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第4章 裸の取引 ①
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「マリ、起きろよ」
梅雨明けの朝、リョウの声で目を覚ました。部屋に勝手に入ってくる幼馴染に文句を言う気力もなく、まぶしい光を避けるように腕で顔を覆う。開けられたカーテンから夏の日差しが容赦なく部屋を満たし、寝苦しかった夜の名残で頭がぼんやりしていた。
「うるせぇ...何時だよ」
「もう10時過ぎてるぞ。昨日なんだったんだ?」
昨晩メッセージを送ってしまったことを思い出す。
「ちょっとな...もう大丈夫だから」と説明できない感情を隠した。
「さっぱりわからん。まあいいけど、今日も口説きに行くんだろ?カナ、さっき花壇の花を撮ってたぜ」
そう、今日も俺はカナを口説きに行く予定だった。映画に出てもらうため、三日連続のアタックだ。一日目も二日目も断られ、三日目の今日こそ何とかしなければならない。
昨日のことでちょっと気まずいけれど、それとこれとは話が別だ。絶対に俺の映画に出てもらうんだ。
「カナ、まだOK出してくれないんだよな...でも今日こそは良い返事をもらってやる」
リョウはベッドの端に座り、ニヤニヤと笑った。彼の笑顔には意地悪さが混じり、言葉の皮肉さを滲ませていた。
「そりゃあんな美形が出てくれるわけないだろ。特にお前みたいなヤツの映画にはな」
「うるせぇな!」
枕を投げつけると、リョウは軽々とキャッチした。反射神経の良さに腹が立つ。子供の頃からスポーツも勉強も何でもそつなくこなす彼に対し、俺は映画以外に打ち込めるものがない。だからこそ、映画だけは誰にも負けたくなかった。
「オゾンの『サマードレス』みたいな作品を撮るんだ。カナが主役でなきゃダメなんだよ」
リョウは立ち上がり、俺のDVDコレクションを物色する。『サマードレス』のケースを手に取り、パッケージの写真を見つめた。ライトブルーのドレスを着た青年が映っている印象的なカットだ。
「これみたいに、ライトブルーのドレス着せたいんだろ?変態じゃん」
「違うって!芸術的な...」
「芸術的変態ってやつか」
リョウの言葉に返す言葉が見つからない。彼は俺の弱点をよく知っている。確かに俺は、カナがあのドレスを着た姿を何度も想像してしまった。でも、それは単なる欲望ではなく、芸術的なビジョンだ。少なくとも俺はそう信じていた。
「もう話さないからな」
洗面所へ向かい、鏡に映る自分を見つめる。黒髪に濃い眉、体育会系の筋肉質な身体、それとは不釣り合いなベビーフェイスに、少し日焼けした肌。大学に入ってからは運動せず、映画ばかり見ているせいで、少しずつ筋肉が落ちていくのが分かる。
冷たい水で顔を洗い、体の熱を鎮めた。瞼を閉じたまま、少し洗面所に留まり頭を整理する。カナを説得する方法を考えたが、良い案は浮かばなかった。
部屋に戻ると、リョウがスマホをいじりながらベッドに寝転がっている。俺はそのすきに着替え始めた。
「カナとの撮影、本当にうまくいくと思ってんの?」
リョウが突然口を開く。スマホから目を離さないまま、何気ない口調だが、その問いかけには重みがあった。リョウは俺の映画への情熱を知っている。それでも「諦めろ」と言わないのは、友情からなのか、それとも単に興味がないからなのか。
「うまくいかせるさ。俺は映画監督になるんだ。その第一歩として、カナと最高の作品を作る」
リョウは肩をすくめた。彼の反応はいつもこうだ。否定も肯定もせず、ただ受け入れる。それが時々、俺には冷たく感じることもあった。
「お前が本気なのはわかった。今日は、いつもと違うアプローチでも試すのか?」
そう聞かれて考え込む。確かに、いつもと同じ方法では同じ結果しか得られない。新しい策が必要だった。
「とにかく、熱意を伝えるさ。今まで以上に」
昨夜の会話を思い出す。あの時、カナは「オゾンってゲイなんでしょ?」と聞いてきた。彼も何か感じるものがあったのだろうか。俺が映画に魅せられたのと同じような感覚を持っているのかもしれない。
「行ってくる」
リョウに手を振り、部屋を出た。暑さが一気に体を包む。盛夏の太陽は容赦なく照りつけ、アスファルトからは熱気が立ち上っていた。工学寮の周りには、休暇を楽しむ学生たちの声が響いている。
カナがいるらしい中庭に向かう。そこで、撮影している彼を見つけた。一眼レフを持ち、花壇の花にカメラを向けている。彼の真剣な表情には情熱が宿っていた。彼も俺と同じように、芸術に魅せられているのだ。
「カナ!」
彼は振り返り、カメラを下ろした。朝日に照らされた髪に天使の輪が浮かぶ。
「あ、マリ」
