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【64】
夏の盛りであった。
ハデスは夕暮れ時に目が覚めた。
覚めてから、自分が夢を見ていたのだと分かった。
長い長い夢だったから、目覚めてからも今いる場所が夢なのか現実なのか、少しの時間考えた程である。
そういえば、
記憶の糸を辿る。
そういえば、熱が出たのではなかったか?
そうだ、確かにそうだった。
いつもの様に王城から戻って、何となくぼおっとする。身体が重く感じて、それから..、そうだ、その晩熱が出たのだ。
少しだけ横になるつもりがあれよあれよという間に身体が火照って、それから侍女や母が慌てて医者を呼んでいた。
はっきり憶えているのはその辺りまでであった。
多分その後は高熱で魘されるか微睡むか、兎に角はっきりした意識の無いままに、長い夢を見たのだろう。
何故夢だと思ったか。
アリアドネとの婚約が破棄されたから。
ハデスとアリアドネは、今現在、婚約中である。もどかしいほど会話の無い間柄ではあるが、彼女は確かにハデスの婚約者で、彼女との婚約が破棄されるような覚えは無かった。
それなのに、今ある記憶ではそれが破棄されて、そうして彼女は帝国へ渡ってしまった。それを見送りに行ったのはハデス自身だ。
所詮、夢の話。
けれどもハデスは、胸の内を埋め尽くす不安を払拭出来なかった。
どんな些細な事であっても、アリアドネに関わる事を、ハデスは見過す事が出来なかった。
明日から新学期が始まる。
熱から醒めたハデスに母が教えてくれた。どうやらアリアドネも熱を出していたらしい。夏風邪まで仲良しねと母は笑ったが、ハデスはとても笑えなかった。
アリアドネを失いたくない。
あんな可怪しな令嬢に、アリアドネが傷付けられるだなんてあり得ない。
長い夢の出来事を思い出してみる。
夢の中で、ハデスはアリアドネに失望を与えた。素直になれないばっかりに、初見で躓いたばっかりに、アリアドネはハデスを疎ましく思っている。
そんなつもりではなかったのに、言葉足らずが過ぎたハデスは、夜会の夜にアリアドネを泣かせてしまった。
アリアドネを見る男達の視線を気にする余り、アリアドネに誤解されたまま、それを弁明する事も許されず、すっかり嫌われてしまった。
あの奇っ怪な令嬢に絡まれて、ハデスはアリアドネを庇えなかった。アリアドネの口から、自分達が心が通わぬ婚約者であると告白されて、頭の中が真っ白になってしまった。凍った様に唇が固まって、一言も言葉を発する事が出来なかった。
「ハデス、あれは不味い。直ぐ様アリアドネ嬢と話しをするべきだ。」
そう言ったのは、夢の中のブライアンだった。
手紙も面会も朝の迎えも断られて、ハデスは途方に暮れてしまった。
アリアドネが、ハデスとの婚約の解消を願っている。
その事実に胸が押し潰されそうになった。
もっと素直になっていたら。
もっと優しく出来たなら。
もっと好きだと伝えられたら。
沢山のもっともっとにハデスは暗闇の底に落とされた様に立ち上がる事が出来ずにいた。
それでも思わずにはいられない。
もっと大切にしていたなら。
もっとあの青い瞳を見つめられたら。
もっと君とお喋りをして、ダンスを踊って、そうして愛し合ってみたかった。
ハデスは最後の最後、遠い国へ旅立つアリアドネを追わずにはいられなかった。
君に会えなくなるだなんて。
君のいない世界で生きるだなんて。
人波に飲まれながら漸く漆黒の髪を見つけて、ハデスは声の限りにその名を呼んだ。
アリアドネ、アリアドネ、
振り向いてくれ、アリアドネ!
