ヒビキとクロードの365日

あてきち

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5月

5月8日『世界赤十字デー』

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クロード「ヒビキ様。どこかに絆創膏はありませんか? 夜食の準備中にうっかり指を切ってしまいまして……て、何をしているのですか?」

 ヒビキ「あ、クロード。見ての通りだよ?」

クロード「いえ、見ても全く分かりません」

※ヒビキの前でミイラばりに包帯ぐるぐる巻きにされた『何か』がうーうー唸る。
※『何か』は池から放り出された鯉のようにビチンビチン跳ね回っていた。

クロード「どこから拾ってきたのですか。すぐに捨ててきてください」

 ヒビキ「酷いよ、クロード! 今日5月8日は『世界赤十字デー』! 人道的救援の気持ちを忘れちゃダメなんだよ!」

クロード「いえ、そういう問題ではなく……」

 ヒビキ「『世界赤十字デー』は赤十字社の創設者『アンリ・デュナン』さんの誕生日にちなんで作られた記念日だよ。1859年のイタリア統一戦争で生まれた大量の負傷者を救護しながら彼は思ったんだ。『傷ついた兵士は、もはや兵士ではない、人間である。人間同士としてその尊い命は救わなければならない』と。だから俺も、たとえ敵だろうと今日ばかりはそんなこと忘れて真摯に救護をしてあげようと思ったんだ」

クロード「……つまり、今目の前にいるそのミイラは『敵』なんですね?」

※クロードはすっと目を細めた。その視線にほんの少し殺気の炎が灯り始める。

 ヒビキ「うん。ガーベル」

クロード「捨ててきなさい!」

ガーベル「ふぐうううう! ふぐうううう!?」※びくんびくん!

【忘れた人のための解説】
ガーベル:テラダイナス第五聖殿騎士隊隊長。テラダイナスにてヒビキ達を拘束し、クロードに拷問を仕掛けた。後にクロードにぼっこぼこにされ、逮捕された。
※その後出番はないが、おそらく今も療養中のはずである。

 ヒビキ「安心して、ガーベル。確かに本編では敵対した俺だけど、今日に限っては赤十字の精神をもって人道的支援を行うから……医療技術はないけど」

ガーベル「ぐぶうううううう! ぐぼおおおおおお!?」

クロード「ボソリ(ヒビキ様……『医学書』があるはずでは?)」

 ヒビキ「(ニッコリ)」

クロード「(……どの辺が赤十字精神なのでしょうか)」

※クロードはガーベルへ同情の視線を向けた。

 ヒビキ「任せてガーベル! 俺不器用だし縫合は初めてだけど、頑張るから!」

ガーベル「ふぐぼごおおおおおおおおおおお!?」

クロード「今日だけは私も赤十字精神をもってお前に祈ろう……健闘を祈る」



★★★★★
その他の記念日『声の日』
 ヒビキ「ということで、いい声で鳴け」
ガーベル「ふごおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
クロード「そういう記念日ではありません」

※2011年。声総研が制定。
※渋い声代表、江守徹・中尾彬のモテ声対決によって制定された記念日。

クロード「これは……記念日、なのか?」
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