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第14話 王都から聖女様が来店。心の傷も修理対象ですか?
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「主よ、来たぞ。……こりゃあ、また随分と大きな気を纏った御仁じゃ」
グリーンホロウの村に、朝靄がまだ残る静かな時間帯。
俺、ルーク・ヴァルドマンは、店の前の掃除をしていた箒の手を止め、ガラハドさんの視線の先を追った。
村へと続く一本道。そこから、一台の馬車が静かに近づいてくるのが見えた。
昨日の夕方、商人ギルドのゴルドさんから速達で連絡があった「王都からの高貴なお客様」だ。
勇者パーティが乗っていたような派手な金ピカの馬車ではない。
漆黒に塗られた車体は、一見すると地味だが、使われている木材は最高級の黒檀であり、車輪には振動吸収の魔法術式が組み込まれているのが遠目にもわかった。
御者台に座っている男も、ただの御者ではない。身のこなしからして、手練の騎士――それも、近衛兵クラスの精鋭だ。
「隠してはおるが、車体から漏れ出る神聖な気配……。間違いなく、王家の関係者か、それに準ずる高位の聖職者じゃな」
ガラハドさんが目を細める。
元剣聖である彼の眼力は誤魔化せない。
「高貴な方かぁ。粗相がないようにしないとな」
「フン、主はいつも通りでよい。相手が王だろうが神だろうが、壊れたものを持つ『客』であることに変わりはないのじゃろう?」
「まあ、そうですけどね」
俺は苦笑しながら、エプロンをパンパンと払った。
馬車は音もなく店の前で停止した。
御者が素早く降りてきて、恭しく扉を開ける。
「……到着いたしました、聖女様」
その呼び名に、俺は少しドキリとした。
聖女といえば、勇者パーティにいたアリアを思い出すからだ。
だが、馬車から降りてきた女性は、アリアとは全く異なる雰囲気を持っていた。
深々とフードを被っているが、その隙間からこぼれる髪は、朝露に濡れたような美しい銀色。
年齢は俺と同じくらいか、少し年下だろうか。
華奢な体つきは、風が吹けば折れてしまいそうなほど儚げだ。
しかし、その身に纏う空気は、アリアのような「驕り」や「自己顕示欲」とは無縁の、どこまでも澄んだ静謐さを湛えていた。
ただ、一つ気になったのは、彼女の顔色が死人のように青白いこと。
そして、歩くたびに微かに身体が震えていることだった。
「……ここが、噂の修理屋ですね」
彼女は鈴を転がすような、しかし力のない声で呟くと、ふらつく足取りで俺の前まで歩み寄った。
「初めまして。私はシルヴィアと申します。王都の大聖堂より参りました」
「いらっしゃいませ。店主のルークです。……顔色が優れないようですが、大丈夫ですか?」
俺が気遣うと、彼女は弱々しく微笑んだ。
「お気遣い感謝します。ですが、私のことはお気になさらず。……それより、見ていただきたいものがあるのです」
シルヴィアと名乗った少女は、付き従う騎士から、長い布に包まれた棒状のものを受け取った。
その瞬間、周囲の空気がズシリと重くなった。
ガラハドさんが、反射的に腰の剣に手をかけるほど、禍々しい気配が漂ったのだ。
「店の中へどうぞ。ここでは人目が気になりますから」
俺は彼女を店内に招き入れた。
外では、村人たちが「あんな綺麗な馬車、初めて見たぞ」「お姫様か?」と遠巻きに噂し始めている。
店の中に入ると、シルヴィア様はホッとしたように息をついた。
俺が作ったこの家は、空間そのものに「清浄化」と「リラックス効果」の環境調整を施してある。
外の澱んだ空気に当てられていた彼女にとって、ここは聖域のように感じられたのかもしれない。
「……不思議なお店ですね。入っただけで、呼吸が楽になりました」
「居心地の良さは追求してますからね。さあ、かけてください」
俺は彼女をソファに案内し、温かいハーブティーを出した。
