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第一章 家
第六話 救護?
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「急ぐぞっ」
俺と田原は走り出した。
その瞬間、踏み込んだ足によって、大地が抉れ、俺は転んだ。
「っはぁ?」
「…そうか…レベル=強さになっているから…力加減が難しいんだ…」
そうか。モン○ンで言うところの、ブナ○ブラを生け捕りにするようなもの。
「くっそ」
慎重な足取りで、俺達はキティのいる焼肉店へと向かう。
「…ラフ!俺の方がはやい!俺が先に行っておく!」
「分かった」
田原が行ってくれるなら、ありがたい。
(キティ…)
無事でいてくれ…
*****
某焼肉店──
「キャァアア」
甲高い悲鳴が上がる。
それは、ヒステリックな女性の声だと周りの者は理解した。
しかし、
「ぅわぁあああ!」
立て続けに男性が大声を上げ走って店内から出て行った。
「はぁ?」
なんだろう、とキティが思っている内に、それは近づいてきていた。
「ドゥァドゥドゥググズギデズガ?ヤキニク?オイチイネドゥァドゥドゥ」
人型の黒い何かが、キティを目がけて走り出した。
店内にはもう誰も客がおらず、キティを助ける者はいない。
「っ!?」
ダークネスヒューマン
Lv6
…
それは、偶々店に置いてあったステータスボードが見せてくれた、奇跡の一瞬。
これは、人なのか?
否。
人では無い。
ダークネスヒューマンという化け物は、キティ目がけて──
「っぁ!?」
その時、店に大きな穴が開いた。
横から何かが貫通してきたらしい。
それは物凄い勢いで転げてくる。
「おおーっ、すげぇな…この体は。全然痛くねぇ」
それは、人だった。
そして、知り合いだった。
田原総一である。
*****
田原総一 Lv402
HP 22287
STR 65888
────省
*****
田原総一は、体力に対して、攻撃力が不釣り合いに高い。しかしこれは、異常なことではないのだ。
人により、その伸びる領域は違うものとなる。例えばラフの場合、防御系にステータスが偏っているが、総一の場合は、攻撃力に偏っている、というだけの話である。
故に、自分よりLvが低くても、極端に攻撃力が高かったり、極端に防御力が高かったりする。
*****
「よっこいせ…」
「??」
ダークネスヒューマンは、目の前に現れた謎の男をじぃーっと観察していた。
当の田原は、と言うと…
「ふっ」
キリッと凛々しい顔をし、ダークネスヒューマンに優位であると示すように、ダークネスヒューマンに歩み寄った。
しかし、その内心は──
(こぇええええええ!!!ラフぅううう、助けてくれぇえええー!)
「ギィギ?」
ダークネスヒューマンは、そのあまりにも余裕のある態度に少し怖じ気ずく。
そして同時に田原も、ある記憶を思い出していた…
(そうだ。なぜ魔物(?)に触れると、奴らは弾ける?否。俺達の筋力や、スキルが強すぎるからだ!しかし、人に触れても良いのか?いや、物に触れても破壊されなかった…おそらくは、対魔物用のスキル…つまり、俺は触れれば勝ち…ならば、話は結構簡単じゃねぇか…)
「ギギー?」
(思い出せ…一応俺は合気道とフルコン空手とボクシングと柔道と剣道とフェンシングと少林寺拳法とテコンドーの地区大会で全部三位だったんだ…いける…いけるぞ…)
「ギー?」
「ヤアッ!!」
田原は、踏み込む!
その瞬間、地面がバキッ!!と音をたてた。
「やべっ」
その瞬間、焼肉店に一つの穴が出来た。
まるで、レーザービームのように…
もちろん、魔物は消滅した。
しかし…
「っあぁあぁ!!」
田原の服も消滅した。
「…やっと着いた~…あ!キティ、大丈夫だったか?」
「あ、ラフ…ねぇ、あれ」
「ん?」
「変態だわ…」
そこには、焼肉店に開いた穴の前で呆然とし、腰に手を当て、どうしよう…と悩む全裸の田原の姿があった。
すごく哀愁がする。
「うわ、ホントだ…全裸…可哀想に…」
「「お祈りを…」」
二人はパンパンと手を合わせると、歩き出した…
希望に向かって…
「ってえええ!?」
「いや、ジョークだけどね?」
まぁ、肝心なところは甘いのが、ラフなのだが。
「よし、取りあえず、どうする?」
「キティは俺が守っとくよ…分身」
「おお!?ルビを振ったわりに、ただ読み仮名がついただけだ!?」
「いや、何も思いつかなかった訳じゃないんだ…信じてくれ!なぁ」
「で、分身ってどういうものなんだ?」
「あ?第二の俺、みたいな?うーん。まぁ、命令権はこっちにあるんだけど、ま、安全だよ。力も俺と同等」
「なるほどぉ」
「私はどうしたらいい?」
「そうだな…男二人が馬鹿だし、キティには、どこで休んだら良いかとか、どこを目指すとか、決めて貰おうよ」
「なるほどぉ」
「…分かったわ。でも、あまり期待しないでね」
「大丈夫だ。俺達は三人で一つ…だろ?」
「…」
「…」
「で、次の目的地は?」
「…そ、そうね。取りあえず、私は家族が心配ね」
「俺は心配じゃねぇな。あの人たちがそう簡単に死ぬとは思えねぇが」
「…まぁ、おまえんちはな…でも、俺も何かと心配だ…」
(母さん…とおさん…妹)
「分かった。南西へ進むぞ」
中央国家…
我らの故郷へ
「帰郷するのはやくねっ!?」
俺と田原は走り出した。
その瞬間、踏み込んだ足によって、大地が抉れ、俺は転んだ。
「っはぁ?」
「…そうか…レベル=強さになっているから…力加減が難しいんだ…」
そうか。モン○ンで言うところの、ブナ○ブラを生け捕りにするようなもの。
「くっそ」
慎重な足取りで、俺達はキティのいる焼肉店へと向かう。
「…ラフ!俺の方がはやい!俺が先に行っておく!」
「分かった」
田原が行ってくれるなら、ありがたい。
(キティ…)
無事でいてくれ…
*****
某焼肉店──
「キャァアア」
甲高い悲鳴が上がる。
それは、ヒステリックな女性の声だと周りの者は理解した。
しかし、
「ぅわぁあああ!」
立て続けに男性が大声を上げ走って店内から出て行った。
「はぁ?」
なんだろう、とキティが思っている内に、それは近づいてきていた。
「ドゥァドゥドゥググズギデズガ?ヤキニク?オイチイネドゥァドゥドゥ」
人型の黒い何かが、キティを目がけて走り出した。
店内にはもう誰も客がおらず、キティを助ける者はいない。
「っ!?」
ダークネスヒューマン
Lv6
…
それは、偶々店に置いてあったステータスボードが見せてくれた、奇跡の一瞬。
これは、人なのか?
