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第三章
弱者の力
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ポーンという音と共に、俺は、ハッと意識が戻ってきた。
豆の浄化が完了した音だ。
俺はそれを迷うことなく口に放り込んだ。すると、俺ににじり寄っていたリュークがピタリと足を止め、驚きの表情でこちらを見ている。
「…なんだいその姿?ドラゴン…?」
リュークの今までのテンションはどこに行ったのか少し震えた声でそう言った。
どうやら俺がドラゴンに見えているらしい。…これを利用しない手はないな。
「如何にも!我が真の姿は誇り高きドラゴン也!そこにひれ伏せ!!」
そんな如何にも厨二病なセリフを吐いた。もしリュークの見ている姿がドラゴンじゃなかったらどれ程滑稽であろうか。
「嘘だ…君はただの冒険者じゃなかったのか!?こんなの聞いてないぞ!!?」
それに対してリュークはかなり動揺している。あまりに動揺しているからなのか俺を動けなくさせていた氷が解けている。ここはもう決めるしかない。
俺はバックから鬼人薬とハーブを一緒に飲み込み、リュークに向かって殴りかかる!!
「喰らえぇぇぇぇぇ!!!」
「うあぁぁぁぁぁぁ!!!……なーんてね?」
リュークは一度身を固めるような動きをした後俺の拳をスッと躱した。
「…え?」
そのことに俺は頭が追いつかなかった。だってお前は今さっきまで幻覚を見ていたんじゃないのか?効果が切れたにしても驚きの一言くらいあるだろう?それがこの反応だ。じゃあ…今までのリアクションは……
「全部茶番♡。君あんな恥ずかしいセリフよく大声で言えるね?ホント笑うかと思ったよ。じゃあね…『ブレイズ』!」
じゃあなんだ?俺はずっとコイツの掌の上で踊らされてたってのか?最初から…勝ち目なんて…無かったのかよ!!!
俺はそんな悔しさに拳を握りしめ、リュークに向かって無我夢中で立ち向かった。
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「無理だよ、君の体力じゃ『ブレイズ』を耐えられるわけ……あれっ!!?」
「あぁぁぁぁ!!!」
炎の中から現れたのは拳を握りしめた俺。リュークがそれを見て素っ頓狂な声を上げるが気にせずぶん殴る!!
「グハァ!!?」
そしてリュークは後ろへと飛んでいく。さすが鬼人薬✖︎10(ハーブの力)、力が相当強くなっている。
「ざまぁみろ…」
そんなリュークを見て俺は捨て台詞を吐いた。
なんで俺が死んでないのかは知らん。だが今はどうでもいい。アイツに一矢報いたから。
「フフ…アハハハハ!!!」
そうすると急にリュークが大声で笑いだした。気持ち悪い。
「まさか一撃貰うなんて思ってもいなかったよ。はぁ…面白かった」
「こっちは死ぬかと思ったんだぞ。おいクラリスはどこだ?言え」
「あぁ、そういえば僕に勝ったら教えてあげるって言ったねぇ」
そう言うリュークは可笑しそうに笑っている。
「おい、まさか僕は負けてないから教えない、なんて言わねぇよな?」
「ハハハ、まさか!君の勝ちだよ。彼女は返してあげる」
リュークはそう言うとスッと立ち上がり指をパチンと鳴らす。
するとポン!という効果音が似合いそうな演出とともに眠ったクラリスが現れた。
「それじゃあ僕はこれで帰るよ。…目的も達成したし」
「あ!そうだ、目的!お前の目的ってなんだよ!!」
「じゃあまたね~?」
リュークはそれだけ言って光とともに消えていった。
「…逃げられた」
目的とは何だったんだろう。クラリスの体を弄られて無ければいいが。
俺はそう思い、少しためらいながらもキャトルミューティレーションされていないか確かめるべくクラリスを触診した。
「ん、んん…リョウ?」
そこでクラリスの目が覚めた。そしてクラリスの体を弄っている俺と目が合う。
「なにすんのよこの変態!!」
「ちょま……」
クラリスは俺の顔面に向かってビンタをかます。
リョウは力尽きた。
「あれっ…ちょっとそんな強く叩いてないでしょ!?ちょっと起きなさいよ!」