彼女は震える手でカップを持ち、一口すすると、ようやく人心地ついたように瞳に光を戻した。
「さて、見せていただけますか? その、ただならぬ気配のものを」
俺が切り出すと、シルヴィア様は覚悟を決めたように頷き、布を解いた。
現れたのは、一本の杖だった。
かつては白く輝く聖なる杖だったのだろう。
だが今は、まるで火事で焼け焦げたかのように全体が黒く変色し、所々に赤い亀裂が走っている。
先端に嵌め込まれていたはずの聖石は砕け散り、代わりにドス黒い闇のような靄(もや)が渦巻いていた。
「これは……『浄化の聖杖(アストライア)』か?」
ガラハドさんが驚きの声を上げた。
「ご存知なのですか?」
「うむ。王国建国の祖が女神より授かったという、国宝中の国宝。国の結界を維持し、人々の穢れを吸い取って浄化する、この国の要(かなめ)じゃ。……まさか、これほどまでに穢れきっているとは」
シルヴィア様は悲痛な面持ちで俯いた。
「はい……。私は『国定聖女』として、この杖と共に国の穢れを一身に引き受け、浄化する役目を担っています。ですが、近年の魔物の活性化や、人々の不安から生まれる負の感情が許容量を超えてしまい……ついに、杖が悲鳴を上げてしまったのです」
国定聖女。
それは、勇者パーティのアリアのような「職業(ジョブ)としての聖女」とは格が違う。
王族に匹敵する権威を持ち、生涯を国のために捧げる、まさに生ける人柱とも言える存在だ。
「王都のあらゆる鍛冶師、魔導師に見せました。宮廷鍛冶師ギルドの長にさえも。ですが、全員が首を横に振りました。『ここまで穢れに侵食された聖遺物は、もう直せない。砕いて廃棄するしかない』と」
彼女の声が震える。
「ですが、この杖が壊れれば、国の結界は消滅します。そうなれば、王都は魔物の群れに飲み込まれてしまう……。私は、どうしても諦めきれなかった。そんな時、商人ギルドの方から、この村に『神の腕を持つ修理屋』がいると聞き、藁にもすがる思いでやって来たのです」
彼女はソファから立ち上がり、俺に向かって深く頭を下げた。
「お願いします、ルーク様。どうか、この杖を直してください。対価は、王家の宝物庫にあるもの全てでも構いません。私の命でも構いません。どうか……!」
切実な願い。
騎士が止めようとするのを制してまで、彼女は頭を下げ続けた。
その姿を見て、俺の職人魂が燃えないわけがない。
「頭を上げてください、聖女様。命なんていりませんよ」
俺は杖に手を伸ばした。
触れた瞬間、指先からピリピリとした痛みが走る。
これは「呪い」だ。
物理的な損傷以上に、膨大な量の「悪意」「悲しみ」「絶望」がヘドロのようにこびりつき、杖の機能を窒息させている。
【修理】スキル、解析開始。
(……酷いな。杖の聖なる核(コア)が、穢れに包まれて呼吸できていない。魔力回路もズタズタだ。でも、完全に死んではいない。必死に、持ち主を守ろうとして耐えている)
そして、俺は気づいた。
杖の状態とリンクするように、目の前のシルヴィア様の身体もまた、ボロボロであることに。
彼女の白い肌の下には、杖と同じような黒い血管が浮き出始めている。
聖女と聖杖は、魂のパスで繋がっているのだ。
杖が限界を迎えれば、そのバックラッシュは全て持ち主である彼女に行く。
彼女が青白い顔をしているのは、単なる疲労ではない。
杖の代わりに、彼女自身の生命力を削って穢れを抑え込んでいるからだ。
「……聖女様。一つ聞いてもいいですか?」
「はい」
「直してほしいのは、この杖だけですか?」
俺の問いに、彼女はきょとんとした顔をした。
「え……? はい、もちろんです。杖さえ直れば、結界は維持できますから」
「違いますよ。俺が言っているのは、あなたのことです」
俺は彼女の、手袋に隠された左手をそっと指差した。
「その左手、もう感覚がないんじゃないですか? 杖の穢れが逆流して、あなた自身を蝕んでいる」
「ッ……!?」
