201 / 354
第5章『夏だ! 海だ! 千山鯉だぁ~!/雪ん子の座を奪いし召喚獣・千山鯉の章』
第191話 【オーバーロード】の真の力(2)
しおりを挟む「----【オーバーロード】の力を一言で言えば、"覚醒"だね☆」
【オーバーロード】の力についてのアドバイスの1つとして、先にコツを掴んだファイントはそう告げた。
「私と雪ん子ちゃんは【オーバーロード】の力を使えるようになったことで、今まで使っていた【オーラ】や【マナ】と言った四大力を捨てたと、そう思い込んでたのかもしれない。
けれども、真実はそうじゃなくて、【オーバーロード】の力の本質は、それらの力を自らの力として増やす力、なのですよ☆」
「《増やす?》」
「そうですよ、雪ん子ちゃん☆ それもただ増やすだけじゃなくて、色々な機能を増やせちゃう力です♪」
ファイントはそう言いながら、雪ん子に分かりやすく表現するために、ファイアーボールを生み出す。
火炎の球は、彼女の手の上でゆらゆらと揺れていた。
「これが、【オーバーロード】の力を使う前の、雪ん子ちゃんだとするね♪ で、ここに【オーラ】の力を組み合わせれば----」
ファイアーボールは、彼女の力を受けて大きくなる。
「この通り、強くなる。戦闘能力が強くなって、さらに大きな範囲を、大きな敵を倒せるようになりますね☆」
そして、次にファイントは、ファイアーボールを元の大きさに戻すと、他の3つについても試していた。
「【マナ】は、魔術を操る。【オーラ】のように自身の戦闘能力はそれほど強くはなりませんが、単純に攻撃手段が増えた、と考えるべきでしょう」
ファイアーボールはそのままで、そのファイアーボールの周りを幾つもの小さな別のファイアーボールが回っていた。
「【スピリット】は、付与する力。自らや武器に性質を与えて、さらに強くする」
ファイアーボールは色を変え、凍らせるような吹雪を纏ったり、雷などを放っていた。
「【プラーナ】は、治癒の力。倒されても死なないと言うのは、相手にとってこれ以上厄介な敵はありませんね」
ファイアーボールは投げられ、壁に当たる----も、小さくならずにそのままの大きさを維持していた。
壁に当たって体力が削られても、治癒の力で元の大きさを維持するという事なのだろう。
「でもって、これが【オーバーロード】の力です☆」
そう言って、ファイントが一番最後に見せてくれたファイアーボールは、もはやファイアーボールではなかった。
生まれていたのは、"大量の星々"である。
炎を圧縮して高密度状態にして、それを一気に膨張させて爆発させることで、疑似的なビッグバンを引き起こして、星々を生み出していた。
それはもはや、ファイアーボールとは言えない代物であった。
「【オーバーロード】は、他の四大力を取り込み、さらにそれを高次元まで押し上げる力。"覚醒"、文字通りにこれを使って出来る事は、他の四大力とは格が違う、異次元の力……。
今までの四大力が【1】を【10】にする程度だとしたら、これは【1万】だとか、【1億】にする、まさしく規格外の能力と言えますね☆」
「ただ、欠点もあります」と、ビッグバンを消し去りながらファイントはそう語る。
「この【オーバーロード】は、他の四大力の能力に依存する。今は分かりやすくファイアーボールからビッグバンを作り出しましたが、実際はプラズマを発生させるくらい……【スピリット】の真似事が精々、ですかね。
要するに、元となった四大力が大きければ、大きいほど、出来る事も増えるが、元となってる力が弱ければさして強くもない」
要するに、他の四大力の力に依存する力だと、ファイントはそう語っていた。
「----もし仮に、極上の四大力……異次元の破壊力を手にしたとしたら、どうなるんでしょうね☆」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「《今が、その時っ!!》」
雪ん子が力を込めると共に、彼女の瞳がさらに大きく見開き、そして背中の龍の翼はさらに大きく広がっていく。
「《さっきは、【半古代龍魔法】を【オーバーロード】の力で送り込んだだけ。
そして今は、【半古代龍魔法】を構成する【マナ】の力を、私の【オーバーロード】の力で、極限なまでに巨大化させ、覚醒させるっ!!》」
彼女が持つ、蒼炎で出来た剣は、【半古代龍魔法】を取り込み、さらに【オーバーロード】の力で巨大化していく。
それはまるで、1匹の巨大な龍----蒼炎の剣はその姿を変え、1匹の蒼炎の龍として再現されつつあった。
そして、蒼炎の龍はどんどん巨大化していき、その炎の密度はどんどん増していく。
炎の密度は増していき、それは像となって、まるで生きた龍のように、その姿は実体化していく。
----生命の想像。
龍の形を為しただけのただの炎魔法は、雪ん子の【オーバーロード】の力で、一時的にしろ生命と言う形になっているみたいであった。
「ほ~ほけきょ♪ 出来上がりましたので、喰らいなさい! 【最大限に讃えよう! その偉大なる名を】」
先に攻撃を放ったのは、黒鬼の方であった。
たすきに込めた魔力を空へと打ち出すと、巨大隕石かと思うくらいの大きさの【シルガ様】という文字が、雪ん子の方へと向かって行く。
「偉大なるシルガ様の名を、あなた達も知ると良いですよ! ほ~ほけきょ♪」
そして、【シルガ様】という巨大文字はゆっくりと落ちて来て、
その文字を、蒼炎の龍が爪で薙ぎ払って破壊していた。
「ほけっ?!」
それは、もはや魔法ではなかった。
雪ん子が生み出した蒼炎の龍は意思を持ち、自らへと迫る【シルガ様】という文字を振り払ったのである。
それも、スキル効果によって、破壊不可能となっているはずの文字を。
「《偉大なる名は、我が主だけで結構ですっ!!
