王道

こんぶ

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第二章 魔王軍戦

第二十話 軽く観光など

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「あぁ、これ懐かしいな」

俺は、それを手に取った。

「何?それ?」

キティが不思議そうに尋ねてきた。

「これは…俺が昔苦手だった水泳を克服するために、母さんが買ってくれたお守りなんだ…まさかこんな商店街に並んでいるとはなぁ…」

「いいお母さんね…」

「あぁ…昔はな…」

昔は…

「というか…ここも賑やかよね…商店街…」

「そうだな…人だらけだ…」

辺りを見渡しても、大勢の人で賑わっている。今はだいたい正午頃である。

現在、リリーと田原とは別行動をしている。


八聖は洗脳ドミネイトしてあるから大丈夫だが…

別行動をとる際…リリーにこんなことを言われた。


『ラフ』

『ん?』

『折角の二人きりですし、デートでもしてきては?』

『むむ、確かに…だが勇者の件が…』

『そちらはわたくしの方で何とかしておきますわ』

『…ありがとう…』

『いえいえ、礼を言うような関係ではありませんわ…私たちはもう家族のようなもの…そうでしょ?』


『そうだな…』

『では恋人同士、楽しんでいらっしゃいね』

『…あぁ、そっちもな』

『ええ』


──とまぁこんな感じで、リリーにはかなり助けられた。


「…デートかぁ…しっかし、こんなんで良いのかなぁ…」

「何が?」

「…んぁ?いや、なんでも…」

「…そう?」

にしてもキティ…いつにも増して、ハイテンションだなぁ…

「あ、待てよ…」

「うふふ~」

キティは駆けだした。

「ちょ、そんなに走ると危ないって…」

「ラフ~、追いついてみなさいよ~」

「ちょ…」

ドンッ、とキティが何かにぶつかった。

「あいっ!」

ほーら、言ったそばから。

「す、すいません~」

俺は謝りながらキティに駆け寄る。

「ほんと、ごめんなさい…」

目の前にいたのは少し大柄な男性。
いやらしい顔をしてるなぁ…面白い顔だ。


「ははっ、この程度、全然大丈夫さ…さ、立てるかい?」

男はキティに手を差し伸べる。

「は、はぁ」

まぁ、そんな厚意を無下にも出来ないのでキティは手を取り、立ち上がった。

「ありがとうございます…」

「どうも」

男は去って行った。

……

…あの男…


(…おーい、旦那ぁ)


──は?

(俺っすよ、俺…ほら、元八聖っすよ-)

──お前…心に話しかけられるのか…

(そうっすよ~因みに外界も見られます-)

──その空間からか?

(ええー)

洗脳ドミネイトしたからか、若干口調は変わっているものの、敵対行動は絶対にとらせないようにしている。

──というか、その逆。

こちらの協力者に、作り替えた。

(旦那ぁ、あの男は…)

──あぁ、俺も分かったから大丈夫だ。

(っすよねぇ~)

「──フ…」


(しかし、これが人間ってもんすかねぇ?-)

──性根は変わらないだろ…大抵の生き物は…

(すよねぇ)


「ラ──…!」


(でも旦那は、違いますもんね…あんたは人間であって、人では無い…)

──人間だっつーの。

(そうすかねぇ?…そこまでLvを上げたとなると…)

──だから…それは──


「ラフ!」

「…あ」

やべ、どんくらい話してたんだろ…


「ごめんごめん、ボーッとしてた…」

「全くもう…次はあの店にゴーよ…」

「へいへい」

歩いて、その店に入った。

ん?

辺りに丁寧にかけられているのは華やかな服たち。


「服屋か」

「そうよ~…あ!この服なんか良いんじゃない!?」

「…着てごらんよ」

シャラッ(着)