シルヴィア様は反射的に左手を隠そうとしたが、騎士がハッとして彼女の手を取った。
手袋を外すと、その指先は炭のように黒く変色し、石化が始まっていた。
「聖女様! これはいったい……!?」
「……騒がないでください。これは、聖女としての務めを果たした証です。杖が直れば、私の命が尽きても、次は新しい聖女が選ばれますから……」
彼女は寂しげに笑った。
自分の命を、道具の部品のように考えている。
それが、国定聖女としての教育なのだろうか。
勇者パーティのアリアは、自分を「特別で偉い存在」だと思っていたが、この人は真逆だ。
自分を犠牲にしてでも、他者を守ろうとしている。
「……ふざけないでください」
俺は少し強めの口調で言った。
シルヴィア様が驚いて顔を上げる。
「修理屋として言わせてもらいます。道具は、使い手がいて初めて輝くものです。杖だけ直って、持ち主が死にましたなんて、そんなの修理失敗と同じですよ」
「ルーク様……?」
「俺の店の方針は、『新品以上』にすることです。それは、道具の性能だけじゃありません。使い手のコンディションも含めての話です」
俺は杖を持ち上げ、ニカッと笑って見せた。
「直しますよ。この杖も、あなたのその身体も、ついでにその『自己犠牲こそ美徳』みたいな心の傷もね。全部まとめて、俺の修理対象です」
「そ、そんなことが……。この身体の侵食は、女神の呪いとも言われるもので、回復魔法ですら……」
「呪い? ああ、俺にとっては『しつこい汚れ』と同じですよ。漂白すれば落ちます」
俺は作業台に向かった。
いつものハンマーを手に取る。
相手は国宝級の聖遺物。しかも、国中の穢れを溜め込んだ特級呪物と化している。
普通なら触れるだけで発狂しかねない代物だ。
だが、今の俺には見える。
黒い穢れの奥底で、「助けて」と泣いている杖の本当の声が。
「ガラハドさん、窓を全部開けておいてください。ちょっと悪い空気が出るかもしれないんで」
「承知した。結界を張って、村に漏れ出さぬようにしよう」
俺は杖を作業台に固定した。
シルヴィア様と騎士が、固唾を飲んで見守っている。
「いきますよ。【修理】、フルパワー!」
俺は第一撃を、杖の中心にある亀裂へ叩き込んだ。
カァァァンッ!!!
鐘の音のような、しかしどこか重苦しい音が響いた。
その瞬間、杖から黒い煙が悲鳴のような音を立てて噴き出した。
「ギャァァァァァ……!」
煙は人の顔のような形になり、俺に襲いかかろうとする。
これが、国を蝕んでいた悪意の集合体か。
だが、俺はハンマーを振るう手を止めない。
「逃がすか! お前らはもう『不要なパーツ』だ! 消えろ!」
カァン! カァン! カァン!
ハンマーが閃くたびに、黒い煙は光の粒子に分解され、空気に溶けていく。
俺は単に穢れを追い出しているのではない。
杖の構造そのものを組み替え、穢れを「エネルギー」として再利用する循環システムを構築しているのだ。
ゴミを燃料に変えるリサイクル炉のようなものだ。
これにより、今後は穢れを吸えば吸うほど、杖の輝きが増すようになる。
そして、同時に。
俺の魔力は、パスを通じてシルヴィア様の体内にも流れ込んでいた。
彼女の血管に巣食う呪いの因子を、一つ一つ丁寧に『分解』し、正常な細胞へと『再構築』していく。
「あ、あぁ……」
シルヴィア様の口から、熱っぽい吐息が漏れる。
痛くはないはずだ。
むしろ、長年背負っていた鉛のような重りが取れ、温かい温泉に浸かっているような感覚だろう。
石化していた左手の黒色が、見る見るうちに薄れ、透き通るような白磁の肌へと戻っていく。
濁っていた瞳が、宝石のような輝きを取り戻す。
作業は、十分ほど続いた。
最後に、俺は杖の先端、砕け散っていた聖石の代わりに、手持ちの素材の中から一番相性の良さそうなものを嵌め込んだ。
先日、Sランク冒険者ヴァルガスが置いていった『光竜の涙』という結晶石だ。
「よし、仕上げだ!」
カァァァァァン!!!
