ヒビキとクロードの365日

あてきち

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7月

7月28日『世界肝炎デー』

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 ヒビキ「はい、今日も今日とてお勉強の時間です」

クロード「……ヒビキ様、眼鏡とほわいとぼーど、気に入ったのですか? 今回は白衣まで着込んで。まるでお医者さんごっこですね」

 ヒビキ「シャラップ! 今日7月28日は『世界肝炎デー』。ウイルス性肝炎の世界的認識を高め、予防と検査、治療を促進することを目的として2010年に制定された国際記念日だよ」

クロード「かんえん? 病気ですか?」

 ヒビキ「『肝炎』というのは名前の通り、何らかの原因で肝臓に炎症が起こり、発熱や黄疸、全身の倦怠感などの症状をきたす疾患の総称だよ。特に『B型肝炎』と『C型肝炎』は全世界で5億人以上の罹患者がいるといわれていて、自分が肝炎を患っていることに気付いていない人もいるんだ。治療が遅れると肝硬変や肝臓がんに肝不全などの合併症を引き起こす要因になりかねない。早期の発見が重要な病気なんだよ」

クロード「5億人……正直、想像できない人数ですね。その『びーがた』とか『しーがた』とかいうのには何か違いが?」

 ヒビキ「B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスなどの、感染しているウイルスの種類の違いだね。感染経路はどちらも血液であることが多いみたい。特に昔は法律で集団予防接種をする決まりがあって、その際の注射器を使い回されたことが原因で推定40数万人もの人々がB型肝炎ウイルスに感染する大事故が発生したらしい」

クロード「それは……酷い話ですね」

 ヒビキ「当然感染被害に遭った人達も黙ってはいなかった。これだけの被害が出たにもかかわらず、国からの救済措置がなかったこともあって、被害者達が集まって国に対し集団訴訟を起こしたんだ。いわゆる『B型肝炎訴訟』だね」

クロード「集団とはいえ国を相手取るのは大変だったのではないですか?」

 ヒビキ「詳しくは知らないけど難題だっただろうね。最終的に国は過失を認め、2011年6月28日に正式に謝罪し、原告団との間に基本合意が締結されたんだって」

クロード「それはよかったです。しかし、基本合意とは?」

 ヒビキ「①国が責任を認めて正式に謝罪すること ②和解対象者の認定と和解金の支払い ③偏見や差別がないように事件の啓発と広報を、そして肝炎に対する恒久対策の実施 ④第三者機関による集団感染の真相究明と再発防止 ⑤前述③④実現のため、原告・弁護団と国が協議・調整する場(大臣協議など)の設置 といったところかな? 詳細は検索検索♪ で、お願いします」

クロード「まあ、国の政策が原因で命に関わる病気にされてしまったのですから、これくらいは当然といえば当然ですね。私も気を付けなくては」

 ヒビキ「意外と他人事じゃないからね。特に昭和23年7月から昭和63年にかけて集団予防接種を受けたことがある人は、一度は検査をしてもらった方がいいかもしれない。感染していた場合、治療しなくちゃ治らない。自分の命は自分で守ろう」

クロード「今日は大変勉強になりました。しかし、またほわいとぼーどはこれっぽっちも使いませんでしたね」

 ヒビキ「だって書いたところでどうせ読者には見えないし」

クロード「……身も蓋もないお言葉、ありがとうございます」



★★★★★
その他の記念日『菜っ葉の日』
※『7月28日』=『7な2っ8ぱ』の語呂合わせ。
※キャベツ・ハクサイ・ホウレンソウなどの葉もの野菜で夏バテ防止を呼び掛ける。

クロード「葉もの野菜で夏バテを防止できるのですか?」
 ヒビキ「まあ、ビタミンとかはあるわけだし、素麺よりはいいんじゃない?」
クロード「あいまいですねぇ」
 ヒビキ「だって、うなぎですら夏バテ防止効果は微妙な時代だもの」
クロード「……そう言われると返しに困ってしまいます」
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