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第4話 浜辺に打ち上げられた人魚姫を助けたら、求婚されました
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「あ、あの……私の顔に、何かついていますか?」
エメラルドグリーンの瞳が、不安げに揺れている。
俺はハッとして、じろじろと見つめてしまっていた非礼を詫びた。
「いや、すまない。人魚を見るのは初めてだったもので、つい見とれてしまったんだ」
俺の正直な感想に、彼女の白い頬がほんのりと桜色に染まる。
濡れた青い髪が肩にかかり、滴る水滴が鎖骨の窪みに溜まっている様子は、どんな芸術品よりも美しかった。
ここは俺が漂流した南の島。
そして目の前にいるのは、先ほどまで瀕死の状態だった人魚の少女だ。
俺の作った特製ヤシの実ジュース(効果はSランクポーション以上)によって、彼女の傷は完全に癒え、今は砂浜に座って尾ひれをパシャパシャと動かしている。
「改めまして、お礼を言わせてください。人間の方。私はメルディ。この海域を治める『紺碧の王国』の第三王女、メルディ・アクア・マリンと申します」
彼女は優雅に腰を折り、深々とお辞儀をした。
王女様だったのか。
まあ、その気品溢れる立ち振る舞いからして、ただの人魚ではないと思っていたが。
「俺はカイ。カイ・ウェルマンだ。まあ、今はただの無職……いや、この島の管理人みたいなものかな」
「カイ様、ですね。私の命を救っていただき、本当にありがとうございました。あのままあそこで干からびて死ぬのだと、覚悟しておりましたので……」
メルディは震える声で言った。
彼女の視線が、俺の腰にあるひょうたんボトルに向けられる。
「それにしても……先ほど飲ませていただいた霊薬、あれは一体何なのですか? 王家の宝物庫にある最高級のエリクサーですら、あれほどの即効性はありません。飲んだ瞬間に全身に力がみなぎり、魔力が溢れ出してくるような感覚……。あのような秘薬を惜しげもなく使ってくださるなんて、カイ様はどれほど高貴な方なのですか?」
彼女の瞳がキラキラと輝いている。
俺は少し言いにくそうに頬をかいた。
「いや、高貴とかじゃなくて、そこら辺に生えてるヤシの実を絞っただけなんだけど」
「えっ?」
「ほら、あそこにあるやつ」
俺が指差した先には、無数のヤシの実をつけた木々が風に揺れている。
メルディは目を丸くして、ヤシの木と俺の顔を交互に見た。
「ご、ご冗談を。ただの果実にそのような力があるはずが……」
「嘘じゃないよ。俺のスキルでちょっと成分が強化されてるけど、元はただのジュースだ。ほら、もう一本飲むか?」
俺は近くの木から新しい実を落とし、手際よく穴を開けて彼女に差し出した。
メルディはおずおずとそれを受け取り、一口飲む。
「――っ! あ、甘くて、美味しい……!」
「だろ? 栄養満点だぞ」
「信じられません……。このような奇跡の果実が、雑草のように生えているなんて……」
彼女は呆然とつぶやきながらも、ジュースを夢中で飲み干した。
どうやらお気に召したようだ。
兵站管理官としての経験上、うまい飯と適切な医療を提供すれば、大抵の相手とは仲良くなれる。
「それで、メルディ。どうしてあんな怪我をしてたんだ? この辺りの海は危険なのか?」
俺が尋ねると、彼女の表情が曇った。
空になったヤシの実を抱きしめ、伏し目がちに語り始める。
「実は……群れからはぐれてしまったのです。数日前、突如として凶暴化した『キラー・シャーク』の大群が、私たちの巡回部隊を襲撃しました。私は護衛の兵士たちに逃がされましたが、執拗に追跡され……ここまで逃げてくるのが精一杯でした」
「キラー・シャークか」
北の国の図鑑で見たことがある。
鋭い牙と凶暴な性格を持つサメ型の魔物で、血の匂いを嗅ぎつけるとどこまでも追ってくる厄介な奴らだ。
ランクはBからA。
人魚の兵士たちでも苦戦する相手だろう。
「私の不注意でした。父様や姉様たちに心配をかけてしまっていると思います。でも、海の中は今、キラー・シャークたちがうろついていて、一人では帰れそうにありません……」
彼女は悔しそうに唇を噛んだ。
なるほど、事情は分かった。
要するに、彼女は今、帰る家を失った迷子というわけだ。
「なら、しばらくこの島にいればいい」
俺はあっさりと言った。
