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第14話 雨の夜、訪れた不思議な来客
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その夜は、昼間から降っていた雨が一層強くなっていた。
屋根を叩く音が途切れず続き、風が村全体を震わせている。
空は低く、雷の光が遠くの山の稜線を照らしては、すぐ闇に沈んだ。
リオネルは工房の机に広げた図面を見つめていた。
描かれているのは、村の灌漑路と魔導柵の新しい配置図だ。
雨量が増えれば井戸の魔力循環にも影響が出る。
勢いを抑えながらも自然の流れを守る仕組みを調整しようとしていた。
ルナとピルカは炉の前で丸くなり、火の揺らめきに合わせて小さく寝息を立てている。
窓の外は暗く、近くの木が風で軋む音がした。
「……すっかり嵐だな。明日は畑の見回りも大変だ」
そう呟いた瞬間、戸口の外で何かが叩かれる音がした。
トン、トン――トン。
不規則な三度の音。
風のせいではない。確かに誰かが戸を叩いていた。
リオネルが椅子を引いて立ち上がると、ピルカが首をもたげて唸り、ルナが耳を立てた。
慎重に扉へ近づき、取っ手に手をかけた。
「……こんな夜更けに来客か。だが悪意の気配は感じない」
扉を開けると、そこに立っていたのは、旅装束に身を包んだ若い女性だった。
フードの下から覗く髪は夜の雨に濡れ、肩から小さな革の袋を下げている。
全身に泥がつき、疲労の色が濃かった。
「……すみません。この村に、錬金術師がいると聞いて……」
掠れた声。彼女の頬には薄い傷があり、唇は震えていた。
リオネルはすぐに彼女を中へ招き入れ、上着を差し出した。
「こんな天候の中よく来られましたね。まず暖まりなさい」
炉の前に座らせ、湯を沸かす。香草の茶葉を入れると、室内に柔らかな匂いが広がった。
女性は震える手でカップを受け取り、少しずつ口にした。
「……助かります。突然押しかけてすみません。道を外れて……」
リオネルは頷きつつ、濡れた荷袋を布で拭いた。
「このあたりは霧も出やすい。よく無事でしたね」
「運が良かったんです。森から光が見えたので、それを辿って来ました。
もしかしたら、この村なら助けを求められるかもしれないって……」
「光?」
「青い光でした。霧の中の道標みたいな……」
リオネルは内心で察した。おそらく、精霊リステアの加護が導いたのだ。
「私はリオネル。この村で錬金術師をしています。あなたは?」
「エルネ」と女性は名乗った。
「東の街マーレンから来ました。薬師をしていましたが……町が、襲われたんです」
「襲われた?」
「黒い霧が街を覆って、人も動物も次々と倒れて……気づけば、誰も動かなくなっていました。
私は必死に逃げて……気づいたら、森の中で……」
語る途中で、エルネの肩が震えた。
ピルカが静かに近づき、彼女の膝に頭を乗せる。
その温かさに、彼女はほっと息をこぼした。
「……あの霧の中で、何か見えましたか?」
リオネルの問いに、彼女はうつむいたまま答えた。
「ええ。……人の形をした影。でも、目が赤く光っていた。声をかけたら、笑い声が返ってきたんです。
それで、全部が真っ黒になって……」
リオネルの胸に冷たい感覚が走る。
瘴気の核が動き始めている――。
カイルの言っていた“黒い泥”と同一の存在。しかも北東の街まで影響を及ぼしている。
「ここまで逃げてきたあなたは強運です。雨が止んだらギルドに知らせを出します」
エルネはうなずき、目を閉じた。疲労と安堵が混じり合った顔だった。
リオネルは薬草の軟膏を取り出し、彼女の手足の擦り傷に塗った。
草の香りとともに、肌の痛みがすぐに和らいでいく。
「不思議……体が軽くなる」
「それは回復薬の原型です。この村オリジナルですよ」
「あなたの噂は、街でも聞きました。“癒しの錬金師”だって」
リオネルは苦笑を浮かべた。
「そんな大層なものではありません。ただ、人を助けるのが好きなだけです」
彼女も微笑み、やがて眠りに落ちた。
リオネルは静かに毛布を肩に掛け、炉の火を弱める。
深夜、再び風が吹いた。
外の雨音の合間に、何かが軒先を歩く音――細い爪が木を引っかくような音がした。
ルナが低く唸り、ピルカが牙を見せる。
リオネルはそっと扉に近づき、耳を澄ませた。
外は真っ暗だが、何かが確実にそこにいた。
