282 / 298
自分
17
しおりを挟む
「…新垣さんが教えてくれた誘拐場所の所有者は、江戸川祥子という女でした。新垣さんが告げた犯人の内の一人です…今、警官がその場所に向かっています」
「ありがとうございます」
田宮の言葉を聞き、健太は頭を下げた。
「直にご家族は発見され、犯人も捕まるでしょう」
田宮は安心させるように、優しげな顔を作った。
「…はい」
しかし、健太は不安に駆られた。
それから一時間後。話は続いている。部屋のドアが開いた。
「田宮さん、よろしいですか?」
ドアの外から、若い刑事が田宮を呼んだ。
田宮は席を立ち、部屋を出て行った。
「…何!?…」
廊下にいる田宮の声が、部屋にいる健太の耳に届いた。言い知れぬ不安。心臓の鼓動を速めながら、健太は閉まるドアを見詰める。
「…ガチャ」
田宮が眉間に皺を寄せながら、部屋に戻って来た。田宮は誰とも視線を合わさず、椅子に座った。
「…何かあったんですか?」
沈黙を続ける田宮に、健太は額に汗を掻きながら尋ねた。
「…江戸川祥子所有の別荘を調べましたが、誰もいませんでした」
「えっ!?…どうして!?」
健太は田宮に掴み掛かりそうな勢いで、立ち上がった。
「…分かりません…ダウジングが外れたのか…あるいは」
田宮はそこで言葉を止めた。
「…犯人に情報を知らせた、内通者が居るんですね」
利根川は田宮の思考を読み取り、その言葉を口にした。
「…あぁ」
田宮が静かに頷いた。
「…くそっ!警察に内通者がいるんですか!?」
健太は机を激しく叩いた。
「…そうかもしれません…しかし、警察の無線を盗聴されている可能性もあります」
田宮はその可能性は低いと思いながら答えた。
「…捜査は田宮さん…我々だけで行いましょう」
利根川は声を潜めている。
田宮は渋い顔をした。
利根川は真っ直ぐな目を利根川に向けた。
「前から疑問に思っていた事があるんです」
「疑問…何だ?」
「篠原さんは早い段階で保護されていなければならなかったと思います…しかし、護衛に付くだけで、未だに保護対象になっていません…おかしいと思いませんか?」
「ありがとうございます」
田宮の言葉を聞き、健太は頭を下げた。
「直にご家族は発見され、犯人も捕まるでしょう」
田宮は安心させるように、優しげな顔を作った。
「…はい」
しかし、健太は不安に駆られた。
それから一時間後。話は続いている。部屋のドアが開いた。
「田宮さん、よろしいですか?」
ドアの外から、若い刑事が田宮を呼んだ。
田宮は席を立ち、部屋を出て行った。
「…何!?…」
廊下にいる田宮の声が、部屋にいる健太の耳に届いた。言い知れぬ不安。心臓の鼓動を速めながら、健太は閉まるドアを見詰める。
「…ガチャ」
田宮が眉間に皺を寄せながら、部屋に戻って来た。田宮は誰とも視線を合わさず、椅子に座った。
「…何かあったんですか?」
沈黙を続ける田宮に、健太は額に汗を掻きながら尋ねた。
「…江戸川祥子所有の別荘を調べましたが、誰もいませんでした」
「えっ!?…どうして!?」
健太は田宮に掴み掛かりそうな勢いで、立ち上がった。
「…分かりません…ダウジングが外れたのか…あるいは」
田宮はそこで言葉を止めた。
「…犯人に情報を知らせた、内通者が居るんですね」
利根川は田宮の思考を読み取り、その言葉を口にした。
「…あぁ」
田宮が静かに頷いた。
「…くそっ!警察に内通者がいるんですか!?」
健太は机を激しく叩いた。
「…そうかもしれません…しかし、警察の無線を盗聴されている可能性もあります」
田宮はその可能性は低いと思いながら答えた。
「…捜査は田宮さん…我々だけで行いましょう」
利根川は声を潜めている。
田宮は渋い顔をした。
利根川は真っ直ぐな目を利根川に向けた。
「前から疑問に思っていた事があるんです」
「疑問…何だ?」
「篠原さんは早い段階で保護されていなければならなかったと思います…しかし、護衛に付くだけで、未だに保護対象になっていません…おかしいと思いませんか?」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)その後
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合つまた。
その後、大学を卒業した祐輔(ユウスケ)の新たなストーリーが始まった。
全15話を予定
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる