約束ノート

村上未来

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自分

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「…その別荘に、他の人間は居なかったんですか?」

「居ませんでした」

 健太は深い息を吐いた。そして、一番聞きたい事を尋ねた。

「…家族の手掛かりは?」

「ご家族の指紋が別荘に残されていました…あの別荘に居たのは確かなようです…別荘には、まだ冷めていないティーカップが七つありました。急いで検問を張りましたが、ご家族はまだ見付かっていません…犯人は別荘の近くに潜んでいる可能性があります。ご家族を見付け出すのも時間の問題です」

 田宮は本心でそう思っている。

「…そうですか…でも、どうして犯人は、警察が別荘に来る事を分かったのでしょうか?」

 健太はそこが引っ掛かっている。

「…偶然…もしくは、警察に居場所を教えた、速水小羽が教えたのかもしれません」

 田宮は自分の考えを伝えた。

「小羽君が?…それは考えられません」

「どうしてですか?わたしは速水は共犯であると考えています」

 田宮は首を傾げながら、理解出来ないといった顔をしている。

「先程も言いましたが、小羽君はダウジングをして家族の居場所を言い当て、警察に知らせました。その後に、どこかに連絡はしていませんでした」

 健太は、田宮を力強い眼差しで見詰めている。
 田宮も力強い眼差しで見詰め返した。

「…話を進める為に先程は流しましたが、わたしはダウジングという物を信じていません。共犯である速水は、元からご家族の居場所を知っていて、演技をしたのでしょう」

「それは考えられません。小羽君は俺以外に知らない事までダウジングで言い当てました。それに警察があの工場に来る時間まで言い当てました。これはどう説明するのですか?」

 健太の眼差しは力強いままだ。

「篠原さんの事を徹底的に調べていたんです。警察が来る時間を言い当てたのは偶然です」

 田宮はそう言い切った。

「絶対に俺しか知らない答えを、彼は言い当てました」

 健太は感情的にならずに反論した。

「…いいでしょう。仮に速水が本当にダウジングを使えると仮定しましょう…しかし、速水は凶悪な人物です。篠原さんも酷い目に遭ったでしょ?どうして速水を庇うのですか?」

「…庇っている訳ではありません…彼はとんでもない過ちを犯した。俺も彼の事は決して許せません。しかし、彼がダウジングを使えたのは事実です。彼は共犯ではないと言った…俺はそれを信じます…信じなければ、事件が早急に解決しないと思っています」

「…篠原さんの言い分は分かりました…信じた訳ではありませんが、ダウジングとは具体的にどのようにやっていたんですか?」

 田宮は話を進める為に、具体的な質問をした。
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