約束ノート

村上未来

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自分

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「書けましたか?」

 利根川は、霞の机の前に置かれた一枚の大きな紙を見ながら尋ねた。
 霞は、ひらがなが全て書いてある、先程書き終えた紙に視線を落とした。

「…はい、書き終わりました」

「ありがとうございます…新垣さん、先程も言いましたが、あなたのダウジングを見せてください。そして、事件解決に協力してください」

 利根川は真摯に頭を下げた。

「はい、私に出来る事なら、協力させてください」

 田宮は腕を組ながら、霞を見詰めている。そして、田宮は尋ねた。

「新垣さん、わたしはダウジングというものを信じていません。まずは、あなたのダウジングが本物か確かめる為に、いくつか質問させてください」

「…はい」

 小さな声だ。霞は、射抜くような田宮の目付きに、怯えているのかもしれない。

「…では、私の財布に入っている金額を当ててください」

 田宮は上着の内ポケットから、黒色の長財布を取り出した。

「…分かりました」

 霞は首からクリスタルの振り子を外すと、紙の上に垂らした。
 一文字ずつ順に、平仮名を早い速度で黙読しながら、振り子を移動させて行く。
 霞の視神経が『ご』を脳に伝達した瞬間、指先で摘まむ振り子が、独りでに回り始めた。田宮は、その様子を疑わしい眼差しで見詰めている。
 霞は再び初めの文字である『あ』から順に、黙読する作業を行った。
 ダウジングが終わった。

「…五万四千三百二十五円です」

 霞は俯きながら答えた。

「…わたしも正解が分からないので、確認してみましょう」

 田宮は机に置いた長財布を開け、紙幣を全て取り出した。それを一枚ずつ確認するように、机の上に置いていく。

「…五万四千円…ここまでは当たってますね…では小銭を出しますね」

 最後の紙幣を机の上に置いた田宮は、少し驚いた顔をしながら、長財布から全ての小銭を取り出した。

「…三百二十五円…当たってますね!」

 机に綺麗に並べられた小銭を確認した利根川が、驚きの声を上げた。
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