最後の一撃と共に、店の中が真昼の太陽のような光に包まれた。
光が収まると、そこには神々しいまでに生まれ変わった『浄化の聖杖』があった。
以前の白い杖ではない。
光の角度によって虹色に輝く、プラチナ色の杖だ。
先端の結晶石は、まるで生きているかのように脈動し、清浄な空気を無限に生み出している。
「……終わりましたよ」
俺は杖を手に取り、呆然と立ち尽くすシルヴィア様に差し出した。
「ほら、握ってみてください。もう痛くないはずです」
彼女は恐る恐る、震える手で杖を握った。
その瞬間。
フォンッ……。
杖から優しい光が溢れ、彼女を包み込んだ。
それはまるで、久しぶりに再会した親子が抱き合うような、温かい光景だった。
「……温かい。重くない。あんなに私を苦しめていた怨嗟の声が、何も聞こえません。聞こえるのは……優しい歌声だけ」
シルヴィア様の目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
それは悲しみの涙ではなく、魂が救われた歓喜の涙だった。
「左手も、見てください」
彼女が手袋を外すと、そこには傷一つない、美しい手が戻っていた。
いや、それだけではない。
彼女自身の魔力も、以前とは比べ物にならないほど増幅され、身体の内側から生命力が溢れ出しているのがわかった。
「身体が、軽い……。あんなに辛かった呼吸が、嘘みたいに……」
彼女は杖を抱きしめたまま、その場に泣き崩れた。
騎士の男も、男泣きしながら俺に頭を下げている。
「ありがとうございます……! 本当に、ありがとうございます……!」
「仕事をしただけですよ。それに、その杖、ちょっと改造しちゃいましたけど、怒らないでくださいね? 『穢れ自動変換機能』と『持ち主への美肌効果』をつけておいたので」
俺が軽口を叩くと、シルヴィア様は涙に濡れた顔で、花が咲くような笑顔を見せた。
「ふふっ……。美肌効果、ですか? 聖女にそのような機能が必要かはわかりませんが……とても、嬉しいです」
その笑顔は、来店時の儚げな印象を吹き飛ばすほど、生命力と魅力に溢れていた。
これこそが、彼女本来の美しさなのだろう。
「ルーク様。あなたは、国の救世主です。このご恩は、一生忘れません」
彼女は俺の手を取り、その手の甲に、敬愛の証である口づけを落とした。
聖女様からのキス。
これにはさすがの俺も顔が赤くなった。
「い、いえ! そんな大袈裟な!」
「いいえ。私は決めました。王都に戻って結界を張り直したら、また必ずここへ来ます。今度は客としてではなく……あなたのお役に立つために」
その瞳には、熱っぽい光が宿っていた。
なんだか、ものすごく懐かれたような気がする。
ガラハドさんが「む、ライバル出現か?」とニヤニヤしているのが視界に入った。
こうして、俺は知らぬ間に、王国最強の権威を持つ聖女様を「陥落」させてしまったのだった。
* * *
その日の夜。
修理を終えたシルヴィア様は、王都の結界を一刻も早く修復するため、名残惜しそうにしながらも帰路についた。
去り際に「次は休暇を取って、あの大浴場に入りに来ます!」と力強く宣言していたのが印象的だった。
店には再び平穏が戻った……かのように思えた。
だが、運命は次の騒動を用意していた。
「主よ。西の空を見ろ」
閉店後の片付けをしていた時、ガラハドさんが鋭い声で言った。
俺が店の外に出て西の空を見上げると、遠くの森の上空に、不穏な赤い光が見えた。
焚き火ではない。
あれは、魔物の群れが発する眼光か、あるいは……。
「……近づいていますね」
「うむ。あの位置なら、明日にはこの村の近くを通るじゃろう」
それは、ボロボロになりながらも東へと進み続ける、勇者パーティの気配だった。
そして、彼らを追うように、さらに大きな「災厄」の影も蠢いていた。
勇者ブレイド。
賢者ソフィア。
聖女アリア。
かつての仲間たちが、ついに俺のいるグリーンホロウの目前まで迫っていた。
だが、彼らが連れてくるのは、感動の再会ではなく、トラブルの嵐だけだ。
「……準備をしておきましょうか」