そうしてアリアドネは振り向いて、青い瞳が大きくなって、それから彼女はハデスに向かって小さく笑った。
哀しい笑みだとハデスは思った。
夏の盛りの夕暮れ時。
二日ぶりに目覚めたハデス。
耳の奥に、アリアドネの名を呼ぶ自身の声が残っている。
瞼の奥に哀しみを湛えたアリアドネの笑みが残っている。
締め付けられるほど胸が痛んで、眦にはまだ涙が滲んで残っていた。
未だ寝台に横たわりながら、長い夢を思い返す。
「今度は間違わない。」
ハデスは心に決めた。
「今度は君を手離さない。」
君の手を離すだなんて出来はしない。
その手を掴んだなら、白く柔らかな指先にキスをしたいと思った。今直ぐキスしたいと、そう思った。
若く青いプライドに、大切なものを見失うだなんて真っ平だ。
今度こそ、
アリアドネを諦めずに愛するのだと、心に誓った。
もうすぐ夜が明けるのか。窓の外が仄かに明るい。
二階にある夫妻の寝室。
隣は夫人の部屋だが、婚姻してから彼女をあちらで寝かせるのは、やむを得ず邸に戻れぬ夜だけである。
激務に次ぐ激務。
王太子殿下の婚姻式を翌月に控えて、入念な確認作業が続いている。
だが、それは自体は然程労力の掛かることではない。
真実ハデス達を多忙に追い込むのは、フランシスが国王陛下に即位する準備である。
現国王陛下は生前退位を望んでいる。
自身が先王の死去により即位したが為に、国内に少なからず混乱を招いた。
独裁までは行かずとも、自身の力に執着する先王は、執務の多くを息子には教えなかった。
現王は、それを一つ一つ、自身の手で確かめながら政を為して来た。
賢王は、子にはそんな無駄な苦労を望んでいない。フランシスが立太子してからは、少しずつ政治の道へ誘って、婚姻の機会にいよいよ最終段階に進もうとしている。
フランシスに仕える側近達も同様に、まだ若年でありながら、国の中枢に深く食い込んでいるのである。
妻の瞼がふるりと揺れた。
起こさない様に、そっとその顔を覗き込む。
それから人差し指で頬をなぞる。頬から顎、それから唇。
唇が少し腫れて見える。昨夜貪る様に口付けたからか。
長く黒い睫毛が伏せられている。この睫毛が上がれば、サファイアを思わせる澄んだ青い瞳が現れる。
それを見たい様な、まだこの無防備な寝顔を眺めていたいような。
結局、どんな妻も見ていたい。
「アリアドネ。」
小さく囁く。妻は起きる気配が無い。あれ程鳴かせたのだから無理もない。
「アリアドネ。君を愛している。何処にも誰にも渡さない。この身も魂も消えて無くなるその日まで、夢の先の世界まで、君を愛すると誓う。」
相変わらず無口な夫は、眠る最愛に向かって心の内を吐露する。
「誰にも渡さない。狂った男と思われてもいい。君の為なら何処までも狂ってみせる。」
豊かな胸元に頬を当てる。柔らかな肉がハデスを誘う。
欲望を鎮まらせて耳を押し当てれば、とくんとくんと音がする。
アリアドネがここにいると教えてくれる。
ハデスはそれが堪らなく嬉しくて、瞳を潤ませたまま妻の胸にしがみついた。
王国には古くから続く貴族家がある。
その内の一つに、建国以来からの名家と知られる侯爵家がある。
国王陛下の側近を務める傍ら、自領の産業育成にも心血を注ぎ、長く領地に安寧を齎した事で家系図の中でも太文字で特記される当主がいる。
残された肖像画からも頗る美丈夫である事が分かるのだが、夫人と並ぶ姿からは、当時の侯爵家の隆盛と繁栄に加えて、彼が伴侶にも恵まれていた事を窺い知る事が出来る。
彼の名を知らしめたのに、蒐集家としての一面がある。
王侯貴族の婦人方では多く見られるも、貴族紳士には珍しいかも知れない。
彼はレースハンカチのコレクターとしても名高い。
大陸各国から集められた美しいハンカチの数々は、彼が夫人の為に取り寄せたと記録が残っているが、果たしてそうだろうか。
何故ならそれらは全て美しく額装されているからである。
侯爵家の一室、東向きの日当たりの良い部屋には、壁一面を額装されたハンカチが飾っている。
配置的に夫人の私室と思われるのだが、そのあまりの数に、これはコレクションの為の部屋であって、夫人の部屋は廊下を挟んだ向かい側であろうと考えられている。
現在では技法が失われた繊細緻密なレース編みに加えて、日焼けはおろか染み一つ浮かばない完全な保存状態。
侯爵家の豊かな財に守られて、数百年の時の経過を思わせぬ美しいコレクションは、現当主がギャラリーとして開放している。一見の価値有りであるから、是非とも閲覧をお勧めするものである。
ハデスは夕暮れ時に目が覚めた。
覚めてから、自分が夢を見ていたのだと分かった。
長い長い夢だったから、目覚めてからも今いる場所が夢なのか現実なのか、少しの時間考えた程である。
そういえば、
記憶の糸を辿る。
そういえば、熱が出たのではなかったか?
