
長引くと周囲の、無事だった部品を取り込んで復活してしまうから、出来る限り多くの部品を巻き込むように考えながら、オレは殴っていた。
「ンゴーッ!」
ボス魔物であるアングリーベアー由来の《怪力》で思いっきり殴られ、機械兵は吹っ飛ばされる。
「秒で黙らすし」
「ンゴーッ!」
三言は背中を丸め、出来る限り体勢を低く屈みながら、鋭くナイフで斬りかかる。
単純な設計思想のため、機械兵士は地面スレスレから攻撃する三言に対処が追いついてないようである。
そのまま、弱点である一つ目の部分に、ナイフを叩きこんで倒して行く。
完全に戦い方が、一撃離脱の【暗殺者】にしか見えんのだが……。
「……ほっ! ひぃぃぃぃ! ごめんなさぁぁぁぁいいいいい!!」
「ンゴーッ!」
花子は後ろの方から弓を放って、後ろの方で魔法を発動しようとしていたり、弓を使って援護しようとする、二つ目の機械兵士達の頭を、クリティカルヒットさせて撃ち落としていた。
相手から魔法や弓矢の攻撃が来るが、花子は謝罪とヘンテコな踊りと共に、全て避けていた。
攻撃しながら、避ける事が出来るなんて、本当に凄い【弓使い】である。
「来ないでぇぇぇぇ!! 勧誘は勘弁でしゅぅぅぅぅ!! 新聞はもう五社取ってるのでぇぇぇぇ!!」
「……マジ受ける」
「「ンゴーッ!!」」
順調に機械兵を倒してくれている、頼りになる2人。
……まぁ、若干、キャラが強すぎる気がするけど。
ともかく、オレ達は順調にダンジョン攻略を進めていくのであった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
そうして、前のパーティーの時の半分の時間で、オレ達はボスの間へと辿り着いていた。
「グォォォォンンンン!!」
ボスの間に居たのは、四ツ目の機械兵……《機械兵長》である。
オレ達の10倍はあろうかというくらい、巨大な槍持ち兵士長は、そのままこちらへと向かってきた。
===== ===== =====
【機械兵長】 レベル;Ⅱ 《無限の封印遺跡》ボス魔物
太古の世界に生み出された、機械の兵士長。多くの機械兵を引き要らせるため、他の機械兵よりも巨体となるように作られており、なおかつ四つの目で機械兵を的確に率いる
目の多さによって対応できる情報量が決定されており、目が多いほど強いとされている
===== ===== =====
四ツ目の巨大な機械兵長は、「キキキ……」と不気味な機械音と共に、槍を振り上げてきた。
「----《換装・彷徨う騎士団長》! そして、《大盾シールド》!!」
俺はそれを防ぐために、自分の着ぐるみを《彷徨う騎士団長》というボス魔物の物に変える。
コイツは、卓越した剣術だけでなく、相手の攻撃を防ぐ大楯が特徴の魔物だった。
オレはそんな魔物の、盾による攻撃を使って、2人のダメージを防ぐ。
----ズキンッ!!
「くそっ、盾が……!!」
攻撃は防ぎ切ったが、盾には大きな亀裂が入り、もう使えそうにない。
そう思った瞬間には、盾はオレの手から勝手に離れ、そのまま霧のように消えていく。
これこそが、【着ぐるみ】の職業の弱点だ。
ある程度のダメージは着ていない時に修復してくれるのだが、今回の盾のように完全に使い物にならない状態まで破壊されると、このように消滅してしまうのである。
ボス魔物以外からもドロップがあるのなら、ストックも増やせるが----オレには出来ないしな。
もうオレの着替えられる【着ぐるみ】の中に、アイツの攻撃を止められるような着ぐるみはない。
となると、後は、あれしかあるまい。
「こうなったら、高火力で行くしかないな、2人とも!!」
「うっ、うんっ!! 私、頑張るっ!!」
「……当然」
全身全霊で、防御無視で、ボス魔物を倒すっ!!
高火力パーティー、オレらの力!
見てろよ、機械兵長!!
