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ギルド
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私、エリス・リーシアはギルド職員です。
毎日ギルドへ行っては、冒険者の方々へそのレベルに見合ったクエストを受け渡しています。とは言っても、ギルドの仕事は沢山ありますから、それだけでは無いんですが…クエストを受注する人がいれば、依頼する人もいる。
依頼する人は実際このギルドへ来ることもありますし、間接的に回ってくることもあります。
世界各地のギルドへ発行される高難度クエストなどもありますから。
さて、それでは今日もギルドへ行きましょう。
ギルドはいつも賑やかです。楽しいです。
◇
朝早くに起きて、朝食を食べて歯を磨いて、ギルド職員服に着替えます。
そして、歩いて五分のところのギルドへ行きます。
「おはよう」
「あら、エリスさん。おはようございますわ」
同僚の、カリナさん。タメです。
「では、今日もお仕事頑張りますわよ~」
「ええ」
さて、今日も書類の整理から何やら何まで、大忙し。
看板にクエストをはったり、ギルド内にある酒場の準備をしたりとか、すごく大変なんです。
そして、気付けば冒険者の方々が来てしまいます。
「うへらぁ」
と、こんな毎日を過ごしていました。
…そして、これからも過ごすはずでした。
ですが…
「……」
「あ、あのー」
今日この日、私はとんでもない人間と対峙しました。
「…えとー、ここがギルド…ですよね?」
「…え、ええ」
苦笑しつつも答えるカリナさん…勇敢!
というか、あの男はなんなんでしょうか!?
汚い身だしなみ、ここまで匂う体臭、服はボロボロ、変な汁がついてるし…
おげぇ、最悪…
顔も汚れているわ…
「ね、ねぇ、エリスさん、ちょっとお任せできますか?」
「…え、ええ」
あ、間違えて頷いてしまったー!
「では、お願いしますわ」
カリナさんは、ニコッと笑顔になった。
「お、お客様、とりあえず体を洗わないといけませんので、外にあるシャワー部屋をお使い下さい…」
「シャワー部屋…?シャワー部屋ってなに?」
「…はぁ?」
「…いやだからね」
「シャワー部屋とは、体を洗う場所です!」
「…いや、なにそれ?よく分かんないから教えてよ、お嬢さん…」
「…(ビキィ)」
お嬢さん…だなんて、優雅な育ちねぇ…この男は…何様なのか…
「じゃあ、ついてきてください!」
「へーい」
汚れた男は調子に乗ったように私についてきます。
「ここです!水で体を洗いなさい!そこから水が出てくるはずですので!」
「ありがとう」
「…は?何言ってるんです?」
「なんでもない。さ、水を出してくれ」
「自分で出せぃ!」
◇
「大分綺麗になったわね」
「あぁ、ありがとう」
「だからそれなんなんです?」
「なんでもない。さて、何か、そうだな。金か何かを払わなければいけないか?」
「…今回は特例で出しませんよ」
「何故?」
「だって、そんな人いませんもん。そこまで汚れてくるひと。ってか、服はもう捨てちゃったんですけど…」
「…!?えぇー!」
「?」
「あれ以外に服ないよ!?」
「…では、ギルド服を貸しましょう。洗ってかえしてくださいね」
「…ど、どうも」
急にへりくだって…
「…っていうか、俺、ギルドに登録したいんだけど」
「…と、登録?まぁ、出来ますけど」
「んじゃ、登録してよ」
「…では、手続きをするために、カリナさんにお話ししてください」
「カリナ?カリナってあのお姉さん?」
「えぇ。無礼の無いようにね」
「へいへい」
◇
「あんたがカリナさんか?」
「え、えぇ。そうですわ。な、なんですの?」
「…いや、ギルドに登録したいとおもってさ」
「…あ、そんなことでしたか。でしたら、ここに署名して、その他色々書いてから、印鑑と料金を払ってくれたら良いですわよ」
「…どうも」
そう言ってニシオカは、紙に署名していく。
「印鑑って、あれでいい?」
「?あれとは?」
「あのー、正式じゃないやつ」
「シャチハタでもいいですよー。認印でもー」
「…あ、じゃあシャチハタしか無いです(魔王に借りたやつ)」
「では、それでも…」
───バコッ!