そうだ、確かにそうだった。
いつもの様に王城から戻って、何となくぼおっとする。身体が重く感じて、それから..、そうだ、その晩熱が出たのだ。
少しだけ横になるつもりがあれよあれよという間に身体が火照って、それから侍女や母が慌てて医者を呼んでいた。
はっきり憶えているのはその辺りまでであった。
多分その後は高熱で魘されるか微睡むか、兎に角はっきりした意識の無いままに、長い夢を見たのだろう。
何故夢だと思ったか。
アリアドネとの婚約が破棄されたから。
ハデスとアリアドネは、今現在、婚約中である。もどかしいほど会話の無い間柄ではあるが、彼女は確かにハデスの婚約者で、彼女との婚約が破棄されるような覚えは無かった。
それなのに、今ある記憶ではそれが破棄されて、そうして彼女は帝国へ渡ってしまった。それを見送りに行ったのはハデス自身だ。
所詮、夢の話。
けれどもハデスは、胸の内を埋め尽くす不安を払拭出来なかった。
どんな些細な事であっても、アリアドネに関わる事を、ハデスは見過す事が出来なかった。
明日から新学期が始まる。
熱から醒めたハデスに母が教えてくれた。どうやらアリアドネも熱を出していたらしい。夏風邪まで仲良しねと母は笑ったが、ハデスはとても笑えなかった。
アリアドネを失いたくない。
あんな可怪しな令嬢に、アリアドネが傷付けられるだなんてあり得ない。
長い夢の出来事を思い出してみる。
夢の中で、ハデスはアリアドネに失望を与えた。素直になれないばっかりに、初見で躓いたばっかりに、アリアドネはハデスを疎ましく思っている。
そんなつもりではなかったのに、言葉足らずが過ぎたハデスは、夜会の夜にアリアドネを泣かせてしまった。
アリアドネを見る男達の視線を気にする余り、アリアドネに誤解されたまま、それを弁明する事も許されず、すっかり嫌われてしまった。
あの奇っ怪な令嬢に絡まれて、ハデスはアリアドネを庇えなかった。アリアドネの口から、自分達が心が通わぬ婚約者であると告白されて、頭の中が真っ白になってしまった。凍った様に唇が固まって、一言も言葉を発する事が出来なかった。
「ハデス、あれは不味い。直ぐ様アリアドネ嬢と話しをするべきだ。」
そう言ったのは、夢の中のブライアンだった。
手紙も面会も朝の迎えも断られて、ハデスは途方に暮れてしまった。
アリアドネが、ハデスとの婚約の解消を願っている。
その事実に胸が押し潰されそうになった。
もっと素直になっていたら。
もっと優しく出来たなら。
もっと好きだと伝えられたら。
沢山のもっともっとにハデスは暗闇の底に落とされた様に立ち上がる事が出来ずにいた。
それでも思わずにはいられない。
もっと大切にしていたなら。
もっとあの青い瞳を見つめられたら。
もっと君とお喋りをして、ダンスを踊って、そうして愛し合ってみたかった。
ハデスは最後の最後、遠い国へ旅立つアリアドネを追わずにはいられなかった。
君に会えなくなるだなんて。
君のいない世界で生きるだなんて。
人波に飲まれながら漸く漆黒の髪を見つけて、ハデスは声の限りにその名を呼んだ。
アリアドネ、アリアドネ、
振り向いてくれ、アリアドネ!
