お漫才お台本

村上未来

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実況アナウンサー

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🐵ツッコミ 砂鉄(関西人)🐵
🐱ボケ 村上みらい🐱


🐵『どうも、砂鉄です』

🐱「存じませんでは通りません!ご存じ村上未来でーす!」

🐵『なんやねん、その挨拶は?お前なんか誰も存じてへんし』

🐱「誰もというのは、わたしのお父さんとお母さんもですか?」

🐵『そんな訳あるか!両親知らんかったら、母親やのうて、毎朝通報されてお巡りさんに起こされるわ!』

🐱「え?わたしは目覚まし時計で起きてますよ?」

🐵『そういう話してるんとちゃうわ!』

🐱「ならば、どういう話ですか?」

🐵『分からんやっちゃな!ご両親はお前をご存じやと言うとんねん!』

🐱「ならば、誰も存じていないというのは間違いですね。砂鉄さん、日本語は正しく使いましょう」

🐵『なんやなんや?急に日本語に厳しなったな?』

🐱「わたし最近、日本語を勉強してるんです」

🐵『日本人のお前が日本語を?何の為や?』

🐱「わたし、アナウンサーになりたいんです」

🐵『え?おっさんなのに?今さら?』

🐱「おじさんが夢を見る。悪い事ですか?」

🐵『いや、悪い事やないけど』

🐱「ならば、犯罪スレスレという事ですね?」

🐵『なんでやねん!バキバキの合法やわ!』

🐱「ならば安心です。犯罪者スレスレな方は、アナウンサーにはなれないと思いますからね」

🐵『そんな奴は確かになれへんわ。それより何でアナウンサーになりたいんや?』

🐱「結婚したいんです」

🐵『はぁ?別にアナウンサーやのうても、結婚できるやろ?』

🐱「お前、まじで言ってんのか?」

🐵『え?』

🐱「え?じゃねぇよ。ちゃんと考えてから話せや!」

🐵『何をや?考えて話してるやんけ』

🐱「どこがだよ!」

🐵『給料が高いアナウンサーは、結婚に向いとる思っとんのやろう?』

🐱「そんな浅はかな理由じゃねぇよ!」

🐵『じゃあ、どないな理由やねん?』

🐱「その浅はかな考えしか浮かばない頭によく叩き込んどけ!俺は玉の輿に乗る為に、プロ野球選手と結婚したいんだよ!」

🐵『どっちが浅はかやねん!おどれの方が、浅瀬過ぎて魚1匹おれへんど!』

🐱「かにさんはいるかな?」

🐵『かにさんはおるといいね。じゃ、ないわ!お前、それ女子アナだけやぞ?』

🐱「え?」

🐵『え?じゃのうて、プロ野球選手と結婚できるアナウンサーは、女子アナだけやで』

🐱「それは本当と書いて嘘の真逆ですか?」

🐵『ややこしいわ!プロ野球選手はみんな男やろ。男と結婚できるんは、女だけやろが』

🐱「なら、俺に女になれっていうのか?」

🐵『んな訳あらへんやろ!』

🐱「なら、結婚相手のプロ野球選手を性転換させるのか?」

🐵『お前の思考はどないなっとんねん!ちゃうわ!そないな事、1ミリも言ってへんわ!』

🐱「ならば、1フィートですか?」

🐵『数の単位ちゃうわ!アメリカかぶれか!』

🐱「アメリカじゃねぇよ!カブレラはベネズエラ出身だわ!」

🐵『それは野球選手のカブレラやろ!アメリカかぶれって言うたんや!』

🐱「それならそうと、早く言ってくださいよ」

🐵『最速で言ったわ!』

🐱「じゃあ、どうするんですか?わたしはどうすれば玉の輿に乗れるのですか?」

🐵『お前の玉の輿作戦なんて知らんがな』

🐱「砂鉄さん。わたしは思うのですよ」

🐵『何をや?』