霧は出ていない。それなのに、冷ややかな空気が肌を撫でていく。
「……誰だ?」
返答はない。代わりに、床下の方で何かが擦れる音。
リオネルは杖を構え、魔法陣を展開した。
青い光が瞬き、室内を照らす。
その瞬間、扉の下の隙間から、黒い煙のようなものが入り込んできた。
「瘴気……!」
煙はうねりながら部屋の中央へと集まり、やがて人の形を取り始める。
影の中に、かすかに紅い光が灯る。エルネの言っていた“目”と同じ色――。
ルナが吠え、ピルカが体当たりで影に突っ込む。
だが、煙は霧のように形を分けて避け、背後に回り込んだ。
「ここは通さない!」
リオネルは杖を振るい、机の上の薬瓶を掴んだ。
瓶を投げ、衝突と同時に粉末が爆ぜる。
薬草の香りが広がり、煙が一瞬たじろぐ。
「浄化剤……効くな」
杖の先端に光を集中させ、詠唱を結ぶ。
「大地の脈よ、風の流れよ――穢れを閉ざせ!」
光の環が床を走り、影を包み込む。
苦鳴のような音を立て、赤い光が弾けた。
次の瞬間、煙は跡形もなく消えた。
残ったのは、湿った焦げ臭さと、静寂だけ。
ルナとピルカが慎重に辺りを嗅ぎ回り、そしてリオネルの足元へ戻った。
「……よし、大丈夫だ」
彼は額の汗を拭いながら、エルネの寝顔を確認した。
何事も知らず、彼女は安らかに眠っている。
外ではまだ雨が続いていたが、その音がかえって村の静けさを守っているようだった。
夜明け前、雨はようやく止んだ。
リオネルは外に出て、工房の前に残った痕跡を見つめる。
土の上に、黒い染みのような跡が一つだけ残されていた。
その縁に、古い文字が刻まれているように見えた。
「……これは封印の一部? いや、誰かが“導いた”形跡だ」
指で触れると、焼けたように熱かった。
風が木々を揺らす。遠くで精霊の鈴音が鳴る。
リオネルは振り向き、村の方を見やった。
何かが、少しずつこの村へと歩み寄っている――そんな気がした。
彼は深呼吸をし、静かに呟いた。
「嵐の後に、波が来る。ならば、迎える準備をしておこう」
朝日が差し始め、工房の屋根を金色に照らした。
その光を背に、リオネルは再び机に向かい、新たな魔除けの設計を描き始めた。
「守るためには、癒すだけじゃ足りない」
風が頬を撫で、ルナが軽く尻尾を振った。
雨の夜の痕跡は消えたが、嵐の影は確かに、その夜を境に村の周囲に潜みはじめていた。
屋根を叩く音が途切れず続き、風が村全体を震わせている。
空は低く、雷の光が遠くの山の稜線を照らしては、すぐ闇に沈んだ。
リオネルは工房の机に広げた図面を見つめていた。
描かれているのは、村の灌漑路と魔導柵の新しい配置図だ。
雨量が増えれば井戸の魔力循環にも影響が出る。
勢いを抑えながらも自然の流れを守る仕組みを調整しようとしていた。
ルナとピルカは炉の前で丸くなり、火の揺らめきに合わせて小さく寝息を立てている。
窓の外は暗く、近くの木が風で軋む音がした。
「……すっかり嵐だな。明日は畑の見回りも大変だ」
そう呟いた瞬間、戸口の外で何かが叩かれる音がした。
トン、トン――トン。
不規則な三度の音。
風のせいではない。確かに誰かが戸を叩いていた。
リオネルが椅子を引いて立ち上がると、ピルカが首をもたげて唸り、ルナが耳を立てた。
慎重に扉へ近づき、取っ手に手をかけた。
「……こんな夜更けに来客か。だが悪意の気配は感じない」
扉を開けると、そこに立っていたのは、旅装束に身を包んだ若い女性だった。
フードの下から覗く髪は夜の雨に濡れ、肩から小さな革の袋を下げている。
全身に泥がつき、疲労の色が濃かった。
「……すみません。この村に、錬金術師がいると聞いて……」
掠れた声。彼女の頬には薄い傷があり、唇は震えていた。
リオネルはすぐに彼女を中へ招き入れ、上着を差し出した。
「こんな天候の中よく来られましたね。まず暖まりなさい」
炉の前に座らせ、湯を沸かす。香草の茶葉を入れると、室内に柔らかな匂いが広がった。
女性は震える手でカップを受け取り、少しずつ口にした。
「……助かります。突然押しかけてすみません。道を外れて……」
リオネルは頷きつつ、濡れた荷袋を布で拭いた。
「このあたりは霧も出やすい。よく無事でしたね」
「運が良かったんです。森から光が見えたので、それを辿って来ました。
もしかしたら、この村なら助けを求められるかもしれないって……」
「光?」
「青い光でした。霧の中の道標みたいな……」