この俺もまさか俺が助けたクラリスに殺されてしまうとは思わなかった。
○●○
「だからさっきのはごめんって言ってるでしょ!!」
「なんだよ、別に怒ってねぇし?ローブの男に連れ去られたクラリスを助けてやったのに俺を殺したことなんて全、然気にしてねぇから!!」
ちなみに俺はクラリスに背負われて教会で蘇生してもらい、ギルドに帰るところだった。
「何が気にしてないよ!メチャクチャ根に持ってるじゃない!!それに私が殴ったのはアンタがいやらしい手つきで触ってたからじゃない!」
「おまっ、それはローブの男が実験体とか言ってたからキャトルミューティレーションされてないか心配になってだな…それに俺は誘拐されたお前を助けてやったんだぞ?もうちょい感謝とかないのかよ!」
「きゃとる…なに?それに私は助けてなんて言ってないわよ…!って痛っ!」
俺は無言でクラリスのおでこにデコピンを食らわせる。流石にそんなことを言われるとイラッとくる。
「……ごめん」
それを食らって悪いと思ったのかクラリスは低めのトーンで謝った。
全く俺は本当に頑張ったのだ。文字通り死ぬほど。それがクラリスに伝わってくれないのが本当にもどかしい。
だから俺は振り返って言ってやるのだ。
「分かりゃいんだよ分かりゃ!」
渾身のドヤ顔でな。
「本っ当ムカつく!!」
○●○
「リョウさんお帰りなさい!本当に大変でしたよね?お疲れ様です!」
ギルドに着くとフィリーナさんが一番に出迎えてくれた。
あぁやっぱりフィリーナさんは俺のことを分かってくれてる!どこぞのゴリラ女とは全然違うなぁ!
「おう、本当に帰ってくるとは思わなかったぜ」
「それに対してアンタはどこまでも失礼だな!少しはフィリーナさんを見習え!!」
帰ってくると思わなかったとか、それでもアンタはギルドマスターなのかと疑いたくなる。
「でも…私も帰ってくるか本当に心配してましたよ。相手はレベル80はくだらないとマスターも言ってましたから…」
「え?」
フィリーナさんの言葉に衝撃を受ける。え、マジで?俺レベル3なのにそんな強いやつと戦ってたの?無理ゲーにもほどがあるだろ。
「ホントこんなちんちくりんなステータスでなぁ…」
ハイエルは俺のカバンからギルドカードを奪って覗きだす。
「おい、何してんだ。返せよ!」
だがそう言って返すハイエルではない。
「『英雄の証』?なんだこれ?」
「は?なんだそれ知らねぇぞ」
聞きなれない言葉に、俺もギルドカードを覗き込むと左端にNEW!という文字と共に『英雄の証』と書いてあった。
「英雄の証…一度だけ瀕死にならずに耐える(教会の蘇生によって回復)」
「まぁ…アンタが持ってても宝の持ち腐れな能力ね」
そこでクラリスが口を挟んできた。
うるせぇな、きあいのタスキを笑う奴はきあいのタスキに泣くんだぞ。
…でもそういうことか。俺があの時リュークの攻撃で死ななかったのは。
「じゃあそのおかげで俺はフード男に勝てたってことか」
「「は?」」
クラリスとハイエルが何を言ってるんだと言わんばかりの顔でこちらを見てくる。
「スライムも倒せないアンタにそんなことできるわけないでしょ」
「だな。嘘をつくならもうちょいまともな嘘をつけ」
と酷い言われようである。
やっぱりこんな奴助けなきゃ良かったと心から思う俺だった。
豆の浄化が完了した音だ。
俺はそれを迷うことなく口に放り込んだ。すると、俺ににじり寄っていたリュークがピタリと足を止め、驚きの表情でこちらを見ている。
「…なんだいその姿?ドラゴン…?」
リュークの今までのテンションはどこに行ったのか少し震えた声でそう言った。
どうやら俺がドラゴンに見えているらしい。…これを利用しない手はないな。
「如何にも!我が真の姿は誇り高きドラゴン也!そこにひれ伏せ!!」
そんな如何にも厨二病なセリフを吐いた。もしリュークの見ている姿がドラゴンじゃなかったらどれ程滑稽であろうか。
「嘘だ…君はただの冒険者じゃなかったのか!?こんなの聞いてないぞ!!?」
それに対してリュークはかなり動揺している。あまりに動揺しているからなのか俺を動けなくさせていた氷が解けている。ここはもう決めるしかない。
俺はバックから鬼人薬とハーブを一緒に飲み込み、リュークに向かって殴りかかる!!