俺は愛用のハンマーを握りしめた。
聖女シルヴィア様の杖を直した直後だ。俺の職人としてのコンディションは最高潮にある。
たとえ勇者がどんな無理難題(あるいは理不尽な逆ギレ)を持ち込んでこようとも、俺の技術と、この村の仲間たちがいれば、何も怖くはない。
「いらっしゃいませ、元勇者様。……手荒い歓迎になるかもしれないけど、覚悟して来てね」
星空の下、俺は静かに呟いた。
次はいよいよ、因縁の相手との対面だ。
だがその前に、彼らはこの村の「変化」に度肝を抜かれることになるだろう。
鉄壁の城壁と、幸せに満ちた村人たち。
彼らが捨てた「雑用係」が作り上げた楽園を目の当たりにした時、彼らは何を思うのか。
物語は、再会(カオス)の章へと突入する。
グリーンホロウの村に、朝靄がまだ残る静かな時間帯。
俺、ルーク・ヴァルドマンは、店の前の掃除をしていた箒の手を止め、ガラハドさんの視線の先を追った。
村へと続く一本道。そこから、一台の馬車が静かに近づいてくるのが見えた。
昨日の夕方、商人ギルドのゴルドさんから速達で連絡があった「王都からの高貴なお客様」だ。
勇者パーティが乗っていたような派手な金ピカの馬車ではない。
漆黒に塗られた車体は、一見すると地味だが、使われている木材は最高級の黒檀であり、車輪には振動吸収の魔法術式が組み込まれているのが遠目にもわかった。
御者台に座っている男も、ただの御者ではない。身のこなしからして、手練の騎士――それも、近衛兵クラスの精鋭だ。
「隠してはおるが、車体から漏れ出る神聖な気配……。間違いなく、王家の関係者か、それに準ずる高位の聖職者じゃな」
ガラハドさんが目を細める。
元剣聖である彼の眼力は誤魔化せない。
「高貴な方かぁ。粗相がないようにしないとな」
「フン、主はいつも通りでよい。相手が王だろうが神だろうが、壊れたものを持つ『客』であることに変わりはないのじゃろう?」
「まあ、そうですけどね」
俺は苦笑しながら、エプロンをパンパンと払った。
馬車は音もなく店の前で停止した。
御者が素早く降りてきて、恭しく扉を開ける。
「……到着いたしました、聖女様」
その呼び名に、俺は少しドキリとした。
聖女といえば、勇者パーティにいたアリアを思い出すからだ。
だが、馬車から降りてきた女性は、アリアとは全く異なる雰囲気を持っていた。
深々とフードを被っているが、その隙間からこぼれる髪は、朝露に濡れたような美しい銀色。
年齢は俺と同じくらいか、少し年下だろうか。
華奢な体つきは、風が吹けば折れてしまいそうなほど儚げだ。
しかし、その身に纏う空気は、アリアのような「驕り」や「自己顕示欲」とは無縁の、どこまでも澄んだ静謐さを湛えていた。
ただ、一つ気になったのは、彼女の顔色が死人のように青白いこと。
そして、歩くたびに微かに身体が震えていることだった。
「……ここが、噂の修理屋ですね」
彼女は鈴を転がすような、しかし力のない声で呟くと、ふらつく足取りで俺の前まで歩み寄った。
「初めまして。私はシルヴィアと申します。王都の大聖堂より参りました」
「いらっしゃいませ。店主のルークです。……顔色が優れないようですが、大丈夫ですか?」
俺が気遣うと、彼女は弱々しく微笑んだ。
「お気遣い感謝します。ですが、私のことはお気になさらず。……それより、見ていただきたいものがあるのです」
シルヴィアと名乗った少女は、付き従う騎士から、長い布に包まれた棒状のものを受け取った。
その瞬間、周囲の空気がズシリと重くなった。
ガラハドさんが、反射的に腰の剣に手をかけるほど、禍々しい気配が漂ったのだ。
「店の中へどうぞ。ここでは人目が気になりますから」
俺は彼女を店内に招き入れた。
外では、村人たちが「あんな綺麗な馬車、初めて見たぞ」「お姫様か?」と遠巻きに噂し始めている。
店の中に入ると、シルヴィア様はホッとしたように息をついた。
俺が作ったこの家は、空間そのものに「清浄化」と「リラックス効果」の環境調整を施してある。
外の澱んだ空気に当てられていた彼女にとって、ここは聖域のように感じられたのかもしれない。
