15 / 34
お飾り王妃の慰め
しおりを挟む
先ほどはどうも。
無視して下さってどうも。
「ブリジット」
ぷい。
「あー、ブリジット、ブリジット、君はどうしてブリ「五月蠅いわね」
もう、毎晩毎晩、どうして私の寝所に来るのかしら。
貴方、先ほと私を無き者としたわよね。
亡き者でなくてよかったけれど。
もうもう、そんなに覗き込まないで!
ころんと反対側に寝返りを打つ。
ぎゃっ、背後から囲い込まれた。失策!
「ブリジット、怒ってる?」
み・み・も・と・で・さ・さ・や・く・な!
「僕も怒ってるよ」
「へ?なんで!?」
思わず振り向いちゃったわ。
「君は昔からヘンリーに甘い。隙があり過ぎる。全くもって許し難いね」
ええ?そんなことはない「あるよ」
こういう時のロビンとは、きちんと話をしなければならない。
ころんと元に寝返って横寝のままロビンと向き合う。
「どうしたの?ロビン」
「君はなんにも分かっちゃいない。僕の気持ちも」
「そんなことはない「あるよ」
もう~。被せるなんてロビンらしくないわよ。
「余裕が無くなるんだよ。君を見ていると」
「いつも余裕綽々じゃない。貴方は立派な王よ」
「何故、僕から離れた」
「お兄様とお話ししてたじゃない」
「君が離れる必要はないよ」
「ロビン、今日の貴方、何だか変よ?」
どうしたの?と瞳を覗く。
「ロビン、貴方、」
その先は言えなかった。
ロビンが泣きそうに見えたのよ。
生まれた時から、ずっと一緒なんですもの。ロビンのことは、よくわかっているつもりよ?
泣かないでロビン。
まだお互い幼かった頃、こうして貴方を抱きしめた。泣き虫だったロビンをぎゅっと抱きしめて、あの可愛い笑顔が見られるまで、二人してずっと抱きしめ合った。
大抵は、ロビンがアンゼリカお姉様に泣かされた時だったけれど。
ぎゃっ!
「ブリジット、残念ながら僕は幼子ではないし、泣いてもいない。寧ろ、」
「怒ってるよ」
その晩ブリジットは思った。
ロビンに薬はいらない。
先日大失敗したばかりだけれど、彼の体力は底なしの覇王だわ。
二日三日の不眠不休など、春の夜の夢と同じ。有って無いようなものなのよ!
鐘の声が聴こえる~。
諸行無常の鐘の声~。
「王妃様、お疲れのご様子」
五月蝿い侍従ね。お前、黙らっしゃい。
「あー、本日の晩餐ですが、ヘンリー第二王子殿下もご列席なさいます。そこで王妃様。貴女様はお口をしかとお閉めになって、お心の声を決して外にお漏らしにならぬようご注意下さいませ」
お前の減らず口こそ、どうしてくれよう。
「あー、それがままならなければ、御身にそのまま返ります故。今晩は安らかにお眠りになりたいとお思いでしょう?」
安らかに?真逆しねってこと?!
「いえ、その、昨晩「あー、あー、あー、分かりました了解です心のお口もチャックです」
「お分かり頂ければ結構」
小憎たらしいジェームズの後ろ姿を睨みながら、
「そこのお前、」
「承知致しました」
以心伝心に長けた超絶デキる部下が、ジェームズの背に向け塩を撒く。
もういっそのこと、お口にテープでも貼っていこうかしら。
けれど、それでは晩餐が戴けないわ。
鼻から?それでは流動食よ。
もう、面倒くさいわね。
ロビンは普段はおっとりさんだけれど、一旦怒ると長いのよ。
あれよね、殿方って怒ると長いわよね。
女性はそこんとこ承知の上で、翌朝には「お早う」って昨日の事を何も無かったふうにお膳立てするのを、それをひっくり返すのはいつだって殿方よね。
「お前もそう思うでしょう?」
「全くの同感でございます」
思考が言葉に駄々漏れる主に慣れっこな部下は、いきなり同意を求められても即座に答える。
よく出来た、超絶デキる部下であった。
無視して下さってどうも。
「ブリジット」
ぷい。
「あー、ブリジット、ブリジット、君はどうしてブリ「五月蠅いわね」
もう、毎晩毎晩、どうして私の寝所に来るのかしら。
貴方、先ほと私を無き者としたわよね。
亡き者でなくてよかったけれど。
もうもう、そんなに覗き込まないで!