……そうやって戦いに集中しているオレらは、気付かなかった。
機械兵長の中で、それを楽しそうに見ている冒険者が居るなんて。
「……へぇ、楽しそう。#興味津々 #会いに行きたい #驚くかな?」
そう、佐鳥愛理の仲間の1人----オレ達の前に立ち塞がる事となる、あの女とちょうど出会う前の話である。
本編とは別の場所で起きている事件……くらいの認識でお願いします!!
カクヨムで《お好み焼き》赤鬼なる、番外短編を書いたので、そのノリと勢いを消さないために書きました!!
それでは、スタート!!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
オレの名前は、有賀刀祢。
神の悪戯か、高火力【剣士】ではなく、【着ぐるみ】などと言う職業になってしまった冒険者である。
そして、【着ぐるみ】となってしまったせいで、元々組んでいたパーティーを追放されてしまった者である。
パーティーを追放されたオレは、新たに2人の冒険者とパーティーを組むことにした。
【吟遊詩人】なのに短刀を使った暗殺術が得意と言う、三日月三言。
派手な見た目とは裏腹に小心者の、【弓使い】の山田花子。
既にこの3人で、1か月近く冒険して、最初は慣れなかったが、それなりに安定してきた。
この前は、Eランクダンジョン《海辺の夜明け》のボスも倒せたし。
Eランクを軽く片付けられるようになったから、1つ上のダンジョン、Dランクダンジョン《無限の封印遺跡》に向かったのも間違いじゃないんだ。
ただ、このダンジョンは----オレが前のパーティーで、最後に一緒に冒険してたダンジョンだってだけで。
2人には、何の問題もないのだ。
追放されたことに恨みがあるかと言われれば、多少はあるが、そこまで大きくはない。
元々、剣を使い捨てにする代わりに、高火力を発揮できるという強みがあるからこそ、俺はそのパーティーに所属させてもらったのだから。
前のパーティーは前衛を俺と【騎士】、後衛を【魔法使い】と【忍者】という、パーティーでやっていた。
【騎士】の彼女が敵を倒していき、ボスや強敵の際は俺の剣消費前提の瞬発的高火力攻撃をする。
【魔法使い】は指示を出しながら、適宜、得意属性たる土属性の魔法を放つ。
【忍者】は短刀と手裏剣で、全体的な底上げをする、と言う編成だった。
まぁ、簡単に言えば、俺と言う高火力がなくても良い、バランスが取れたパーティー。
俺は強敵専門の、パーティーの切札的な役目だったし、瞬発的高火力を失った俺はお払い箱が相当だ。
俺が居なくても、あのパーティーなら無理さえしなければ、普通に戦えるしな。
「(----まっ、気にしてないけど。ほんと、全然。これっぽっちも。
うん、本当に。全然、まったく)」
そうだよ、俺のモットーは、座右の銘は、【人生万事塞翁が馬】!!