もう敬語がなくなっていることに小さな喜びを感じる。昨日まで「真梨野先輩」と呼ばれていたのに、今は「マリ」と親しげに呼んでくれるようになった。それだけでも進歩だと思いたい。
「二日酔い大丈夫?お前結構酒弱いな、すぐ寝ちゃったじゃん。頭痛くない?」
少し恥ずかしそうに「大丈夫です。先に寝てしまってすいません...」と答えた。
「今日も映画の話、いい?」
カナは少し困ったような表情を浮かべる。カメラをバッグにしまいながら、俺から距離を取った。その仕草が拒絶を示しているのは明らかだった。
「また映画出てくれって話ですか?」
「そう。夏に撮りたいんだよ。今しかない」
夏の光、夏の海、夏の風。全てが揃う今だからこそ撮りたい映画がある。それをカナと一緒に作りたいという思いが、日に日に強くなっていく。
「何回言えば...」
彼は苛立ちを隠さない。三日連続で同じ話をされれば、そうなるのも無理はないだろう。でも、俺は諦める気がなかった。
「カナ、夏に映画出てくれよ!」
俺の熱意に、カナはため息をつく。彼の表情が一瞬固まり、何かを決意したように見えた。そして、突然彼の口から驚きの言葉が飛び出す。
「じゃあ、脱いで」
「は?」
「脱いでくれたら、出てあげる」
一瞬、何を言っているのか理解できなかった。頭の中で言葉を繰り返し、それでも意味が飲み込めない。カナの表情は真剣そのもので、冗談を言っているようには見えなかった。
「俺が……脱ぐの?何でだよ」
心臓が激しく鼓動し始める。その音が耳元まで届いた。喉が渇き、言葉が出にくい。暑さのせいか、それとも緊張からか、額に汗が浮かび上がる。カナの突き刺すような視線は、俺の内側まで見透かしていた。
カナは微笑んだ。その微笑みには意地悪さが混じっていたが、同時に好奇心も感じられた。後で知ることになるが、彼はこれで俺を諦めさせ、しつこい映画の話から解放されると思ったのだ。
「撮らせてよ、裸を。ヌードモデルになってくれるなら、映画に出てあげる」
その言葉が風に乗って中庭に響く。周りには他の学生もいて、その会話を聞かれたかもしれないという恐怖が脳裏をよぎる。しかし、幸いなことに近くに人影はなかった。
「俺の裸見て、何するつもりだよ……」
質問しながら、無意識に腕で体を覆う。着ていたTシャツが急に薄く感じられ、透けて見えているような錯覚に陥る。カナの目に、俺の体はどう映るのだろうか。恥ずかしさと同時に、不思議な興奮も感じていた。
「写真サークルの練習。人物撮影が苦手なんだ」
カナは淡々と説明したが、その声には緊張が混じっていた。彼の目は俺の顔を見ず、少し下方に向けられている。言葉にどこか嘘めいたものを感じた。
人物撮影が苦手と言うのは本当かもしれない。部屋にも人物写真は一枚もなかったからだ。しかし、脱ぐのはちょっと恥ずかしい……。けれど、映画に出てくれるというなら...それは、俺の夢への一歩だ。
「恥ずかしいって……」
「気にしないよ。脱げる?」
その問いに即答できずにいる。自分の映画のために脱ぐ?そんなこと、考えたこともなかった。映画監督になるという夢のために、ここまでする必要があるのか?でも、もし脱がなければ、カナは出てくれないだろう。
「ちょっと考えさせて」
そう言って、その場を立ち去った。頭は混乱していた。カナの提案は本気なのか?それとも俺を追い払うための冗談?だとしたら効果絶大だ。俺は動揺し、一時的に映画の話すら忘れていた。
梅雨明けの朝、リョウの声で目を覚ました。部屋に勝手に入ってくる幼馴染に文句を言う気力もなく、まぶしい光を避けるように腕で顔を覆う。開けられたカーテンから夏の日差しが容赦なく部屋を満たし、寝苦しかった夜の名残で頭がぼんやりしていた。
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昨日のことでちょっと気まずいけれど、それとこれとは話が別だ。絶対に俺の映画に出てもらうんだ。
「カナ、まだOK出してくれないんだよな...でも今日こそは良い返事をもらってやる」
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「そりゃあんな美形が出てくれるわけないだろ。特にお前みたいなヤツの映画にはな」
「うるせぇな!」
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「オゾンの『サマードレス』みたいな作品を撮るんだ。カナが主役でなきゃダメなんだよ」
リョウは立ち上がり、俺のDVDコレクションを物色する。『サマードレス』のケースを手に取り、パッケージの写真を見つめた。ライトブルーのドレスを着た青年が映っている印象的なカットだ。
「これみたいに、ライトブルーのドレス着せたいんだろ?変態じゃん」
「違うって!芸術的な...」
「芸術的変態ってやつか」