そうしてアリアドネは振り向いて、青い瞳が大きくなって、それから彼女はハデスに向かって小さく笑った。
哀しい笑みだとハデスは思った。
夏の盛りの夕暮れ時。
二日ぶりに目覚めたハデス。
耳の奥に、アリアドネの名を呼ぶ自身の声が残っている。
瞼の奥に哀しみを湛えたアリアドネの笑みが残っている。
締め付けられるほど胸が痛んで、眦にはまだ涙が滲んで残っていた。
未だ寝台に横たわりながら、長い夢を思い返す。
「今度は間違わない。」
ハデスは心に決めた。
「今度は君を手離さない。」
君の手を離すだなんて出来はしない。
その手を掴んだなら、白く柔らかな指先にキスをしたいと思った。今直ぐキスしたいと、そう思った。
若く青いプライドに、大切なものを見失うだなんて真っ平だ。
今度こそ、
アリアドネを諦めずに愛するのだと、心に誓った。
もうすぐ夜が明けるのか。窓の外が仄かに明るい。
二階にある夫妻の寝室。
隣は夫人の部屋だが、婚姻してから彼女をあちらで寝かせるのは、やむを得ず邸に戻れぬ夜だけである。
激務に次ぐ激務。
王太子殿下の婚姻式を翌月に控えて、入念な確認作業が続いている。
だが、それは自体は然程労力の掛かることではない。
真実ハデス達を多忙に追い込むのは、フランシスが国王陛下に即位する準備である。
現国王陛下は生前退位を望んでいる。
自身が先王の死去により即位したが為に、国内に少なからず混乱を招いた。
独裁までは行かずとも、自身の力に執着する先王は、執務の多くを息子には教えなかった。
現王は、それを一つ一つ、自身の手で確かめながら政を為して来た。
賢王は、子にはそんな無駄な苦労を望んでいない。フランシスが立太子してからは、少しずつ政治の道へ誘って、婚姻の機会にいよいよ最終段階に進もうとしている。
フランシスに仕える側近達も同様に、まだ若年でありながら、国の中枢に深く食い込んでいるのである。
妻の瞼がふるりと揺れた。
起こさない様に、そっとその顔を覗き込む。
それから人差し指で頬をなぞる。頬から顎、それから唇。
唇が少し腫れて見える。昨夜貪る様に口付けたからか。
長く黒い睫毛が伏せられている。この睫毛が上がれば、サファイアを思わせる澄んだ青い瞳が現れる。
それを見たい様な、まだこの無防備な寝顔を眺めていたいような。
結局、どんな妻も見ていたい。
「アリアドネ。」
小さく囁く。妻は起きる気配が無い。あれ程鳴かせたのだから無理もない。
「アリアドネ。君を愛している。何処にも誰にも渡さない。この身も魂も消えて無くなるその日まで、夢の先の世界まで、君を愛すると誓う。」
相変わらず無口な夫は、眠る最愛に向かって心の内を吐露する。
「誰にも渡さない。狂った男と思われてもいい。君の為なら何処までも狂ってみせる。」
豊かな胸元に頬を当てる。柔らかな肉がハデスを誘う。
欲望を鎮まらせて耳を押し当てれば、とくんとくんと音がする。
アリアドネがここにいると教えてくれる。
ハデスはそれが堪らなく嬉しくて、瞳を潤ませたまま妻の胸にしがみついた。
王国には古くから続く貴族家がある。
その内の一つに、建国以来からの名家と知られる侯爵家がある。
国王陛下の側近を務める傍ら、自領の産業育成にも心血を注ぎ、長く領地に安寧を齎した事で家系図の中でも太文字で特記される当主がいる。
残された肖像画からも頗る美丈夫である事が分かるのだが、夫人と並ぶ姿からは、当時の侯爵家の隆盛と繁栄に加えて、彼が伴侶にも恵まれていた事を窺い知る事が出来る。
彼の名を知らしめたのに、蒐集家としての一面がある。
王侯貴族の婦人方では多く見られるも、貴族紳士には珍しいかも知れない。
彼はレースハンカチのコレクターとしても名高い。
大陸各国から集められた美しいハンカチの数々は、彼が夫人の為に取り寄せたと記録が残っているが、果たしてそうだろうか。
何故ならそれらは全て美しく額装されているからである。
侯爵家の一室、東向きの日当たりの良い部屋には、壁一面を額装されたハンカチが飾っている。
配置的に夫人の私室と思われるのだが、そのあまりの数に、これはコレクションの為の部屋であって、夫人の部屋は廊下を挟んだ向かい側であろうと考えられている。
現在では技法が失われた繊細緻密なレース編みに加えて、日焼けはおろか染み一つ浮かばない完全な保存状態。
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