「…何の音ですの!?」
「…?モンスター」
ギルドに突進するように入ってきたのは、魔物。
「…??な、なんで魔物が?ここは、市街地のはずだが」
他のギルド職員が言う。
「なら、突破してきたってことじゃねーの?」
「…!丁度いいところにいたじゃないですか!冒険者様!」
「…あぁ、だから、アレを倒そうと思ったけど、無理だわ」
「…へ?」
「あれ、知ってる?」
「い、いえ」
「冒険者界でも、最上位の冒険者のみしか勝つことの出来ない、指定凶悪魔物、ディサイグリード。なんで、こんなところに…」
「そ、それなら壁外の衛兵が負けたのも納得です。そして、国内に進入してきて…」
ディサイグリード。
体高は数メートル。二つの腕は歪に折れ曲がり、体に対して大きい。と、いうか、体が細い。
「キョェエエエエ!!!」
ディサイグリードの口から黒い球のようなものが見える。
それは、宙に浮いているようだった。
「な、なんですか、これは?」
「…!ディサイグリードの代表技!踊る球!その威力は洒落にならないらしい!このギルドごと吹っ飛ぶぞ!」
「キョェエエエエ!!!」
「うるさ」
ベコッ
ベコベコベコッ!
ガンッ!ガガガガガッ!
急に、ディサイグリードが、ひしゃげ、ねじれ、べこべこにへこむ。
「…?」
「…??」
急にディサイグリードは倒れた。
体中に穴をあけて。体中から、血を流して。
「な、なにが起きた?こいつ特有の特性か?」
「…いや、そんなものはないはずだし…」
ギルドは大慌てだった。
「…で、カリナさん、ギルド登録できた?」
「それどころじゃないですわっ!!」
────────────
更新遅れてさーせん。
休載って書いてあるけど、まぁちょくちょく更新するくらいに思っておいてくだちい。
毎日ギルドへ行っては、冒険者の方々へそのレベルに見合ったクエストを受け渡しています。とは言っても、ギルドの仕事は沢山ありますから、それだけでは無いんですが…クエストを受注する人がいれば、依頼する人もいる。
依頼する人は実際このギルドへ来ることもありますし、間接的に回ってくることもあります。
世界各地のギルドへ発行される高難度クエストなどもありますから。
さて、それでは今日もギルドへ行きましょう。
ギルドはいつも賑やかです。楽しいです。
◇
朝早くに起きて、朝食を食べて歯を磨いて、ギルド職員服に着替えます。
そして、歩いて五分のところのギルドへ行きます。
「おはよう」
「あら、エリスさん。おはようございますわ」
同僚の、カリナさん。タメです。
「では、今日もお仕事頑張りますわよ~」
「ええ」
さて、今日も書類の整理から何やら何まで、大忙し。
看板にクエストをはったり、ギルド内にある酒場の準備をしたりとか、すごく大変なんです。
そして、気付けば冒険者の方々が来てしまいます。
「うへらぁ」
と、こんな毎日を過ごしていました。
…そして、これからも過ごすはずでした。
ですが…
「……」
「あ、あのー」
今日この日、私はとんでもない人間と対峙しました。
「…えとー、ここがギルド…ですよね?」
「…え、ええ」
苦笑しつつも答えるカリナさん…勇敢!
というか、あの男はなんなんでしょうか!?
汚い身だしなみ、ここまで匂う体臭、服はボロボロ、変な汁がついてるし…
おげぇ、最悪…
顔も汚れているわ…
「ね、ねぇ、エリスさん、ちょっとお任せできますか?」
「…え、ええ」
あ、間違えて頷いてしまったー!