良い事も悪い事も、後になって見ないことには分からない。
だから悩むなんて勿体ないという、安易に喜んだり悩むなんて、バカらしいっていう----。
「あのさ」
と、オレが自分をそうやって励ましていると、いつの間にか、三言がオレの前に立っていた。
最初にあったあの時と同じく、つまらなさそうな雰囲気で。
彼女は短刀をオレの心臓にいつだって突き刺せるような形で、オレに問いかける。
「さっきから、なに?」
ざっくりとした問いだった。
「なにって、なんかオレ、した?」
「いや……なんていうか、花子を見捨てて、先行ってるじゃん」
「後ろ見てみ」と言うので、振り返ると、そこには岩陰に隠れながらもゆっくりこちらへ近付くパーティーメンバーの姿が。
「(----しまった!!)」
【着ぐるみ】という職業になったが、オレが戦士などの近接系統の職業であるのは変わらない。
対して、【弓使い】の山田花子は遠距離系統----つまりは後ろからの攻撃を主に行う職業。
同じオーラ系統ではあるのだが、彼女とオレとでは、オレの方が身体能力は高い。
だから、オレが先に先にと言ってしまったせいで、このような距離が出来てしまったのだろう。
「花子はさ、そりゃあ【弓使い】で後ろから攻撃するし、本人の性格的な面もあるから前に前に来るタイプじゃないけど」
「それは……この1か月で、身に染みて分かってる」
山田花子----彼女が冒険者として活動する理由は、命題だ。
《弓の集中力が上がる代わりに、見た目が派手になる》という、地味で目立たないを信条として生きてきた、小心者の彼女にとっては、この命題は絶望通告に等しかったのだそうだ。
だからこそ、冒険者として活動して、この命題を変える事が出来るアイテムを見つける。
これが、山田花子が冒険者として戦う理由なのだそうだ。
「なに、いつもだったらこんなに先に行かないじゃん? 焦ってんの?」
「かも、しれないな」
いつもだったら、彼女の心情や性格を考慮して、ある程度、テンポを落としてダンジョン攻略をしている。
いくら後ろから攻撃する【弓使い】と言っても、下がりすぎも良くないしな。
「すまない、ちょっとこのダンジョンに気を取られていた」
「いや、うちに謝られても」
「確かに、そうだな……すまない、花子!!」
大きな声で謝るように言うと、後ろの方から
「ぜんぜぇん、だいじょうぶでしゅぅぅぅぅぅ!!」
などという返答が帰ってきた。
「三言、気付かせてくれて、ありが……」
「…………」
三言にもお礼を言おうとするのだが、彼女は言いたい事は言ったとばかりに、ヘッドフォンを耳に当てて、こちらの声をシャットアウトしてしまう。
まるで、オレの声なんか聴きたくないとでも言わんばかりである。
「(そう言えば、なんで三言が冒険者になってるのかは聞いたことがなかった)」
オレの、苦学生なりの貧乏脱却術。
山田花子の、小心者なりの命題撤回術。
オレと花子が、冒険者として頑張る理由はそうやって話してきたつもりだが----
----三日月三言、常にダンジョン内でヘッドフォンをしている、歌わない【吟遊詩人】。
彼女は、なんでダンジョンに潜っているのだろう?
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
オレ達のパーティーは、Dランクダンジョン《無限の封印遺跡》をどんどん進んで行った。
前のパーティーで進んだ時よりも、ダンジョンの攻略スピードは速かったと思う。
まぁ、以前のパーティーはバランスが取れたパーティーであって、三言と花子との今のパーティーは、簡単に言えば攻撃特化パーティーだしな。
「----ピピピピッ!!」
ダンジョンを進んで行くと、いきなり一つ目の機械兵が数十体現れる。
この《無限の封印遺跡》を徘徊する、一般的な魔物----《機械兵士》である。
===== ===== =====
【機械兵士】 レベル;Ⅱ
太古の世界に生み出された、機械兵の魔物。遺跡型のダンジョンで多く見られる魔物であり、一部分が破壊されても他の機械兵士と挿げ替えるために、簡易的な設計思想により作られている
目の多さによって対応できる情報量が決定されており、目が多いほど強いとされている
===== ===== =====
「おっ、らぁぁぁぁ!! 《怪力》発動!!」
出てきた一つ目の機械兵士に対し、アングリーベアーの着ぐるみを着たオレが、《怪力》の力と共に殴り掛かる。
長引くと周囲の、無事だった部品を取り込んで復活してしまうから、出来る限り多くの部品を巻き込むように考えながら、オレは殴っていた。