「……不思議なお店ですね。入っただけで、呼吸が楽になりました」
「居心地の良さは追求してますからね。さあ、かけてください」
俺は彼女をソファに案内し、温かいハーブティーを出した。
彼女は震える手でカップを持ち、一口すすると、ようやく人心地ついたように瞳に光を戻した。
「さて、見せていただけますか? その、ただならぬ気配のものを」
俺が切り出すと、シルヴィア様は覚悟を決めたように頷き、布を解いた。
現れたのは、一本の杖だった。
かつては白く輝く聖なる杖だったのだろう。
だが今は、まるで火事で焼け焦げたかのように全体が黒く変色し、所々に赤い亀裂が走っている。
先端に嵌め込まれていたはずの聖石は砕け散り、代わりにドス黒い闇のような靄(もや)が渦巻いていた。
「これは……『浄化の聖杖(アストライア)』か?」
ガラハドさんが驚きの声を上げた。
「ご存知なのですか?」
「うむ。王国建国の祖が女神より授かったという、国宝中の国宝。国の結界を維持し、人々の穢れを吸い取って浄化する、この国の要(かなめ)じゃ。……まさか、これほどまでに穢れきっているとは」
シルヴィア様は悲痛な面持ちで俯いた。
「はい……。私は『国定聖女』として、この杖と共に国の穢れを一身に引き受け、浄化する役目を担っています。ですが、近年の魔物の活性化や、人々の不安から生まれる負の感情が許容量を超えてしまい……ついに、杖が悲鳴を上げてしまったのです」
国定聖女。
それは、勇者パーティのアリアのような「職業(ジョブ)としての聖女」とは格が違う。
王族に匹敵する権威を持ち、生涯を国のために捧げる、まさに生ける人柱とも言える存在だ。
「王都のあらゆる鍛冶師、魔導師に見せました。宮廷鍛冶師ギルドの長にさえも。ですが、全員が首を横に振りました。『ここまで穢れに侵食された聖遺物は、もう直せない。砕いて廃棄するしかない』と」
彼女の声が震える。
「ですが、この杖が壊れれば、国の結界は消滅します。そうなれば、王都は魔物の群れに飲み込まれてしまう……。私は、どうしても諦めきれなかった。そんな時、商人ギルドの方から、この村に『神の腕を持つ修理屋』がいると聞き、藁にもすがる思いでやって来たのです」
彼女はソファから立ち上がり、俺に向かって深く頭を下げた。
「お願いします、ルーク様。どうか、この杖を直してください。対価は、王家の宝物庫にあるもの全てでも構いません。私の命でも構いません。どうか……!」
切実な願い。
騎士が止めようとするのを制してまで、彼女は頭を下げ続けた。
その姿を見て、俺の職人魂が燃えないわけがない。
「頭を上げてください、聖女様。命なんていりませんよ」
俺は杖に手を伸ばした。
触れた瞬間、指先からピリピリとした痛みが走る。
これは「呪い」だ。
物理的な損傷以上に、膨大な量の「悪意」「悲しみ」「絶望」がヘドロのようにこびりつき、杖の機能を窒息させている。
【修理】スキル、解析開始。
(……酷いな。杖の聖なる核(コア)が、穢れに包まれて呼吸できていない。魔力回路もズタズタだ。でも、完全に死んではいない。必死に、持ち主を守ろうとして耐えている)
そして、俺は気づいた。
杖の状態とリンクするように、目の前のシルヴィア様の身体もまた、ボロボロであることに。
彼女の白い肌の下には、杖と同じような黒い血管が浮き出始めている。
聖女と聖杖は、魂のパスで繋がっているのだ。
杖が限界を迎えれば、そのバックラッシュは全て持ち主である彼女に行く。
彼女が青白い顔をしているのは、単なる疲労ではない。
杖の代わりに、彼女自身の生命力を削って穢れを抑え込んでいるからだ。
「……聖女様。一つ聞いてもいいですか?」
「はい」
「直してほしいのは、この杖だけですか?」
俺の問いに、彼女はきょとんとした顔をした。
「え……? はい、もちろんです。杖さえ直れば、結界は維持できますから」
「違いますよ。俺が言っているのは、あなたのことです」
俺は彼女の、手袋に隠された左手をそっと指差した。