「では、お願いしますわ」
カリナさんは、ニコッと笑顔になった。
「お、お客様、とりあえず体を洗わないといけませんので、外にあるシャワー部屋をお使い下さい…」
「シャワー部屋…?シャワー部屋ってなに?」
「…はぁ?」
「…いやだからね」
「シャワー部屋とは、体を洗う場所です!」
「…いや、なにそれ?よく分かんないから教えてよ、お嬢さん…」
「…(ビキィ)」
お嬢さん…だなんて、優雅な育ちねぇ…この男は…何様なのか…
「じゃあ、ついてきてください!」
「へーい」
汚れた男は調子に乗ったように私についてきます。
「ここです!水で体を洗いなさい!そこから水が出てくるはずですので!」
「ありがとう」
「…は?何言ってるんです?」
「なんでもない。さ、水を出してくれ」
「自分で出せぃ!」
◇
「大分綺麗になったわね」
「あぁ、ありがとう」
「だからそれなんなんです?」
「なんでもない。さて、何か、そうだな。金か何かを払わなければいけないか?」
「…今回は特例で出しませんよ」
「何故?」
「だって、そんな人いませんもん。そこまで汚れてくるひと。ってか、服はもう捨てちゃったんですけど…」
「…!?えぇー!」
「?」
「あれ以外に服ないよ!?」
「…では、ギルド服を貸しましょう。洗ってかえしてくださいね」
「…ど、どうも」
急にへりくだって…
「…っていうか、俺、ギルドに登録したいんだけど」
「…と、登録?まぁ、出来ますけど」
「んじゃ、登録してよ」
「…では、手続きをするために、カリナさんにお話ししてください」
「カリナ?カリナってあのお姉さん?」
「えぇ。無礼の無いようにね」
「へいへい」
◇
「あんたがカリナさんか?」
「え、えぇ。そうですわ。な、なんですの?」
「…いや、ギルドに登録したいとおもってさ」
「…あ、そんなことでしたか。でしたら、ここに署名して、その他色々書いてから、印鑑と料金を払ってくれたら良いですわよ」
「…どうも」
そう言ってニシオカは、紙に署名していく。
「印鑑って、あれでいい?」
「?あれとは?」
「あのー、正式じゃないやつ」
「シャチハタでもいいですよー。認印でもー」
「…あ、じゃあシャチハタしか無いです(魔王に借りたやつ)」
「では、それでも…」
───バコッ!
「…何の音ですの!?」
「…?モンスター」
ギルドに突進するように入ってきたのは、魔物。
「…??な、なんで魔物が?ここは、市街地のはずだが」
他のギルド職員が言う。
「なら、突破してきたってことじゃねーの?」
「…!丁度いいところにいたじゃないですか!冒険者様!」
「…あぁ、だから、アレを倒そうと思ったけど、無理だわ」
「…へ?」
「あれ、知ってる?」
「い、いえ」
「冒険者界でも、最上位の冒険者のみしか勝つことの出来ない、指定凶悪魔物、ディサイグリード。なんで、こんなところに…」
「そ、それなら壁外の衛兵が負けたのも納得です。そして、国内に進入してきて…」
ディサイグリード。
体高は数メートル。二つの腕は歪に折れ曲がり、体に対して大きい。と、いうか、体が細い。
「キョェエエエエ!!!」
ディサイグリードの口から黒い球のようなものが見える。
それは、宙に浮いているようだった。
「な、なんですか、これは?」
「…!ディサイグリードの代表技!踊る球!その威力は洒落にならないらしい!このギルドごと吹っ飛ぶぞ!」
「キョェエエエエ!!!」
「うるさ」
ベコッ
ベコベコベコッ!
ガンッ!ガガガガガッ!
急に、ディサイグリードが、ひしゃげ、ねじれ、べこべこにへこむ。
「…?」
「…??」
急にディサイグリードは倒れた。
体中に穴をあけて。体中から、血を流して。
「な、なにが起きた?こいつ特有の特性か?」
「…いや、そんなものはないはずだし…」
ギルドは大慌てだった。
「…で、カリナさん、ギルド登録できた?」
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