ころんと反対側に寝返りを打つ。
ぎゃっ、背後から囲い込まれた。失策!
「ブリジット、怒ってる?」
み・み・も・と・で・さ・さ・や・く・な!
「僕も怒ってるよ」
「へ?なんで!?」
思わず振り向いちゃったわ。
「君は昔からヘンリーに甘い。隙があり過ぎる。全くもって許し難いね」
ええ?そんなことはない「あるよ」
こういう時のロビンとは、きちんと話をしなければならない。
ころんと元に寝返って横寝のままロビンと向き合う。
「どうしたの?ロビン」
「君はなんにも分かっちゃいない。僕の気持ちも」
「そんなことはない「あるよ」
もう~。被せるなんてロビンらしくないわよ。
「余裕が無くなるんだよ。君を見ていると」
「いつも余裕綽々じゃない。貴方は立派な王よ」
「何故、僕から離れた」
「お兄様とお話ししてたじゃない」
「君が離れる必要はないよ」
「ロビン、今日の貴方、何だか変よ?」
どうしたの?と瞳を覗く。
「ロビン、貴方、」
その先は言えなかった。
ロビンが泣きそうに見えたのよ。
生まれた時から、ずっと一緒なんですもの。ロビンのことは、よくわかっているつもりよ?
泣かないでロビン。
まだお互い幼かった頃、こうして貴方を抱きしめた。泣き虫だったロビンをぎゅっと抱きしめて、あの可愛い笑顔が見られるまで、二人してずっと抱きしめ合った。
大抵は、ロビンがアンゼリカお姉様に泣かされた時だったけれど。
ぎゃっ!
「ブリジット、残念ながら僕は幼子ではないし、泣いてもいない。寧ろ、」
「怒ってるよ」
その晩ブリジットは思った。
ロビンに薬はいらない。
先日大失敗したばかりだけれど、彼の体力は底なしの覇王だわ。
二日三日の不眠不休など、春の夜の夢と同じ。有って無いようなものなのよ!
鐘の声が聴こえる~。
諸行無常の鐘の声~。
「王妃様、お疲れのご様子」
五月蝿い侍従ね。お前、黙らっしゃい。
「あー、本日の晩餐ですが、ヘンリー第二王子殿下もご列席なさいます。そこで王妃様。貴女様はお口をしかとお閉めになって、お心の声を決して外にお漏らしにならぬようご注意下さいませ」
お前の減らず口こそ、どうしてくれよう。
「あー、それがままならなければ、御身にそのまま返ります故。今晩は安らかにお眠りになりたいとお思いでしょう?」
安らかに?真逆しねってこと?!
「いえ、その、昨晩「あー、あー、あー、分かりました了解です心のお口もチャックです」
「お分かり頂ければ結構」
小憎たらしいジェームズの後ろ姿を睨みながら、
「そこのお前、」
「承知致しました」
以心伝心に長けた超絶デキる部下が、ジェームズの背に向け塩を撒く。
もういっそのこと、お口にテープでも貼っていこうかしら。
けれど、それでは晩餐が戴けないわ。
鼻から?それでは流動食よ。
もう、面倒くさいわね。
ロビンは普段はおっとりさんだけれど、一旦怒ると長いのよ。
あれよね、殿方って怒ると長いわよね。
女性はそこんとこ承知の上で、翌朝には「お早う」って昨日の事を何も無かったふうにお膳立てするのを、それをひっくり返すのはいつだって殿方よね。
「お前もそう思うでしょう?」
「全くの同感でございます」
思考が言葉に駄々漏れる主に慣れっこな部下は、いきなり同意を求められても即座に答える。
よく出来た、超絶デキる部下であった。
1,691
あなたにおすすめの小説
白い結婚を捨てた王妃は、もう二度と振り向かない ――愛さぬと言った王子が全てを失うまで』
鍛高譚
恋愛
「私は王妃を愛さない。彼女とは白い結婚を誓う」
華やかな王宮の大聖堂で交わされたのは、愛の誓いではなく、冷たい拒絶の言葉だった。
王子アルフォンスの婚姻相手として選ばれたレイチェル・ウィンザー。しかし彼女は、王妃としての立場を与えられながらも、夫からも宮廷からも冷遇され、孤独な日々を強いられる。王の寵愛はすべて聖女ミレイユに注がれ、王宮の権力は彼女の手に落ちていった。侮蔑と屈辱に耐える中、レイチェルは誇りを失わず、密かに反撃の機会をうかがう。
そんな折、隣国の公爵アレクサンダーが彼女の前に現れる。「君の目はまだ死んでいないな」――その言葉に、彼女の中で何かが目覚める。彼はレイチェルに自由と新たな未来を提示し、密かに王宮からの脱出を計画する。
レイチェルが去ったことで、王宮は急速に崩壊していく。聖女ミレイユの策略が暴かれ、アルフォンスは自らの過ちに気づくも、時すでに遅し。彼が頼るべき王妃は、もはや遠く、隣国で新たな人生を歩んでいた。
「お願いだ……戻ってきてくれ……」
王国を失い、誇りを失い、全てを失った王子の懇願に、レイチェルはただ冷たく微笑む。
「もう遅いわ」
愛のない結婚を捨て、誇り高き未来へと進む王妃のざまぁ劇。
裏切りと策略が渦巻く宮廷で、彼女は己の運命を切り開く。
これは、偽りの婚姻から真の誓いへと至る、誇り高き王妃の物語。
結婚して5年、冷たい夫に離縁を申し立てたらみんなに止められています。
真田どんぐり
恋愛
ー5年前、ストレイ伯爵家の美しい令嬢、アルヴィラ・ストレイはアレンベル侯爵家の侯爵、ダリウス・アレンベルと結婚してアルヴィラ・アレンベルへとなった。
