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日本編
でんきライオン 2
しおりを挟む「な、何だありゃ?」
夜空、明るい月の下、香龍のチームはそれを目撃した。
「雷だ…」
それは森の中央部辺りに雷が落ちる瞬間であった。
ゴォン!!
「すごい音だな…」
「そうだな…」
その時、ソンが言った。
「ッッ!?あれっ!」
「?」
その瞬間、ゴォンドォゴオオオトンと、爆音がする。
何十という落雷が発生している。
「よし。向かうぞ」
京香の呼びかけに対し、皆は
「おう」
と、肯定した。
──────────────────
「なんだ?今のは!」
それは、ヒョン、つまりはオッサンであった。
オッサンは落雷を目撃した。
「よし、行くか!」
オッサンは目的地を決めた。
──────────────────
「キャァッ!!」
それは、突風と爆音であった。
それらがアンネを襲う。
「な、何今の…」
次の瞬間…
ドゴォオンォンドォンォンドォンゴンバゴン!
「ヒャアッ!?」
アンネは心臓が止まるかと言うほど驚いた。
「な、に、がおこってるの?」
アンネは恐る恐る、その方向へ歩を進めた。
─────────────────
「はぁっ、はあっ」
「うふ?ふっっううふふひひ」
「ハアッ、ハアッ」
「おほ?ほほほほ」
「─ッ!」
ミッシェルは全力で刀を振る。
馬鹿げた力と、技量の成す素晴らしき刀捌き。
しかしライオンは、それを只のスピードで躱していた。
まるで、子供の全力疾走を大人が追い抜いていくように。
速度に差がありすぎるのだ。
しかし、あり得るのか?
チーターと互角にやり合ったミッシェルが速度で負けるなど。
しかし、現実問題ミッシェルの剣戟は全て躱されている。
それは、ライオンに武術の知識があるからではなく、ただ、己のステータス、速度の高さで全ての攻撃を躱していた。
「ひゅっ!ハッハッ!」
ビュンと刀を横一文字に薙ぎ払い、避けたライオンに縦に刀を振る。
それも避けられ、その瞬間、顔面を斬るように上に刀を上げて斬る。
それも避けられ、次に胴体を斬るように袈裟切りをする。
だが、ライオンの毛先に掠りもしない。
「はぁーっ、はあーっ」
ミッシェルは只疲れる一方、ライオンは全くと言っていいほど疲れが見えなかった。
ミッシェルは薄々その理由に気が付いいていた。
まず第一にライオンの速度だが、恐らくは己の肉体に電気を流すことによって通常よりも格段に速い反応や動きを見せていること。
それと、疲れがないのは─
「ほーほほほっほほ」
単純に体力が多いだけなのだろう。
「ふぅ、ハァーッ、ふぅふぅはぁッ」
ミッシェルは息を整える。
その時だった。
ミッシェルの頭上から、雷が落ちてきた。
「ッ!?」
仮に雷を人間が観測してからそれを避けようとした場合、ミッシェルは人間をやめなければいけない。静電気を避けるようなものだ。
そうしてカッと、夜の空が閃光に染まる。
途轍もない光、そして衝撃と轟音とが、一気にミッシェルを襲う。
が─
「はぁーっ、はぁーっ」
大量に汗を流しながらも、ミッシェル、健在。
ただし、右手で左腕を押さえていた。
ミッシェルの左腕は、肘から先が、千切れてしまっていた。
「はぁーっ、はぁーっ」
そこからは、一方的だった。
「っは!」
「ふふふふううううふふ」
ミッシェルは走り回り、逃げ回る。
それを追うようにライオンは何度も雷を落とす。
カッとカッと、光が空を照らし、轟音と地響きが絶えず続く。
「はぁっ、はあっ」
ミッシェルは無くなった左腕をぷらぷらさせながら夜の森を走り続ける。
「はあっはあっ」
「ふふううひひふふ?」
ライオンは
目の前の木の間から出て来た。
「はっ!」
ミッシェルは失念していた。
自分より圧倒的にライオンの方が速いということを。
「はぁっ、ああっ、はあっ、」
「ふふふふ」
ライオンはだんだんとミッシェルに近づいていく。
「はぁっ、いや、っ、誰か…」
「ふふふふ」
くちゃあ、とライオンは大きく口を開き、ミッシェルに近づく。
食べようとしているのだ、ミッシェルを。
「はぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっはぁっ」
必死に必死に必死に走る。
しかし、ライオンは近づき、無情にもミッシェルの真後ろまで来ていた。
「はぁっーっ!ぃゃ!はぁっ」
「あーん」
ライオンがミッシェルを食べる─
カチッ
ドゥオン!!
「ッ!?」
─前に、それは放たれた。
「ソン!京香は援護頼む!ジーはミッシェルを救出してやれ!」
「「「おう!」」」
四人は勇猛果敢にライオンに挑む。
「行くぞっ!」
香龍チームの登場である。
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