否。
人では無い。
ダークネスヒューマンという化け物は、キティ目がけて──
「っぁ!?」
その時、店に大きな穴が開いた。
横から何かが貫通してきたらしい。
それは物凄い勢いで転げてくる。
「おおーっ、すげぇな…この体は。全然痛くねぇ」
それは、人だった。
そして、知り合いだった。
田原総一である。
*****
田原総一 Lv402
HP 22287
STR 65888
────省
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田原総一は、体力に対して、攻撃力が不釣り合いに高い。しかしこれは、異常なことではないのだ。
人により、その伸びる領域は違うものとなる。例えばラフの場合、防御系にステータスが偏っているが、総一の場合は、攻撃力に偏っている、というだけの話である。
故に、自分よりLvが低くても、極端に攻撃力が高かったり、極端に防御力が高かったりする。
*****
「よっこいせ…」
「??」
ダークネスヒューマンは、目の前に現れた謎の男をじぃーっと観察していた。
当の田原は、と言うと…
「ふっ」
キリッと凛々しい顔をし、ダークネスヒューマンに優位であると示すように、ダークネスヒューマンに歩み寄った。
しかし、その内心は──
(こぇええええええ!!!ラフぅううう、助けてくれぇえええー!)
「ギィギ?」
ダークネスヒューマンは、そのあまりにも余裕のある態度に少し怖じ気ずく。
そして同時に田原も、ある記憶を思い出していた…
(そうだ。なぜ魔物(?)に触れると、奴らは弾ける?否。俺達の筋力や、スキルが強すぎるからだ!しかし、人に触れても良いのか?いや、物に触れても破壊されなかった…おそらくは、対魔物用のスキル…つまり、俺は触れれば勝ち…ならば、話は結構簡単じゃねぇか…)
「ギギー?」
(思い出せ…一応俺は合気道とフルコン空手とボクシングと柔道と剣道とフェンシングと少林寺拳法とテコンドーの地区大会で全部三位だったんだ…いける…いけるぞ…)
「ギー?」
「ヤアッ!!」
田原は、踏み込む!
その瞬間、地面がバキッ!!と音をたてた。
「やべっ」
その瞬間、焼肉店に一つの穴が出来た。
まるで、レーザービームのように…
もちろん、魔物は消滅した。
しかし…
「っあぁあぁ!!」
田原の服も消滅した。
「…やっと着いた~…あ!キティ、大丈夫だったか?」
「あ、ラフ…ねぇ、あれ」
「ん?」
「変態だわ…」
そこには、焼肉店に開いた穴の前で呆然とし、腰に手を当て、どうしよう…と悩む全裸の田原の姿があった。
すごく哀愁がする。
「うわ、ホントだ…全裸…可哀想に…」
「「お祈りを…」」
二人はパンパンと手を合わせると、歩き出した…
希望に向かって…
「ってえええ!?」
「いや、ジョークだけどね?」
まぁ、肝心なところは甘いのが、ラフなのだが。
「よし、取りあえず、どうする?」
「キティは俺が守っとくよ…分身」
「おお!?ルビを振ったわりに、ただ読み仮名がついただけだ!?」
「いや、何も思いつかなかった訳じゃないんだ…信じてくれ!なぁ」
「で、分身ってどういうものなんだ?」
「あ?第二の俺、みたいな?うーん。まぁ、命令権はこっちにあるんだけど、ま、安全だよ。力も俺と同等」
「なるほどぉ」
「私はどうしたらいい?」
「そうだな…男二人が馬鹿だし、キティには、どこで休んだら良いかとか、どこを目指すとか、決めて貰おうよ」
「なるほどぉ」
「…分かったわ。でも、あまり期待しないでね」
「大丈夫だ。俺達は三人で一つ…だろ?」
「…」
「…」
「で、次の目的地は?」
「…そ、そうね。取りあえず、私は家族が心配ね」
「俺は心配じゃねぇな。あの人たちがそう簡単に死ぬとは思えねぇが」
「…まぁ、おまえんちはな…でも、俺も何かと心配だ…」
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「分かった。南西へ進むぞ」
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