🐱「男が一度決めた事は、曲げてはいけないと」

🐵『せやな、本物の漢は曲げへんな。せやけど、玉の輿に乗ろう企んどる時点で、漢やないで』

🐱「揚げ足を取らないでください」

🐵『揚げ足ちゃうけどな』

🐱「わたしはアナウンサーになると決めた。だから、なります」

🐵『まじで言っとんのか?』

🐱「わたしが冗談を言った事はありますか?」

🐵『今までの発言が冗談やなかったら、距離置かせてもらうわ』

🐱「うさぎちゃんのかど、わたしは真剣なんです」

🐵『真剣なんはええけど、うさぎちゃんのかどって、なんやねん?』

🐱「とにかくでしょうが!」

🐵『確かに、漢字で兎に角って書くけども!』

🐱「揚げ足を取らないでください。ノンフライにしますよ?」

🐵『なんやねん、ノンフライって!?わしゃ、健康志向か!?』

🐱「兎に角、わたしはアナウンサーになります」

🐵『アナウンサーって言うても、色々おるやろ』

🐱「色々?」

🐵『ニュース読んだり、バラエティーの司会したり、色々や』

🐱「確かに、色々いますね」

🐵『お前はどんなアナウンサーになりたいんや?』

🐱「わたしは実況アナウンサーになりたいです」

🐵『実況なんて、お前できひんやろ?』

🐱「できるできないじゃない。やるんです」

🐵『なんかかっこええな。まぁ、頑張れや』

🐱「それはお願いですか?」

🐵『はぁ?なんやお願いて?』

🐱「わたしに頑張って欲しいのですか?」

🐵『まぁ、そう言うたから、そうやな』

🐱「親しき仲にも礼儀あり」

🐵『はぁ?なんやねん急に?』

🐱「人にものを頼むなら、頑張れじゃなくて、頑張ってくださいでしょうが!」

🐵『なんでわしがお願いせなあかんねん!』

🐱「砂鉄さん、それが人としての最低限のモラルです。学べましたね」

🐵『学べてへんわ!』

🐱「うさぎちゃんのかど、わたしの実況アナウンスを見て、直した方がよいところを指摘してください」

🐵『うさぎちゃんのかど、お気に入りか!兎に角、見たるから、やってみい』

🐱「では、プロレスをやっている体で実況してみます」

🐵『あぁ、分かった』

🐱「カーン!試合の開始を知らせるゴングが鳴り響きました!実況はわたくし村上未来がお送りいたします!」

🐵『まずまずやな』

🐱「おっーと、対戦者のジャイアント過ぎるババア。ジャイアント過ぎて、天井に頭が当たり、早くも流血しております!」

🐵『なんでやねん!』

🐱「えっ?」

🐵『えっ?じゃ、あれへん!天井に頭突きされる婆さんなんか、聞いた事ないわ!』

🐱「わたしもないですが、いないんですか?」

🐵『そないな婆さん、おれへんわ!』

🐱「でも、名前は有名ですよね?」

🐵『ジャイアント過ぎるババアやのうて、ジャイアント馬場や!』

🐱「紛らわしい」

🐵『紛らわしくないわ!』

🐱「では、名前は使わず、挑戦者とチャンピオンで行きます」

🐵『まだやるんか?』

🐱「それは懇願ですか?」

🐵『どこが懇願しとんねん!勝手にやれや!』

🐱「では、懇願さんのリクエストに応えて、改めてプロレス実況を致します」

🐵『懇願さんてなんやねん!』

🐱「ゴングが鳴りました。おーっと!挑戦者、いきなりパンツから凶器のフォークを取り出した!おーっと!凶器のフォークにパスタが巻き付いている!」

🐵『なんでやねん!パンツの中で誰ぞ食事中やったんか!』

🐱「チャンピオン、軽々とかわした!そしてラリアットを繰り出し、炸裂させた!挑戦者、倒れるか!?倒れないか!?おーっと!パジャマに着替えて、リングに倒れた!」

🐵『きっと、親のしつけが良かったんやな。って、なんでやねん!着替える余力あるなら、倒れんなや!』