「喰らえぇぇぇぇぇ!!!」
「うあぁぁぁぁぁぁ!!!……なーんてね?」
リュークは一度身を固めるような動きをした後俺の拳をスッと躱した。
「…え?」
そのことに俺は頭が追いつかなかった。だってお前は今さっきまで幻覚を見ていたんじゃないのか?効果が切れたにしても驚きの一言くらいあるだろう?それがこの反応だ。じゃあ…今までのリアクションは……
「全部茶番♡。君あんな恥ずかしいセリフよく大声で言えるね?ホント笑うかと思ったよ。じゃあね…『ブレイズ』!」
じゃあなんだ?俺はずっとコイツの掌の上で踊らされてたってのか?最初から…勝ち目なんて…無かったのかよ!!!
俺はそんな悔しさに拳を握りしめ、リュークに向かって無我夢中で立ち向かった。
「あぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「無理だよ、君の体力じゃ『ブレイズ』を耐えられるわけ……あれっ!!?」
「あぁぁぁぁ!!!」
炎の中から現れたのは拳を握りしめた俺。リュークがそれを見て素っ頓狂な声を上げるが気にせずぶん殴る!!
「グハァ!!?」
そしてリュークは後ろへと飛んでいく。さすが鬼人薬✖︎10(ハーブの力)、力が相当強くなっている。
「ざまぁみろ…」
そんなリュークを見て俺は捨て台詞を吐いた。
なんで俺が死んでないのかは知らん。だが今はどうでもいい。アイツに一矢報いたから。
「フフ…アハハハハ!!!」
そうすると急にリュークが大声で笑いだした。気持ち悪い。
「まさか一撃貰うなんて思ってもいなかったよ。はぁ…面白かった」
「こっちは死ぬかと思ったんだぞ。おいクラリスはどこだ?言え」
「あぁ、そういえば僕に勝ったら教えてあげるって言ったねぇ」
そう言うリュークは可笑しそうに笑っている。
「おい、まさか僕は負けてないから教えない、なんて言わねぇよな?」
「ハハハ、まさか!君の勝ちだよ。彼女は返してあげる」
リュークはそう言うとスッと立ち上がり指をパチンと鳴らす。
するとポン!という効果音が似合いそうな演出とともに眠ったクラリスが現れた。
「それじゃあ僕はこれで帰るよ。…目的も達成したし」
「あ!そうだ、目的!お前の目的ってなんだよ!!」
「じゃあまたね~?」
リュークはそれだけ言って光とともに消えていった。
「…逃げられた」
目的とは何だったんだろう。クラリスの体を弄られて無ければいいが。
俺はそう思い、少しためらいながらもキャトルミューティレーションされていないか確かめるべくクラリスを触診した。
「ん、んん…リョウ?」
そこでクラリスの目が覚めた。そしてクラリスの体を弄っている俺と目が合う。
「なにすんのよこの変態!!」
「ちょま……」
クラリスは俺の顔面に向かってビンタをかます。
リョウは力尽きた。
「あれっ…ちょっとそんな強く叩いてないでしょ!?ちょっと起きなさいよ!」
この俺もまさか俺が助けたクラリスに殺されてしまうとは思わなかった。
○●○
「だからさっきのはごめんって言ってるでしょ!!」
「なんだよ、別に怒ってねぇし?ローブの男に連れ去られたクラリスを助けてやったのに俺を殺したことなんて全、然気にしてねぇから!!」
ちなみに俺はクラリスに背負われて教会で蘇生してもらい、ギルドに帰るところだった。
「何が気にしてないよ!メチャクチャ根に持ってるじゃない!!それに私が殴ったのはアンタがいやらしい手つきで触ってたからじゃない!」
