ミッション

こんぶ

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その範囲、俺の武器

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「っわぁああああああ!!!」

何だよあれッ?何だよ何だよ何だよ!

「ハァッハァッ」

気づけば俺はどこか分からない所まで走ってきてしまったらしい。

とりあえず、どこかに隠れないと。隠れないと、隠れないとー

「フウッフウッ」

落ち着け…俺

この手の作品は大体読んできたから分かる。

おそらく、あのクリアという言葉、その条件はあいつを倒すこと。

そして倒すためには、きっとコレが必要なんだ。

「置いて来なくて良かったぜ…」

黒い棺である。

「さて、どういう風に使えるのか…」

黒い棺の中から、人生で一度も見たことのない、機械?のような物を取り出す。

月の灯りに照らされ、よく見える。

「お」

それは機械等ではなく、黒い手袋だった。

しかも左手用の手の甲にキチンとボタンにはまるように空間がある。

これらは、俺の物とみていいだろう。

よし、早速着けてみるか。

あいつに追いつかれる前に。

「っ…あれ?っ!」

中々はまらない。さっきまで生物の本能としてっていうレベルで怖がっていたせいか、手が震えて震えてしょうがないのだ。

「フゥッー、落ち着けー」

大丈夫。大丈夫。

「フゥ」

体が急に楽になり、先程までバクバクなっていた心臓の音もなくなった。

緊張も大分ほぐれたので、黒い手袋をはめる。

ギュッ、ギュッ。

「ッ!?」

その手袋をつけた途端、黒い手袋から、黒い線のような物が出て来て、腕の辺りを刺した。

「うぐっ!」

痛ぇ!やっぱりこれは夢なんかじゃない。

線が腕の中に入る。

「ハァ…ハァ」

手袋を脱がせようとするがー

「駄目だ。ガッチガチで全然とれない…」

一度つけたら二度と脱げないのか?

まぁ、いっか。別に死ぬわけじゃああるまいし。

しかし、この手袋の効力がいまいち分からん。戦闘に使えるって訳でも無さそうだし…

とりあえず、今は考えるよりも次だ。次。

「ゴケェーゴケォーゴケェーゴケァ」

何だ?この気持ちの悪い声は…
と思っていると、木々の奥からー



ーヌルリ、ヌルリと異様な物が近づいてくる音が聞こえた。





想像以上に移動速度が速い。急いで次のを見ないと。
お、何か、小さいのがある。
それを、持ち上げて、月明かりに照らす。

「腕輪?」

腕輪のような物だ。白い色をしている。
何の効果があるのかは、全く分からないが、とりあえず、着けておく。

次…ラストか。

最後のはかなり大きめだが。

それを同じように月の光に照らすとー

「ん…これ…銃か?」

黒色で、銃口が丸く、その半径はおよそ6cmといったところで非常に大きい。まるで大砲を撃つかのようだ。
さらにその下に真っ黒な象牙のような尖った持ち手…?のような部分があり、銃口の下から生えているようにも見える。
さらにその本体?(あまり銃については知らない)に持ち手が三つほどある。少し、というか大分特殊な形をしている。
本体側の持ち手、その二つ目に引き金っぽいものがある。
実物を見たことが無いので何とも言えないが。
その後ろには斜めになった持ち手。その前には真っ直ぐに下に伸びる持ち手があった。また本体?には銀色のモーターのような物もついていた。
また、後ろから見るとモニターのようなものがある。
恐らくモニターなのだろう。
そのモニターには、範囲のようなものが書いてあった。
俺の周りを囲うが如く、半径1kmくらいに円状に範囲があるようだ。
多分、俺はその範囲から出ると死ぬのだろう。なんとなく、そんな気がする。
…そもそも。この銃をどうやって使うのか。どんな弾が出るのだろうか。
もしかしたら一発で終わりかもしれない。
その時だ。
『ピロリンー残り三十分』
と、腕輪から聞こえてきた。

「三十分…おそらく、時間制限もある」

その内に、あいつを倒すのか?
無理だろ。

けど、この銃のようなものだったら…

「撃ってみるか…」

その為に、まずはあいつを見つけないとな。

その為に俺は、歩き出した。

______________


見つけた。

体高は2mはあるであろう。
横幅は2.5m近くあるだろう。
縦幅は3.5mくらいと見た。

今は俺を見失い、気を抜いている。

モニターを見ながら、その標準をあいつに合わせる。

「フゥーッフゥーッ」



クイッと、あいつが俺のいる方と反対側を向く。



今だッ!!


カチッ




ドゥォン!

「ゴゲェ!」

あいつが気がつく間もなく、あいつの体が真っ二つに割れた。

この銃に視線を落とす。

「…っ…強ぇー」

反動も何もなかったぞ。唯一発射音と共に白く光っただけだが。

しかし、多分実際には、真っ二つに割ったわけではないのだろう。

おそらくは、穴を開けたのだ。

大きな大穴を。

何故ならその奥の木々や草木が、根こそぎ、まるで何かが通った跡の如く、無くなっていたのだから。

まるで、真空状態を一瞬にして作りあげているかのようだ。

そう思っていると…

「ゴゲェ!ゲエッゲエッ!」

と、左右の鶏達が動き始めたのだ。

左右の鶏は、自分の体から出た血や肉や臓物を全く気にせず、ずりずりっ、と引きずりながら、そのなめくじのような下半身で追いかけてきた。


「ッオオオ!?」

クソッ!まだ逃げるぞ!

「ハアッハアッ」

もっと走れ!

もっと…もっと…



「っ!?」

嘘だろ。


崖かよ。


「ゴッゲェゲェォゲェ」

気持ちの悪い声を大音量で流しながら、あいつは追いついてきた。

バックンバックンと心音が鳴り響く。

体から消えたはずの震えが戻ってくる。

いや。冷静に。

冷静にいくんだ。

「ハァッフウッ!」


「ゴゲェ!!」

馬鹿みたいに、一直線に、あいつの片割れは走ってきた。

「当たれっ」


カチッ



ドゥォン!



「はぁ、やった!」


鶏と象とナメクジのキメラのような野郎は、肉片だけとなっていた。

地面にはこいつの肉と血がべっとりとつき、透明な髄液のようなもので溢れていた。

なんかぐちゅぐちゅしてるな。

しかし、これで、やっと

「やっと倒した…」


「ゴゲェ!!」



「ッ!?」


俺は鶏の突きによって、腹を裂かれた。

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