メルディが驚いて顔を上げる。
「えっ? でも、ご迷惑では……」
「迷惑なもんか。俺一人じゃ話し相手もいなくて退屈してたところだ。それに、海の中が落ち着くまで、ここで英気を養えばいい。俺のスキルがあれば、サメごとき近づけないさ」
俺は自信満々に言った。
昨日のヤドカリを瞬殺した実績がある。
サメが来たら、焼き魚にするだけだ。フカヒレ料理も悪くない。
「カイ様……」
メルディの瞳が潤んだ。
彼女は感動したように胸の前で手を組み、じっと俺を見つめる。
その視線の熱量に、俺は少し居心地が悪くなった。
なんだろう、この空気は。
ただの人助けをしただけなのだが、彼女の中で何かが燃え上がっているような……。
「カイ様」
「ん、なんだ?」
「……一つ、確認させていただいてもよろしいでしょうか」
「ああ」
メルディは真剣な表情で、少し顔を近づけてきた。
海の香りがふわりと漂う。
「カイ様は、私に口移しで……その、あのお薬を飲ませてくださいましたよね?」
「え? いや、口移しっていうか、ボトルの口を当てただけだけど……」
俺が訂正しようとすると、彼女は首を横に振った。
「いいえ、私たちの感覚では、あれは口づけと同義です。意識が朦朧としていたとはいえ、私は殿方に唇を触れられ、命の水を体内に注ぎ込まれたのです」
言い方が艶かしすぎる。
俺は思わず赤面した。
確かに緊急措置とはいえ、強引に飲ませたのは事実だ。
「それは、その、悪かった。緊急だったから」
「謝らないでください! 嬉しいのです」
メルディは身を乗り出し、俺の手を両手で握りしめた。
ひんやりとした、滑らかな鱗と肌の感触。
「人魚族には、古い掟があります。『異種族の殿方に肌を晒し、命を救われ、口づけを交わしたならば、その者を生涯の伴侶としなさい』と」
「……はい?」
「つまり、責任を取っていただきたいのです」
「せ、責任!?」
俺は裏返った声を出した。
責任って、あの責任?
いやいや、展開が早すぎるだろう。
出会ってまだ数十分だぞ。
「ま、待て待て。落ち着こう、メルディ。それはあくまで古い掟だろう? 今どきそんな……」
「カイ様はお嫌ですか? 私のような、足のない女など……」
彼女は悲しげに眉を下げ、上目遣いで俺を見た。
その破壊力は凄まじかった。
濡れた瞳、儚げな表情、そして異種族特有の神秘的な魅力。
こんな美少女に「嫌ですか?」と聞かれて「はい」と答えられる男がいるだろうか。いや、いない。
「い、嫌なわけないだろう! メルディはすごく魅力的だ。綺麗だし、可愛いし」
「本当ですか!?」
彼女の表情がパッと明るくなった。
花の蕾が開くような笑顔とは、まさにこのことだ。
「はい! では、結婚決定ですね!」
「いや決定はしてない! まだ早い! 順序というものがあるだろう!?」
「順序? では、まずは同棲からですね。分かりました!」
「ポジティブだなオイ!」
俺は頭を抱えた。
どうやら彼女、見た目によらずかなり押しが強いタイプらしい。
王族だからだろうか。欲しいものは手に入れる主義なのかもしれない。
とはいえ、悪い気はしなかった。
極寒の国で「無能」と蔑まれ、女性からはゴミを見るような目で見られていた俺だ。
こんなに真っ直ぐな好意を向けられるのは、人生で初めての経験だった。
「わかった、わかったよ。結婚はとりあえず保留だ。まずはお互いを知ることから始めよう。友達として、同居人として、な」
「はい! 『お友達から始める恋人関係』ですね! 人間の書物で読んだことがあります! 燃えます!」
妙な知識を持っているな、この王女様。
「さて、同居するにしても、メルディはずっと陸にいて大丈夫なのか? 乾燥には弱そうだけど」
「あ、はい。今はカイ様の特製ジュースのおかげで平気ですが、やはり長時間水から離れると辛いです。夜は海に戻らないと……」
彼女は寂しそうに海を見た。
夜の海は危険だ。それに、せっかく一緒に暮らすなら、近くにいてほしい。
「なら、ここに住める場所を作ろう」
俺は立ち上がり、ヴィラの前の砂浜を見渡した。
白い砂、青い海。
地形を思い描く。
「カイ様?」
「見ててくれ。俺の魔法……というか、スキルを見せてやる」
俺は大地に手を触れた。
『トロピカル・ロード』の権能の一つ、地形操作に近い応用技だ。
植物の根を地下深くまで張り巡らせ、土台を固める。
そして、海水を直接引き込む水路を形成する。
「――穿て。そして満たせ」
ズズズズズ……!
