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最終話 俺がお前を嫁にもらってやるよ。※
あれから数日が経ち、休日の朝になった。
今日は雨上がりで、キラキラ空は青空だ。
修練場で鍛錬を済ませ、ヴィンセントと私は――こっそり茂みの中で身体を絡ませ合っていた。
「はあ、ジェニー、もう鍛錬中もお前から目が離せなかった」
「鍛錬中は、ちゃんとして……んんっ……」
唇を塞がれてしまう。
彼の地厚い舌で、口中を犯される。
互いの秘めたる場所同士は繋がり合っていた。
壁に背を預けているので、少しだけ背中がひんやり硬い。
「身体を動かした後だが、お前の中で動きてぇ……」
彼の発言にさっと朱が差す。
「仕事中は仕事のパートナーとして、私生活では交際相手として、場を弁えつつ過ごさなきゃ。でも、もう今さらだし……」
頬を赤らめながら返答した。
「休日だから良いわよ」
「くっ、今のは可愛すぎだ。反則だろ……」
お腹を圧迫してきていた熱棒がますます膨張してきた。
ヴィンセントも顔が真っ赤だ。
「動くぞ……」
彼が腰を揺り動かしはじめる。
巨大な器官が、ゆっくりと内壁を擦りだした。
「ふあっ、あっ、ああっ、あんっ……」
「ああ、ジェニー、いつもお前の中は最高だな……」
肉壁を擦られる。
ぐちゅぐちゅと激しい水音が立つ。
「あっ、ヴィンセント、そんなにしちゃっ……他の人に聞かれないか……あっ……心配で……」
「もう今さらだろう。……異動の件は、団長なりの発破の掛け方だったし……俺たちが交際中なのは、騎士団中の噂だろうが……」
「貴方、会話しながら、よく……そんなに動ける……わね……あっ……」
「ジェニー、お前も大概な」
ちなみに、「一番結婚から遠い女騎士」と言われていたのは……ヴィンセントが絶対に他の男を近づけないからだったことが判明している。
「あっ、はっ、あっ、あっ、あ……」
どんどん揺さぶりが激しくなっていく。
あまりの激しさに、彼の背に必死にしがみついた。
中を何度も棒で刺激されて、頭の中がチカチカしはじめる。
「出すぞ……――」
「ええ……ああっ……――!」
私がイクのと同時に、お腹の中に精がばらまかれるのが分かった。
いつ受けても、ものすごく熱くてとにかく多い。
彼の根がびくびくと中で蠢き、それでも快感が走る。
大きな栓をされているはずなのに、結合部からじわじわ、愛し合った跡が溢れてくるのが分かる。
「ああ、ジェニー、本当に最高だ。長年の夢が叶って、本当に俺はラッキーだよ」
「初めて以来、まだ何度目かなのに、こんなに気持ちが良くて良いのかしら?」
「まあ、俺が上手いんだって」
「比較対象がいないから分からないけど、そうかもしれないわね」
あんまり褒めると調子に乗るから、これ以上は言わないでおこう。
そうして――。
二人して、そしらぬ顔をして衣服を整える。
「なあ、ジェニー? 交際してくれるようになったのは嬉しいんだが、婚約はまださせてくれねぇのかよ?」
「婚約とかは、実際に付き合ってみないと分からないから」
冷たくあしらうと、ヴィンセントはがっかりしていた。
そんな相手の様子を見て、私はクスクスと笑う。
「ごめんなさい、貴方、百面相で面白くって」
「ひでぇな……」
そう言いながらも、彼は嬉しそうにしていた。
「ふふ、ねえ、ヴィンセント、話があるんだけど、良い?」
「改まって、なんだよ?」
私はヴィンセントに向かって告げる。
「ねえ、厳しいこと言うけど、貴方じゃあ結婚なんて出来ないわ」
その台詞を聞いて、彼が一瞬だけ目を見開いた。
ふっと微笑み返される。
「まあ、俺の相手が務まる女はなかなかいねえからな」
「現実を見てない証拠よ」
「まあ、確かに視野は狭かったな」
「だから、ねえ――」
ヴィンセントの顔をまっすぐに見つめた。
「同期騎士の私が貴方を婿にもらってあげるわ」
彼が再び、私のことを抱きしめてくる。
「ジェニー、お前のことだけをずっと愛している」
すると、準備していたのだろうか。
キラキラ輝く指輪を薬指にそっと嵌められた。
「……ありがとう、ヴィンセント」
雨上がりだ。
朝陽がキラキラと輝いて、私たちの姿を照らす。
わりと一人で黙々と飲むのが好きな方だったけど――。
こんな幸せな結末を迎えることが出来るなら、たまの飲み会も悪くないなと思う。
幸せな余韻に浸っていた、その時――。
ひょいっと茂みにかかっていた蜘蛛の巣から、ひょこっと蜘蛛が顔を出してきた。
(あ、ヴィンセントの代わりにとってあげなきゃ)
そう思って、私たちの間に出没した蜘蛛に手をかけようとしたのだが――。
「ああ、くそっ、この良い雰囲気の時に蜘蛛とか出てきやがって、邪魔すんなよ」
ヴィンセントがぱっと掴んで、ひょいっと近くの茂みに放り投げたのだ。
(ん?)
あれ?
この人、蜘蛛が苦手じゃなかったか?
思わず、抱きしめてくるヴィンセントを見上げた。
彼が「しまった」という顔をした。
じっと見つめる。
「え? あ? いや……その……」
ヴィンセントがタジタジになっている。
「だってぇ、実は蜘蛛は克服してるんんですよぉ、ねえ、ヴィンセント先輩♡」
現れたのはアンネだ。
「アンネ! ばらんすんじゃねえよ!」
どんどんヴィンセントに対しての疑いが強くなっていく。
ふと、アンネの格好が気になった。
「あら? 男性みたいな格好をしているわね?」
「はい♡ ヴィンセント先輩とジェニー先輩、うまく行かないかなって思ってたのに、付き合い出しちゃったんで、アンネも本気出さないとかなって……♡」
――本気?
なんだかやけにアンネが私をウルウル見てくる気がするのは、なんだろうか?
「ジェニーは昔から鈍いからな……」
その時、ウサギの被り物をつけた団長まで、ひょっこり現れた。
「なんかね『このままじゃダメだ。金やるから、俺の言うことを聞け』って、唐突に財力を見せて来たよね、ヴィンセントはさ。ねえ、『それ国民の税金じゃないよね?』って思わず聞いちゃったよ。団の金だったけどさ」
「ちょっ! てめらに守秘義務とかねぇのかよ!」
私はヴィンセントを白い目で見る。
「ちゃんと説明してくれるわよね?」
彼はたじろぐ。
「痺れを切らして……お前を騙すように騎士団総出で根回ししてたとか、そんなわけじゃなくてだな……!」
すると――。
「きゃっ……!」
ガバリと、彼が私を横抱きしてきた。
「ジェニー、愛してるぜ! ほら、皆で飲みに行くぞ! 俺の奢りだ!」
「ちょっと誤魔化しは禁止よ!」
わいわいがやがやしながら飲みに向かう。
後日、騎士団総出で、結婚式当日にものすごい勢いで謝罪してきて――。
いまだかつてない、『同期騎士にとっ捕まった、静かに怒る新婦』として私が名を馳せてしまうが、それはまた後の話である。
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