「その左手、もう感覚がないんじゃないですか? 杖の穢れが逆流して、あなた自身を蝕んでいる」
「ッ……!?」
シルヴィア様は反射的に左手を隠そうとしたが、騎士がハッとして彼女の手を取った。
手袋を外すと、その指先は炭のように黒く変色し、石化が始まっていた。
「聖女様! これはいったい……!?」
「……騒がないでください。これは、聖女としての務めを果たした証です。杖が直れば、私の命が尽きても、次は新しい聖女が選ばれますから……」
彼女は寂しげに笑った。
自分の命を、道具の部品のように考えている。
それが、国定聖女としての教育なのだろうか。
勇者パーティのアリアは、自分を「特別で偉い存在」だと思っていたが、この人は真逆だ。
自分を犠牲にしてでも、他者を守ろうとしている。
「……ふざけないでください」
俺は少し強めの口調で言った。
シルヴィア様が驚いて顔を上げる。
「修理屋として言わせてもらいます。道具は、使い手がいて初めて輝くものです。杖だけ直って、持ち主が死にましたなんて、そんなの修理失敗と同じですよ」
「ルーク様……?」
「俺の店の方針は、『新品以上』にすることです。それは、道具の性能だけじゃありません。使い手のコンディションも含めての話です」
俺は杖を持ち上げ、ニカッと笑って見せた。
「直しますよ。この杖も、あなたのその身体も、ついでにその『自己犠牲こそ美徳』みたいな心の傷もね。全部まとめて、俺の修理対象です」
「そ、そんなことが……。この身体の侵食は、女神の呪いとも言われるもので、回復魔法ですら……」
「呪い? ああ、俺にとっては『しつこい汚れ』と同じですよ。漂白すれば落ちます」
俺は作業台に向かった。
いつものハンマーを手に取る。
相手は国宝級の聖遺物。しかも、国中の穢れを溜め込んだ特級呪物と化している。
普通なら触れるだけで発狂しかねない代物だ。
だが、今の俺には見える。
黒い穢れの奥底で、「助けて」と泣いている杖の本当の声が。
「ガラハドさん、窓を全部開けておいてください。ちょっと悪い空気が出るかもしれないんで」
「承知した。結界を張って、村に漏れ出さぬようにしよう」
俺は杖を作業台に固定した。
シルヴィア様と騎士が、固唾を飲んで見守っている。
「いきますよ。【修理】、フルパワー!」
俺は第一撃を、杖の中心にある亀裂へ叩き込んだ。
カァァァンッ!!!
鐘の音のような、しかしどこか重苦しい音が響いた。
その瞬間、杖から黒い煙が悲鳴のような音を立てて噴き出した。
「ギャァァァァァ……!」
煙は人の顔のような形になり、俺に襲いかかろうとする。
これが、国を蝕んでいた悪意の集合体か。
だが、俺はハンマーを振るう手を止めない。
「逃がすか! お前らはもう『不要なパーツ』だ! 消えろ!」
カァン! カァン! カァン!
ハンマーが閃くたびに、黒い煙は光の粒子に分解され、空気に溶けていく。
俺は単に穢れを追い出しているのではない。
杖の構造そのものを組み替え、穢れを「エネルギー」として再利用する循環システムを構築しているのだ。
ゴミを燃料に変えるリサイクル炉のようなものだ。
これにより、今後は穢れを吸えば吸うほど、杖の輝きが増すようになる。
そして、同時に。
俺の魔力は、パスを通じてシルヴィア様の体内にも流れ込んでいた。
彼女の血管に巣食う呪いの因子を、一つ一つ丁寧に『分解』し、正常な細胞へと『再構築』していく。
「あ、あぁ……」
シルヴィア様の口から、熱っぽい吐息が漏れる。
痛くはないはずだ。
むしろ、長年背負っていた鉛のような重りが取れ、温かい温泉に浸かっているような感覚だろう。
石化していた左手の黒色が、見る見るうちに薄れ、透き通るような白磁の肌へと戻っていく。
濁っていた瞳が、宝石のような輝きを取り戻す。
作業は、十分ほど続いた。
最後に、俺は杖の先端、砕け散っていた聖石の代わりに、手持ちの素材の中から一番相性の良さそうなものを嵌め込んだ。
先日、Sランク冒険者ヴァルガスが置いていった『光竜の涙』という結晶石だ。
「よし、仕上げだ!」
カァァァァァン!!!