「ンゴーッ!」
ボス魔物であるアングリーベアー由来の《怪力》で思いっきり殴られ、機械兵は吹っ飛ばされる。
「秒で黙らすし」
「ンゴーッ!」
三言は背中を丸め、出来る限り体勢を低く屈みながら、鋭くナイフで斬りかかる。
単純な設計思想のため、機械兵士は地面スレスレから攻撃する三言に対処が追いついてないようである。
そのまま、弱点である一つ目の部分に、ナイフを叩きこんで倒して行く。
完全に戦い方が、一撃離脱の【暗殺者】にしか見えんのだが……。
「……ほっ! ひぃぃぃぃ! ごめんなさぁぁぁぁいいいいい!!」
「ンゴーッ!」
花子は後ろの方から弓を放って、後ろの方で魔法を発動しようとしていたり、弓を使って援護しようとする、二つ目の機械兵士達の頭を、クリティカルヒットさせて撃ち落としていた。
相手から魔法や弓矢の攻撃が来るが、花子は謝罪とヘンテコな踊りと共に、全て避けていた。
攻撃しながら、避ける事が出来るなんて、本当に凄い【弓使い】である。
「来ないでぇぇぇぇ!! 勧誘は勘弁でしゅぅぅぅぅ!! 新聞はもう五社取ってるのでぇぇぇぇ!!」
「……マジ受ける」
「「ンゴーッ!!」」
順調に機械兵を倒してくれている、頼りになる2人。
……まぁ、若干、キャラが強すぎる気がするけど。
ともかく、オレ達は順調にダンジョン攻略を進めていくのであった。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
そうして、前のパーティーの時の半分の時間で、オレ達はボスの間へと辿り着いていた。
「グォォォォンンンン!!」
ボスの間に居たのは、四ツ目の機械兵……《機械兵長》である。
オレ達の10倍はあろうかというくらい、巨大な槍持ち兵士長は、そのままこちらへと向かってきた。
===== ===== =====
【機械兵長】 レベル;Ⅱ 《無限の封印遺跡》ボス魔物
太古の世界に生み出された、機械の兵士長。多くの機械兵を引き要らせるため、他の機械兵よりも巨体となるように作られており、なおかつ四つの目で機械兵を的確に率いる
目の多さによって対応できる情報量が決定されており、目が多いほど強いとされている
===== ===== =====
四ツ目の巨大な機械兵長は、「キキキ……」と不気味な機械音と共に、槍を振り上げてきた。
「----《換装・彷徨う騎士団長》! そして、《大盾シールド》!!」
俺はそれを防ぐために、自分の着ぐるみを《彷徨う騎士団長》というボス魔物の物に変える。
コイツは、卓越した剣術だけでなく、相手の攻撃を防ぐ大楯が特徴の魔物だった。
オレはそんな魔物の、盾による攻撃を使って、2人のダメージを防ぐ。
----ズキンッ!!
「くそっ、盾が……!!」
攻撃は防ぎ切ったが、盾には大きな亀裂が入り、もう使えそうにない。
そう思った瞬間には、盾はオレの手から勝手に離れ、そのまま霧のように消えていく。
これこそが、【着ぐるみ】の職業の弱点だ。
ある程度のダメージは着ていない時に修復してくれるのだが、今回の盾のように完全に使い物にならない状態まで破壊されると、このように消滅してしまうのである。
ボス魔物以外からもドロップがあるのなら、ストックも増やせるが----オレには出来ないしな。
もうオレの着替えられる【着ぐるみ】の中に、アイツの攻撃を止められるような着ぐるみはない。
となると、後は、あれしかあるまい。
「こうなったら、高火力で行くしかないな、2人とも!!」
「うっ、うんっ!! 私、頑張るっ!!」
「……当然」
全身全霊で、防御無視で、ボス魔物を倒すっ!!
高火力パーティー、オレらの力!
見てろよ、機械兵長!!
……そうやって戦いに集中しているオレらは、気付かなかった。
機械兵長の中で、それを楽しそうに見ている冒険者が居るなんて。
「……へぇ、楽しそう。#興味津々 #会いに行きたい #驚くかな?」
そう、佐鳥愛理の仲間の1人----オレ達の前に立ち塞がる事となる、あの女とちょうど出会う前の話である。
11
あなたにおすすめの小説
地獄に落ちた僕らは生きる意味を知った。
姫がかり
ファンタジー
死んだはずの僕は、
“地獄”で目を覚ました。
傷だらけの少女を背負って、この世界を歩き続ける。
ここには“死すら許されない苦しみ”がある。
それでも、守りたい命がある。
これは、生きる意味を失った僕らが、
もう一度“生きよう”とする物語。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる