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西園寺瑠奈
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夜が明けた。瑠奈は動かなくなった静香の頭を優しく撫で呟いた。
「母さん、産んでくれてありがとう」
悲しみはなかった。
瑠奈は冷蔵庫から冷えたビールを取り出した。床に転がる静香の亡骸を見詰め、ビールを口に含んで飲み込んだ。いつもは味なんか気にしない。今は美味く感じた。瑠奈は動かなくなった静香を見詰めたまま酒を飲み続けた。
家の中にある酒が全て無くなった。
空は暗くなっている。静香の遺体を飽きる事なく眺めていた瑠奈は、徐に携帯電話を手に取った。
「こいつにしよう」
口元を歪めた瑠奈は、クラブで働いている時に付き合っていた客の男に電話を掛けた。
「佐野さん久しぶり…わたしの事覚えてる?」
「…瑠奈ちゃん、勿論覚えてるよ」
電話の向こうで佐野は、懐かしむような声を出している。
「覚えてくれていて嬉しい…わたしね…佐野さんの事忘れられなくて…久々に会いたいな」
「え?…いいよ、会おうよ」
その声は明らかに喜んでいる。
「今から会える?」
「いいよ。今から会おう」
何かを期待しているのだろう。佐野は即答した。
「わたし、今実家に居るんだ。お酒飲んじゃったから、こっちにこれる?」
後先なんてどうでも良かった。住所がバレようが構わない。瑠奈は純粋に、獲物を求めている。
「いいよ。車で行ける距離かな?」
「分からない。住所言うね」
瑠奈は口元を歪めながら、住所を告げた。
「えーと、ちょっと待ってね。今、カーナビをセットしてみる」
佐野は今、ちょうど車の中にいた。カーナビに告げられた住所を打ち込んだ佐野が、にんまりと微笑んだ。
「高速使えば、二時間掛からないでいけるよ。今から行けば、十一時前には着くんじゃないかな?」
「じゃあ、待ってるね…あっ」
瑠奈は何かを思い出したような声を出した。
「どうした?」
「母さん、産んでくれてありがとう」
悲しみはなかった。
瑠奈は冷蔵庫から冷えたビールを取り出した。床に転がる静香の亡骸を見詰め、ビールを口に含んで飲み込んだ。いつもは味なんか気にしない。今は美味く感じた。瑠奈は動かなくなった静香を見詰めたまま酒を飲み続けた。
家の中にある酒が全て無くなった。
空は暗くなっている。静香の遺体を飽きる事なく眺めていた瑠奈は、徐に携帯電話を手に取った。
「こいつにしよう」
口元を歪めた瑠奈は、クラブで働いている時に付き合っていた客の男に電話を掛けた。
「佐野さん久しぶり…わたしの事覚えてる?」
「…瑠奈ちゃん、勿論覚えてるよ」
電話の向こうで佐野は、懐かしむような声を出している。
「覚えてくれていて嬉しい…わたしね…佐野さんの事忘れられなくて…久々に会いたいな」
「え?…いいよ、会おうよ」
その声は明らかに喜んでいる。
「今から会える?」
「いいよ。今から会おう」
何かを期待しているのだろう。佐野は即答した。
「わたし、今実家に居るんだ。お酒飲んじゃったから、こっちにこれる?」
後先なんてどうでも良かった。住所がバレようが構わない。瑠奈は純粋に、獲物を求めている。
「いいよ。車で行ける距離かな?」
「分からない。住所言うね」
瑠奈は口元を歪めながら、住所を告げた。
「えーと、ちょっと待ってね。今、カーナビをセットしてみる」
佐野は今、ちょうど車の中にいた。カーナビに告げられた住所を打ち込んだ佐野が、にんまりと微笑んだ。
「高速使えば、二時間掛からないでいけるよ。今から行けば、十一時前には着くんじゃないかな?」
「じゃあ、待ってるね…あっ」
瑠奈は何かを思い出したような声を出した。
「どうした?」
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