「おまっ、それはローブの男が実験体とか言ってたからキャトルミューティレーションされてないか心配になってだな…それに俺は誘拐されたお前を助けてやったんだぞ?もうちょい感謝とかないのかよ!」
「きゃとる…なに?それに私は助けてなんて言ってないわよ…!って痛っ!」
俺は無言でクラリスのおでこにデコピンを食らわせる。流石にそんなことを言われるとイラッとくる。
「……ごめん」
それを食らって悪いと思ったのかクラリスは低めのトーンで謝った。
全く俺は本当に頑張ったのだ。文字通り死ぬほど。それがクラリスに伝わってくれないのが本当にもどかしい。
だから俺は振り返って言ってやるのだ。
「分かりゃいんだよ分かりゃ!」
渾身のドヤ顔でな。
「本っ当ムカつく!!」
○●○
「リョウさんお帰りなさい!本当に大変でしたよね?お疲れ様です!」
ギルドに着くとフィリーナさんが一番に出迎えてくれた。
あぁやっぱりフィリーナさんは俺のことを分かってくれてる!どこぞのゴリラ女とは全然違うなぁ!
「おう、本当に帰ってくるとは思わなかったぜ」
「それに対してアンタはどこまでも失礼だな!少しはフィリーナさんを見習え!!」
帰ってくると思わなかったとか、それでもアンタはギルドマスターなのかと疑いたくなる。
「でも…私も帰ってくるか本当に心配してましたよ。相手はレベル80はくだらないとマスターも言ってましたから…」
「え?」
フィリーナさんの言葉に衝撃を受ける。え、マジで?俺レベル3なのにそんな強いやつと戦ってたの?無理ゲーにもほどがあるだろ。
「ホントこんなちんちくりんなステータスでなぁ…」
ハイエルは俺のカバンからギルドカードを奪って覗きだす。
「おい、何してんだ。返せよ!」
だがそう言って返すハイエルではない。
「『英雄の証』?なんだこれ?」
「は?なんだそれ知らねぇぞ」
聞きなれない言葉に、俺もギルドカードを覗き込むと左端にNEW!という文字と共に『英雄の証』と書いてあった。
「英雄の証…一度だけ瀕死にならずに耐える(教会の蘇生によって回復)」
「まぁ…アンタが持ってても宝の持ち腐れな能力ね」
そこでクラリスが口を挟んできた。
うるせぇな、きあいのタスキを笑う奴はきあいのタスキに泣くんだぞ。
…でもそういうことか。俺があの時リュークの攻撃で死ななかったのは。
「じゃあそのおかげで俺はフード男に勝てたってことか」
「「は?」」
クラリスとハイエルが何を言ってるんだと言わんばかりの顔でこちらを見てくる。
「スライムも倒せないアンタにそんなことできるわけないでしょ」
「だな。嘘をつくならもうちょいまともな嘘をつけ」
と酷い言われようである。
やっぱりこんな奴助けなきゃ良かったと心から思う俺だった。
応援ありがとうございます!
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主人公ラブ◯イブ好きなんか、私と気が合いそう( *´艸`)
つか主人公の名前嵐のメンバーの1人に似てるな、もしや作者樣、嵐好きかな?((
パーティメンバーに蹴り飛ばされ瀕死とか可哀想(´^ω^`)ブフォッwww
弱い系の主人公がこれから、どうなるのか凄く楽しみです!
頑張ってください^^*
応援ありがとうこざいます。至らぬところはあると思いますが頑張っていきます!