🐱「おーっと!チャンピオン!トップロープに登った!そして、遺書を置いて飛び降りた!」

🐵『まさに、決死のダイブ!って、やかましいわ!止め止め止め!お前、実況向いてへんわ!』

🐱「向いてる向いてないじゃない。向かせるんです」

🐵『なんや?今日はえらいかっこつけるな?』

🐱「わたしにもう一度、チャンスをください」

🐵『まだやるんか?別にかまへんけど』

🐱「では、懇願さんのリクエストに応えて、次は、野球の実況を致します」

🐵『誰が懇願さんや!』

🐱「ピッチャー振りかぶりまして…お家に帰りました!」

🐵『帰らへんわ!チャンスを秒で降る奴、初めて見たわ』

🐱「わたしが初めての人ですね?」

🐵『変な言い方すなや!キモいねん!』

🐱「おい!」

🐵『なんやねん!?』

🐱「女がプロ野球選手になれない決まりなんかないぞ!」

🐵『はぁ?』

🐱「はぁ?じゃねぇよ!現に日本女子プロ野球リーグっていうリーグ戦もあるんだよ!」

🐵『どのくだりの話やねん!時間差でキレんなや!』

🐱「懇願さんのリクエストに応えて、キレるのを止めます」

🐵『だから、誰が懇願さんや!』

🐱「アナウンサーは日々の生活を実況して、練習するという話を聞いた事かあります」

🐵『通勤電車で、風景を実況して練習する話は聞いた事あるわ』

🐱「日々の生活を実況する。わたしもそれを真似てみようと思います」

🐵『まだやるんか?これで最後やぞ?』

🐱「一生のお願いさんのリクエストに応えて、これで最後に致します」

🐵『レベルアップしとる!なんでこんなもんに、一生のお願い使わなあかんねん!』

🐱「それでは、日々の生活を実況します。わたしは今、公衆トイレにおります。おっーと!腹がギュルギュル鳴っている!これはお通じのサインだ!」

🐵『なんでそないとこ、実況しとんねん!汚いわ!』

🐱「個室トイレは、全部で2つ。しかーし!2つ共、使用中だ!」

🐵『続けんなや!』

🐱「ギュルギュルギュル!おっーと、腹の音が加速している!わたしはドアをノックした!」

🐵『いつまで続けとんねん!』

🐱「コンコンコン!おっーと!この音は何の音でしょうか!?キタキツネでしょうか!?」

🐵『お前がドアをノックしてる音やろが!』

🐱「おっーと!ドアが開いた!わたしは尋ねた!相席よろしいでしょうか!?」

🐵『トイレの相席する奴なんかおれへんわ!って、いつまで続けとんねん!』

🐱「しかーし!中では既に相席中!二人のおじさんが、半分個して便座に座っている!」

🐵『相席する奴おった!って、はよ止めぇ!』

🐱「ギュルギュルギュル!おっーと!お腹の音が加速した!わたしは今度は隣の個室をノックした!」

🐵『ほんま、いつまでやんねん!』

🐱「コンコンコン!おっーと!この音は何の音でしょうか!?キタキツネでしょうか!?」

🐵『だから!お前がドアをノックしてる音やろが!』

🐱「おっーと!ドアが開いた!中からキタキツネが出てきた!」

🐵『キタキツネおったんかい!』

🐱「もう、間に合わない!わたしはズボンとパンツを脱ぎ捨てた!」

🐵『捨てんな!汚いわ!』

🐱「そして!チャイナドレスと鎧と十二単を抜ぎ捨てた!」

🐵『どんだけ着とんねん!って、もう、止めろ!』

🐱「え?止めろ?一生のお願いを2度使うタイプですか?」

🐵『つこうてへんけど、つこうてやるわ!止めさせてください!どうも、ありがとうございました!』
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