「どう?」

「うむ…八十点…!」

「なにっ!?こうなったら百点コーデを目指してやるわ…」

シャラッ

「七十八!」

シャラッ

「八十六!」

シャラッ

「九十!」

シャラッ

「九十二!」

シャラッ

シャラッ

シャラッ


「百点っ!!」

「やったぁぁあ!」

店員さんには迷惑をかけた…

結局、キティが選んだのは、少しドレスっぽい赤と白の衣装だった。

黒い帽子をかぶると更によく見えるのでは?と思ったが、キティが想像以上に童顔だったのであまりにあわなかった。

「次よ…」

「ちょ、一旦トイレ…」

「ん、分かったわ…じゃ、そこのベンチに座っとく…」

「へーい」


さてと…この間に…





ベンチに座る一人の可憐な美少女。

その前に、少し大柄な、少女と比べれば幾らか大きい男が立った。

「あれ?さっきの男の人?何ですか?」

「あの男はいないな…ふふ、ちょっと来い…」

「え?あの…あ、ちょ、痛っ」

大柄な男はその少女を無理やり掴み…

そして、口を押さえた…

「ほがっ、ほがほが!」

「…うるせぇ…殺すぞ…」

男は煌めく刃を少女にチラリと見せる。


───ゾッとした。

死の危険が身近に迫ったのを感じた。

「ふっふうう」

少女はあまりの恐怖に涙を流す。


「ここじゃなんだ、トイレに行くぜ…」

そうして、大柄な男は、少女をトイレに連れ去った。

「いやぁ、やめろぉ!」

必死の抵抗、蹴る殴る噛みつく…


──だが、傷付かず。

「ふふ…俺は体が丈夫でな…」

男は、少女の下半身を執拗に触り、そして自分のを少女の下腹部にあて…

「おい、あんた…そこまでにしとかねぇか?」

「…誰だ?ん?さっきの男か…というか…お前…どうやって個室に入った?」

「そんなことはどうでも良いだろう…」

「…は?」

「目の前で起こっているに比べればな…」

「はいぃ?これの何が悪いんですかね?」

「この国に強姦罪は無いのか?…いや、あるよな…なぁ、あんた、今のうちにやめておいたら見逃してやるよ…人生一度の過ちだと思ってな…その方が懸命だろ?」

「は、さっきから何をぺらぺらと、粋がるなよガキが…これくらい大人の世界じゃあ、見逃される悪と同じなんだよ!」




「そうか、残念だ」

「それに、俺のLvは30!たかが一般人がたどり着ける数値じゃ…」

ベコッ!

男は大柄な男を殴った。

「──は?」

「──おい、お前…体は丈夫なんだよな?実は俺もそうなんだ…少し長い付き合いになりそうたな…」

「え、あ?」

ベコッ!ガッ!ゴッ!ガンッ!

血が、飛び散る。
あまりに無惨。

「あ、っひゃ、ひゃめっ」

メリッ!

歯が、男の体液が、飛び散る。
鼻はとっくに潰れているだろう。
歯は既に数本折れていた。
顔はパンパンに腫れ上がっている。

「まぁ、辛抱しろよ──」


──男がトイレから出たのは、それから数分後の事であった。



「…期待はしたんだが…なぁ」

あそこで罪悪感に気付き反省するのならともかく。
反省の色が見えなかった。あれくらいの制裁で丁度良いだろう。
強者は弱者を嬲るのではなく、強者は弱者を守るものだ。

「ラフ…」

「ん?」

「怖かった~!」

飛びついてくるッ!

「おうおう」

キャッチ!

ガシッ!

ギュゥウウウ!!

「お、おい強く抱きしめすぎ…それにここ公共の場だよ…」

「関係ないッ…ラフぅーっ」

んー、と唇を突き出すキティ…

「お前…まさか…」

「うん」

「ここでするかぁ!」

「あ?やっぱり…」

「…流石にそれは出来ないけど…はい、これ」

「…え?」

「似合うと…思ってな…これ…」

それは、朱色のリボンだった。(ハローな方を意識したのではない)

「…え、うそ」

え?何、既にもってたとか…

「嬉しい…最高…」

ぽろぽろと、キティは涙を流した。

「え、ええっ、泣くほどか?」

「だってぇーっ、うぅうう」

「…そうか、そりゃ、俺も選んだ甲斐があったな…」

「ありがどー」

キティは大事そうにそのリボンを持っていた。

「一生の宝物にする」

「そんなぁ~?」

「そんな!」

…そうして、俺もキティはほのぼのしながら飯でも食おうと飲食店に入り、飯を食って、さてこれからどうしよう、となったときだった。

『あ、繋がった…おい、ラフ!』

『ん?』

『とりつけたぞ!約束!』

『何の』

『勇者面談!』

『…ええぇっえええー!?』

向こうは相当優秀らしい…














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