----【オーバーロードの半古代龍魔法・生きてる古代龍の宴】!》」
そして、放たれた蒼炎の龍は、自ら意思を持って、黒鬼を攻撃する。
爪で薙ぎ、口から火を吐き、足で踏み潰す。
それはまるで本当に、生きている古代龍が攻撃しているかのような代物であった。
「ほけえええええええええええええええええええええ!!
偉大なるシルガ様、ばんざあああああああああああいいいいいいいいい!!」
古代龍が消える頃には、黒鬼の意識はなく、そのまま倒れて消えてゆく----。
===== ===== =====
【《ウグイス嬢》黒鬼・巨躯】を 撃破しました
マナ系統職業【ウグイス嬢】が 解放されます
また、初回討伐特典として以下の物の中から、1つを選んで取得できます
なお、2回目以降は討伐特典は発生いたしません
1)【シルガ様のサイン色紙】……偉大なるシルガ様のサインが描かれたサイン色紙。カッコよく、それでいて優雅な文字が描かれている
効果;(黒鬼曰く)見ていると、うっとりする……見ているうちに1日が終わる事も……
2)【シルガ様の写真集】……偉大なるシルガ様の厳選された1085枚にも及ぶ、ベストショットが収録された写真集。様々なポーズのシルガ様が撮られており、さらにはコラムまで収録されている
効果;(黒鬼曰く)例え10万円だとしても、手に入れる価値あり!! まさしく、即・購入の代物!!
3)【シルガ様のぬいぐるみ】……偉大なるシルガ様の姿を、10/1サイズで再現した巨大なぬいぐるみ。触っているとシルガ様に包まれてるかのような心地よさがあり、シルガ様と一緒に寝られる幸せをあなたに
効果;(黒鬼曰く)あのシルガ様を、こんなに近くで感じられるだなんて……素晴らしすぎる!!
===== ===== =====
「《全部、要らないっ!!》」
雪ん子はそう強い口調で、言うのであった。
(※)【オーバーロード】
四大力の1つであると同時に、他の四大力とは一線を画す力。神を恨むほどの憎しみを持つ者のみが持つ力であり、神から貰った他の四大力の全てに大ダメージを受けてしまう
その力の本質は、他の四大力と組み合わせることで初めて効果を発揮する。他の四大力の能力を覚醒させ、高次元の力へと進化させる力
身体能力強化の【オーラ】なら時をかける能力へ、魔法使用の【マナ】なら周囲の魔法を全て掌握する完全支配能力など、全ての四大力を高次元へと跳ね上げる力である
ただし、どこまでも高次元へと覚醒強化させるのにも限度があり、強い力を使うためには基の四大力にもそれなりの強さがなければならないという、欠点も存在する
0
あなたにおすすめの小説
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
異世界帰りのハーレム王
ぬんまる兄貴
ファンタジー
俺、飯田雷丸。どこにでもいる普通の高校生……だったはずが、気づいたら異世界に召喚されて魔王を倒してた。すごいだろ?いや、自分でもびっくりしてる。異世界で魔王討伐なんて人生のピークじゃねぇか?でも、そのピークのまま現実世界に帰ってきたわけだ。
で、戻ってきたら、日常生活が平和に戻ると思うだろ?甘かったねぇ。何か知らんけど、妖怪とか悪魔とか幽霊とか、そんなのが普通に見えるようになっちまったんだよ!なんだこれ、チート能力の延長線上か?それとも人生ハードモードのお知らせか?
異世界で魔王を倒した俺が、今度は地球で恋と戦いとボールを転がす!最高にアツいハーレムバトル、開幕!
異世界帰りのハーレム王
朝7:00/夜21:00に各サイトで毎日更新中!
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて
ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記
大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。
それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。
生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、
まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。
しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。
無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。
これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?
依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、
いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。
誰かこの悪循環、何とかして!
まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる