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オールブランス侯爵家
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邸に戻ったオフィーリアは、父の執務室に向かう。
そうして今日の出来事を報告するのだ。
父はいつも静かに耳を傾けてくれる。
荒ぶる心も動揺も、お陰で話し終える頃には静まっている。
王家は何を考えているのか、王太子は何を思っているのか。
さっぱり解らない。
それでも、今の国内にいる王太子の婚約者は自分なのだ。
それだけは解る。
父はご苦労であったと労ってくれたものの、この先どうせよとは言わなかった。
このまま状況に任せる心づもりなのであろうか。
オールブランス侯爵家は、両親とオフィーリア、幼い弟が家族である。
父は基本をオールブランス領内に置くも、月の半分は王都にいる。
交易を担う流動的な仕事に併せて、オフィーリアが王太子の婚約者であり、王都の学園に学んでいることから、領地とタウンハウスを交互に移動している。
弟が幼い為、母はこの二年程は領地にいる。
社交も傘下の貴族に任せて、幼い弟を護る事に注力している。
オフィーリアは、婚約者候補の時分から領地には戻れていない。
決して強制されていた訳ではないのだが、学園の長期休みの間も王太子妃教育は成されていたので、結果、領地には戻れなかった。
そうして、あっという間の怒涛の一年が過ぎた頃には、婚約者候補達は自分以外綺麗になくなり、まさかの婚約者決定である。
学園も学年が上がり2学年となった。
婚約者決定の発表は公式には成されていない。
二つ年が上の王太子は既に卒業している。
婚約者決定の後も、学園にあっては概ね状況は変わらず、元より大人しめであったオフィーリアが目立つ事はなかった。
傘下の貴族子息子女達が、影になって支えてくれているのも嬉しかった。
自領に戻れずとも、オールブランスが支えてくれている。
大丈夫。私は大丈夫。
喩え、王太子の行動が不可思議であっても。
穏やかな笑みの奥で何を思っているのか解らなくても。
そうして今日の出来事を報告するのだ。
父はいつも静かに耳を傾けてくれる。
荒ぶる心も動揺も、お陰で話し終える頃には静まっている。
王家は何を考えているのか、王太子は何を思っているのか。
さっぱり解らない。
それでも、今の国内にいる王太子の婚約者は自分なのだ。
それだけは解る。
父はご苦労であったと労ってくれたものの、この先どうせよとは言わなかった。
このまま状況に任せる心づもりなのであろうか。
オールブランス侯爵家は、両親とオフィーリア、幼い弟が家族である。
父は基本をオールブランス領内に置くも、月の半分は王都にいる。
交易を担う流動的な仕事に併せて、オフィーリアが王太子の婚約者であり、王都の学園に学んでいることから、領地とタウンハウスを交互に移動している。
弟が幼い為、母はこの二年程は領地にいる。
社交も傘下の貴族に任せて、幼い弟を護る事に注力している。
オフィーリアは、婚約者候補の時分から領地には戻れていない。
決して強制されていた訳ではないのだが、学園の長期休みの間も王太子妃教育は成されていたので、結果、領地には戻れなかった。
そうして、あっという間の怒涛の一年が過ぎた頃には、婚約者候補達は自分以外綺麗になくなり、まさかの婚約者決定である。
学園も学年が上がり2学年となった。
婚約者決定の発表は公式には成されていない。
二つ年が上の王太子は既に卒業している。
婚約者決定の後も、学園にあっては概ね状況は変わらず、元より大人しめであったオフィーリアが目立つ事はなかった。
傘下の貴族子息子女達が、影になって支えてくれているのも嬉しかった。
自領に戻れずとも、オールブランスが支えてくれている。
大丈夫。私は大丈夫。
喩え、王太子の行動が不可思議であっても。
穏やかな笑みの奥で何を思っているのか解らなくても。
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