転生したら従者になった話

涼音

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やっと来賓の貴族達の挨拶が終わり父上と母上に解放され、そこら辺にいる従者にジュースのお代わりを貰う
お代わりのジュースを飲みながらユアを探すが、何処にも見当たらない


そうだ。ユラはユアの魔力で出来ている筈だから、ユアにお願いすればユラは簡単に見つかる筈


「ユア、ユラの所に___」

足元について来ているユアに探して貰おうと声をかけた瞬間、音楽が流れ始めた
これは、ダンスの時間だ
音楽が流れ、声を掛けられたら踊らなければならない。
寧ろ僕が主役なんだから、踊らないわけにはいかない。


ダンスは別に嫌いじゃない。けど、ぼ…俺はユラと踊れると思って頑張って練習したのに、当の本人がいないとなると、落胆するしか無かった。


「シアン殿下、私とダンスを踊って頂けませんか?」

音楽なんて無視して、ユラを探しに行こうとユアの方を見た瞬間、後ろから声を掛けられた

え?と後ろを見ると、俺より少し身長が高く、綺麗な金髪で透き通る緑の目をした人が立っていた。

「えっと………貴方は確か」
「リュファエン・ディー・フレシアと申します」

フレシア……って事は、フレシア王国の王子でしかも第一王子だ。
確か、フレシア王国の第一王子は俺より5歳年上で俺が此れから通う事になっている学園の先輩だ。
さっき一番に挨拶に来てくれていたはずだったが、僕の頭にはユラしかおらず忘れていた


「あ、っと、その、申し訳ございません。探し人がいまして……」

社交界デビューで一番に踊るのはユラが良い。

「だから、その……」

「その探し人とはシアン殿下の想い人ですか?」
「え?!」

ギクリと肩が揺れてしまった


「そのご様子だとどうやら図星のようだ。それは失礼致しました。その想い人と結ばれることを祈っております。では、」

そう言いながら一礼をして会場に戻って行った



想い人……。
俺でも分かるその言葉。
どうやら俺はユラの事が好きになってしまっていたようだ。


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