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二人
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「ここに健太君の家族が居るよ。じゃあ、お話しの続きをしよう」
小羽は健太が食い入るように凝視している、住所をメモした紙をジャンパーのポケットに雑に仕舞った。
健太が叫んだ。
「先に警察に知らせてくれ!約束したろ!?」
「…分かったよ。約束したもんね」
口を尖らせた小羽は、ズボンのポケットから黒色の携帯電話を取り出した。
「これはね、知らない人を殺して奪ったんだ。まだ使えるかな?」
小羽は楽しそうに言うと、携帯電話のボタンを押した。
「…狂ってる」
口には出さなかったが、健太はそう思った。そして、祈るように小羽が握る携帯電話を見詰めた。
「…コール音は鳴ってるよ…あっ、警察ですか?健太君の家族が誘拐されてる住所教えますね。神奈川県葉山町…」
どこか楽しげに、小羽は満面の笑顔でメモした住所を読み上げた。
「…えっ、僕の名前ですか?速水小羽と言い…」
「俺のアパートから一時間圏内の場所にいる!」
健太は、自分が今居る場所を警察に知らせようと叫んだ。
即座に電話を切った小羽は、能面のような顔を見せた。表情が感じられないその顔で、健太を見詰めている。
「…健太君、僕を舐めないでよ」
「…」
既に死を覚悟している健太だが、小羽のその顔を見て全身が凍り付いた。
「…次はないからね?…じゃあ、お話し再開だ」
携帯電話から電池パックを抜いた小羽は、笑顔を作った。
「健太君と霞ちゃんは結婚しました。子供が産まれました。その子供とね、霞ちゃんが溺れてるの。どちらから助ける?」
機嫌は直っているようだ。小羽は元気良く問い掛けている。
その頃、利根川は応援に駆け付けた警官を後ろに、女性を人質に取る男と未だ対峙していた。
「警官共をどっかにやれ!」
男は大量の汗を額に掻き、女の首元にナイフを押し当て叫んだ。
「落ち着け…冷静になれ」
利根川もまた額に汗を掻きながら、男を刺激しないように諭している。利根川は男と対峙しながらある事を考えていた。
応援のパトカーが到着したのは、つい先程の事だ。日村が応援を要請したのならば、時間が掛かりすぎている。パトカーを呼んだのは、日村ではないのかもしれない。
「もういい!こいつを殺して俺も死ぬ!」
小羽は健太が食い入るように凝視している、住所をメモした紙をジャンパーのポケットに雑に仕舞った。
健太が叫んだ。
「先に警察に知らせてくれ!約束したろ!?」
「…分かったよ。約束したもんね」
口を尖らせた小羽は、ズボンのポケットから黒色の携帯電話を取り出した。
「これはね、知らない人を殺して奪ったんだ。まだ使えるかな?」
小羽は楽しそうに言うと、携帯電話のボタンを押した。
「…狂ってる」
口には出さなかったが、健太はそう思った。そして、祈るように小羽が握る携帯電話を見詰めた。
「…コール音は鳴ってるよ…あっ、警察ですか?健太君の家族が誘拐されてる住所教えますね。神奈川県葉山町…」
どこか楽しげに、小羽は満面の笑顔でメモした住所を読み上げた。
「…えっ、僕の名前ですか?速水小羽と言い…」
「俺のアパートから一時間圏内の場所にいる!」
健太は、自分が今居る場所を警察に知らせようと叫んだ。
即座に電話を切った小羽は、能面のような顔を見せた。表情が感じられないその顔で、健太を見詰めている。
「…健太君、僕を舐めないでよ」
「…」
既に死を覚悟している健太だが、小羽のその顔を見て全身が凍り付いた。
「…次はないからね?…じゃあ、お話し再開だ」
携帯電話から電池パックを抜いた小羽は、笑顔を作った。
「健太君と霞ちゃんは結婚しました。子供が産まれました。その子供とね、霞ちゃんが溺れてるの。どちらから助ける?」
機嫌は直っているようだ。小羽は元気良く問い掛けている。
その頃、利根川は応援に駆け付けた警官を後ろに、女性を人質に取る男と未だ対峙していた。
「警官共をどっかにやれ!」
男は大量の汗を額に掻き、女の首元にナイフを押し当て叫んだ。
「落ち着け…冷静になれ」
利根川もまた額に汗を掻きながら、男を刺激しないように諭している。利根川は男と対峙しながらある事を考えていた。
応援のパトカーが到着したのは、つい先程の事だ。日村が応援を要請したのならば、時間が掛かりすぎている。パトカーを呼んだのは、日村ではないのかもしれない。
「もういい!こいつを殺して俺も死ぬ!」
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