リョウの言葉に返す言葉が見つからない。彼は俺の弱点をよく知っている。確かに俺は、カナがあのドレスを着た姿を何度も想像してしまった。でも、それは単なる欲望ではなく、芸術的なビジョンだ。少なくとも俺はそう信じていた。
「もう話さないからな」
洗面所へ向かい、鏡に映る自分を見つめる。黒髪に濃い眉、体育会系の筋肉質な身体、それとは不釣り合いなベビーフェイスに、少し日焼けした肌。大学に入ってからは運動せず、映画ばかり見ているせいで、少しずつ筋肉が落ちていくのが分かる。
冷たい水で顔を洗い、体の熱を鎮めた。瞼を閉じたまま、少し洗面所に留まり頭を整理する。カナを説得する方法を考えたが、良い案は浮かばなかった。
部屋に戻ると、リョウがスマホをいじりながらベッドに寝転がっている。俺はそのすきに着替え始めた。
「カナとの撮影、本当にうまくいくと思ってんの?」
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「うまくいかせるさ。俺は映画監督になるんだ。その第一歩として、カナと最高の作品を作る」
リョウは肩をすくめた。彼の反応はいつもこうだ。否定も肯定もせず、ただ受け入れる。それが時々、俺には冷たく感じることもあった。
「お前が本気なのはわかった。今日は、いつもと違うアプローチでも試すのか?」
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昨夜の会話を思い出す。あの時、カナは「オゾンってゲイなんでしょ?」と聞いてきた。彼も何か感じるものがあったのだろうか。俺が映画に魅せられたのと同じような感覚を持っているのかもしれない。
「行ってくる」
リョウに手を振り、部屋を出た。暑さが一気に体を包む。盛夏の太陽は容赦なく照りつけ、アスファルトからは熱気が立ち上っていた。工学寮の周りには、休暇を楽しむ学生たちの声が響いている。
カナがいるらしい中庭に向かう。そこで、撮影している彼を見つけた。一眼レフを持ち、花壇の花にカメラを向けている。彼の真剣な表情には情熱が宿っていた。彼も俺と同じように、芸術に魅せられているのだ。
「カナ!」
彼は振り返り、カメラを下ろした。朝日に照らされた髪に天使の輪が浮かぶ。
「あ、マリ」
もう敬語がなくなっていることに小さな喜びを感じる。昨日まで「真梨野先輩」と呼ばれていたのに、今は「マリ」と親しげに呼んでくれるようになった。それだけでも進歩だと思いたい。
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少し恥ずかしそうに「大丈夫です。先に寝てしまってすいません...」と答えた。
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カナは少し困ったような表情を浮かべる。カメラをバッグにしまいながら、俺から距離を取った。その仕草が拒絶を示しているのは明らかだった。
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「カナ、夏に映画出てくれよ!」
俺の熱意に、カナはため息をつく。彼の表情が一瞬固まり、何かを決意したように見えた。そして、突然彼の口から驚きの言葉が飛び出す。
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「は?」
「脱いでくれたら、出てあげる」
一瞬、何を言っているのか理解できなかった。頭の中で言葉を繰り返し、それでも意味が飲み込めない。カナの表情は真剣そのもので、冗談を言っているようには見えなかった。
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質問しながら、無意識に腕で体を覆う。着ていたTシャツが急に薄く感じられ、透けて見えているような錯覚に陥る。カナの目に、俺の体はどう映るのだろうか。恥ずかしさと同時に、不思議な興奮も感じていた。
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人物撮影が苦手と言うのは本当かもしれない。部屋にも人物写真は一枚もなかったからだ。しかし、脱ぐのはちょっと恥ずかしい……。けれど、映画に出てくれるというなら...それは、俺の夢への一歩だ。
「恥ずかしいって……」
「気にしないよ。脱げる?」
その問いに即答できずにいる。自分の映画のために脱ぐ?そんなこと、考えたこともなかった。映画監督になるという夢のために、ここまでする必要があるのか?でも、もし脱がなければ、カナは出てくれないだろう。
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