最後の一撃と共に、店の中が真昼の太陽のような光に包まれた。
光が収まると、そこには神々しいまでに生まれ変わった『浄化の聖杖』があった。
以前の白い杖ではない。
光の角度によって虹色に輝く、プラチナ色の杖だ。
先端の結晶石は、まるで生きているかのように脈動し、清浄な空気を無限に生み出している。
「……終わりましたよ」
俺は杖を手に取り、呆然と立ち尽くすシルヴィア様に差し出した。
「ほら、握ってみてください。もう痛くないはずです」
彼女は恐る恐る、震える手で杖を握った。
その瞬間。
フォンッ……。
杖から優しい光が溢れ、彼女を包み込んだ。
それはまるで、久しぶりに再会した親子が抱き合うような、温かい光景だった。
「……温かい。重くない。あんなに私を苦しめていた怨嗟の声が、何も聞こえません。聞こえるのは……優しい歌声だけ」
シルヴィア様の目から、大粒の涙がこぼれ落ちた。
それは悲しみの涙ではなく、魂が救われた歓喜の涙だった。
「左手も、見てください」
彼女が手袋を外すと、そこには傷一つない、美しい手が戻っていた。
いや、それだけではない。
彼女自身の魔力も、以前とは比べ物にならないほど増幅され、身体の内側から生命力が溢れ出しているのがわかった。
「身体が、軽い……。あんなに辛かった呼吸が、嘘みたいに……」
彼女は杖を抱きしめたまま、その場に泣き崩れた。
騎士の男も、男泣きしながら俺に頭を下げている。
「ありがとうございます……! 本当に、ありがとうございます……!」
「仕事をしただけですよ。それに、その杖、ちょっと改造しちゃいましたけど、怒らないでくださいね? 『穢れ自動変換機能』と『持ち主への美肌効果』をつけておいたので」
俺が軽口を叩くと、シルヴィア様は涙に濡れた顔で、花が咲くような笑顔を見せた。
「ふふっ……。美肌効果、ですか? 聖女にそのような機能が必要かはわかりませんが……とても、嬉しいです」
その笑顔は、来店時の儚げな印象を吹き飛ばすほど、生命力と魅力に溢れていた。
これこそが、彼女本来の美しさなのだろう。
「ルーク様。あなたは、国の救世主です。このご恩は、一生忘れません」
彼女は俺の手を取り、その手の甲に、敬愛の証である口づけを落とした。
聖女様からのキス。
これにはさすがの俺も顔が赤くなった。
「い、いえ! そんな大袈裟な!」
「いいえ。私は決めました。王都に戻って結界を張り直したら、また必ずここへ来ます。今度は客としてではなく……あなたのお役に立つために」
その瞳には、熱っぽい光が宿っていた。
なんだか、ものすごく懐かれたような気がする。
ガラハドさんが「む、ライバル出現か?」とニヤニヤしているのが視界に入った。
こうして、俺は知らぬ間に、王国最強の権威を持つ聖女様を「陥落」させてしまったのだった。
* * *
その日の夜。
修理を終えたシルヴィア様は、王都の結界を一刻も早く修復するため、名残惜しそうにしながらも帰路についた。
去り際に「次は休暇を取って、あの大浴場に入りに来ます!」と力強く宣言していたのが印象的だった。
店には再び平穏が戻った……かのように思えた。
だが、運命は次の騒動を用意していた。
「主よ。西の空を見ろ」
閉店後の片付けをしていた時、ガラハドさんが鋭い声で言った。
俺が店の外に出て西の空を見上げると、遠くの森の上空に、不穏な赤い光が見えた。
焚き火ではない。
あれは、魔物の群れが発する眼光か、あるいは……。
「……近づいていますね」
「うむ。あの位置なら、明日にはこの村の近くを通るじゃろう」
それは、ボロボロになりながらも東へと進み続ける、勇者パーティの気配だった。
そして、彼らを追うように、さらに大きな「災厄」の影も蠢いていた。
勇者ブレイド。
賢者ソフィア。
聖女アリア。
かつての仲間たちが、ついに俺のいるグリーンホロウの目前まで迫っていた。
だが、彼らが連れてくるのは、感動の再会ではなく、トラブルの嵐だけだ。
「……準備をしておきましょうか」
俺は愛用のハンマーを握りしめた。
聖女シルヴィア様の杖を直した直後だ。俺の職人としてのコンディションは最高潮にある。
たとえ勇者がどんな無理難題(あるいは理不尽な逆ギレ)を持ち込んでこようとも、俺の技術と、この村の仲間たちがいれば、何も怖くはない。
「いらっしゃいませ、元勇者様。……手荒い歓迎になるかもしれないけど、覚悟して来てね」
星空の下、俺は静かに呟いた。
次はいよいよ、因縁の相手との対面だ。
だがその前に、彼らはこの村の「変化」に度肝を抜かれることになるだろう。
鉄壁の城壁と、幸せに満ちた村人たち。
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物語は、再会(カオス)の章へと突入する。
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