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冒険者ギルド受付嬢 メアト・バトラの日常
メアト、お休みです。
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こんにちは、メアトです。今日はギルドの仕事がお休みなので妹のメアリー(8歳、三女)を連れて一緒にお買い物に来ています。今日はメアリーの新しい服を買ってあげるのです。ちょっとだけ早い誕生日プレゼントですね。
ちなみに、私が今日は休みだと聞いた両親が再びはっちゃけようとしましたが、きっちりこってり叱ったので今は家でお留守番です。
まあ、2人で留守番なので家の中でイチャつくのでしょうが……ハァ。
「新品の服なんて初めて! ありがとう、お姉ちゃん!」
「いいのよ。ずっと私達のお古ばっかりで申し訳なかったんだもの。メアリーだけの服を作ろうね」
「うん!」
私と手を繋ぐメアリーはとても嬉しそうです。奮発する甲斐があるってものですよ。
カランコロンッ!
「いらっしゃいま……メアトじゃないか」
「あれ? カレット? どうしてあなたがここに?」
仕立て屋さんに入ると店番に立っていたのは知り合いの少年、カレット(16歳)でした。彼は私がギルドで働く前にお手伝いしていた洋裁工房の同僚です。
「あ、カレット君だ。久しぶり!」
「おう。メアリーも一緒なのか?」
「今日はメアリーの服を仕立ててもらおうと思って」
「そうなのか。じゃあシェリーンさんを呼んでくるよ。ちょっと待ってな」
「うん、ありがとう」
シェリーンさんというのはこの仕立て屋さんの女性店主です。年に1回くらいしか来ない私達にも優しく対応してくれる素敵な女性です。ちなみに既婚者ですよ?
店の奥から出てきたシェリーンさんは満面の笑みで私達を迎えてくれました。予め予算を伝えたので今はその予算の範囲内でメアリーと一緒に生地選びやデザインについて相談しています。
「お前は加わらないのか? ほら、お茶」
「ありがとう。だってメアリーの服だもの。まずはあの子が考えないと。自分で考えて選んだ服ならきっと気に入ってくれるはずよ? 全部決めてから少しだけ私の話も取り入れてもらえればいいわ」
「そういうもんか?」
「ええ、そういうものよ」
……あ、このお茶結構良いお茶だ。こんなの私に出して大丈夫かしら?
「それにしてもカレットがシェリーンさんの仕立て屋で働いているなんて知らなかった。言ってくれればよかったのに」
「い、いや、その……1人前になってから教えようと思ってさ」
「ふふ、それっていつの話よ? そういえばいずれ私の花嫁衣装も作るんだって息巻いてたもんね。楽しみにしてるわよ?」
「え!? それって……!?」
「でも私って一体どんな人と結婚するのかな? 流石に20歳までには結婚したいけど、いい人が見つかると良いけどなぁ」
お茶を飲み干してカレットに顔を向けると、何故か彼は項垂れていました。
「(ボソリ)……全然伝わってねぇ」
「え? 何か言った?」
「何でもねえよ!」
何を怒ってるのかしら?
「お姉ちゃん! 私、決まった!」
おや、メアリーの服のデザインが決まったみたいです。さて、どんな服になるのかしら?
とっても楽しみです。
ちなみに、私が今日は休みだと聞いた両親が再びはっちゃけようとしましたが、きっちりこってり叱ったので今は家でお留守番です。
まあ、2人で留守番なので家の中でイチャつくのでしょうが……ハァ。
「新品の服なんて初めて! ありがとう、お姉ちゃん!」
「いいのよ。ずっと私達のお古ばっかりで申し訳なかったんだもの。メアリーだけの服を作ろうね」
「うん!」
私と手を繋ぐメアリーはとても嬉しそうです。奮発する甲斐があるってものですよ。
カランコロンッ!
「いらっしゃいま……メアトじゃないか」
「あれ? カレット? どうしてあなたがここに?」
仕立て屋さんに入ると店番に立っていたのは知り合いの少年、カレット(16歳)でした。彼は私がギルドで働く前にお手伝いしていた洋裁工房の同僚です。
「あ、カレット君だ。久しぶり!」
「おう。メアリーも一緒なのか?」
「今日はメアリーの服を仕立ててもらおうと思って」
「そうなのか。じゃあシェリーンさんを呼んでくるよ。ちょっと待ってな」
「うん、ありがとう」
シェリーンさんというのはこの仕立て屋さんの女性店主です。年に1回くらいしか来ない私達にも優しく対応してくれる素敵な女性です。ちなみに既婚者ですよ?
店の奥から出てきたシェリーンさんは満面の笑みで私達を迎えてくれました。予め予算を伝えたので今はその予算の範囲内でメアリーと一緒に生地選びやデザインについて相談しています。
「お前は加わらないのか? ほら、お茶」
「ありがとう。だってメアリーの服だもの。まずはあの子が考えないと。自分で考えて選んだ服ならきっと気に入ってくれるはずよ? 全部決めてから少しだけ私の話も取り入れてもらえればいいわ」
「そういうもんか?」
「ええ、そういうものよ」
……あ、このお茶結構良いお茶だ。こんなの私に出して大丈夫かしら?
「それにしてもカレットがシェリーンさんの仕立て屋で働いているなんて知らなかった。言ってくれればよかったのに」
「い、いや、その……1人前になってから教えようと思ってさ」
「ふふ、それっていつの話よ? そういえばいずれ私の花嫁衣装も作るんだって息巻いてたもんね。楽しみにしてるわよ?」
「え!? それって……!?」
「でも私って一体どんな人と結婚するのかな? 流石に20歳までには結婚したいけど、いい人が見つかると良いけどなぁ」
お茶を飲み干してカレットに顔を向けると、何故か彼は項垂れていました。
「(ボソリ)……全然伝わってねぇ」
「え? 何か言った?」
「何でもねえよ!」
何を怒ってるのかしら?
「お姉ちゃん! 私、決まった!」
おや、メアリーの服のデザインが決まったみたいです。さて、どんな服になるのかしら?
とっても楽しみです。
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