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しおりを挟む予言通り、再会した初恋の人の屋敷に閉じ込められ――ひとしきり愛を注がれ続けたまま、数日が経った。
そうして、驚くべき事実を告げられる。
「まさか! 初恋の王子様――貴方がクラウディオ第三王子!?」
クラウディオ第三王子と言えば、めちゃめちゃ綺麗な王子な上に、国で数人の希少な魔術師の一人だ。
しばらく前に海外から帰ってきたはず。
元々騎士としての才能もあったが、聖騎士は面倒だからなりたくないと、魔術師の立場を選んだ御人である。
「うん。僕のことなんて忘れてしまったんだと思って、酒場で再会した後は、酷い目に合わせてごめん……僕は君のことを片時も忘れたことはなかったよ。王家の皆を説得するのに時間がかかってごめんね。ねえ、サンディ、昔の約束覚えている?」
「ふえぁっ……!? もちろん、迎えに来るからって――」
「そう。君を僕のお嫁さんにしたいんだ――サンディ」
「嬉しいです! だけど、さすがに――貴方様は王族で、身分が違い過ぎます……!」
さすがに没落令嬢だと釣り合いがとれない。
「僕の兄さんも、君の先輩の護衛騎士と結婚する予定だよ? 僕だって、好きな女性と結婚して良いに決まっている。やはり嫌かな、サンディ? ああ、そもそも子どもがもう出来てそうだし」
「ひゃあっ、子どもっ……い、嫌ではないですけど……本当に私で良いんですか?」
初恋の王子改め、第三王子クラウディオは嬉しそうに微笑んだ。
「もちろん、君が良いんだ」
そうして、彼は告げてくる。
「本当は君の髪の毛一本たりとも、他の男に渡す気は元々なかった。他の誰にも声すら聴かせたくなくて、急ごしらえの牢屋に放り込んでしまって、再会した日は本当にごめんね……。あの日の君だと気づいて以来、君におかしな男が寄ってこないように――海外から帰ってきた後、色々裏でやっていて本当に良かったよ……さあ、今から初夜のやり直しだ」
「まだ初夜じゃなかったんですか!? 裏でってなんですか!?」
だが、話をそらされた。
「ちなみに、君にかけた魔法はね……僕以外だと快感が起こらないようにする類のものでもある。君が離れたかったとしても、もう二度と離れられない。僕自体も君を離すつもりはない。覚悟してね、サンディ」
「は、はいっ……」
そうして、私は妊娠が発覚するまでは騎士を続けつつ、第三王子の奥様になることになった。
クラウディオ様はすごく優しいし、私は至れり尽くせりだ。
今となっては、失恋して本当に良かった。
ただ――私と気さくに話していた騎士達が、やたらと私に怯えるようになったし……。
後日、遊び人レインの拷問担当がクラウディオ様だとも聞いてしまった。男性として再起不能になるまで追い詰めたとか、怖い噂が聞こえてきた……。
(私には優しいクラウディオ様だけど……もしかしてヤバイ人に捕まった?)
やっぱり――顔が良い男性には裏があるから危険だなと確信したのは言うまでもない。
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