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しおりを挟むある夜、陛下と一緒に過ごしている時、彼から問いかけられた。
「麗華、ねえ、僕に何か隠しごとをしてはいないだろうか?」
「え……?」
黄金の瞳に真っすぐに見つめられてしまい、私は思わず視線を逸らしながら、きゅっと胸元を掴んだ。
「それは……」
相手の瞳の前では、全てを見透かされたような気がしてしまう。
妃嬪達からの嫌がらせの数々を陛下に告げれば、もしかしたら止むかもしれない。だけれど、密告された彼女たちの行く末はどうなるのだろうか?
下手をしたら、陛下の寵姫を貶めた罪で死刑だってあり得るのだ。
けれども、彼女達だって生家の繁栄のために、陛下の寵を受けようと必死になり過ぎて、周りが見えなくなっているのかもしれない。
そんな女性達を貶めるような真似はしたくはなかった。
それに――何よりも――。
自分が、他の女性達に虐められるような劣った存在だと、陛下に知られるのも怖かったのだ。
(どうにかして隠さなきゃ)
手をぎゅっと握りしめながら考えあぐねていると――。
「貴女が妃達から虐められていること、私に報告が上がっている」
「あ……」
――陛下に知られてしまった。
不安に駆られ、指先が震えはじめる。
(彼の前では、兵法を嗜む知性ある女性に映ることが出来ていたかもしれないのに……)
自分が価値のない存在だと、陛下に気付かれてしまったかもしれない。
多くの女性に虐められるような、ちっぽけな女なんて、もう相手にしない。
そんな風に陛下に思われたらと思うと、怖くて仕方がない。
「陛下……」
喉がカラカラに乾く中、必死に声を振り絞ろうとした、その時――。
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