砂浜の一部が陥没し、巨大な窪地が出来上がる。
そこに、サンゴ岩を隆起させて壁を作り、自然の濾過装置を組み込んだ水路から、新鮮な海水が流れ込んでくる。
あっという間に、ヴィラのテラスと直結した、広大な『プライベート・プール』が完成した。
しかも、ただの穴ではない。
底には白い砂を敷き詰め、周囲にはハイビスカスやブーゲンビリアを急速成長させて彩りを添えた。
海と一体化して見える、いわゆるインフィニティ・プールだ。
「こ、これは……魔法ですか? 一瞬で……」
メルディはあんぐりと口を開けている。
「どうだ? これなら、海と繋がっているし、水も常に循環して綺麗だ。魔物が入ってこれないように、水路には鉄格子の代わりに硬質化した植物の根を張ってある」
俺が説明し終える前に、メルディが歓声を上げた。
「素敵です! 最高です、カイ様!」
彼女は俺の制止も聞かず、プールへと飛び込んだ。
バシャーン!
美しい水しぶきが上がり、彼女は気持ちよさそうに水中を泳ぎ回る。
水を得た魚……いや、水を得た人魚だ。
太陽の光を浴びて、彼女の鱗が宝石のように輝く。
「カイ様も入ってください! とっても気持ちいいですよ!」
プールの中から、彼女が手招きをする。
その笑顔は、あまりにも眩しかった。
「ああ、今行くよ」
俺は服を脱ぎ捨て(といっても、暑いので薄着だが)、プールに飛び込んだ。
冷たすぎず、温かすぎない、絶妙な水温。
メルディが寄ってきて、俺の周りをくるくると回る。
「本当に凄いです。こんな素敵な場所、王宮にもありません」
「気に入ってくれたならよかった。今日からここがメルディの部屋だ」
「はい! ……あ、でも」
「ん?」
彼女は少し顔を赤らめて、モジモジとした。
「あの、プールも素敵ですけど……そのうち、カイ様のベッドの方にもお邪魔していいですか?」
「ブフォッ!」
俺は海水を飲みそうになった。
この王女様、本当に攻めるな。
「そ、それはまた追い追いな!」
「ふふ、楽しみにしていますね」
メルディは悪戯っぽく微笑み、俺に水をかけてきた。
俺たちは笑い合いながら、南国の太陽の下で水遊びに興じた。
聞こえてくるのは波の音と、彼女の楽しげな笑い声だけ。
数日前まで、暗く冷たい石造りの部屋で、数字と睨めっこをしていたのが嘘のようだ。
ここには、俺を罵る声も、凍える寒さもない。
あるのは、楽園と、美しい人魚姫。
(ざまぁみろ、アレク、リリアーナ。俺は今、人生で一番幸せだぞ)
俺は心の片隅で、元仲間たちに向けて勝利宣言をした。
◆ ◆ ◆
一方その頃。
北の大国『氷厳の王国』では、不穏な空気が漂い始めていた。
勇者アレク率いるパーティは、最初のダンジョン『氷狼の洞窟』の前で立ち往生していた。
「くそっ、どうなっているんだ! なぜポーションが凍っている!」
アレクが怒号を上げ、ガラス瓶を地面に叩きつけた。
中身はカチカチに凍りつき、使い物にならない。
戦闘で傷ついた戦士が呻き声を上げているが、回復手段がないのだ。
「聖女様! あなたの魔法で解凍できないのですか!?」
「む、無理ですわ! 火加減を間違えたら瓶が割れてしまいますし……それに、私の魔力も寒さでもう限界で……」
新しく加入した聖女は、ガタガタと震えながら青白い顔をしている。
彼女の着ているローブは高級品だが、防寒性能よりも見た目を重視したもので、この極寒の地には不向きだった。
カイがいれば、適切に重ね着をさせ、カイロ代わりの魔道具を持たせていただろう。
「薪はどうした! 火を熾せ!」
「だ、駄目です! 薪が湿気っていて、煙しか出ません!」
荷物持ちの奴隷が悲鳴を上げる。
かつてカイが、天候を読んで乾燥させ、防水布で厳重に管理していた薪。
それが今や、ただの濡れた木屑と化していた。
「ええい、役立たず共め!」
「アレク様、もう撤退しましょう! このままでは凍死します!」
リリアーナ王女も、プライドをかなぐり捨てて叫んだ。
彼女の美しい顔は寒さで引きつり、鼻水が垂れているのにも気づかないほどだ。
かつてカイが用意していた、温かいスープも、温められた毛布もない。
「カイ……あの無能め、どこへ行きやがった……!」
アレクは歯噛みした。
彼らはまだ気づいていなかった。
自分たちが「無能」と呼んで追い出した男こそが、この過酷な遠征を支えていた唯一の要石だったことに。
そして、その要石を失った今、彼らの転落劇が既に始まっていることに。
吹雪が強まる中、勇者パーティは惨めな撤退を開始した。
だが、彼らの苦難はこれで終わりではない。
城に戻れば、さらに恐ろしい現実――暖房設備の不調と食糧難――が待っているのだから。
◆ ◆ ◆
そんなこととは露知らず。
俺はメルディと共に、採れたてのフルーツと焼き魚で、優雅なディナーを楽しんでいた。
「あーん、してください、カイ様」
「自分で食べれるだろ」
「手がないのです(嘘)」
「ヒレがあるだろヒレが」
夕日が水平線に沈み、空には満天の星。
焚き火の温かい光に照らされながら、俺たちの夜は更けていく。
ハーレム生活一日目にして、この充実度。
これからの生活が、楽しみで仕方がない。
次はどんな出会いが待っているのだろうか。
俺は焼けた魚をメルディの口に放り込みながら、幸せな予感に身を震わせた。
エメラルドグリーンの瞳が、不安げに揺れている。
俺はハッとして、じろじろと見つめてしまっていた非礼を詫びた。
「いや、すまない。人魚を見るのは初めてだったもので、つい見とれてしまったんだ」
俺の正直な感想に、彼女の白い頬がほんのりと桜色に染まる。
濡れた青い髪が肩にかかり、滴る水滴が鎖骨の窪みに溜まっている様子は、どんな芸術品よりも美しかった。
ここは俺が漂流した南の島。
そして目の前にいるのは、先ほどまで瀕死の状態だった人魚の少女だ。
俺の作った特製ヤシの実ジュース(効果はSランクポーション以上)によって、彼女の傷は完全に癒え、今は砂浜に座って尾ひれをパシャパシャと動かしている。
「改めまして、お礼を言わせてください。人間の方。私はメルディ。この海域を治める『紺碧の王国』の第三王女、メルディ・アクア・マリンと申します」
彼女は優雅に腰を折り、深々とお辞儀をした。
王女様だったのか。
まあ、その気品溢れる立ち振る舞いからして、ただの人魚ではないと思っていたが。
「俺はカイ。カイ・ウェルマンだ。まあ、今はただの無職……いや、この島の管理人みたいなものかな」
「カイ様、ですね。私の命を救っていただき、本当にありがとうございました。あのままあそこで干からびて死ぬのだと、覚悟しておりましたので……」
メルディは震える声で言った。
彼女の視線が、俺の腰にあるひょうたんボトルに向けられる。
「それにしても……先ほど飲ませていただいた霊薬、あれは一体何なのですか? 王家の宝物庫にある最高級のエリクサーですら、あれほどの即効性はありません。飲んだ瞬間に全身に力がみなぎり、魔力が溢れ出してくるような感覚……。あのような秘薬を惜しげもなく使ってくださるなんて、カイ様はどれほど高貴な方なのですか?」
彼女の瞳がキラキラと輝いている。
俺は少し言いにくそうに頬をかいた。
「いや、高貴とかじゃなくて、そこら辺に生えてるヤシの実を絞っただけなんだけど」
「えっ?」
「ほら、あそこにあるやつ」
俺が指差した先には、無数のヤシの実をつけた木々が風に揺れている。
メルディは目を丸くして、ヤシの木と俺の顔を交互に見た。
「ご、ご冗談を。ただの果実にそのような力があるはずが……」
「嘘じゃないよ。俺のスキルでちょっと成分が強化されてるけど、元はただのジュースだ。ほら、もう一本飲むか?」
俺は近くの木から新しい実を落とし、手際よく穴を開けて彼女に差し出した。
メルディはおずおずとそれを受け取り、一口飲む。
「――っ! あ、甘くて、美味しい……!」
「だろ? 栄養満点だぞ」
「信じられません……。このような奇跡の果実が、雑草のように生えているなんて……」
彼女は呆然とつぶやきながらも、ジュースを夢中で飲み干した。
どうやらお気に召したようだ。
兵站管理官としての経験上、うまい飯と適切な医療を提供すれば、大抵の相手とは仲良くなれる。
「それで、メルディ。どうしてあんな怪我をしてたんだ? この辺りの海は危険なのか?」
俺が尋ねると、彼女の表情が曇った。
空になったヤシの実を抱きしめ、伏し目がちに語り始める。
「実は……群れからはぐれてしまったのです。数日前、突如として凶暴化した『キラー・シャーク』の大群が、私たちの巡回部隊を襲撃しました。私は護衛の兵士たちに逃がされましたが、執拗に追跡され……ここまで逃げてくるのが精一杯でした」
「キラー・シャークか」
北の国の図鑑で見たことがある。
鋭い牙と凶暴な性格を持つサメ型の魔物で、血の匂いを嗅ぎつけるとどこまでも追ってくる厄介な奴らだ。
ランクはBからA。
人魚の兵士たちでも苦戦する相手だろう。
「私の不注意でした。父様や姉様たちに心配をかけてしまっていると思います。でも、海の中は今、キラー・シャークたちがうろついていて、一人では帰れそうにありません……」
彼女は悔しそうに唇を噛んだ。
なるほど、事情は分かった。
要するに、彼女は今、帰る家を失った迷子というわけだ。
「なら、しばらくこの島にいればいい」
俺はあっさりと言った。
メルディが驚いて顔を上げる。
「えっ? でも、ご迷惑では……」
「迷惑なもんか。俺一人じゃ話し相手もいなくて退屈してたところだ。それに、海の中が落ち着くまで、ここで英気を養えばいい。俺のスキルがあれば、サメごとき近づけないさ」
俺は自信満々に言った。
昨日のヤドカリを瞬殺した実績がある。
サメが来たら、焼き魚にするだけだ。フカヒレ料理も悪くない。
「カイ様……」
メルディの瞳が潤んだ。
彼女は感動したように胸の前で手を組み、じっと俺を見つめる。
その視線の熱量に、俺は少し居心地が悪くなった。
なんだろう、この空気は。
ただの人助けをしただけなのだが、彼女の中で何かが燃え上がっているような……。
「カイ様」
「ん、なんだ?」
「……一つ、確認させていただいてもよろしいでしょうか」
「ああ」
メルディは真剣な表情で、少し顔を近づけてきた。
海の香りがふわりと漂う。
「カイ様は、私に口移しで……その、あのお薬を飲ませてくださいましたよね?」
「え? いや、口移しっていうか、ボトルの口を当てただけだけど……」
俺が訂正しようとすると、彼女は首を横に振った。
「いいえ、私たちの感覚では、あれは口づけと同義です。意識が朦朧としていたとはいえ、私は殿方に唇を触れられ、命の水を体内に注ぎ込まれたのです」
言い方が艶かしすぎる。
俺は思わず赤面した。
確かに緊急措置とはいえ、強引に飲ませたのは事実だ。
「それは、その、悪かった。緊急だったから」
「謝らないでください! 嬉しいのです」
メルディは身を乗り出し、俺の手を両手で握りしめた。
ひんやりとした、滑らかな鱗と肌の感触。
「人魚族には、古い掟があります。『異種族の殿方に肌を晒し、命を救われ、口づけを交わしたならば、その者を生涯の伴侶としなさい』と」
「……はい?」
「つまり、責任を取っていただきたいのです」
「せ、責任!?」
俺は裏返った声を出した。
責任って、あの責任?
