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番外編 オルトロスside
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しおりを挟むそれから――
少々ベクトルがおかしな方向には向かったが、オルトロスはラビアンヌに釣り合いがとれるような人物に成長しようと必死だった。
ラビアンヌと話すきっかけ欲しさに勉強を頑張ったら、気付いたら同着一位になっていた。
高等部に入って身長はみるみる内に伸びていって、身体も鍛えていたらいつの間にか男らしく育っていて、気付いたら学院一強い生徒になっていた。
元々見た目も綺麗だったから、女生徒たちが勝手に侍ってくるようになった。
『オルトロスは他の男子たちよりも大人っぽくて素敵』
色々と誘いも多かったが、もちろん全部スルーだ。
(結局見た目の派手さにしか興味がない女たちだ)
身長が小さくても可愛いらしい顔立ちでも子どもっぽくても、オルトロスのことを好きだったのはラビアンヌだけだった。
気づいたら、高等部三年。
(卒業前、年末が顔を合わせる最後だ)
あとはもう卒業式まで顔を合わせることはない。
年末、ラビアンヌがここに来るという話を他の生徒たちから入手していた。
二人きりになれるように色々策は弄してある。
そうして、体育館裏で張っておいて、ラビアンヌを捕まえた。
「オルトロス、ちょっと、邪魔しないでよ」
すっかり綺麗になってツンツンよそよそしくなったラビアンヌを前に、オルトロスは怯みかけた。
一瞬で自信を失って、中学時代に意識が戻りかけたが……
――今日が最後のチャンスだ。
ここを逃すな。
なんとしてでも手に入れろ。
どうにかして気を引いてみせる。
中等部の頃。
彼女の誘い文句を思い出す。
『ねえ、オルトロス君、じゃんけんしない?』
今はもう彼女が自分のことなんか好きじゃないとは分かっているけれど……
どうか少しだけで良いから、自分が彼女に爪痕を残して……
どうか――振り向いてもらえるように……
「卒業前、俺とお前で最後の勝負をしようじゃないか?」
オルトロスは自分自身の力で願いを叶えるため、最愛の女性から逃げずに戦うことを決意したのだった。
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Rinshiさん、お返事が遅くなってしまってごめんなさい!
じゃんけんしてたら思いつきました(笑)
オルトロスは結果に何かしてそうですね……番外編まで含めると、優秀なラビアンヌを出し抜けるぐらい強くなったんだなとしみじみ……
ご感想嬉しかったです、ありがとうございます(^^)