リオネルは内心で察した。おそらく、精霊リステアの加護が導いたのだ。
「私はリオネル。この村で錬金術師をしています。あなたは?」
「エルネ」と女性は名乗った。
「東の街マーレンから来ました。薬師をしていましたが……町が、襲われたんです」
「襲われた?」
「黒い霧が街を覆って、人も動物も次々と倒れて……気づけば、誰も動かなくなっていました。
私は必死に逃げて……気づいたら、森の中で……」
語る途中で、エルネの肩が震えた。
ピルカが静かに近づき、彼女の膝に頭を乗せる。
その温かさに、彼女はほっと息をこぼした。
「……あの霧の中で、何か見えましたか?」
リオネルの問いに、彼女はうつむいたまま答えた。
「ええ。……人の形をした影。でも、目が赤く光っていた。声をかけたら、笑い声が返ってきたんです。
それで、全部が真っ黒になって……」
リオネルの胸に冷たい感覚が走る。
瘴気の核が動き始めている――。
カイルの言っていた“黒い泥”と同一の存在。しかも北東の街まで影響を及ぼしている。
「ここまで逃げてきたあなたは強運です。雨が止んだらギルドに知らせを出します」
エルネはうなずき、目を閉じた。疲労と安堵が混じり合った顔だった。
リオネルは薬草の軟膏を取り出し、彼女の手足の擦り傷に塗った。
草の香りとともに、肌の痛みがすぐに和らいでいく。
「不思議……体が軽くなる」
「それは回復薬の原型です。この村オリジナルですよ」
「あなたの噂は、街でも聞きました。“癒しの錬金師”だって」
リオネルは苦笑を浮かべた。
「そんな大層なものではありません。ただ、人を助けるのが好きなだけです」
彼女も微笑み、やがて眠りに落ちた。
リオネルは静かに毛布を肩に掛け、炉の火を弱める。
深夜、再び風が吹いた。
外の雨音の合間に、何かが軒先を歩く音――細い爪が木を引っかくような音がした。
ルナが低く唸り、ピルカが牙を見せる。
リオネルはそっと扉に近づき、耳を澄ませた。
外は真っ暗だが、何かが確実にそこにいた。
霧は出ていない。それなのに、冷ややかな空気が肌を撫でていく。
「……誰だ?」
返答はない。代わりに、床下の方で何かが擦れる音。
リオネルは杖を構え、魔法陣を展開した。
青い光が瞬き、室内を照らす。
その瞬間、扉の下の隙間から、黒い煙のようなものが入り込んできた。
「瘴気……!」
煙はうねりながら部屋の中央へと集まり、やがて人の形を取り始める。
影の中に、かすかに紅い光が灯る。エルネの言っていた“目”と同じ色――。
ルナが吠え、ピルカが体当たりで影に突っ込む。
だが、煙は霧のように形を分けて避け、背後に回り込んだ。
「ここは通さない!」
リオネルは杖を振るい、机の上の薬瓶を掴んだ。
瓶を投げ、衝突と同時に粉末が爆ぜる。
薬草の香りが広がり、煙が一瞬たじろぐ。
「浄化剤……効くな」
杖の先端に光を集中させ、詠唱を結ぶ。
「大地の脈よ、風の流れよ――穢れを閉ざせ!」
光の環が床を走り、影を包み込む。
苦鳴のような音を立て、赤い光が弾けた。
次の瞬間、煙は跡形もなく消えた。
残ったのは、湿った焦げ臭さと、静寂だけ。
ルナとピルカが慎重に辺りを嗅ぎ回り、そしてリオネルの足元へ戻った。
「……よし、大丈夫だ」
彼は額の汗を拭いながら、エルネの寝顔を確認した。
何事も知らず、彼女は安らかに眠っている。
外ではまだ雨が続いていたが、その音がかえって村の静けさを守っているようだった。
夜明け前、雨はようやく止んだ。
リオネルは外に出て、工房の前に残った痕跡を見つめる。
土の上に、黒い染みのような跡が一つだけ残されていた。
その縁に、古い文字が刻まれているように見えた。
「……これは封印の一部? いや、誰かが“導いた”形跡だ」
指で触れると、焼けたように熱かった。
風が木々を揺らす。遠くで精霊の鈴音が鳴る。
リオネルは振り向き、村の方を見やった。
何かが、少しずつこの村へと歩み寄っている――そんな気がした。
彼は深呼吸をし、静かに呟いた。
「嵐の後に、波が来る。ならば、迎える準備をしておこう」
朝日が差し始め、工房の屋根を金色に照らした。
その光を背に、リオネルは再び机に向かい、新たな魔除けの設計を描き始めた。
「守るためには、癒すだけじゃ足りない」
風が頬を撫で、ルナが軽く尻尾を振った。
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