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第5章 兄弟からのプロポーズ
24-4
しおりを挟む『ちゃんと面倒を見てやるって話してただろう?』
――面倒を見る。
そう、恭司は面倒を見るとしか言ってこなかった。
(なんだろう、勝手に恋人だとかになれるのかなって浮かれてしまってた。分不相応な考えだったな。恭司さん、お金持ちだし、愛人を別宅で囲うとか、そんなつもりだったのかな……?)
もしくは……。
(マンションの見学とか、縁談相手との予行演習だったなのかな?)
考えれば考える程、悪い方向にしか物事を考えられなくなってくる。
その時。
ピコン♪
SMSメール通知が鳴った。
送信先は――。
(恭司さん……!)
なんて書いてあるだろうか?
先ほどの女性の姿が脳裏をチラつく。
震える指先でメールをタップする。
ドキドキしながら開封すると……。
『お前に似た猫の菓子が売ってあったから買った。夜に渡す』
画面をスクロールしたのだが……。
(これだけ……?)
何回かタップしたが、それだけのようだった。
(……他の女性と会っているなら、こういうメールは送ってこない?)
ひとまず今晩は会えるようだ。
美桜は自分自身を奮い立たせる。
(噂に惑わされちゃダメ。恭司さん、縁談は全部断っているって言ってたもん)
本人に直接話を聞いたわけではないのだから、先程の縁談話だって信じるべきではないだろう。
(そうよ、噂を鵜呑みにしちゃダメ。恭司さん本人からちゃんとお話を聞かなきゃ)
自分だって噂で嫌な目に遭った経験があるのだ。
こういう時こそ冷静に、ちゃんと本人の言い分や周囲の反応などを情報収集すべきなのだ。
総合して判断しないと――絶対に良くない結果になる。
夜まで仕事に集中しよう。
ミオが心の中で決意した、その時。
~♪~♪
「電話?」
今度は美桜のスマホが鳴り響きはじめた。
こんな時に誰かと話したくなかったが……。
(誰? もしかして恭司さんかも?)
期待に胸を弾ませつつ、着信を見れば……。
「お父さん……?」
父からの電話だった。
この数か月は着信拒否していたのだが、数日前から解除していたのだ。
ちょうど恭司から過去の話を聞かされた後、「あんたのとこ、電話連絡できる親がいるなら、話し合う余地はまだあるかもな」と言われたのがきっかけで解除したのだ。
年末年始だって帰るつもりがなかったのだが、恭司にそんな風に言われていたので、少しだけ帰省しようかどうかも迷っていたのだ。
(解除してすぐ、こんなに早くかかってくるなんて……)
出ようか出るまいか迷ったが、なかなか通知が消えてくれない。
ここで出なくても、また何度もかかってくるかもしれない。
母親が急病だったりしても困る。
勇気を出して、美桜は電話をとることに決めた。
「はい、美桜です」
声が人知れず震えた。
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