転生したら従者になった話

涼音

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「殿下、砂漠の夜は凍えます故、そろそろ中にお入りになりましょう」

砂漠の夜は年中冷えるので、城の中はかなり暖かくしている。
だから外の人間は一瞬外も同じ温度だと思って外に出た瞬間、凍えて風邪引く。
風邪で済めば良いが、最悪こじらせて肺炎になってしまう事もあるらしい。

実際、殿下の身体が密かに震えてるように見える。
風邪を引かれては一大事な為、俺が使っているラヴィアの毛皮で作った青色のストールを肩に掛けてあげる。
ラヴィアとは、フレシア国唯一の毛皮がある魔獣だ。

暑さを凌ぐ為か純白の毛皮で、耳が三角の成獣になると全長約1mくらいの割と小さめの魔獣である。
見た目は凶暴ではなく、割と愛玩寄りの可愛らしい見た目をしている為、愛玩動物にしている人もいる。
まあ、愛玩用は改良されて小型化されているけどな。成獣で大体全長30cm前後



「あったかい」

俺のストールを掛けた殿下は、胸の前でストールを両手で挟んでいる

「それは良かったです」

好感を上げるべく軽く笑って言った

「ねえ、僕が年下なんだしその、敬語と殿下って呼び方止めて欲しいな」

小首を傾げて上目遣いで言う殿下はマジ天使かと思う。いや、しっかりしろ俺!

「年下でも殿下ですし、いけません」
「お願い!二人の時だけでも良いから。アシュって呼んで欲しいな」

ん”ん”っん………。

止めて、顔そんな近づけないで。
そんな天使な顔に迫られると俺……

俺っ!!

「お願い」
「ア、アシュ……っ」
「何?ユーラス」

俺の返事に満足したのか、満面の笑みで言った
もう俺のHP0よ……。尊い


「じゃあ、俺の事はユラと呼んでくれ」
「うん!ユラ!!」

俺が観念してそう言ったら、アシュはキョトンとしてから笑ってそう言った


「じゃあ戻るぞ」
「うんっ!」

流石に俺も寒くなってきたので、城の中に戻る事にした
ストールは、アシュの身体が温まるまで持っていろと暫く預けておく事にした。


アシュは、さり気なく幻術を解き、従者の方に戻って行った
俺はと言うと、自室に一旦戻り、そろそろ夜会も御開きとなる頃に会場に向かった





*********
お久しぶりです。
年齢操作しております。
ユラとシアンの年齢差を5歳にしました。

前半のみ修正しております。随時変更していきますので、年齢についてはお目目瞑ってて下さい。

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