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第33話 マルドーレ
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竜の国、それはその名の通り竜によって建てられた国。
竜とは、神獣の一種とされており人間など比にならない力を有していると言われている。
単身の竜殺しは数件しかあり得ず、それを成し遂げた人間はどれも人間の中で英雄と呼ばれる存在。
そしてその竜の国は一度人間と対立していたことがある。
それは竜対人間の国ではなく、竜対大陸の人間というとんでもない対立だ。
その結果、最初は竜の方が優勢であったが圧倒的な人数を有する人間に後半は竜の方の被害も尋常なものではなくなっていき、最終的に和解することで終了となった。
それ以来、竜と人間は竜の国に要らぬ干渉をしようとしたら人間の国を滅ぼす程度の付き合いぐらいしかしていない。
だからこそ、アレスターレと竜の国が交易を始めた時、アレスターレはどんな大国であろうと攻め入ることのできない国となった。
その国を滅ぼせば、竜の怒りを買う可能性があり、そうなれば大陸の人間全員を動員しなければ相手にすらならないのだ。
さらに人類を総動員したところで勝てる見込みは低く、人間には何の利益もない。
だからこそ、竜との争いを嫌った大陸の人間はアレスターレを攻めることをやめて……
………けれども現在、そのアレスターレの国王が竜の国と人類との戦争が始まりかねない愚行を起こしていると、大陸は騒ぎ始めていた。
◇◆◇
「ようやくたどり着いたか……」
それはマルドーレが竜の国に訪問すると決めてから数日後のこと。
ようやくたどり着いた竜の国にマルドーレは疲れたような表情でそう呟いた。
竜の国は大山の上にあり、今までマルドーレは飛竜の動かす飛空船に乗っていて、疲労が溜まっていた。
しかも、大山に登るために高山病を防ぐために、竜の国はステップを踏んでいかなければならない。
その工程ののせいでマルドーレは疲労し、苛立ちを覚えていたのだ。
「おい、そこのお前!もう少し丁寧に運ぶことは出来なかったのか!」
……そして、その怒りをマルドーレは全く躊躇うことなく自分を連れてきた飛竜へとぶつけた。
そう、人間など比にならない能力を有する神獣、竜を無遠慮に罵ったのだ……
マルドーレからすれば、自分に同等なのは竜の国を治める竜王の存在だろう。
そしてそれ以外は自分の下、つまり何をしてもいいと判断していたのだ。
「黙れ」
「あがっ!?」
………だが、実際は全く違う。
当たり前だが、竜は神獣でそもそも人間の常識など通じない。
彼らにいうことを聞かせられるのは竜王ただ一人なのだ。
何せそもそも住んでいる社会が違うのだから。
それどころか、乱雑な人間を疎んでいる竜だっている。
そんな中、マルドーレを運んできた飛竜はまだ人間と相対することをいとわない数少ない竜だったのだが……
「……お前は本当に愚かだな」
……マルドーレは最初でその竜さえ、敵に回すことになる。
その結果、初日にしてマルドーレの悪名は竜たちに広まることとなるのだったら……
竜とは、神獣の一種とされており人間など比にならない力を有していると言われている。
単身の竜殺しは数件しかあり得ず、それを成し遂げた人間はどれも人間の中で英雄と呼ばれる存在。
そしてその竜の国は一度人間と対立していたことがある。
それは竜対人間の国ではなく、竜対大陸の人間というとんでもない対立だ。
その結果、最初は竜の方が優勢であったが圧倒的な人数を有する人間に後半は竜の方の被害も尋常なものではなくなっていき、最終的に和解することで終了となった。
それ以来、竜と人間は竜の国に要らぬ干渉をしようとしたら人間の国を滅ぼす程度の付き合いぐらいしかしていない。
だからこそ、アレスターレと竜の国が交易を始めた時、アレスターレはどんな大国であろうと攻め入ることのできない国となった。
その国を滅ぼせば、竜の怒りを買う可能性があり、そうなれば大陸の人間全員を動員しなければ相手にすらならないのだ。
さらに人類を総動員したところで勝てる見込みは低く、人間には何の利益もない。
だからこそ、竜との争いを嫌った大陸の人間はアレスターレを攻めることをやめて……
………けれども現在、そのアレスターレの国王が竜の国と人類との戦争が始まりかねない愚行を起こしていると、大陸は騒ぎ始めていた。
◇◆◇
「ようやくたどり着いたか……」
それはマルドーレが竜の国に訪問すると決めてから数日後のこと。
ようやくたどり着いた竜の国にマルドーレは疲れたような表情でそう呟いた。
竜の国は大山の上にあり、今までマルドーレは飛竜の動かす飛空船に乗っていて、疲労が溜まっていた。
しかも、大山に登るために高山病を防ぐために、竜の国はステップを踏んでいかなければならない。
その工程ののせいでマルドーレは疲労し、苛立ちを覚えていたのだ。
「おい、そこのお前!もう少し丁寧に運ぶことは出来なかったのか!」
……そして、その怒りをマルドーレは全く躊躇うことなく自分を連れてきた飛竜へとぶつけた。
そう、人間など比にならない能力を有する神獣、竜を無遠慮に罵ったのだ……
マルドーレからすれば、自分に同等なのは竜の国を治める竜王の存在だろう。
そしてそれ以外は自分の下、つまり何をしてもいいと判断していたのだ。
「黙れ」
「あがっ!?」
………だが、実際は全く違う。
当たり前だが、竜は神獣でそもそも人間の常識など通じない。
彼らにいうことを聞かせられるのは竜王ただ一人なのだ。
何せそもそも住んでいる社会が違うのだから。
それどころか、乱雑な人間を疎んでいる竜だっている。
そんな中、マルドーレを運んできた飛竜はまだ人間と相対することをいとわない数少ない竜だったのだが……
「……お前は本当に愚かだな」
……マルドーレは最初でその竜さえ、敵に回すことになる。
その結果、初日にしてマルドーレの悪名は竜たちに広まることとなるのだったら……
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