いやいや、展開が早すぎるだろう。
出会ってまだ数十分だぞ。
「ま、待て待て。落ち着こう、メルディ。それはあくまで古い掟だろう? 今どきそんな……」
「カイ様はお嫌ですか? 私のような、足のない女など……」
彼女は悲しげに眉を下げ、上目遣いで俺を見た。
その破壊力は凄まじかった。
濡れた瞳、儚げな表情、そして異種族特有の神秘的な魅力。
こんな美少女に「嫌ですか?」と聞かれて「はい」と答えられる男がいるだろうか。いや、いない。
「い、嫌なわけないだろう! メルディはすごく魅力的だ。綺麗だし、可愛いし」
「本当ですか!?」
彼女の表情がパッと明るくなった。
花の蕾が開くような笑顔とは、まさにこのことだ。
「はい! では、結婚決定ですね!」
「いや決定はしてない! まだ早い! 順序というものがあるだろう!?」
「順序? では、まずは同棲からですね。分かりました!」
「ポジティブだなオイ!」
俺は頭を抱えた。
どうやら彼女、見た目によらずかなり押しが強いタイプらしい。
王族だからだろうか。欲しいものは手に入れる主義なのかもしれない。
とはいえ、悪い気はしなかった。
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こんなに真っ直ぐな好意を向けられるのは、人生で初めての経験だった。
「わかった、わかったよ。結婚はとりあえず保留だ。まずはお互いを知ることから始めよう。友達として、同居人として、な」
「はい! 『お友達から始める恋人関係』ですね! 人間の書物で読んだことがあります! 燃えます!」
妙な知識を持っているな、この王女様。
「さて、同居するにしても、メルディはずっと陸にいて大丈夫なのか? 乾燥には弱そうだけど」
「あ、はい。今はカイ様の特製ジュースのおかげで平気ですが、やはり長時間水から離れると辛いです。夜は海に戻らないと……」
彼女は寂しそうに海を見た。
夜の海は危険だ。それに、せっかく一緒に暮らすなら、近くにいてほしい。
「なら、ここに住める場所を作ろう」
俺は立ち上がり、ヴィラの前の砂浜を見渡した。
白い砂、青い海。
地形を思い描く。
「カイ様?」
「見ててくれ。俺の魔法……というか、スキルを見せてやる」
俺は大地に手を触れた。
『トロピカル・ロード』の権能の一つ、地形操作に近い応用技だ。
植物の根を地下深くまで張り巡らせ、土台を固める。
そして、海水を直接引き込む水路を形成する。
「――穿て。そして満たせ」
ズズズズズ……!
