星の輝くこの夜に

森の中で

頭上を覆う木々の間から夜空を煌めく星の光が射し込み、

幻想的な雰囲気を醸し出す夜の森の中。

暗い森の奥で動く光を目指して、

私は歩いていた…。









十分程光を目指して歩いていた時だった。

光が突然消え、

それと同時に少女の声の様な甲高い悲鳴と、

獣の低く響く咆哮が前方から聞こえた。

それに私は嫌な予感がして森の中を声の聞こえた方角に走った。

すると其処には腕から血を流して倒れている少女と、

その少女に襲い掛かっている狼系の魔獣を見つけ。

私は取り敢えず少女から魔獣を引き剥がすために、

第三位階の風属性魔法を詠唱無しで発動した。

魔法は私のイメージどうりに発動し、

引き剥がす事には成功したが。

流石に少女が近くに居る為殺傷性の高いストーム系で無く、

衝撃波を出すスタンプ系の魔法を使った為、

魔獣を倒すに至らなかった。

だが取り敢えず引き剥がす事が出来たので、

その隙に私は少女を抱き上げて来た道を、

走って引き返した…。