親同士に決められた政略結婚だったが、アルヴィラは旦那様とちゃんと愛し合ってやっていこうと決意していたのに……。
そんな決意を打ち砕くかのように旦那様の態度はずっと冷たかった。
(しかも私にだけ!!)
社交界に行っても、使用人の前でもどんな時でも冷たい態度を取られた私は周りの噂の恰好の的。
最初こそ我慢していたが、ある日、偶然旦那様とその幼馴染の不倫疑惑を耳にする。
(((こんな仕打ち、あんまりよーー!!)))
旦那様の態度にとうとう耐えられなくなった私は、ついに離縁を決意したーーーー。
愛してしまって、ごめんなさい
oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」
初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。
けれど私は赦されない人間です。
最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。
※全9話。
毎朝7時に更新致します。
私のことを愛していなかった貴方へ
矢野りと
恋愛
婚約者の心には愛する女性がいた。
でも貴族の婚姻とは家と家を繋ぐのが目的だからそれも仕方がないことだと承知して婚姻を結んだ。私だって彼を愛して婚姻を結んだ訳ではないのだから。
でも穏やかな結婚生活が私と彼の間に愛を芽生えさせ、いつしか永遠の愛を誓うようになる。
だがそんな幸せな生活は突然終わりを告げてしまう。
夫のかつての想い人が現れてから私は彼の本心を知ってしまい…。
*設定はゆるいです。
夫は私を愛してくれない
はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」
「…ああ。ご苦労様」
彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。
二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。
【完結】愛していないと王子が言った
miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。
「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」
ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。
※合わない場合はそっ閉じお願いします。
※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。
悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?
いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー
これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。
「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」
「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」
冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。
あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。
ショックで熱をだし寝込むこと1週間。
目覚めると夫がなぜか豹変していて…!?
「君から話し掛けてくれないのか?」
「もう君が隣にいないのは考えられない」
無口不器用夫×優しい鈍感妻
すれ違いから始まる両片思いストーリー
白い結婚を告げようとした王子は、冷遇していた妻に恋をする
夏生 羽都
恋愛
ランゲル王国の王太子ヘンリックは結婚式を挙げた夜の寝室で、妻となったローゼリアに白い結婚を宣言する、
……つもりだった。
夫婦の寝室に姿を見せたヘンリックを待っていたのは、妻と同じ髪と瞳の色を持った見知らぬ美しい女性だった。
「『愛するマリーナのために、私はキミとは白い結婚とする』でしたか? 早くおっしゃってくださいな」
そう言って椅子に座っていた美しい女性は悠然と立ち上がる。
「そ、その声はっ、ローゼリア……なのか?」
女性の声を聞いた事で、ヘンリックはやっと彼女が自分の妻となったローゼリアなのだと気付いたのだが、驚きのあまり白い結婚を宣言する事も出来ずに逃げるように自分の部屋へと戻ってしまうのだった。
※こちらは「裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。」のIFストーリーです。
ヘンリック(王太子)が主役となります。
また、上記作品をお読みにならなくてもお楽しみ頂ける内容となっております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる