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妖怪王⑤
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つまり、男のはただ幸子にプレゼントを渡すために…ってことか。
浮気じゃなかった…
でも、どうしたら依頼を達成…
「馬鹿かお前」
がんっと叩かれた。
「いっ…て、斎藤職員!?」
「治す方が間違いだったんだろ…吉沢の野郎、それを分かっていながら俺達にこの資料を渡したんだ…」
「治す…方?」
「あぁ。治すのは」
────妖怪王の法だろう。
◇
「む、お前はどこぞの天狗ではないか…」
「はい」
「それで、依頼達成かのう?」
「そうですね、今からです」
「は?なんの話をしておる?」
「今から依頼を始めます」
「…??」
「妖怪王、河童の法を変えてください」
「…はぁ、なにをいっておるんじゃ?…あれは」
「なぜ、異種間のつながりをたとうとするのですか?」
「…」
「幸子さん、幸せそうでしたよ」
「…別に、変えてもいい。変えるのは吝かじゃない」
「…だったら」
「じゃが、だめなんじゃよ、異種間じゃあ」
「…何が?」
「どれだけ相性がよくても、価値観も育ってきた環境も中身も外見も寿命も違う…わしはな、平等な世界がつくりたかったんじゃ。まぁ、お前が言いたいことはわかる、それでは平等ではないだろう、と。じゃがわしの出した結論がこれなんじゃ…つまり、寿命が違うというのは…可哀想ではないか?」
「…可哀想?」
「残された方が」
「…だからこそっ!」
「?」
「だからこそその短い間に、人生一生分の愛情を注ぐんだろーが!」
「…そうかもしれんな…まぁ、幸子が幸せならそれでいいわい」
妖怪王は諦めたような顔をして、しぶしぶ「では、変えるか」と一言。
…
花川職員は分からなかった。
自分は、正しいことをしたのだろうか?
「…なぁに辛気くせぇつらしてんだ?」
「いえ、俺は、正しいことをしたのかなって…」
「はぁ?この世に正しい事なんてあるわけねぇだろ」
「…そうですね」
そうかもしれない。
◇
妖怪相談所は、今日も様々な妖怪が訪れてくる。
きっと、その悩み全てを解決させることは不可能なのだろう。
だけど──
「…」
少しでも良いことをしたいと願ったの者が、相談を受け付けるのだ。
「…さてと」
『実行部署』、花川職員。
正義の男は今日も依頼を請け負う。
妖怪相談所 本編完
浮気じゃなかった…
でも、どうしたら依頼を達成…
「馬鹿かお前」
がんっと叩かれた。
「いっ…て、斎藤職員!?」
「治す方が間違いだったんだろ…吉沢の野郎、それを分かっていながら俺達にこの資料を渡したんだ…」
「治す…方?」
「あぁ。治すのは」
────妖怪王の法だろう。
◇
「む、お前はどこぞの天狗ではないか…」
「はい」
「それで、依頼達成かのう?」
「そうですね、今からです」
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「今から依頼を始めます」
「…??」
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「…はぁ、なにをいっておるんじゃ?…あれは」
「なぜ、異種間のつながりをたとうとするのですか?」
「…」
「幸子さん、幸せそうでしたよ」
「…別に、変えてもいい。変えるのは吝かじゃない」
「…だったら」
「じゃが、だめなんじゃよ、異種間じゃあ」
「…何が?」
「どれだけ相性がよくても、価値観も育ってきた環境も中身も外見も寿命も違う…わしはな、平等な世界がつくりたかったんじゃ。まぁ、お前が言いたいことはわかる、それでは平等ではないだろう、と。じゃがわしの出した結論がこれなんじゃ…つまり、寿命が違うというのは…可哀想ではないか?」
「…可哀想?」
「残された方が」
「…だからこそっ!」
「?」
「だからこそその短い間に、人生一生分の愛情を注ぐんだろーが!」
「…そうかもしれんな…まぁ、幸子が幸せならそれでいいわい」
妖怪王は諦めたような顔をして、しぶしぶ「では、変えるか」と一言。
…
花川職員は分からなかった。
自分は、正しいことをしたのだろうか?
「…なぁに辛気くせぇつらしてんだ?」
「いえ、俺は、正しいことをしたのかなって…」
「はぁ?この世に正しい事なんてあるわけねぇだろ」
「…そうですね」
そうかもしれない。
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きっと、その悩み全てを解決させることは不可能なのだろう。
だけど──
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少しでも良いことをしたいと願ったの者が、相談を受け付けるのだ。
「…さてと」
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