約束ノート

村上未来

文字の大きさ
284 / 298
自分

19

しおりを挟む
 田宮は目を閉じ、何かを考えている様子だ。

「どうにかならないんですか!?護衛を付けるよう、進言して下さい!」

 健太は血相を変え、利根川と田宮に詰め寄った。

「分かりました…警察内部、しかも我々より上の階級に内通者がいるとするなら、新垣さんに護衛が付いたとしても、危険な事に変わりはないと思います」

 利根川は頭の中で最悪の事態を想定した。

「じゃあ、どうすれば…」

 健太は嘆くように呟いた。

「…犯人は新垣さんを狙ってくる可能性が高いと思います…新垣さんは我々が守るしかない…しかしそうなると、捜査は出来なくなってしまう…新垣さんを安全な所に避難させるという手もありますが、いつその場所が犯人にばれるか分からない状況です…信じたくはないですが、警察内部、しかも、上層部に犯人と繋がる人物がいる可能性は高いでしょう…篠原さん、本人の了承を得てませんが、新垣さんも我々と共に行動してもらうというのはどうでしょう?それが一番安全だと思うのですが」

 言い終えた田宮は、まっすぐな瞳を健太に向けた。
 健太は長い間、沈黙した。そして、願うような目を二人に向けた。

「…霞さんを安全に守るには、その方法しかないと思います…霞さんを守ってください…お願いします」

 健太は力一杯、頭を下げた。
 警察の誰を信じていいか分からない。そんな状況の中で、健太は二人を信じるしかなかった。
 二人が犯人と繋がっているなら、霞のダウジングが本物であると知って、共犯の名前を聞く事はしないだろう。健太は困惑する頭で、その答えを導き出したのである。

「…では、新垣さんの所に行きましょう…警察署の中に居るとしても、今の状況を考えると、安全とは言えないですからね」

 田宮はそう言うと、立ち上がった。健太と利根川も後に続き、部屋を出て行った。そして三人は、霞の居る部屋に着いた。
 ドアを開けると、布団に横たわる霞の姿が見えた。寂しげだ。

「…霞さん」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)その後

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合つまた。 その後、大学を卒業した祐輔(ユウスケ)の新たなストーリーが始まった。 全15話を予定

【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい

春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。 そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか? 婚約者が不貞をしたのは私のせいで、 婚約破棄を命じられたのも私のせいですって? うふふ。面白いことを仰いますわね。 ※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。 ※カクヨムにも投稿しています。

秘書と社長の秘密

廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。 突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。 ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

処理中です...