砂浜の一部が陥没し、巨大な窪地が出来上がる。
そこに、サンゴ岩を隆起させて壁を作り、自然の濾過装置を組み込んだ水路から、新鮮な海水が流れ込んでくる。
あっという間に、ヴィラのテラスと直結した、広大な『プライベート・プール』が完成した。
しかも、ただの穴ではない。
底には白い砂を敷き詰め、周囲にはハイビスカスやブーゲンビリアを急速成長させて彩りを添えた。
海と一体化して見える、いわゆるインフィニティ・プールだ。
「こ、これは……魔法ですか? 一瞬で……」
メルディはあんぐりと口を開けている。
「どうだ? これなら、海と繋がっているし、水も常に循環して綺麗だ。魔物が入ってこれないように、水路には鉄格子の代わりに硬質化した植物の根を張ってある」
俺が説明し終える前に、メルディが歓声を上げた。
「素敵です! 最高です、カイ様!」
彼女は俺の制止も聞かず、プールへと飛び込んだ。
バシャーン!
美しい水しぶきが上がり、彼女は気持ちよさそうに水中を泳ぎ回る。
水を得た魚……いや、水を得た人魚だ。
太陽の光を浴びて、彼女の鱗が宝石のように輝く。
「カイ様も入ってください! とっても気持ちいいですよ!」
プールの中から、彼女が手招きをする。
その笑顔は、あまりにも眩しかった。
「ああ、今行くよ」
俺は服を脱ぎ捨て(といっても、暑いので薄着だが)、プールに飛び込んだ。
冷たすぎず、温かすぎない、絶妙な水温。
メルディが寄ってきて、俺の周りをくるくると回る。
「本当に凄いです。こんな素敵な場所、王宮にもありません」
「気に入ってくれたならよかった。今日からここがメルディの部屋だ」
「はい! ……あ、でも」
「ん?」
彼女は少し顔を赤らめて、モジモジとした。
「あの、プールも素敵ですけど……そのうち、カイ様のベッドの方にもお邪魔していいですか?」
「ブフォッ!」
俺は海水を飲みそうになった。
この王女様、本当に攻めるな。
「そ、それはまた追い追いな!」
「ふふ、楽しみにしていますね」
メルディは悪戯っぽく微笑み、俺に水をかけてきた。
俺たちは笑い合いながら、南国の太陽の下で水遊びに興じた。
聞こえてくるのは波の音と、彼女の楽しげな笑い声だけ。
数日前まで、暗く冷たい石造りの部屋で、数字と睨めっこをしていたのが嘘のようだ。
ここには、俺を罵る声も、凍える寒さもない。
あるのは、楽園と、美しい人魚姫。
(ざまぁみろ、アレク、リリアーナ。俺は今、人生で一番幸せだぞ)
俺は心の片隅で、元仲間たちに向けて勝利宣言をした。
◆ ◆ ◆
一方その頃。
北の大国『氷厳の王国』では、不穏な空気が漂い始めていた。
勇者アレク率いるパーティは、最初のダンジョン『氷狼の洞窟』の前で立ち往生していた。
「くそっ、どうなっているんだ! なぜポーションが凍っている!」
アレクが怒号を上げ、ガラス瓶を地面に叩きつけた。
中身はカチカチに凍りつき、使い物にならない。
戦闘で傷ついた戦士が呻き声を上げているが、回復手段がないのだ。
「聖女様! あなたの魔法で解凍できないのですか!?」
「む、無理ですわ! 火加減を間違えたら瓶が割れてしまいますし……それに、私の魔力も寒さでもう限界で……」
新しく加入した聖女は、ガタガタと震えながら青白い顔をしている。
彼女の着ているローブは高級品だが、防寒性能よりも見た目を重視したもので、この極寒の地には不向きだった。
カイがいれば、適切に重ね着をさせ、カイロ代わりの魔道具を持たせていただろう。
「薪はどうした! 火を熾せ!」
「だ、駄目です! 薪が湿気っていて、煙しか出ません!」
荷物持ちの奴隷が悲鳴を上げる。
かつてカイが、天候を読んで乾燥させ、防水布で厳重に管理していた薪。
それが今や、ただの濡れた木屑と化していた。
「ええい、役立たず共め!」
「アレク様、もう撤退しましょう! このままでは凍死します!」
リリアーナ王女も、プライドをかなぐり捨てて叫んだ。
彼女の美しい顔は寒さで引きつり、鼻水が垂れているのにも気づかないほどだ。
かつてカイが用意していた、温かいスープも、温められた毛布もない。
「カイ……あの無能め、どこへ行きやがった……!」
アレクは歯噛みした。
彼らはまだ気づいていなかった。
自分たちが「無能」と呼んで追い出した男こそが、この過酷な遠征を支えていた唯一の要石だったことに。
そして、その要石を失った今、彼らの転落劇が既に始まっていることに。
吹雪が強まる中、勇者パーティは惨めな撤退を開始した。
だが、彼らの苦難はこれで終わりではない。
城に戻れば、さらに恐ろしい現実――暖房設備の不調と食糧難――が待っているのだから。
◆ ◆ ◆
そんなこととは露知らず。
俺はメルディと共に、採れたてのフルーツと焼き魚で、優雅なディナーを楽しんでいた。
「あーん、してください、カイ様」
「自分で食べれるだろ」
「手がないのです(嘘)」
「ヒレがあるだろヒレが」
夕日が水平線に沈み、空には満天の星。
焚き火の温かい光に照らされながら、俺たちの夜は更けていく。
ハーレム生活一日目にして、この充実度。
これからの生活が、楽しみで仕方がない。
次はどんな出会いが待っているのだろうか。
俺は焼けた魚をメルディの口に放り込みながら、幸せな予感に身を震わせた。
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無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった
黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった!
辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。
一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。
追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
異世界レストラン・フェルマータ ~追放料理人の俺、神の舌で世界を喰らう~
たまごころ
ファンタジー
王都の五つ星料理店を追放された若き料理人カイ。理不尽な仕打ちに絶望しかけたその瞬間、彼は異世界で目を覚ます。
そこは「味覚」が魔力と結びついた世界──。美味を極めれば魔力が高まり、料理は民を癒やし、王すら跪く力を持つ。
一介の料理人だったカイは、神の舌「フェルマータ」の力に目覚め、貧しい村に小さな食堂を開く。
だがその料理は瞬く間に世界を変え、王侯貴族、聖女、竜姫、女勇者、果ては神々までが彼の皿を求めるようになる。
追放された男の、料理と復讐と愛の異世界成り上がり劇、ここに開店!
外れスキル【アイテム錬成】でSランクパーティを追放された俺、実は神の素材で最強装備を創り放題だったので、辺境で気ままな工房を開きます
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティで「外れスキル」と蔑まれ、雑用係としてこき使われていた錬金術師のアルト。ある日、リーダーの身勝手な失敗の責任を全て押し付けられ、無一文でパーティから追放されてしまう。
絶望の中、流れ着いた辺境の町で、彼は偶然にも伝説の素材【神の涙】を発見。これまで役立たずと言われたスキル【アイテム錬成】が、実は神の素材を扱える唯一無二のチート能力だと知る。
辺境で小さな工房を開いたアルトの元には、彼の作る規格外のアイテムを求めて、なぜか聖女や竜王(美少女の姿)まで訪れるようになり、賑やかで幸せな日々が始まる。
一方、アルトを失った元パーティは没落の一途を辿り、今更になって彼に復帰を懇願してくるが――。「もう、遅いんです」
これは、不遇だった青年が本当の居場所を見つける、ほのぼの工房ライフ&ときどき追放ざまぁファンタジー!
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
追放された”お荷物”の俺がいないと、聖女も賢者も剣聖も役立たずらしい
夏見ナイ
ファンタジー
「お荷物」――それが、Sランク勇者パーティーで雑用係をするリアムへの評価だった。戦闘能力ゼロの彼は、ある日ついに追放を宣告される。
しかし、パーティーの誰も知らなかった。彼らの持つ強力なスキルには、使用者を蝕む”代償”が存在したことを。そして、リアムの持つ唯一のスキル【代償転嫁】が、その全てを人知れず引き受けていたことを。
リアムを失い、スキルの副作用に蝕まれ崩壊していく元仲間たち。
一方、辺境で「呪われた聖女」を救ったリアムは自らの力の真価を知る。魔剣に苦しむエルフ、竜の血に怯える少女――彼は行く先々で訳ありの美少女たちを救い、彼女たちと安住の地を築いていく。
これは、心優しき”お荷物”が最強の仲間と居場所を見つけ、やがて伝説となる物語。
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